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国中総てに虐げられてた私は未来の皇后?
優しさ(レイファ)
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レオンさんが、ゆっくりシリスさんを進め、徐々に御屋敷に近づいていく。
「何これ? 御屋敷じゃないよね……これってお城……」
「そうだな。屋敷と言うより、小さいが城と呼んだ方が正解だろうな。此処は、サーフウィカ王国離宮だ。主人は、母の皇后フレアだ」
「えっ離宮? 皇后様? 母! わ、わ、わ、わたし帰りまふ」
「帰りまふ? 面白いな君は、大丈夫だ。皇后と言っても余生を過ごす普通の夫人だから。さあ、着いたぞ」
レオン様? が、シリスさんから降ろしてくれて地上に足が着き私はひと安心です。今日は今までに無い経験ばかりしてます。
「やっぱり大きいですね。離宮ですか……サーフウィカ王国は……確か、間に三つの国があったような」
「まあ、入りなさい。君の事もゆっくり中で聞かせて貰おうか」
レオン様は、巨大な綺麗な細工を施された扉を開け中に入って行った。私もキョロキョロ周りを見ながら付いて行ってるけど、此処凄いわ。
とにかく空間が広がっています。横に鎮座してる物達も佇んでいるだけなのに何故か迫力があります……絶対高価な物ですよね。
離宮の中をつまづかないように長い髪をくるくる巻き、肩に担ぐ私を軽く横目で見ながら、レオン様が笑われました。
髪が長過ぎて私は、邪魔で邪魔でしかたないのです。何故こんなに長くなったのか。
「ククッ君は……レイファは楽しいな。他の人間とは違う感じがする。レイファ此処で少し待っていてくれ。先に母の様子を見てくる」
目の前の薔薇の細工が繊細に施された扉をレオン様が軽くノックした。すると中から綺麗な声が聞こえました。
「入りなさい」
「失礼します」
扉を開けると、中から光が差し込んで来た。それに、とても優しく良い香りが私を包んでいくの、自然の香り……とても心地良いわ。
レオン様は私を振り返り、目で待ってろと言い、中に入って行った。
一人になり、私は何故此処にいるのかと、今迄の色々な事が頭の中に浮かんできたの。遥か遠くまで飛ばされた様子みたいだけど、あの国から出られただろう事だけは良かったと思うわ。
これからの事はどうにかなりそうな気がする。不思議な水を飲んでから心の中が変に落ち着いてるの。
今までは全てが悪い方にしか考えられなかったのに、悪い事ばかりだったし。今は、何故か少しだけ前向きに考えられる様になったの。
扉がそっと開き、レオン様に手招きされたので、レオン様が開けてくれている扉の中に入ると、そこには……
入って直ぐ目の前に大きなテラスがあり、扉が開け放たれていた。
外には薔薇が咲き誇り、辺り一面綺麗な薔薇のグラデーションが……薔薇達が喜んでいるのか良い香りを風が運んでくれる。
私は自然に深く深く深呼吸して、薔薇の香りを身体いっぱい吸い込んだ。
「おい……おーい、レイファ聞こえてるか」
「えっあっ! ご、ごめんなさい! 薔薇に見惚れてしまって」
「あら、まあまあまあ! ありがとう。嬉しいわね、こんな可愛らしい妖精さんに遊びに来ていただけるなんて」
「母上、この娘はレイファと言います。先程私が部屋から外を眺めて居た時、突然路の真ん中に現れたのです」
「あら? そうなの不思議な事ねえ~ レイファちゃんいらっしゃい」
私は皇后様に、視線を向けました。凄い、神々しいまでの美しさです。
スラリとした素晴らしいスタイルで、ピンクゴールドの光輝く髪を綺麗にアップしてゴールドの瞳は私と同じ筈なのに、とても高貴な瞳。
私は言われた通りにふらふらと近寄った。すると皇后様が私の手を両手で握ってくれました。
「皇后様……」
「フレアよ。そう呼んでくださらない。此処までレオンに連れて来られたのでしょう。なら良い娘なのでしょうし、わたくしもレイファちゃんと色々お話ししたいわ」
私は今まで生きて来て、こんなに優しい言葉をかけられた事が無くて、フレア様の暖かい手を握りながら泣き崩れました。
「何これ? 御屋敷じゃないよね……これってお城……」
「そうだな。屋敷と言うより、小さいが城と呼んだ方が正解だろうな。此処は、サーフウィカ王国離宮だ。主人は、母の皇后フレアだ」
「えっ離宮? 皇后様? 母! わ、わ、わ、わたし帰りまふ」
「帰りまふ? 面白いな君は、大丈夫だ。皇后と言っても余生を過ごす普通の夫人だから。さあ、着いたぞ」
レオン様? が、シリスさんから降ろしてくれて地上に足が着き私はひと安心です。今日は今までに無い経験ばかりしてます。
「やっぱり大きいですね。離宮ですか……サーフウィカ王国は……確か、間に三つの国があったような」
「まあ、入りなさい。君の事もゆっくり中で聞かせて貰おうか」
レオン様は、巨大な綺麗な細工を施された扉を開け中に入って行った。私もキョロキョロ周りを見ながら付いて行ってるけど、此処凄いわ。
とにかく空間が広がっています。横に鎮座してる物達も佇んでいるだけなのに何故か迫力があります……絶対高価な物ですよね。
離宮の中をつまづかないように長い髪をくるくる巻き、肩に担ぐ私を軽く横目で見ながら、レオン様が笑われました。
髪が長過ぎて私は、邪魔で邪魔でしかたないのです。何故こんなに長くなったのか。
「ククッ君は……レイファは楽しいな。他の人間とは違う感じがする。レイファ此処で少し待っていてくれ。先に母の様子を見てくる」
目の前の薔薇の細工が繊細に施された扉をレオン様が軽くノックした。すると中から綺麗な声が聞こえました。
「入りなさい」
「失礼します」
扉を開けると、中から光が差し込んで来た。それに、とても優しく良い香りが私を包んでいくの、自然の香り……とても心地良いわ。
レオン様は私を振り返り、目で待ってろと言い、中に入って行った。
一人になり、私は何故此処にいるのかと、今迄の色々な事が頭の中に浮かんできたの。遥か遠くまで飛ばされた様子みたいだけど、あの国から出られただろう事だけは良かったと思うわ。
これからの事はどうにかなりそうな気がする。不思議な水を飲んでから心の中が変に落ち着いてるの。
今までは全てが悪い方にしか考えられなかったのに、悪い事ばかりだったし。今は、何故か少しだけ前向きに考えられる様になったの。
扉がそっと開き、レオン様に手招きされたので、レオン様が開けてくれている扉の中に入ると、そこには……
入って直ぐ目の前に大きなテラスがあり、扉が開け放たれていた。
外には薔薇が咲き誇り、辺り一面綺麗な薔薇のグラデーションが……薔薇達が喜んでいるのか良い香りを風が運んでくれる。
私は自然に深く深く深呼吸して、薔薇の香りを身体いっぱい吸い込んだ。
「おい……おーい、レイファ聞こえてるか」
「えっあっ! ご、ごめんなさい! 薔薇に見惚れてしまって」
「あら、まあまあまあ! ありがとう。嬉しいわね、こんな可愛らしい妖精さんに遊びに来ていただけるなんて」
「母上、この娘はレイファと言います。先程私が部屋から外を眺めて居た時、突然路の真ん中に現れたのです」
「あら? そうなの不思議な事ねえ~ レイファちゃんいらっしゃい」
私は皇后様に、視線を向けました。凄い、神々しいまでの美しさです。
スラリとした素晴らしいスタイルで、ピンクゴールドの光輝く髪を綺麗にアップしてゴールドの瞳は私と同じ筈なのに、とても高貴な瞳。
私は言われた通りにふらふらと近寄った。すると皇后様が私の手を両手で握ってくれました。
「皇后様……」
「フレアよ。そう呼んでくださらない。此処までレオンに連れて来られたのでしょう。なら良い娘なのでしょうし、わたくしもレイファちゃんと色々お話ししたいわ」
私は今まで生きて来て、こんなに優しい言葉をかけられた事が無くて、フレア様の暖かい手を握りながら泣き崩れました。
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