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次期皇帝
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王族が集まり。その空間は一気に重苦しい雰囲気に変化した。
陛下は深海の様なブルーの瞳と、落ち着いたグリーンの髪を短めにすっきりと整えた、目鼻立ちのはっきりした優し気な顔立ち。勿論、皇帝陛下という威厳は醸し出されてはいるけれど。落ち着いた優し気な雰囲気を持っているなと、ラティラは感じた。
この方が皇后様を、蔑ろにした方なのか? 悪い様な方には感じなくラティラは、不思議に思った。
その皇帝陛下が一歩前に出ると、皆に緊張感が広がり皇帝陛下の御言葉を待ちます。
「今宵は我が後継を宣言する。皇帝の地位を継承できる者は、此処に有る三名だ。我の後を継ぐ者を決め兼ねておったが、今日この場で宣言する事に相成った。
時期皇帝はヴァントだ。
レオンは外交を任す。数年は他国を周り経験を積み、国の外交的な舵取りをしてもらう。
ミシェルは国が落ち着くまで、来月から隣国の学校に留学だ。
多少の変化は起こる事が有るとは思うが、皆柔軟に対応して欲しいと思う。以上だ」
一瞬の静寂な空間の後、貴族達は沸いた。内心何を思っていようが、次期皇帝が決定したのだ。 喜ばしい事なのだが内心様々な思惑はある事だろう。現に……
発表の後、側妃のミネルヴァが震える手をキツく握りしめ、何事か我慢していた。視線を父親の大臣に向け、お互い目配せしている。
舞踏会は何事も無く進んでいき、次期皇帝に選ばれたヴァント殿下は、女性達から囲まれて抜け出せない様だ。
レオン殿下も女性に囲まれてはいるが、いつも通りそつなくこなしている感じだ。態度や雰囲気に変化は無い。
ミシェル殿下は早々と部屋へ移動されたらしい。
舞踏会の間。皇后様の噂も上がり、療養の為離宮へと向かったとの話が広がっている。
ラティラもラインハルトと楽しく踊り。ラインハルトに紹介された貴族達に、ナチュラルの宣伝をしたり、女性達に囲まれはしたが皆、比較的好意的で運動をした場合どう変化するのか等ラティラに聞いてきた。
「楽しそうだね。ラティラ」
アルベルトが近くに来て、声をかけてきた。
「お兄様。ナチュラルの宣伝いっぱいしましたよ。皆様お店に来て、辺境の品物を気に入って貰えると良いですね」
「そうだね。ラティラがあれだけ嫌がっていた王宮で、楽しそうに笑顔で居てくれる事が私は嬉しいよ」
「お兄様……心配ばかりかけてごめんなさい。今までありがとうございました。なんだか私、上手く言えませんが大丈夫です」
「じゃあ。大丈夫なラティラ、私と踊りませんか?」
「はい! お兄様是非」
二人は、手を取り合い楽しそうに踊り始めました。
「ラティラあれは用意してきたかい?」
「はい、お兄様……使う事になりますか?」
笑顔で軽やかにターンしながらも、唇の動きを読まれない様に、笑顔のままの囁き声だけの会話。
「どうだろうね。何となくそんな兆しが、見えるのだけどね……もう少しって感じだね。ラティラ気を付けるんだよ」
「はいお兄様」
ラインハルトは兄妹の微笑ましいダンスの披露を、グラスを傾けながら見ていた。
陛下は深海の様なブルーの瞳と、落ち着いたグリーンの髪を短めにすっきりと整えた、目鼻立ちのはっきりした優し気な顔立ち。勿論、皇帝陛下という威厳は醸し出されてはいるけれど。落ち着いた優し気な雰囲気を持っているなと、ラティラは感じた。
この方が皇后様を、蔑ろにした方なのか? 悪い様な方には感じなくラティラは、不思議に思った。
その皇帝陛下が一歩前に出ると、皆に緊張感が広がり皇帝陛下の御言葉を待ちます。
「今宵は我が後継を宣言する。皇帝の地位を継承できる者は、此処に有る三名だ。我の後を継ぐ者を決め兼ねておったが、今日この場で宣言する事に相成った。
時期皇帝はヴァントだ。
レオンは外交を任す。数年は他国を周り経験を積み、国の外交的な舵取りをしてもらう。
ミシェルは国が落ち着くまで、来月から隣国の学校に留学だ。
多少の変化は起こる事が有るとは思うが、皆柔軟に対応して欲しいと思う。以上だ」
一瞬の静寂な空間の後、貴族達は沸いた。内心何を思っていようが、次期皇帝が決定したのだ。 喜ばしい事なのだが内心様々な思惑はある事だろう。現に……
発表の後、側妃のミネルヴァが震える手をキツく握りしめ、何事か我慢していた。視線を父親の大臣に向け、お互い目配せしている。
舞踏会は何事も無く進んでいき、次期皇帝に選ばれたヴァント殿下は、女性達から囲まれて抜け出せない様だ。
レオン殿下も女性に囲まれてはいるが、いつも通りそつなくこなしている感じだ。態度や雰囲気に変化は無い。
ミシェル殿下は早々と部屋へ移動されたらしい。
舞踏会の間。皇后様の噂も上がり、療養の為離宮へと向かったとの話が広がっている。
ラティラもラインハルトと楽しく踊り。ラインハルトに紹介された貴族達に、ナチュラルの宣伝をしたり、女性達に囲まれはしたが皆、比較的好意的で運動をした場合どう変化するのか等ラティラに聞いてきた。
「楽しそうだね。ラティラ」
アルベルトが近くに来て、声をかけてきた。
「お兄様。ナチュラルの宣伝いっぱいしましたよ。皆様お店に来て、辺境の品物を気に入って貰えると良いですね」
「そうだね。ラティラがあれだけ嫌がっていた王宮で、楽しそうに笑顔で居てくれる事が私は嬉しいよ」
「お兄様……心配ばかりかけてごめんなさい。今までありがとうございました。なんだか私、上手く言えませんが大丈夫です」
「じゃあ。大丈夫なラティラ、私と踊りませんか?」
「はい! お兄様是非」
二人は、手を取り合い楽しそうに踊り始めました。
「ラティラあれは用意してきたかい?」
「はい、お兄様……使う事になりますか?」
笑顔で軽やかにターンしながらも、唇の動きを読まれない様に、笑顔のままの囁き声だけの会話。
「どうだろうね。何となくそんな兆しが、見えるのだけどね……もう少しって感じだね。ラティラ気を付けるんだよ」
「はいお兄様」
ラインハルトは兄妹の微笑ましいダンスの披露を、グラスを傾けながら見ていた。
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