上 下
23 / 62

準備

しおりを挟む
朝からいつもの日課をこなし、ラティラはその後お風呂でメイド数名に隅々まで磨かれていました。 その横でルラックは楽しそうに水遊び。
     
 その後はそのまま寝かされて、身体中に色々液体をつけられ揉み込まれ、気持ちは粉々に砕け散りそうなラティラ。
     
 いつもは優しいメイドも、今日は何故か変な気迫があり、鬼気迫る勢いに逆らえないラティラです。ルラックは気持ちよさそうに、メイドの1人に綺麗に毛並みを櫛で、整えてもらっています。

 一通り終え。ぐったりとベッドで休んでいたら、アルベルトが来て手紙を一通そっと置いて行きました。ラティラは起き上がり、ルラックに手紙を持ってきて貰い、みてみると。 


「皇后様からだわ。何かしら?」


ラティラは手紙を開けてみました。中にはとても良い香りのする品の良い、薔薇の花弁の押し花の手紙が、3枚入っています。
 

「やはりご趣味の良い皇后様ね。何の手紙? 内容を確認するのが怖いけど、読まないといけないわよね。う~怖い」


ラティラは恐々中身を読み進めて行きました。読み終わり手紙を元どおりに入れて、ベッドの横にある机の引き出しの奥に入れました。 


(おじょー何の手紙だったの?)

「皇后様からのお手紙だったんだけど。今朝早く王宮を出て、遠くの離宮に1人出発したって事と、側妃の1人第三王子ミシェル殿下のお母様ミネルヴァ様に、気をつけなさいとのご忠告だったの。  
 
 ミネルヴァ様は金融関係を司る役職の、筆頭大臣の娘なのよ。その妹がラインハルト様に好意的みたいで、何かしら仕掛けてくるかもしれないからと、ご忠告してくださったのよ。
     
 ラインハルト様も長男ではないのだけど、公爵家の四男で地位もあるから、女性達は今回の舞踏会にやる気満々なのよね。嫌だけど今日乗り切れば明日からは、ナチュラルの準備に入って、開店して落ち着いたら私は辺境に帰ってゆっくりするのよ」


ラティラはベッドに又寝転び、ゴロゴロ転がり横を同じ様にルラックもゴロゴロと転がりながら。


(おじょー騎士団長はどうするの? 帰ったら遠いのでしょ? 逢えないよ。いいの?)

「えっそれは……昨夜お兄様にもお部屋に呼び出されて、今の王宮の状態と人間関係をたっぷり聞かされて、
その同じ質問されたのよ。

 そんな事言われても、王都は最近はそこまで嫌いではないけど、やっぱり辺境好きだし……ラインハルト様からも別に何も言われてないから、どうにもできないでしょう」

(おじょーはどう思ってるの? 今日の舞踏会で、女の人いーっぱい寄ってくるかもよ? ルラック付いて行って騎士団長監視してようか?)

「ルラック最近変な言葉ばかり覚えてるよね……誰に教えて貰ってるのよ?」

(メイドさん達や傭兵さん達の噂を、影から聞いてるんだよ。面白いんだ! ルラック色々知ってるよ王宮の噂。おじょー知りたい?)

「要らないし。ルラック噂とか聞いて回るの辞めなさい。そんなだとそろそろ支度するけど、王宮連れて行かないよ」

(ごめんなさい。おじょーの服で静かにしてる。だから連れて行って! ルラック舞踏会行ってみたい)

「はぁー そろそろ本当に準備しないといけないよね。あー 嫌だなぁ行きたくない….」


ラティラは。ゴロゴロ転がるのを辞めて、ベッドから降りてストレッチをはじめました。


(何してるの? おじょー)

「暇だから身体動かしてるの、もうすぐメイドさん達来てドレスや色々始まるから暇つぶしよ」

「失礼します。ラティラお嬢様そろそろお着替えの時間ですが……何をなさっておいでなのですか?」


メイドさん達数名が軽くノックの後入ってきましたが、皆さんの顔がだんだん恐ろしく変化していきます。


「お嬢様、もう一度お風呂に入って頂きその後香油等で仕上げさせて頂きます。お時間無いので急ぎますよ」


「はい。ごめんなさい」
しおりを挟む
感想 36

あなたにおすすめの小説

訳あり冷徹社長はただの優男でした

あさの紅茶
恋愛
独身喪女の私に、突然お姉ちゃんが子供(2歳)を押し付けてきた いや、待て 育児放棄にも程があるでしょう 音信不通の姉 泣き出す子供 父親は誰だよ 怒り心頭の中、なしくずし的に子育てをすることになった私、橋本美咲(23歳) これはもう、人生詰んだと思った ********** この作品は他のサイトにも掲載しています

異世界で王城生活~陛下の隣で~

恋愛
女子大生の友梨香はキャンピングカーで一人旅の途中にトラックと衝突して、谷底へ転落し死亡した。けれど、気が付けば異世界に車ごと飛ばされ王城に落ちていた。神様の計らいでキャンピングカーの内部は電気も食料も永久に賄えるられる事になった。  グランティア王国の人達は異世界人の友梨香を客人として迎え入れてくれて。なぜか保護者となった国陛下シリウスはやたらと構ってくる。一度死んだ命だもん、これからは楽しく生きさせて頂きます! ※キャンピングカー、魔石効果などなどご都合主義です。 ※のんびり更新。他サイトにも投稿しております。

【完結】神から貰ったスキルが強すぎなので、異世界で楽しく生活します!

桜もふ
恋愛
神の『ある行動』のせいで死んだらしい。私の人生を奪った神様に便利なスキルを貰い、転生した異世界で使えるチートの魔法が強すぎて楽しくて便利なの。でもね、ここは異世界。地球のように安全で自由な世界ではない、魔物やモンスターが襲って来る危険な世界……。 「生きたければ魔物やモンスターを倒せ!!」倒さなければ自分が死ぬ世界だからだ。 異世界で過ごす中で仲間ができ、時には可愛がられながら魔物を倒し、食料確保をし、この世界での生活を楽しく生き抜いて行こうと思います。 初めはファンタジー要素が多いが、中盤あたりから恋愛に入ります!!

冷淡だった義兄に溺愛されて結婚するまでのお話

水瀬 立乃
恋愛
陽和(ひより)が16歳の時、シングルマザーの母親が玉の輿結婚をした。 相手の男性には陽和よりも6歳年上の兄・慶一(けいいち)と、3歳年下の妹・礼奈(れいな)がいた。 義理の兄妹との関係は良好だったが、事故で母親が他界すると2人に冷たく当たられるようになってしまう。 陽和は秘かに恋心を抱いていた慶一と関係を持つことになるが、彼は陽和に愛情がない様子で、彼女は叶わない初恋だと諦めていた。 しかしある日を境に素っ気なかった慶一の態度に変化が現れ始める。

一度私が振ったらしい美形の歳下ワンコくんが溺愛してきます。

森野きの子
恋愛
高校生の時に両親が離婚し、母と暮らしていた井上栞乃は、二十歳にして母を亡くす。母の死をきっかけにそれまで諦めかけていた美容師の夢を叶えるべく美容専門学校へ通うことにした。卒業を間近に控えたある日、初めて同級生たちとの飲み会に参加する。そして、そこで自分が場違いだと知り、困っている彼女を連れだしたのは、小野塚淳という青年だった。彼は、日本モード界の巨匠の孫であり、自身も優秀なサラブレッドだった。流れで一夜を共にするが、失敗。自分に魅力がなかったせいだと惨めな気持ちになった栞乃は、淳に冷たくあたり、彼の元を去る。 それから美容師になった栞乃の前に再び小野塚が現れる。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

アラフォー王妃様に夫の愛は必要ない?

雪乃
恋愛
ノースウッド皇国の第一皇女であり才気溢れる聖魔導師のアレクサは39歳花?の独身アラフォー真っ盛りの筈なのに、気がつけば9歳も年下の隣国ブランカフォルト王国へ王妃として輿入れする羽目になってしまった。 夫となった国王は文武両道、眉目秀麗文句のつけようがないイケメン。 しかし彼にはたった1つ問題がある。 それは無類の女好き。 妃と名のつく女性こそはいないが、愛妾だけでも10人、街娘や一夜限りの相手となると星の数程と言われている。 また愛妾との間には4人2男2女の子供も儲けているとか……。 そんな下半身にだらしのない王の許へ嫁に来る姫は中々おらず、講和条約の条件だけで結婚が決まったのだが、予定はアレクサの末の妹姫19歳の筈なのに蓋を開ければ9歳も年上のアラフォー妻を迎えた事に夫は怒り初夜に彼女の許へ訪れなかった。 だがその事に安心したのは花嫁であるアレクサ。 元々結婚願望もなく生涯独身を貫こうとしていたのだから、彼女に興味を示さない夫と言う存在は彼女にとって都合が良かった。 兎に角既に世継ぎの王子もいるのだし、このまま夫と触れ合う事もなく何年かすれば愛妾の子を自身の養子にすればいいと高をくくっていたら……。 連載中のお話ですが、今回完結へ向けて加筆修正した上で再更新させて頂きます。

婚約破棄された枯葉令嬢は、車椅子王子に溺愛される

夏海 十羽
恋愛
地味な伯爵令嬢のフィリアには美しい婚約者がいる。 第三王子のランドルフがフィリアの婚約者なのだが、ランドルフは髪と瞳が茶色のフィリアに不満を持っている。 婚約者同士の交流のために設けられたお茶会で、いつもランドルフはフィリアへの不満を罵詈雑言として浴びせている。 伯爵家が裕福だったので、王家から願われた婚約だっだのだが、フィリアの容姿が気に入らないランドルフは、隣に美しい公爵令嬢を侍らせながら言い放つのだった。 「フィリア・ポナー、貴様との汚らわしい婚約は真実の愛に敗れたのだ!今日ここで婚約を破棄する!」 ランドルフとの婚約期間中にすっかり自信を無くしてしまったフィリア。 しかし、すぐにランドルフの異母兄である第二王子と新たな婚約が結ばれる。 初めての顔合せに行くと、彼は車椅子に座っていた。 ※完結まで予約投稿済みです

処理中です...