2 / 62
出発!
しおりを挟む
「で、お前も今回は王都に行くのだね」
ラティラは銀色の豊かな髪を高くポニーテールにして、身体に程よくフィットした真紅の膨らみのない膝丈ワンピースに、黒のズボンを合わせており、とても令嬢の着る様な服装では無くて……アルベルトにもいつもの様に冷ややかな視線を向けられている。
反対にアルベルトは、辺境伯特有の深い藍色の髪を邪魔にならない程度に切り揃えており。鋭い鷹の様な金色の瞳を笑顔で隠している姿は、キッチリ清潔感溢れる貴族らしい装いをしている。
「いつもお前はその様な服で動き回っているだろ。辺境では傭兵軍もいるしその様なラフな格好の男どもも居るが、王都は男でもその様な服装は居ないぞ。女なら尚更だな。
お前は先ずドレスを作れ。ワンピースでは無くおとなし目のドレスだぞ。仮にも辺境伯令嬢だからな、出掛ける時はこれからは、全てドレスにしろよ。慣れだよ慣れ、淑女教育受けてただろ?」
言う事だけ言うと、優雅にカップを取り紅茶を味わって飲み、喉を潤す。そのアルベルトに反撃する様に、向かいに座っているラティラが上品にカップを持ち上げ一口飲み。
「お兄様、淑女の嗜み等、私は完璧に終了致しましたわ。それでないと剣の稽古は、お婆様に禁止されてましたから。 知ってましたよね?」
話し終えると残り全て飲み干し、カップを優雅にソーサの上に置く。
「ああ、知ってたよ。確かめただけだよ。けれどもドレスは何着か作って持っていくからね。舞踏会用のドレスも王都で注文したから、あちらに行って最終的に合わせるだけにしてあるから」
「お兄様流石です。用意の良い事ですね」
兄妹でメイドが注いだ紅茶を飲み、パクパクお菓子を食べ、楽しいお茶の時間を過ごした。
それから数週間後
王都への出発準備が整い、兄妹揃って馬車の前で辺境伯領の皆にお別れをしています。
事前に辺境伯と夫人には、挨拶済みです。なかなかにドラマティックなお別れでした。
「皆様、少しの間だけ留守にしますが、直ぐに戻って来ますから待っていて下さいね。 いっぱいお土産持って帰りますね」
何時もは見ない、綺麗なキラキラドレスを着たラティラを見て、民は唖然としていた。着飾ると綺麗だろうとは思ってはいたけれど、これ程とはと言葉も出ない。
「皆様方、王都で私達は皆が潤う様に、辺境の野菜や果物や特産品をしっかりと紹介して参ります。結果を楽しみに待っていて下さい」
アルベルトの優雅で洗練された立ち振る舞いに、周りも安心して送り出せると満面の笑みです。
ガタゴトガタゴトガタゴトガタゴトガタゴトガタゴトガタゴト……
これから馬車でニ週間掛けて王都まで行きます。
ラティラは久々の馬車の旅に少しだけウキウキしており、アルベルトは長旅の始まりで憂鬱です。
そんな二人を乗せた馬車と、荷物や護衛を乗せた合計四両の馬車が王都迄の道を進みます。
ラティラは銀色の豊かな髪を高くポニーテールにして、身体に程よくフィットした真紅の膨らみのない膝丈ワンピースに、黒のズボンを合わせており、とても令嬢の着る様な服装では無くて……アルベルトにもいつもの様に冷ややかな視線を向けられている。
反対にアルベルトは、辺境伯特有の深い藍色の髪を邪魔にならない程度に切り揃えており。鋭い鷹の様な金色の瞳を笑顔で隠している姿は、キッチリ清潔感溢れる貴族らしい装いをしている。
「いつもお前はその様な服で動き回っているだろ。辺境では傭兵軍もいるしその様なラフな格好の男どもも居るが、王都は男でもその様な服装は居ないぞ。女なら尚更だな。
お前は先ずドレスを作れ。ワンピースでは無くおとなし目のドレスだぞ。仮にも辺境伯令嬢だからな、出掛ける時はこれからは、全てドレスにしろよ。慣れだよ慣れ、淑女教育受けてただろ?」
言う事だけ言うと、優雅にカップを取り紅茶を味わって飲み、喉を潤す。そのアルベルトに反撃する様に、向かいに座っているラティラが上品にカップを持ち上げ一口飲み。
「お兄様、淑女の嗜み等、私は完璧に終了致しましたわ。それでないと剣の稽古は、お婆様に禁止されてましたから。 知ってましたよね?」
話し終えると残り全て飲み干し、カップを優雅にソーサの上に置く。
「ああ、知ってたよ。確かめただけだよ。けれどもドレスは何着か作って持っていくからね。舞踏会用のドレスも王都で注文したから、あちらに行って最終的に合わせるだけにしてあるから」
「お兄様流石です。用意の良い事ですね」
兄妹でメイドが注いだ紅茶を飲み、パクパクお菓子を食べ、楽しいお茶の時間を過ごした。
それから数週間後
王都への出発準備が整い、兄妹揃って馬車の前で辺境伯領の皆にお別れをしています。
事前に辺境伯と夫人には、挨拶済みです。なかなかにドラマティックなお別れでした。
「皆様、少しの間だけ留守にしますが、直ぐに戻って来ますから待っていて下さいね。 いっぱいお土産持って帰りますね」
何時もは見ない、綺麗なキラキラドレスを着たラティラを見て、民は唖然としていた。着飾ると綺麗だろうとは思ってはいたけれど、これ程とはと言葉も出ない。
「皆様方、王都で私達は皆が潤う様に、辺境の野菜や果物や特産品をしっかりと紹介して参ります。結果を楽しみに待っていて下さい」
アルベルトの優雅で洗練された立ち振る舞いに、周りも安心して送り出せると満面の笑みです。
ガタゴトガタゴトガタゴトガタゴトガタゴトガタゴトガタゴト……
これから馬車でニ週間掛けて王都まで行きます。
ラティラは久々の馬車の旅に少しだけウキウキしており、アルベルトは長旅の始まりで憂鬱です。
そんな二人を乗せた馬車と、荷物や護衛を乗せた合計四両の馬車が王都迄の道を進みます。
0
お気に入りに追加
1,324
あなたにおすすめの小説
つかれやすい殿下のために掃除婦として就くことになりました
樹里
恋愛
社交界デビューの日。
訳も分からずいきなり第一王子、エルベルト・フォンテーヌ殿下に挨拶を拒絶された子爵令嬢のロザンヌ・ダングルベール。
後日、謝罪をしたいとのことで王宮へと出向いたが、そこで知らされた殿下の秘密。
それによって、し・か・た・な・く彼の掃除婦として就いたことから始まるラブファンタジー。
【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
母は、優秀な息子に家の中では自分だけを頼ってほしかったのかもしれませんが、世話ができない時のことを全く想像していなかった気がします
珠宮さくら
恋愛
オデット・エティエンヌは、色んな人たちから兄を羨ましがられ、そんな兄に国で一番の美人の婚約者ができて、更に凄い注目を浴びる2人にドン引きしていた。
だが、もっとドン引きしたのは、実の兄のことだった。外ではとても優秀な子息で将来を有望視されているイケメンだが、家の中では母が何から何までしていて、ダメ男になっていたのだ。
オデットは、母が食あたりをした時に代わりをすることになって、その酷さを知ることになったが、信じられないくらいダメさだった。
そんなところを直す気さえあればよかったのだが……。
赤い目が光る時
Rachel
恋愛
マリアンナは夜中に部屋で突然音がしたのに目を覚ます。近づくとそこには背中に大きな翼を持った赤い目の少年がいた。「頼む、見逃して……」どこからか逃げてきたのだ。表情を歪めて絞り出すような声で言う彼に、マリアンナは……。
貴族の生き方をまっすぐ受け止めた伯爵令嬢マリアンナと、彼女の心がほしい悪魔の物語。
【1/21取り下げ予定】悲しみは続いても、また明日会えるから
gacchi
恋愛
愛人が身ごもったからと伯爵家を追い出されたお母様と私マリエル。お母様が幼馴染の辺境伯と再婚することになり、同じ年の弟ギルバードができた。それなりに仲良く暮らしていたけれど、倒れたお母様のために薬草を取りに行き、魔狼に襲われて死んでしまった。目を開けたら、なぜか五歳の侯爵令嬢リディアーヌになっていた。あの時、ギルバードは無事だったのだろうか。心配しながら連絡することもできず、時は流れ十五歳になったリディアーヌは学園に入学することに。そこには変わってしまったギルバードがいた。電子書籍化のため1/21取り下げ予定です。
愛されなかった公爵令嬢のやり直し
ましゅぺちーの
恋愛
オルレリアン王国の公爵令嬢セシリアは、誰からも愛されていなかった。
母は幼い頃に亡くなり、父である公爵には無視され、王宮の使用人達には憐れみの眼差しを向けられる。
婚約者であった王太子と結婚するが夫となった王太子には冷遇されていた。
そんなある日、セシリアは王太子が寵愛する愛妾を害したと疑われてしまう。
どうせ処刑されるならと、セシリアは王宮のバルコニーから身を投げる。
死ぬ寸前のセシリアは思う。
「一度でいいから誰かに愛されたかった。」と。
目が覚めた時、セシリアは12歳の頃に時間が巻き戻っていた。
セシリアは決意する。
「自分の幸せは自分でつかみ取る!」
幸せになるために奔走するセシリア。
だがそれと同時に父である公爵の、婚約者である王太子の、王太子の愛妾であった男爵令嬢の、驚くべき真実が次々と明らかになっていく。
小説家になろう様にも投稿しています。
タイトル変更しました!大幅改稿のため、一部非公開にしております。
【完結】転生したぐうたら令嬢は王太子妃になんかになりたくない
金峯蓮華
恋愛
子供の頃から休みなく忙しくしていた貴子は公認会計士として独立するために会社を辞めた日に事故に遭い、死の間際に生まれ変わったらぐうたらしたい!と願った。気がついたら中世ヨーロッパのような世界の子供、ヴィヴィアンヌになっていた。何もしないお姫様のようなぐうたらライフを満喫していたが、突然、王太子に求婚された。王太子妃になんかなったらぐうたらできないじゃない!!ヴィヴィアンヌピンチ!
小説家になろうにも書いてます。
リアンの白い雪
ちくわぶ(まるどらむぎ)
恋愛
その日の朝、リアンは婚約者のフィンリーと言い合いをした。
いつもの日常の、些細な出来事。
仲直りしていつもの二人に戻れるはずだった。
だがその後、二人の関係は一変してしまう。
辺境の地の砦に立ち魔物の棲む森を見張り、魔物から人を守る兵士リアン。
記憶を失くし一人でいたところをリアンに助けられたフィンリー。
二人の未来は?
※全15話
※本作は私の頭のストレッチ第二弾のため感想欄は開けておりません。
(全話投稿完了後、開ける予定です)
※1/29 完結しました。
感想欄を開けさせていただきます。
様々なご意見、真摯に受け止めさせていただきたいと思います。
ただ、皆様に楽しんでいただける場であって欲しいと思いますので、
いただいた感想をを非承認とさせていただく場合がございます。
申し訳ありませんが、どうかご了承くださいませ。
もちろん、私は全て読ませていただきます。
※この作品は小説家になろうさんでも公開しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる