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最終章 剣
奴隷 1 ここから先不快な描写が連続します、ご注意ください
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「水は飲んだな、じゃあ、そこに立っていろ」
「はい」
私は言われた通りに従う
ご主人様はベッドに腰掛けてじっと私を見ている
「アリシア」
「はい!」
「お前は俺のなんだ?」
「私はご主人様の奴隷です」
「奴隷なのに、どうして俺の言付を守らない?」
「・・・」
「アリシア、答えろ」
「申し訳ご」
「黙れ」
目の前が、ぐらぐらする気持ちがした
「勝手に謝るな、そんなことを許可した覚えはない」
「・・・」
「アリシア、もう一度聞くぞ、なんで俺の言付を守らない?」
「・・・」
「仕方ないな、アリシア、脱げ」
「え?」
「聞こえなかったか?今俺はなんて言った?」
「・・・」
目の前がぐらぐらする
でも今ここで倒れこんでも、許してもらえる気がしない
「アリシア、答えろ、俺は今なんて言った?」
「・・・脱ぐようにとおっしゃいました」
「良かった、ちゃんと聞こえてるんだな」
「・・・」
「おい何している?早くしろ」
「あの、ご主人様」
「早くしろ!」
さっきまで普通の声の大きさで話していたから、いきなり大きな声で、私は体が硬直した
そして
「はい」
と言って急いで脱いだ
そして脱いだガウンをご主人様に横向きになって畳んでおいた
畳んで置いた後、ゆっくりと立ち上がった
どうしたら許してもらえるだろう
わからない
「おい、アリシア、何している?」
「・・・」
ご主人様は本当に不思議そうに私に聞いた
「何をお前隠してるんだ?」
私は手で前を隠していた
これぐらいなら許してもらえると思った
「俺はもしかして、そうやって隠していいとお前に言ったのか?」
昨日、私にやさしく『いやか?』と聞いてくれたご主人様と目の前のご主人様は同じ人で、
昨日のご主人様に戻ってほしい、そう思った
昨日は、こんな風になるなんて思わなかった
「いえ、おっしゃってません」
「そうだよな、じゃあアリシア、なんでお前は俺に黙って勝手なことをしてるんだ?」
「・・・」
「アリシア、何をしている?なんでまだそうしている?」
昨日はあんなに優しくしてくれたのに
「なんで俺がまたお前にわざわざ『隠すな』命令しなおさないといけないんだ?」
「・・・」
「・・・おい・・・」
「申し訳ありません!」
頭の中が真っ白になる
私は急いで両手を脇につける
間に合ってほしい
もうこれ以上怒らないでほしい
「・・・」
私は今
男性の前で全裸になっている
それは初めてのことではないけれど、でも、まるで初めてそうされるような感じがした
純潔をすでに失っているのに、なんだかまるで、これから初めて純潔を奪われるようなそんな気がした
私はこれからどうなるのだろう
何もかもがわからない
・・・ああそうか
私は、ご主人様を信じていたんだ
こういうことはしないでくれるって
私は奴隷だけどご主人様はこんな風に私を扱ったりはしないでくれるって、そう信じてたんだ
あんなに優しくしてくれていたから、私はずっとそう信じてたんだ
「アリシア」
「はい」
呼ばれて思考を現実に引き戻される
「謝っていいぞ」
「・・・」
「おい、聞こえないのか?」
「あ、申し訳ごさいませんで」
「おい、何してる?」
「え」
ご主人様が私を睨む
「お前は何をしてるんだ?」
何って、謝って・・・
「俺は謝っていいと言ったんだぞ?」
「はい、ですからこうして」
「・・・はあ・・・」
ご主人様はため息をついた
「あのなあアリシア、お前は奴隷だろう?
奴隷がどうして主に向かって立ったまま謝る?」
信じられない気がした
涙が溢れる
涙が溢れた私を昨日のご主人様は許してくれた
それ以上何もしないでくれた
「奴隷の謝り方、教わったろう?
奴隷商人のところではちゃんとできてたはずだが?」
「はい」
私は言われた通りに従う
ご主人様はベッドに腰掛けてじっと私を見ている
「アリシア」
「はい!」
「お前は俺のなんだ?」
「私はご主人様の奴隷です」
「奴隷なのに、どうして俺の言付を守らない?」
「・・・」
「アリシア、答えろ」
「申し訳ご」
「黙れ」
目の前が、ぐらぐらする気持ちがした
「勝手に謝るな、そんなことを許可した覚えはない」
「・・・」
「アリシア、もう一度聞くぞ、なんで俺の言付を守らない?」
「・・・」
「仕方ないな、アリシア、脱げ」
「え?」
「聞こえなかったか?今俺はなんて言った?」
「・・・」
目の前がぐらぐらする
でも今ここで倒れこんでも、許してもらえる気がしない
「アリシア、答えろ、俺は今なんて言った?」
「・・・脱ぐようにとおっしゃいました」
「良かった、ちゃんと聞こえてるんだな」
「・・・」
「おい何している?早くしろ」
「あの、ご主人様」
「早くしろ!」
さっきまで普通の声の大きさで話していたから、いきなり大きな声で、私は体が硬直した
そして
「はい」
と言って急いで脱いだ
そして脱いだガウンをご主人様に横向きになって畳んでおいた
畳んで置いた後、ゆっくりと立ち上がった
どうしたら許してもらえるだろう
わからない
「おい、アリシア、何している?」
「・・・」
ご主人様は本当に不思議そうに私に聞いた
「何をお前隠してるんだ?」
私は手で前を隠していた
これぐらいなら許してもらえると思った
「俺はもしかして、そうやって隠していいとお前に言ったのか?」
昨日、私にやさしく『いやか?』と聞いてくれたご主人様と目の前のご主人様は同じ人で、
昨日のご主人様に戻ってほしい、そう思った
昨日は、こんな風になるなんて思わなかった
「いえ、おっしゃってません」
「そうだよな、じゃあアリシア、なんでお前は俺に黙って勝手なことをしてるんだ?」
「・・・」
「アリシア、何をしている?なんでまだそうしている?」
昨日はあんなに優しくしてくれたのに
「なんで俺がまたお前にわざわざ『隠すな』命令しなおさないといけないんだ?」
「・・・」
「・・・おい・・・」
「申し訳ありません!」
頭の中が真っ白になる
私は急いで両手を脇につける
間に合ってほしい
もうこれ以上怒らないでほしい
「・・・」
私は今
男性の前で全裸になっている
それは初めてのことではないけれど、でも、まるで初めてそうされるような感じがした
純潔をすでに失っているのに、なんだかまるで、これから初めて純潔を奪われるようなそんな気がした
私はこれからどうなるのだろう
何もかもがわからない
・・・ああそうか
私は、ご主人様を信じていたんだ
こういうことはしないでくれるって
私は奴隷だけどご主人様はこんな風に私を扱ったりはしないでくれるって、そう信じてたんだ
あんなに優しくしてくれていたから、私はずっとそう信じてたんだ
「アリシア」
「はい」
呼ばれて思考を現実に引き戻される
「謝っていいぞ」
「・・・」
「おい、聞こえないのか?」
「あ、申し訳ごさいませんで」
「おい、何してる?」
「え」
ご主人様が私を睨む
「お前は何をしてるんだ?」
何って、謝って・・・
「俺は謝っていいと言ったんだぞ?」
「はい、ですからこうして」
「・・・はあ・・・」
ご主人様はため息をついた
「あのなあアリシア、お前は奴隷だろう?
奴隷がどうして主に向かって立ったまま謝る?」
信じられない気がした
涙が溢れる
涙が溢れた私を昨日のご主人様は許してくれた
それ以上何もしないでくれた
「奴隷の謝り方、教わったろう?
奴隷商人のところではちゃんとできてたはずだが?」
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