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第1章 ハッピーライフ
山菜採り
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「春といえば、山菜がおいしい」
いつも死んでいるラグナルの目が、きらりと輝いた。
「わらびにゼンマイ、ふきのとう……ほろりと苦くて、サクサクのてんぷらが食べたい。今すぐ」
ショコラは思う。
魔王が何かを欲したとき、常ならばその願いは早急に叶えられるのだろう、と。魔界の住人たちは、女神の血肉とエネルギーを与えられた『魔王』を崇拝し、敬愛し、誰よりも何よりも愛しているのだから。
しかし。
「はあ? 急に言われても無理に決まってんだろうがよ。あっちいけよ。邪魔なんだよ」
そう言ってすがりついてくるラグナルをしっしと追い払ったのは、この館の料理人、ヤマトだった。
(対応雑っ!!)
ショコラは思わず、そう思ってしまったのだった。
黒髪黒目、つり目で三白眼なせいか、見た目はかなり怖い上に口も悪い。ショコラは初めて会ったとき、ヤマトの方が魔王だと思ってしまった。
けれどその実態は腕がよく、面倒見のいい親切な料理人だ。得意な料理は、魔界の東大陸に栄えるワ国の料理『ワ食』で、館の晩ごはんはワ食が多かったりする。ラグナルが好きなのだ。
けれどラグナルとヤマトは幼馴染ということもあってか、わりと砕けた仲で、とくにヤマトのラグナルに対する扱い方はかなり雑だった。
ラグナルがあれ作って、これ作ってと言っても、鬱陶しそうにキッチンから追い出す。
しかし結局、その通り作ってくれるのが、ヤマトのいいところだった。
「食ーべーたーいー」
ラグナルはキッチンから追い出されまいと、ヤマトにしがみついていた。
「チッ。うるせーな。じゃあお前、山で取ってこいよ。俺忙しいから」
「山菜採り……」
ラグナルは思いの外妥協案が気に入ったのか、目をキラキラとさせていた。
そばで見守っていたショコラの方を向く。
「ショコラ」
「はい、ご主人様」
ラグナルはピシッと山の方を指す。
「山菜採りに行こう」
こうして、ショコラたちは山へ山菜を採りに行くことになったのだった。
◆
「わ・ら・び!」
「ぜ・ん・ま・い!」
「ふっきのっと」
「「おー!」」
日の当たる穏やかな山道を、ショコラはラグナルと一緒に歩いていた。
その後ろをふわふわと浮遊しながらついてくるのは、いたずらが大好きな妖精ミルティアとメルティアだ。
彼女たちは双子の妖精で、気まぐれに館の住人たちの前に現れる。どうやら館がまだ無人だった頃に住み着いたらしく、今では立派な館の住人だ。顔はそっくりなのだが、ミルは水色の髪、メルは桃色の髪で見分けることができる。羽の色がそれぞれに違うのも特徴だ。
ミルメルはショコラが大好きらしく、楽しそうなことがあるときは、いつもひっついてくる。
「それにしても、今日はいい天気ですねぇ」
山菜をしまうためのバスケットを片手に持ちながら、ショコラはほのぼのと空を見上げた。
ラグナルたちの住む館は山間のエルフの里近くにある。この山というのが、様々な植物を実らせる、素晴らしい大自然なのである。この地域は『魔素』が濃く、ラグナルの体にいい影響を及ぼすことから、ラグナルはこの地を休息地とすることに決めたらしい。
魔素が濃いとモンスターが繁殖しやすくなってしまうのだが、ラグナルは魔王だ。それなりに強い。何が出てきても、対処はできるだろうとみんないうのだが、
「春っていいよね。僕、ぽわぽわしちゃう」
とこのような発言をするので、ショコラは若干、それに関しては疑心暗鬼なのだった。
(ご、ご主人様、いつもぽわぽわしてて、ちょっと頼りないような……)
そう思うショコラなのだった。
「あ、ほら、見て。この辺りがいいんじゃないの」
ラグナルは山道を少し脇にそれた、日当たりの良い斜面にしゃがみ込んだ。
本日は、みんなでお揃いの動きやすい作業服を着ている。
トレッキングシューズに、軍手、ショコラは麦わら帽子をかぶっている。すべてリリィが用意してくれたものだ。
ショコラもラグナルの近くにかがみこみ、ヤマトに貸してもらったポケット図鑑を広げた。
「うーん、春の山菜は、と……」
この山の植生は珍しい。
人間界ではこのように美味しく食せる植物など滅多に見なかったので、ショコラもわくわくしていた。
図鑑を広げて、指でゆっくりと索引を確認していく。
実はショコラは、魔王の館にやってくるまで、文字を読むことができなかった。人間界では亜人と罵られ、勉強を教えてもらえなかったからだ。
それが今では、たどたどしくではあるものの、一続きの文章を書けるまでになっていた。難解な単語以外は、大体の文章も理解ができる。
夜ごはんを食べたあとに、ラグナルと一緒に文字を読む勉強をしているのだ。今は三冊目のワークに取り組んでいる。
「日当たりがいい場所に生えるのは、ぜんまい、わらび、つくし……」
図鑑を眺めるショコラのそばで、ミルとメルがキャッキャと草の上を転げ回っていた。
ラグナルは一心に地面を見つめて山菜を探している。
仕事するときとは大違いの真剣さ、集中力だった。
「うわぁ、かわいい~! こんなにくるくるした植物があるんですねぇ」
ショコラは図鑑に載っていたぜんまいを見て、喜んだ。
「くるくる~!」
「もふもふ~!」
そばにいたミルとメルも、きゃっきゃとはしゃぐ。
ショコラは自然にある草や、花や、木や、生き物を観察することが大好きだった。去年の秋には夢中でドングリを拾い、足を滑らせて気絶してしまうという、苦い思い出もあるので、最近はかなり気をつけている。
ショコラはまるで子どものように目を輝かせ、図鑑を夢中でめくった。
「あ、見つけた」
ラグナルの嬉しそうな声で顔を上げる。
「ショコラ、見て」
ラグナルはくるくると芽を巻いたゼンマイを指差して、珍しく興奮したように言った。
「美味しそう」
その姿は、魔王とは思えない。少年そのものである。
いや、見た目は少年なのだが……。
ショコラもそこに近づいて、目を輝かせた。
「本当です! くるくるでふわふわしてます!」
図鑑の通り、幼葉を渦巻状に巻いた小さな植物が土から芽を出していた。幼葉は綿状の繊維で覆われ、ふわふわとしている。
「ショコラ、ゼンマイは、どんな状態のものが美味しいの?」
ラグナルはショコラにそう問うた。
「えーっとですね」
ショコラは図鑑をたどたどしく読み上げた。
──美味しく食べられるゼンマイは、茎が太く、赤っぽいもの。また綿毛がしっかりと残っていて、葉が広がっていないものが良い。
「だそうです!」
「なるほど。じゃあこれはぴったりだね」
ラグナルが見つけたゼンマイは、ちょうどそれらの条件を満たしていた。
これなら美味しく調理できそうだ。
「ラグ様、こっちにもあるよ」
「いーっぱいあるよ」
ミルとメルがそう言ってはしゃいだ。
ショコラは図鑑のゼンマイのページを見た。
ゼンマイは一箇所見つけると近くに株があることが多いらしい。
「これは大量収穫の予感……!」
ショコラはしっぽをぶんぶんと振り回して、ゼンマイの収穫に勤しんだ。
いつも死んでいるラグナルの目が、きらりと輝いた。
「わらびにゼンマイ、ふきのとう……ほろりと苦くて、サクサクのてんぷらが食べたい。今すぐ」
ショコラは思う。
魔王が何かを欲したとき、常ならばその願いは早急に叶えられるのだろう、と。魔界の住人たちは、女神の血肉とエネルギーを与えられた『魔王』を崇拝し、敬愛し、誰よりも何よりも愛しているのだから。
しかし。
「はあ? 急に言われても無理に決まってんだろうがよ。あっちいけよ。邪魔なんだよ」
そう言ってすがりついてくるラグナルをしっしと追い払ったのは、この館の料理人、ヤマトだった。
(対応雑っ!!)
ショコラは思わず、そう思ってしまったのだった。
黒髪黒目、つり目で三白眼なせいか、見た目はかなり怖い上に口も悪い。ショコラは初めて会ったとき、ヤマトの方が魔王だと思ってしまった。
けれどその実態は腕がよく、面倒見のいい親切な料理人だ。得意な料理は、魔界の東大陸に栄えるワ国の料理『ワ食』で、館の晩ごはんはワ食が多かったりする。ラグナルが好きなのだ。
けれどラグナルとヤマトは幼馴染ということもあってか、わりと砕けた仲で、とくにヤマトのラグナルに対する扱い方はかなり雑だった。
ラグナルがあれ作って、これ作ってと言っても、鬱陶しそうにキッチンから追い出す。
しかし結局、その通り作ってくれるのが、ヤマトのいいところだった。
「食ーべーたーいー」
ラグナルはキッチンから追い出されまいと、ヤマトにしがみついていた。
「チッ。うるせーな。じゃあお前、山で取ってこいよ。俺忙しいから」
「山菜採り……」
ラグナルは思いの外妥協案が気に入ったのか、目をキラキラとさせていた。
そばで見守っていたショコラの方を向く。
「ショコラ」
「はい、ご主人様」
ラグナルはピシッと山の方を指す。
「山菜採りに行こう」
こうして、ショコラたちは山へ山菜を採りに行くことになったのだった。
◆
「わ・ら・び!」
「ぜ・ん・ま・い!」
「ふっきのっと」
「「おー!」」
日の当たる穏やかな山道を、ショコラはラグナルと一緒に歩いていた。
その後ろをふわふわと浮遊しながらついてくるのは、いたずらが大好きな妖精ミルティアとメルティアだ。
彼女たちは双子の妖精で、気まぐれに館の住人たちの前に現れる。どうやら館がまだ無人だった頃に住み着いたらしく、今では立派な館の住人だ。顔はそっくりなのだが、ミルは水色の髪、メルは桃色の髪で見分けることができる。羽の色がそれぞれに違うのも特徴だ。
ミルメルはショコラが大好きらしく、楽しそうなことがあるときは、いつもひっついてくる。
「それにしても、今日はいい天気ですねぇ」
山菜をしまうためのバスケットを片手に持ちながら、ショコラはほのぼのと空を見上げた。
ラグナルたちの住む館は山間のエルフの里近くにある。この山というのが、様々な植物を実らせる、素晴らしい大自然なのである。この地域は『魔素』が濃く、ラグナルの体にいい影響を及ぼすことから、ラグナルはこの地を休息地とすることに決めたらしい。
魔素が濃いとモンスターが繁殖しやすくなってしまうのだが、ラグナルは魔王だ。それなりに強い。何が出てきても、対処はできるだろうとみんないうのだが、
「春っていいよね。僕、ぽわぽわしちゃう」
とこのような発言をするので、ショコラは若干、それに関しては疑心暗鬼なのだった。
(ご、ご主人様、いつもぽわぽわしてて、ちょっと頼りないような……)
そう思うショコラなのだった。
「あ、ほら、見て。この辺りがいいんじゃないの」
ラグナルは山道を少し脇にそれた、日当たりの良い斜面にしゃがみ込んだ。
本日は、みんなでお揃いの動きやすい作業服を着ている。
トレッキングシューズに、軍手、ショコラは麦わら帽子をかぶっている。すべてリリィが用意してくれたものだ。
ショコラもラグナルの近くにかがみこみ、ヤマトに貸してもらったポケット図鑑を広げた。
「うーん、春の山菜は、と……」
この山の植生は珍しい。
人間界ではこのように美味しく食せる植物など滅多に見なかったので、ショコラもわくわくしていた。
図鑑を広げて、指でゆっくりと索引を確認していく。
実はショコラは、魔王の館にやってくるまで、文字を読むことができなかった。人間界では亜人と罵られ、勉強を教えてもらえなかったからだ。
それが今では、たどたどしくではあるものの、一続きの文章を書けるまでになっていた。難解な単語以外は、大体の文章も理解ができる。
夜ごはんを食べたあとに、ラグナルと一緒に文字を読む勉強をしているのだ。今は三冊目のワークに取り組んでいる。
「日当たりがいい場所に生えるのは、ぜんまい、わらび、つくし……」
図鑑を眺めるショコラのそばで、ミルとメルがキャッキャと草の上を転げ回っていた。
ラグナルは一心に地面を見つめて山菜を探している。
仕事するときとは大違いの真剣さ、集中力だった。
「うわぁ、かわいい~! こんなにくるくるした植物があるんですねぇ」
ショコラは図鑑に載っていたぜんまいを見て、喜んだ。
「くるくる~!」
「もふもふ~!」
そばにいたミルとメルも、きゃっきゃとはしゃぐ。
ショコラは自然にある草や、花や、木や、生き物を観察することが大好きだった。去年の秋には夢中でドングリを拾い、足を滑らせて気絶してしまうという、苦い思い出もあるので、最近はかなり気をつけている。
ショコラはまるで子どものように目を輝かせ、図鑑を夢中でめくった。
「あ、見つけた」
ラグナルの嬉しそうな声で顔を上げる。
「ショコラ、見て」
ラグナルはくるくると芽を巻いたゼンマイを指差して、珍しく興奮したように言った。
「美味しそう」
その姿は、魔王とは思えない。少年そのものである。
いや、見た目は少年なのだが……。
ショコラもそこに近づいて、目を輝かせた。
「本当です! くるくるでふわふわしてます!」
図鑑の通り、幼葉を渦巻状に巻いた小さな植物が土から芽を出していた。幼葉は綿状の繊維で覆われ、ふわふわとしている。
「ショコラ、ゼンマイは、どんな状態のものが美味しいの?」
ラグナルはショコラにそう問うた。
「えーっとですね」
ショコラは図鑑をたどたどしく読み上げた。
──美味しく食べられるゼンマイは、茎が太く、赤っぽいもの。また綿毛がしっかりと残っていて、葉が広がっていないものが良い。
「だそうです!」
「なるほど。じゃあこれはぴったりだね」
ラグナルが見つけたゼンマイは、ちょうどそれらの条件を満たしていた。
これなら美味しく調理できそうだ。
「ラグ様、こっちにもあるよ」
「いーっぱいあるよ」
ミルとメルがそう言ってはしゃいだ。
ショコラは図鑑のゼンマイのページを見た。
ゼンマイは一箇所見つけると近くに株があることが多いらしい。
「これは大量収穫の予感……!」
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