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4 Who are you?
第24話
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「じゃあまずはシーン1ね。あんたたちが初めて出会ったところからやるわよ」
「なんか監督か演出家みたいだね、村雨さん」
素朴な感想を口にする桐島園加にムッとした顔を見せ、村雨はいいから早くしなさいと急かす。どうにも今日は僕たちへの、特に桐島園加への当たりが強いようだ。まあ彼女の生き方を治すという趣旨の企画なのだからそうなるのも分からないでもないが、やろうとしてることの意義を本人がよく理解出来てないのに意味などあるのだろうか、とも思う。
その場所まで案内をしろと言われたので、僕が先導をして歩いた。だが、よく考えると、初めての状況を再現するということは僕が財布を落としてパニックになりかけているところから始めなければいけないということで、それを衆徒観衆の下でやるのはすごく恥ずかしいような……。
「大丈夫でしょ、零が馬鹿なのなんて今更のことだし。ねえ、みんな?」
僕がこっそり口にした疑問の答えを、村雨は声を大にして全員に伝えた。いじめっ子かこいつは。とりあえず馬鹿って言っておきたいだけじゃないのか。
項垂れながらも、最初の目的地へと辿り着く。街の真ん中にある、日差し避けも何もないベンチ。あの日僕はここで途方にくれていたところで、彼女――明日葉明日香に出会った。
状況を知っているのは僕と桐島園加だけのため、二人で適当に分かれてポジションに着く。僕はベンチに腰掛け、桐島園加は遠くから歩いてくる。そして、それを近くで見守る村雨ら一同。確実にやりにくい。
「なら行くわよ。よーい、はい!」
村雨監督の指示のもと、シーンの再現が始まったようだった。とりあえず僕は、あの日、あの時に考えていたことを思い出すことにする。何をするでもなくふらっと出掛けた近くの街。さあ何をしようか、と意気込んでいたところで、財布の紛失に気づく。そこからの気分は転落の一途を辿り、灼熱の街の中、あっという間に僕はその日一番の憂鬱に陥ってしまったというわけである。……なんか、今思い出しても情けない話だ。何が悲しくてこんなこともう一回やらなくちゃいけないんだ。なんなら、いっそ逃げ出して――
「あの、すみません」
頭上から聞こえる、誰かの声。僕は急に声をかけられたので、心を見透かされたような気がして慌てて返事をする。
「ち、違いますよ! 決して、本当にやろうと思っていたわけでは……」
「え? あ、あの……?」
「へ?」
そこで僕はようやく冷静になった。落ち着け、他人に心なんて見られるわけないじゃないか。ってこれ、あの日も同じこと考えたような気がするな。
一呼吸置いて顔を上げると、そこにいたのは一人の女性――桐島園加のはず、だった。
だが、そこで僕は思わず息を飲んだ。
逆光でシルエットになったその姿。長い髪、見下ろす顔、そのどれもが、あの日見た彼女と一致していた。
「あ……っ!」
その名を呼びかけて、はっとして口を閉ざす。今の彼女は桐島園加であり、明日葉明日香ではない。だが、今になってようやく、二人が同一人物であったことを初めて現実として理解出来たような気がした。
「あの……大丈夫ですか?」
狼狽える僕とは対照的に、彼女は淡々と話を進めてくる。どうやら本当にあの時の再現をしようとしているらしい。僕は頭を振り、明日葉明日香の幻影を振り払った。そもそもこれの目的は、桐島園加に自分を持ってもらうためだ。ならば、今日は明日葉明日香ではなく、完全に桐島園加として彼女を見なければ、意味をなさなくなってしまう。
「……あ、ああ、すみません。ちょっとパニックになっちゃって。何か用ですか?」
「ええと、道を尋ねようとしたんですけど……もしかして、邪魔でした?」
「道ですか。いえ、とりあえず邪魔なんかじゃないですよ」
落ち着いて言い放ち、再び息を整える。何だか無駄に緊張しているな。肩の力を抜かないと、おかしなことをしでかしてしまいそうだ。村雨たちの目もあるため、変な言動はしないようにしないと。
ここでもう一度彼女に目を向ける。僕はあの日、名前も分からない彼女をAさんと名付けたはずだった。それを思い出して立ち上がろうとした時、暑さのせいか少しふらついてしまう。それを、桐島園加が手で支えた。
「だ、大丈夫? 貧血ですか?」
「いえ、そういうわけじゃないです。ありがとうございます、Aさん」
「A?」
「何でもないです。それより、道を聞きたいんでしょう?」
よし、ここまでの流れは完璧だ。桐島園加も、声こそ淡々としているが、明日葉明日香の時の言動を忠実に行っている。伊達に明日葉明日香をずっと演じ続けていたわけじゃないということか。もしかすると、表情からは読み取れないが、彼女もこの状況を楽しもうとしているのかもしれない。
確か次は、喫茶店のパンフレットを見せられるはずだが――
「……あの、Aさんってどういう意味ですか?」
「え?」
「いえ、ちょっとだけ気になったもので。先にはっきりさせておきたいなあって」
首を傾げて尋ねる彼女。あれ、おかしいな。こんなセリフ、あの時聞かなかったぞ……?
「あの、桐島さん……?」
「あれ、なんで私の名前知ってるんですか? はっ、もしかして、超能力者?」
こそこそと耳打ちしようとした僕の言葉に、彼女は素であるかのようにそう反応する。表情も声もまるで変わらないから、その意図が全く掴めない。一体どうしたというのか。
思わず振り返ると、厳しい目の村雨と、にやにやとした辻谷と、不思議そうな顔の坂倉の姿が見えた。空気的に、まだ終わることは出来ないらしい。
現状がよく分からないが、とりあえず僕も彼女に乗っておくことにした。
「いや、あの、Aさんっていうのはですね……A girlのAです」
「なんで急に英語?」
「最近、英語を勉強中でして……」
「なるほど。それなら、あなたもA boyでAさんになりますね」
「確かに、そうなりますね。それは困りましたね」
「あ、なら例えば、The boyでTさんというのはどうでしょう? これで区別出来ますよね」
「おお、それならいいですね。では、そうしましょう」
……こんな炎天下の街中で、謎の会話をする二人。
僕は今何をしているのだろうか。誰か教えてくれ。
泣き出しそうな僕の心の叫びが届いたのか、今まで近くで黙って見ていた村雨がこちらに歩いてきて、怪訝な表情を僕らに見せた。
「……あんたたち、何をそんな意味のない会話をしてるのよ。本当にあの日、二人でいきなりそんなこと話してたわけ?」
「いやあ、ただそのまま再現するのもつまらないし、せっかくならエチュードでもしようかと思って」
「エチュードって、即興劇のことですか?」
真っ先に反応したのは坂倉だった。いつの間にか辻谷もその場にいる。どうやらこのシーンはここでカットのようだ。
「そうそう。状況や人物の設定、会話や話の展開をその場で考えて劇をやっていくの。街を使ってそれをやるなんて、とっても面白そうだと思わない?」
「お、思います!」
坂倉が目を輝かせて頷く。ここまで彼女が興奮した様子を見せるのも珍しい。本当に演劇というものが好きであることが伝わってくるようだ。
だが、そんな坂倉の隣でわなわなと肩を震わせる者が一人。
「あなたねえ……一体、誰が、いつ、そんなことをやれって言ったのかしら?」
「ごめんね。でも、どうしてもAさんの意味が気になっちゃってたから、つい」
キッ、と僕を睨み付ける村雨。いや、僕のせいではないはずだろう。再現しろと言ったのはそっちじゃないか。僕はその通りにしたまでだ。
何やら不穏な空気が流れ始めたところで、辻谷が明るい声で割って入った。
「まあまあ、いいじゃないか。詳しくは聞かないけど、今日の目的って要は桐島に楽しんでもらおうってことなんでしょ? なら別に、桐島が楽しいと思うことをやってもらった方が、本人のためになるんじゃないか?」
なあ、と辻谷が桐島園加に同意を求めると、彼女は無表情のまま頷く。全然楽しそうには見えないが、本当にこれでよいのだろうか。辻谷の顔からもそんな思いが少し読み取れた。
「――はあ。もういいわ、好きにしなさい。でも、本筋からは離れすぎないでよね」
結局、村雨が折れる形でこの場は収まった。桐島園加ははーいと返事をし、僕に向かって頭を下げる。1シーン目お疲れ様でした、ということだろうか。なんて律儀な。
「よーし、次も頑張ろうね、零君」
「僕は特に頑張る理由はないんだけどなあ……」
だんだん本来の目的が分からなくなってきながらも、僕は未だにある違和感を拭えないでいた。
「なんか監督か演出家みたいだね、村雨さん」
素朴な感想を口にする桐島園加にムッとした顔を見せ、村雨はいいから早くしなさいと急かす。どうにも今日は僕たちへの、特に桐島園加への当たりが強いようだ。まあ彼女の生き方を治すという趣旨の企画なのだからそうなるのも分からないでもないが、やろうとしてることの意義を本人がよく理解出来てないのに意味などあるのだろうか、とも思う。
その場所まで案内をしろと言われたので、僕が先導をして歩いた。だが、よく考えると、初めての状況を再現するということは僕が財布を落としてパニックになりかけているところから始めなければいけないということで、それを衆徒観衆の下でやるのはすごく恥ずかしいような……。
「大丈夫でしょ、零が馬鹿なのなんて今更のことだし。ねえ、みんな?」
僕がこっそり口にした疑問の答えを、村雨は声を大にして全員に伝えた。いじめっ子かこいつは。とりあえず馬鹿って言っておきたいだけじゃないのか。
項垂れながらも、最初の目的地へと辿り着く。街の真ん中にある、日差し避けも何もないベンチ。あの日僕はここで途方にくれていたところで、彼女――明日葉明日香に出会った。
状況を知っているのは僕と桐島園加だけのため、二人で適当に分かれてポジションに着く。僕はベンチに腰掛け、桐島園加は遠くから歩いてくる。そして、それを近くで見守る村雨ら一同。確実にやりにくい。
「なら行くわよ。よーい、はい!」
村雨監督の指示のもと、シーンの再現が始まったようだった。とりあえず僕は、あの日、あの時に考えていたことを思い出すことにする。何をするでもなくふらっと出掛けた近くの街。さあ何をしようか、と意気込んでいたところで、財布の紛失に気づく。そこからの気分は転落の一途を辿り、灼熱の街の中、あっという間に僕はその日一番の憂鬱に陥ってしまったというわけである。……なんか、今思い出しても情けない話だ。何が悲しくてこんなこともう一回やらなくちゃいけないんだ。なんなら、いっそ逃げ出して――
「あの、すみません」
頭上から聞こえる、誰かの声。僕は急に声をかけられたので、心を見透かされたような気がして慌てて返事をする。
「ち、違いますよ! 決して、本当にやろうと思っていたわけでは……」
「え? あ、あの……?」
「へ?」
そこで僕はようやく冷静になった。落ち着け、他人に心なんて見られるわけないじゃないか。ってこれ、あの日も同じこと考えたような気がするな。
一呼吸置いて顔を上げると、そこにいたのは一人の女性――桐島園加のはず、だった。
だが、そこで僕は思わず息を飲んだ。
逆光でシルエットになったその姿。長い髪、見下ろす顔、そのどれもが、あの日見た彼女と一致していた。
「あ……っ!」
その名を呼びかけて、はっとして口を閉ざす。今の彼女は桐島園加であり、明日葉明日香ではない。だが、今になってようやく、二人が同一人物であったことを初めて現実として理解出来たような気がした。
「あの……大丈夫ですか?」
狼狽える僕とは対照的に、彼女は淡々と話を進めてくる。どうやら本当にあの時の再現をしようとしているらしい。僕は頭を振り、明日葉明日香の幻影を振り払った。そもそもこれの目的は、桐島園加に自分を持ってもらうためだ。ならば、今日は明日葉明日香ではなく、完全に桐島園加として彼女を見なければ、意味をなさなくなってしまう。
「……あ、ああ、すみません。ちょっとパニックになっちゃって。何か用ですか?」
「ええと、道を尋ねようとしたんですけど……もしかして、邪魔でした?」
「道ですか。いえ、とりあえず邪魔なんかじゃないですよ」
落ち着いて言い放ち、再び息を整える。何だか無駄に緊張しているな。肩の力を抜かないと、おかしなことをしでかしてしまいそうだ。村雨たちの目もあるため、変な言動はしないようにしないと。
ここでもう一度彼女に目を向ける。僕はあの日、名前も分からない彼女をAさんと名付けたはずだった。それを思い出して立ち上がろうとした時、暑さのせいか少しふらついてしまう。それを、桐島園加が手で支えた。
「だ、大丈夫? 貧血ですか?」
「いえ、そういうわけじゃないです。ありがとうございます、Aさん」
「A?」
「何でもないです。それより、道を聞きたいんでしょう?」
よし、ここまでの流れは完璧だ。桐島園加も、声こそ淡々としているが、明日葉明日香の時の言動を忠実に行っている。伊達に明日葉明日香をずっと演じ続けていたわけじゃないということか。もしかすると、表情からは読み取れないが、彼女もこの状況を楽しもうとしているのかもしれない。
確か次は、喫茶店のパンフレットを見せられるはずだが――
「……あの、Aさんってどういう意味ですか?」
「え?」
「いえ、ちょっとだけ気になったもので。先にはっきりさせておきたいなあって」
首を傾げて尋ねる彼女。あれ、おかしいな。こんなセリフ、あの時聞かなかったぞ……?
「あの、桐島さん……?」
「あれ、なんで私の名前知ってるんですか? はっ、もしかして、超能力者?」
こそこそと耳打ちしようとした僕の言葉に、彼女は素であるかのようにそう反応する。表情も声もまるで変わらないから、その意図が全く掴めない。一体どうしたというのか。
思わず振り返ると、厳しい目の村雨と、にやにやとした辻谷と、不思議そうな顔の坂倉の姿が見えた。空気的に、まだ終わることは出来ないらしい。
現状がよく分からないが、とりあえず僕も彼女に乗っておくことにした。
「いや、あの、Aさんっていうのはですね……A girlのAです」
「なんで急に英語?」
「最近、英語を勉強中でして……」
「なるほど。それなら、あなたもA boyでAさんになりますね」
「確かに、そうなりますね。それは困りましたね」
「あ、なら例えば、The boyでTさんというのはどうでしょう? これで区別出来ますよね」
「おお、それならいいですね。では、そうしましょう」
……こんな炎天下の街中で、謎の会話をする二人。
僕は今何をしているのだろうか。誰か教えてくれ。
泣き出しそうな僕の心の叫びが届いたのか、今まで近くで黙って見ていた村雨がこちらに歩いてきて、怪訝な表情を僕らに見せた。
「……あんたたち、何をそんな意味のない会話をしてるのよ。本当にあの日、二人でいきなりそんなこと話してたわけ?」
「いやあ、ただそのまま再現するのもつまらないし、せっかくならエチュードでもしようかと思って」
「エチュードって、即興劇のことですか?」
真っ先に反応したのは坂倉だった。いつの間にか辻谷もその場にいる。どうやらこのシーンはここでカットのようだ。
「そうそう。状況や人物の設定、会話や話の展開をその場で考えて劇をやっていくの。街を使ってそれをやるなんて、とっても面白そうだと思わない?」
「お、思います!」
坂倉が目を輝かせて頷く。ここまで彼女が興奮した様子を見せるのも珍しい。本当に演劇というものが好きであることが伝わってくるようだ。
だが、そんな坂倉の隣でわなわなと肩を震わせる者が一人。
「あなたねえ……一体、誰が、いつ、そんなことをやれって言ったのかしら?」
「ごめんね。でも、どうしてもAさんの意味が気になっちゃってたから、つい」
キッ、と僕を睨み付ける村雨。いや、僕のせいではないはずだろう。再現しろと言ったのはそっちじゃないか。僕はその通りにしたまでだ。
何やら不穏な空気が流れ始めたところで、辻谷が明るい声で割って入った。
「まあまあ、いいじゃないか。詳しくは聞かないけど、今日の目的って要は桐島に楽しんでもらおうってことなんでしょ? なら別に、桐島が楽しいと思うことをやってもらった方が、本人のためになるんじゃないか?」
なあ、と辻谷が桐島園加に同意を求めると、彼女は無表情のまま頷く。全然楽しそうには見えないが、本当にこれでよいのだろうか。辻谷の顔からもそんな思いが少し読み取れた。
「――はあ。もういいわ、好きにしなさい。でも、本筋からは離れすぎないでよね」
結局、村雨が折れる形でこの場は収まった。桐島園加ははーいと返事をし、僕に向かって頭を下げる。1シーン目お疲れ様でした、ということだろうか。なんて律儀な。
「よーし、次も頑張ろうね、零君」
「僕は特に頑張る理由はないんだけどなあ……」
だんだん本来の目的が分からなくなってきながらも、僕は未だにある違和感を拭えないでいた。
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