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レヴェント編
96.両方性格が悪い
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廊下を出てすぐの場所にいるレナを見つけ声を掛ける。
「レナ先生、ちょっといいですか?」
「っ――……どうした?」
「…………」
彼女の何とも言えない表情を見て思わず声を止める。
こちらの声を聞いて、若干気持ち悪そうにしたことに追及するつもりはない。だが、正直毎回その反応するのは止めてほしい。確かに本音と建前の感じが大分違うから違和感は出るだろうけど、その反応は胸が痛くなる。
俺だって正直、コイツを先生とは呼びたくない! なんか癇に障る!
「? どうした、私の顔に何かついているか?」
「いや、何でもない……そんなことより聞きたいことがある」
引き攣った顔を逸らし、本音を呑み込んで話を戻す。
「聞きたいこと?」
彼女の言葉に頷き、聞きたかったことを口にする。
「今日アリシアが来てなかっただろ? どうしたんだ?」
「ああ、アリシアなら今日はギルドの依頼を受けたということで特例授業免除になっている」
「特例授業免除?」
聞き覚えのない単語に思わずオウム返しをしてしまう。
「この学園は基本的に、生徒たちの自主性を尊重している。ギルドの依頼や遺跡探索をする場合、特例として授業を免除してもいいことにしているんだ」
「そんな制度があったのか」
「まあ、君達異世界人は事前知識がないことだ、知らなくても仕方ない。そもそも君達にはしばらくの間、基礎的な知識や戦闘技術を学んでもらうため、基本的には授業免除を認めていない」
「なるほどな」
右手を顎に当て納得するように呟く。
「今後の授業でも遺跡の説明をした後、クラス全体で何グループかに分かれて遺跡攻略を行ってもらう」
「……異世界人の役目は復活する魔王への抑止力だけじゃないのか?」
疑問を呈するようにそう言うと、レナは微笑を浮かべ言葉を口にした。
「最重要の目的はそうだが……折角強力な異世界人を呼んだんだ、他に利用しない手はない。使える駒はしっかり使わなきゃ勿体ないだろ?」
「ゲスい……というか、俺もその異世界人の一人だぞ。言っていいのか、目の前にいるのに」
「アマナイ、君は別だ。友人であり、大切な交渉相手であり、もっとも信頼を置ける人物だ。もちろん最大限利用はするが、駒だとは思っていない」
「どうだか」
信用ないという風な表情を彼女へ向ける。
「まったく……そもそも君は既にそういった目論みを全部知っている上で手伝っているのだろ? 君は私をゲスと言ったが、君も大概クズでゲスだろう?」
「否定はしない。俺は使えるモノは何だって使うさ、メリットがデメリットを下回らない内は切り捨てることはしない」
俺達はお互いに性格の悪い笑みを浮かべた。
「ま、お前が食えない奴だってことは最初の時点で理解してたよ。それに今の遺跡探索だって、目的の半分は生徒たちに実践慣れをさせるためだろ? まあ、遺跡探索やギルドでの評価、実績が成績や 位に直結するってのも理由だろうけど」
「アマナイ、君はどうやってその授業で教えてない知識を得ているんだ? 絶妙にチグハグで」
「アンタの護衛とドジドジ見習い魔術師からだ」
「ああ……なるほど、理解した」
あの馬鹿共め的な表情をしている彼女を見て、薄ら笑いを浮かべる。
まだ授業では教えられていないが、この学園には学園序列と呼ばれるものがある。
学園序列は別名で位とも呼ばれ、魔道騎士弾における序列の学園版。しかし、この序列は成績や評価とも直結しており序列=成績と、この学園の採点基準の一つだ。
この序列は遺跡探索やギルドから実績などで向上したり、位を掛けた決闘で勝利するば大幅に序列が向上するらしい。
序列は学園卒業後、魔道騎士団に入団する上でもかなり重要らしく、この学園では普通に成績を稼ぐよりこの序列上げをメインで頑張った方がいいらしい。
他にも色々とルールや細かな説明があるそうだが、俺はそもそも序列を上げるつもりはないので忘れた。どうせいつか授業でもやるだろうし、その時また覚えてればいい。
「さて、余分な話はこの辺にしておこう。長話も嫌いじゃないが、今は互いに時間的に猶予がないわけだしな」
「そうだな。で、本題は」
「レナ、今から俺も特例授業免除ってことにしてくれないか?」
「? なぜだ?」
「いや、アリシアのことが少し気になってな。それにギルドとやらもそれなりに興味があった。金銭面に余裕がない俺には丁度金策になりそうだと」
俺が理由を述べるとレナは納得したような表情をした。
「フム。そうか……いいだろう。お前の場合、実技と魔道学の授業はしてもしなくても変わらないだろうしな」
「残念ながらそうだな。まあ、多少の知識は頭に入っているし、必要ならその都度新しくインプットしていくさ」
レナから承諾を得た俺は早速城下町のギルドへ向かうことにした。
「レナ先生、ちょっといいですか?」
「っ――……どうした?」
「…………」
彼女の何とも言えない表情を見て思わず声を止める。
こちらの声を聞いて、若干気持ち悪そうにしたことに追及するつもりはない。だが、正直毎回その反応するのは止めてほしい。確かに本音と建前の感じが大分違うから違和感は出るだろうけど、その反応は胸が痛くなる。
俺だって正直、コイツを先生とは呼びたくない! なんか癇に障る!
「? どうした、私の顔に何かついているか?」
「いや、何でもない……そんなことより聞きたいことがある」
引き攣った顔を逸らし、本音を呑み込んで話を戻す。
「聞きたいこと?」
彼女の言葉に頷き、聞きたかったことを口にする。
「今日アリシアが来てなかっただろ? どうしたんだ?」
「ああ、アリシアなら今日はギルドの依頼を受けたということで特例授業免除になっている」
「特例授業免除?」
聞き覚えのない単語に思わずオウム返しをしてしまう。
「この学園は基本的に、生徒たちの自主性を尊重している。ギルドの依頼や遺跡探索をする場合、特例として授業を免除してもいいことにしているんだ」
「そんな制度があったのか」
「まあ、君達異世界人は事前知識がないことだ、知らなくても仕方ない。そもそも君達にはしばらくの間、基礎的な知識や戦闘技術を学んでもらうため、基本的には授業免除を認めていない」
「なるほどな」
右手を顎に当て納得するように呟く。
「今後の授業でも遺跡の説明をした後、クラス全体で何グループかに分かれて遺跡攻略を行ってもらう」
「……異世界人の役目は復活する魔王への抑止力だけじゃないのか?」
疑問を呈するようにそう言うと、レナは微笑を浮かべ言葉を口にした。
「最重要の目的はそうだが……折角強力な異世界人を呼んだんだ、他に利用しない手はない。使える駒はしっかり使わなきゃ勿体ないだろ?」
「ゲスい……というか、俺もその異世界人の一人だぞ。言っていいのか、目の前にいるのに」
「アマナイ、君は別だ。友人であり、大切な交渉相手であり、もっとも信頼を置ける人物だ。もちろん最大限利用はするが、駒だとは思っていない」
「どうだか」
信用ないという風な表情を彼女へ向ける。
「まったく……そもそも君は既にそういった目論みを全部知っている上で手伝っているのだろ? 君は私をゲスと言ったが、君も大概クズでゲスだろう?」
「否定はしない。俺は使えるモノは何だって使うさ、メリットがデメリットを下回らない内は切り捨てることはしない」
俺達はお互いに性格の悪い笑みを浮かべた。
「ま、お前が食えない奴だってことは最初の時点で理解してたよ。それに今の遺跡探索だって、目的の半分は生徒たちに実践慣れをさせるためだろ? まあ、遺跡探索やギルドでの評価、実績が成績や 位に直結するってのも理由だろうけど」
「アマナイ、君はどうやってその授業で教えてない知識を得ているんだ? 絶妙にチグハグで」
「アンタの護衛とドジドジ見習い魔術師からだ」
「ああ……なるほど、理解した」
あの馬鹿共め的な表情をしている彼女を見て、薄ら笑いを浮かべる。
まだ授業では教えられていないが、この学園には学園序列と呼ばれるものがある。
学園序列は別名で位とも呼ばれ、魔道騎士弾における序列の学園版。しかし、この序列は成績や評価とも直結しており序列=成績と、この学園の採点基準の一つだ。
この序列は遺跡探索やギルドから実績などで向上したり、位を掛けた決闘で勝利するば大幅に序列が向上するらしい。
序列は学園卒業後、魔道騎士団に入団する上でもかなり重要らしく、この学園では普通に成績を稼ぐよりこの序列上げをメインで頑張った方がいいらしい。
他にも色々とルールや細かな説明があるそうだが、俺はそもそも序列を上げるつもりはないので忘れた。どうせいつか授業でもやるだろうし、その時また覚えてればいい。
「さて、余分な話はこの辺にしておこう。長話も嫌いじゃないが、今は互いに時間的に猶予がないわけだしな」
「そうだな。で、本題は」
「レナ、今から俺も特例授業免除ってことにしてくれないか?」
「? なぜだ?」
「いや、アリシアのことが少し気になってな。それにギルドとやらもそれなりに興味があった。金銭面に余裕がない俺には丁度金策になりそうだと」
俺が理由を述べるとレナは納得したような表情をした。
「フム。そうか……いいだろう。お前の場合、実技と魔道学の授業はしてもしなくても変わらないだろうしな」
「残念ながらそうだな。まあ、多少の知識は頭に入っているし、必要ならその都度新しくインプットしていくさ」
レナから承諾を得た俺は早速城下町のギルドへ向かうことにした。
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