虹色のプレゼントボックス

紀道侑

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第一章 温室育ちのへっぽこ先生異世界に降臨せり

気がつけば異世界の森

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 カップ麺、うまいなあ。
 ずるずる音をたてながら食うのが粋。
 シーフード系にちょっとマヨネーズ入れて食うのが最近のマイブーム。
 美味しいですカップ麺。

 世界一落ち着く自宅アパートのソファーで、バラエティー番組見ながらカップ麺を食う。このちょっとした至福の時間を堪能する。
 独り暮らしも長いから自炊もできなくはないが、今日は時間なくて面倒だったからなあ。

 ……さて、じゃあ仕事するかね。
 小テストの採点の仕事家に持って帰っちまったからなあ。
 やらんとね、はあーあ、メンドクサイ。

 小テストの答案を持って来てソファに座った時だった。
 ……ゴゴ……ゴゴゴ……。
 部屋の照明から垂れ下がっている紐がゆらゆらしている。

「ん?地震か?」

 ……ゴゴゴゴ……ゴゴゴ……。
 はっきりとした振動が体に響いてきた。

「あ、こりゃ完全に地震だな」

 ……ズゴッ!!ゴゴゴッ!!ゴゴゴゴゴゴゴッ。

「あっヤバイヤバイ、でかいでかい」

 はっ!?
 ブンッ、みたいな音と共にテレビと照明が消えた。

 てかヤバイかなこれ避難したほうがいいかな?
 テーブルの下とかに入った方がいいだろうか。

……ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!

 まとまらない考えに頭を巡らせてる間にも、どんどん揺れはひどくなる。
 ゴゴゴゴッゴゴゴゴゴッガタガタッガッタンガッタン!!
 暗闇の中で何やら家具が倒れるか否かみたいな危機感煽る凄い効果音してる!?

「うわわわ!? いよいよヤバイなこれっ」

 本棚とか倒れてくるパターンのやつだこれ!!

「一か八か外出るか!? どうするっどうすっぺ」
「ヒイィヤバイイィッ」

 妙な東北訛りから三下丸出しの分かりやすい悲鳴が口から飛び出した時、また状況に変化が起きた。

 締め切ったカーテンの間から、なんか光が漏れとる!?いま夜の8時すぎだぞ!!
 外からうちの窓にサーチライトでも照らさない限りはあり得ない光景だ。
 ルパ○がうちの窓にでも張り付いてんのか!?
 とっつぁん!? とっつぁんがうちの窓にサーチライト照らしてんの!?
 どうなってんだこれ!?
 その謎の現象中も揺れは酷くなる一方だった。
 ヒイイイ、なにこれヤバーーーイっ。

 ドーーーン!!!!!!!!

 部屋ごと地面に叩きつけられたような衝撃とともに、ビビりで軟弱な俺の意識はブラックアウトした。

「あっつぁ!!」

 でもすぐ起きた。
 地震?の衝撃でカップ麺のマヨ入りシーフード汁が思いきり顔に掛かったからだ。
 熱いしシーフード臭いっ、本棚やら食器棚倒れて、本は散らばり皿だのなんだの割れてるし。

 ……最悪だわ、俺の緩い人生においてワースト3には食い込むであろう最悪の時間だ。

 なんだっつうんだ一体。
 ……とりあえず外見てみるか。一体何が起きてるのか、とっつぁんがサーチライトでうちの窓照らしてるかどうか確認しねえと。

 ひっくり返った本棚を避けながら窓までたどり着く。

 そしてカーテンを開けた先にあった光景に、思わず茫然としてしまった。

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