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★ミナミくんの幸せ。
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確実に勃ち上がっている怒張を見せつけるかのように自分を見下ろしている呉凱の姿を、南は呆然と見つめた。
(……ウソ。あのてんちょーさんが、おれをみて勃起してるなんて)
獣人である呉凱の股間の毛は人間の陰毛ほどは目立たず、全身を覆う毛皮よりもそこだけややふっさりとしている程度だ。だがそのせいでそそり勃つ赤黒い男根にうねうねと這う極太の血管や引きつる裏筋がよく見えて、初めて見た時から南は強烈に惹かれていた。
今、南のハジメテを残らず奪いさった男のペニスが、舐められも擦られもしていないのに南の痴態を見ただけで硬くそそり勃っている。
「エロい顔」
呉凱が小さく笑って言った。
「舐めたいのか?」
「な、舐めたい!」
思わず叫んだ南にまた低く笑って呉凱が答えた。
「いいっスよ」
そして南の上にさかさまに跨ると、シックスナインの体勢になった。
「ほら、かわいがってやって下さいね」
そう言われて南は懸命に首を伸ばし、上からぶら下がる呉凱の巨大なペニスにしゃぶりつく。すると自分の男根も呉凱の暖かい舌に包まれて途端にたまらないほどの快感が駆け上ってきた。
呉凱が南のモノを舐めながら後ろに触れてくる。南は一生懸命呉凱のペニスに奉仕しようとするがあまりに大きすぎる上に後腔をちゅくちゅくと弄り中を押し開いて出入りする指に翻弄されて思うようにならない。
(もっと、もっとおく、もっとおおきいのがほしい……っ)
南はとろとろにとろけた頭で繰り返す。
(てんちょーさんの、かたくてふといアレで、めちゃくちゃにかきまわして、おく、いっぱいいっぱい突いてほしい……っ)
「んっ、んちゅっ、あっ、んぐっ」
血管の浮いた呉凱のモノを舐めてしゃぶって扱きながら南は腰が動くのを止められない。
(もっと、もっと、うーかい、さぁ……んっ!)
だがそんな南の欲望などとっくにお見通しの呉凱が振り向いて尋ねた。
「どうします?」
「ふ……あ」
「このまま俺のしゃぶりながらナカ掻き回されてイくか」
呉凱が濡れてひくつく南の蜜口を指で弄りながら言う。
「このとろとろのいやらしいケツ穴、俺のモノで奥の奥までぐりぐり苛められながらイくか、どっちがいいです?」
そんなの、悩む間もなかった。
「ほしい……、てんちょーさんの、うーかいさんので、いっぱいナカ、突いて……っ」
南は恥をかなぐり捨てて頼み込む。
「たのむよ、ねえ、うーかいさ……んっ、前みたいに、俺のこと、めちゃくちゃにして……っ」
「了解」
ニッと笑った呉凱が向きを変え、南を見下ろす。そして南の両足を抱え込むとぐっとソレを南の後腔に押し付けてきた。
(あ、呉凱さんの顔が見える)
自分を見下ろす呉凱の顔に、南は一瞬目を奪われる。
(そうか、いつもバックからだったから)
南はこれまでに二度、呉凱とセックスをしたがそのいずれも四つんばいになって後ろから貫かれていた。正常位でするのは初めてだ。そのことに気づいた途端、ゾクゾクと得体の知れない何かが南の背中を駆け上り脳を直撃した。
ぬぷ、と先端が入ってくる。思わず南は息を止める。
「あ……、うー、うーかい、さ……っ」
入ってくる。呉凱の太くて硬くて熱い男根が。狭い肉壁をみちみちと押し開き、恐ろしく敏感な場所を抉るようにして奥へ奥へと入ってくる。
「あ、あ、あ、」
いつも呉凱の責めは激しく、南は息もできないほどただひたすら翻弄されてきた。でもこれは違う。ゆっくり、ゆっくりと南の反応を確かめながら少しずつじわりじわりと入り込んでくる。その証拠に先ほどから呉凱はずっと南の顔を見ている。南の表情の変化を何一つ見逃さない、とでもいうように。それだけで南はたまらなく目頭が熱くなる。
「うーかい、さん……っ」
南が震える声で名を呼ぶと、呉凱が南の手に自分の手を重ね、握りこんできた。南もしっかりと指を絡めて握り締める。
「うーかいさん、おれ、いますっごい、しあわせ」
「そうか」
呉凱の答えはひどくそっけない。でもその目が何かをぐっと堪えてるみたいに顰められていて、いつも以上に強面の顔が呉凱の余裕のなさを伝えてくる。
「うーかいさん、うーかいさんも、きもちいい?」
「当たり前だろ」
「……そっか、よかった」
そう言ってニッと笑った。つもりだった。けれど多分あまり上手に笑えてなかったのだろう。呉凱が一瞬ひどくヘンな顔をして、それから上半身を屈めて南にキスをした。
奥までいっぱいに貫きながら、呉凱がゆっくりと南の身体を揺さぶる。そして何度も何度も肉厚な舌で深いキスをした。南も懸命に舌を伸ばしてざらざらとした呉凱のそれに触れては絡め合う。すると呉凱が大きくてよく動く舌で口だけでなくうなじや頤や耳の後ろを愛撫し始めて、南はゾクゾクと背筋をしならせて身悶えた。
「んっ、ひう、んんっ、あう」
腹いっぱいに埋め尽くされて休みなく突かれ続けるだけでも頭がぐらぐらして息も絶え絶えだというのに、巧みな舌遣いで口や舌や耳の穴まで愛撫されて南は為す術もなくただただ喘ぐ。
「あふ、んんっ、んふ……っ、ひうっ!」
南のナカを穿つ律動がだんだん早く、激しくなる。
「うーかいさん……っ、もっと、もっと突いて、はげしくして」
南は沸騰する頭でうわごとのように繰り返す。
「うーかいさんも、おれのなかでイって、いっぱいせーえき、だして……っ」
「ああ、わかってる……っ」
「んっ、あっ、あ、あ、ひうっ! あうっ! あっ! あっ!」
がつがつと奥を突かれてとうとう南は二度目の絶頂を迎える。同時に腹の中に熱いモノをどくどくと注ぎ込まれて身体が歓喜に震えた。
「は……あっ、はあっ、は……っ」
大きく肩で息をしながら余韻に浸っていると、また呉凱が動き出す。
「ひっ! え、ちょ、ちょっとま……っ」
南は呉凱に片足だけを担がれて側位の状態になる。そしてまた強く突かれて息を呑んだ。より深く呉凱のモノが入って思わず仰け反る。
「ひゃ……っ、ソコ、ダメ、ダメ、そんな、おく、ウソ……っ」
「奥、好きなんだろ?」
そう言う呉凱にさらに片足を広げられ、ぐりぐりと押し付けられて息が止まる。
「ここ、S字の入り口な。力抜いて、覚悟しな」
ぐぷ、と張り詰めた亀頭が最奥に入り込んできて南は絶句した。呉凱の口がめくれて鋭い牙が見える。
「気持ちいいか? ミナミ」
「ひうっ! あっ! ウソ、や、ダメ、ダメダメ……っ!!」
頭がおかしくなる。あまりの快感に恐ろしくなる。それでも許してくれない呉凱の責めに南はただ涙と飲み込みきれない唾液を垂れ流しながらひたすらグズグズと喘ぐしかなかった。
「ミナミ?」
涙で溶けて見えない目を凝らして呉凱の姿を探す。
「う、うーかい、さん」
手を必死に伸ばして助けを乞う。
「なまえ、なまえ、よんで……っ」
「…………ミナミ」
南の好きな、煙草のせいで擦れた低い声が聞こえて手が握られる。それだけで南はひどく安堵する。
「……ほんと、俺のカノジョはエロくてサイコーにカワイイな」
握られた手が持ち上げられ、指の一本一本に口付けを落とされ舌でねぶられる。それだけでまた恐ろしいほどの快感に襲われる。
呉凱が腰を打ち付けるたびに、にちゅにちゅといやらしい音がする。ローションにまみれて、とても普通のセックスとは思えないことをあれこれされて、南は蕩けきった頭でぼんやり思う。
(ソープって……、こんなに、こんなにきもちいーのか……)
再び南の中に突き入れる呉凱の動きが激しくなる。
「はうんっ! ヒッ! ひあっ! い、いやだ、ウソ、こんなの、あうんっ!」
喘ぎすぎて痛む喉で南はひたすら声を上げる。
「イく、イく、おれっ、またイっちゃう……っ!!」
「いいぜ、イけよ。客の相手しながらずっとイきたくてたまんなかったんだろ……っ!?」
「そう、おれ、ずっとうーかいさんと、したくて、うーかいさんに、イかせてもらいたくて……っ」
(ああ、でも)
ふと、南は思った。
「でも、いまはうーかいさんに、おれのなかで、イってほしい……っ」
「…………お前ってヤツはほんとに……っ!!」
「ひんっ!?」
いきなりガツン! とねじ込まれて南の呼吸が止まった。そして声も出せずに悶絶する。
「~~~~~~~っ!!!」
だいぶ薄くなった精液が少しだけ先端から漏れる。けれど感じた快感は今までで一番大きかった。全身に襲い掛かる大波のような衝撃に、南は何度も痙攣して果てた。同時に呉凱も再び南の中に吐き出す。
「………………っはあ……っ! はっ、はっ」
呉凱が大きく肩で息をしながら南を見下ろしていた。南はぼんやりとそれを見上げる。
「…………ミナミ」
薄い膜で覆われたように篭る耳朶に呉凱の声が遠く響く。
「もう二度と『好き』なんてもんはいらねえなんて言うなよな」
(……もう言わないよ、二度と)
声も出せないほど疲れ切った南は頭の中でそう囁く。
(だって見つけたからな。俺自身がちゃんと好きになったひと)
南の頭を包む大きな手と額に落とされたやさしいキスに心の中でにんまりと笑って、南は目を閉じた。
(……ウソ。あのてんちょーさんが、おれをみて勃起してるなんて)
獣人である呉凱の股間の毛は人間の陰毛ほどは目立たず、全身を覆う毛皮よりもそこだけややふっさりとしている程度だ。だがそのせいでそそり勃つ赤黒い男根にうねうねと這う極太の血管や引きつる裏筋がよく見えて、初めて見た時から南は強烈に惹かれていた。
今、南のハジメテを残らず奪いさった男のペニスが、舐められも擦られもしていないのに南の痴態を見ただけで硬くそそり勃っている。
「エロい顔」
呉凱が小さく笑って言った。
「舐めたいのか?」
「な、舐めたい!」
思わず叫んだ南にまた低く笑って呉凱が答えた。
「いいっスよ」
そして南の上にさかさまに跨ると、シックスナインの体勢になった。
「ほら、かわいがってやって下さいね」
そう言われて南は懸命に首を伸ばし、上からぶら下がる呉凱の巨大なペニスにしゃぶりつく。すると自分の男根も呉凱の暖かい舌に包まれて途端にたまらないほどの快感が駆け上ってきた。
呉凱が南のモノを舐めながら後ろに触れてくる。南は一生懸命呉凱のペニスに奉仕しようとするがあまりに大きすぎる上に後腔をちゅくちゅくと弄り中を押し開いて出入りする指に翻弄されて思うようにならない。
(もっと、もっとおく、もっとおおきいのがほしい……っ)
南はとろとろにとろけた頭で繰り返す。
(てんちょーさんの、かたくてふといアレで、めちゃくちゃにかきまわして、おく、いっぱいいっぱい突いてほしい……っ)
「んっ、んちゅっ、あっ、んぐっ」
血管の浮いた呉凱のモノを舐めてしゃぶって扱きながら南は腰が動くのを止められない。
(もっと、もっと、うーかい、さぁ……んっ!)
だがそんな南の欲望などとっくにお見通しの呉凱が振り向いて尋ねた。
「どうします?」
「ふ……あ」
「このまま俺のしゃぶりながらナカ掻き回されてイくか」
呉凱が濡れてひくつく南の蜜口を指で弄りながら言う。
「このとろとろのいやらしいケツ穴、俺のモノで奥の奥までぐりぐり苛められながらイくか、どっちがいいです?」
そんなの、悩む間もなかった。
「ほしい……、てんちょーさんの、うーかいさんので、いっぱいナカ、突いて……っ」
南は恥をかなぐり捨てて頼み込む。
「たのむよ、ねえ、うーかいさ……んっ、前みたいに、俺のこと、めちゃくちゃにして……っ」
「了解」
ニッと笑った呉凱が向きを変え、南を見下ろす。そして南の両足を抱え込むとぐっとソレを南の後腔に押し付けてきた。
(あ、呉凱さんの顔が見える)
自分を見下ろす呉凱の顔に、南は一瞬目を奪われる。
(そうか、いつもバックからだったから)
南はこれまでに二度、呉凱とセックスをしたがそのいずれも四つんばいになって後ろから貫かれていた。正常位でするのは初めてだ。そのことに気づいた途端、ゾクゾクと得体の知れない何かが南の背中を駆け上り脳を直撃した。
ぬぷ、と先端が入ってくる。思わず南は息を止める。
「あ……、うー、うーかい、さ……っ」
入ってくる。呉凱の太くて硬くて熱い男根が。狭い肉壁をみちみちと押し開き、恐ろしく敏感な場所を抉るようにして奥へ奥へと入ってくる。
「あ、あ、あ、」
いつも呉凱の責めは激しく、南は息もできないほどただひたすら翻弄されてきた。でもこれは違う。ゆっくり、ゆっくりと南の反応を確かめながら少しずつじわりじわりと入り込んでくる。その証拠に先ほどから呉凱はずっと南の顔を見ている。南の表情の変化を何一つ見逃さない、とでもいうように。それだけで南はたまらなく目頭が熱くなる。
「うーかい、さん……っ」
南が震える声で名を呼ぶと、呉凱が南の手に自分の手を重ね、握りこんできた。南もしっかりと指を絡めて握り締める。
「うーかいさん、おれ、いますっごい、しあわせ」
「そうか」
呉凱の答えはひどくそっけない。でもその目が何かをぐっと堪えてるみたいに顰められていて、いつも以上に強面の顔が呉凱の余裕のなさを伝えてくる。
「うーかいさん、うーかいさんも、きもちいい?」
「当たり前だろ」
「……そっか、よかった」
そう言ってニッと笑った。つもりだった。けれど多分あまり上手に笑えてなかったのだろう。呉凱が一瞬ひどくヘンな顔をして、それから上半身を屈めて南にキスをした。
奥までいっぱいに貫きながら、呉凱がゆっくりと南の身体を揺さぶる。そして何度も何度も肉厚な舌で深いキスをした。南も懸命に舌を伸ばしてざらざらとした呉凱のそれに触れては絡め合う。すると呉凱が大きくてよく動く舌で口だけでなくうなじや頤や耳の後ろを愛撫し始めて、南はゾクゾクと背筋をしならせて身悶えた。
「んっ、ひう、んんっ、あう」
腹いっぱいに埋め尽くされて休みなく突かれ続けるだけでも頭がぐらぐらして息も絶え絶えだというのに、巧みな舌遣いで口や舌や耳の穴まで愛撫されて南は為す術もなくただただ喘ぐ。
「あふ、んんっ、んふ……っ、ひうっ!」
南のナカを穿つ律動がだんだん早く、激しくなる。
「うーかいさん……っ、もっと、もっと突いて、はげしくして」
南は沸騰する頭でうわごとのように繰り返す。
「うーかいさんも、おれのなかでイって、いっぱいせーえき、だして……っ」
「ああ、わかってる……っ」
「んっ、あっ、あ、あ、ひうっ! あうっ! あっ! あっ!」
がつがつと奥を突かれてとうとう南は二度目の絶頂を迎える。同時に腹の中に熱いモノをどくどくと注ぎ込まれて身体が歓喜に震えた。
「は……あっ、はあっ、は……っ」
大きく肩で息をしながら余韻に浸っていると、また呉凱が動き出す。
「ひっ! え、ちょ、ちょっとま……っ」
南は呉凱に片足だけを担がれて側位の状態になる。そしてまた強く突かれて息を呑んだ。より深く呉凱のモノが入って思わず仰け反る。
「ひゃ……っ、ソコ、ダメ、ダメ、そんな、おく、ウソ……っ」
「奥、好きなんだろ?」
そう言う呉凱にさらに片足を広げられ、ぐりぐりと押し付けられて息が止まる。
「ここ、S字の入り口な。力抜いて、覚悟しな」
ぐぷ、と張り詰めた亀頭が最奥に入り込んできて南は絶句した。呉凱の口がめくれて鋭い牙が見える。
「気持ちいいか? ミナミ」
「ひうっ! あっ! ウソ、や、ダメ、ダメダメ……っ!!」
頭がおかしくなる。あまりの快感に恐ろしくなる。それでも許してくれない呉凱の責めに南はただ涙と飲み込みきれない唾液を垂れ流しながらひたすらグズグズと喘ぐしかなかった。
「ミナミ?」
涙で溶けて見えない目を凝らして呉凱の姿を探す。
「う、うーかい、さん」
手を必死に伸ばして助けを乞う。
「なまえ、なまえ、よんで……っ」
「…………ミナミ」
南の好きな、煙草のせいで擦れた低い声が聞こえて手が握られる。それだけで南はひどく安堵する。
「……ほんと、俺のカノジョはエロくてサイコーにカワイイな」
握られた手が持ち上げられ、指の一本一本に口付けを落とされ舌でねぶられる。それだけでまた恐ろしいほどの快感に襲われる。
呉凱が腰を打ち付けるたびに、にちゅにちゅといやらしい音がする。ローションにまみれて、とても普通のセックスとは思えないことをあれこれされて、南は蕩けきった頭でぼんやり思う。
(ソープって……、こんなに、こんなにきもちいーのか……)
再び南の中に突き入れる呉凱の動きが激しくなる。
「はうんっ! ヒッ! ひあっ! い、いやだ、ウソ、こんなの、あうんっ!」
喘ぎすぎて痛む喉で南はひたすら声を上げる。
「イく、イく、おれっ、またイっちゃう……っ!!」
「いいぜ、イけよ。客の相手しながらずっとイきたくてたまんなかったんだろ……っ!?」
「そう、おれ、ずっとうーかいさんと、したくて、うーかいさんに、イかせてもらいたくて……っ」
(ああ、でも)
ふと、南は思った。
「でも、いまはうーかいさんに、おれのなかで、イってほしい……っ」
「…………お前ってヤツはほんとに……っ!!」
「ひんっ!?」
いきなりガツン! とねじ込まれて南の呼吸が止まった。そして声も出せずに悶絶する。
「~~~~~~~っ!!!」
だいぶ薄くなった精液が少しだけ先端から漏れる。けれど感じた快感は今までで一番大きかった。全身に襲い掛かる大波のような衝撃に、南は何度も痙攣して果てた。同時に呉凱も再び南の中に吐き出す。
「………………っはあ……っ! はっ、はっ」
呉凱が大きく肩で息をしながら南を見下ろしていた。南はぼんやりとそれを見上げる。
「…………ミナミ」
薄い膜で覆われたように篭る耳朶に呉凱の声が遠く響く。
「もう二度と『好き』なんてもんはいらねえなんて言うなよな」
(……もう言わないよ、二度と)
声も出せないほど疲れ切った南は頭の中でそう囁く。
(だって見つけたからな。俺自身がちゃんと好きになったひと)
南の頭を包む大きな手と額に落とされたやさしいキスに心の中でにんまりと笑って、南は目を閉じた。
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