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【番外編】恋も積もれば愛となる 編
衝撃 ★
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「~~~~~~~ッツ!?」
え、なに? これ、なに……っ!?
熱い熱い楔のようなものが狭い粘膜をかき分けるようにして突き上げてくる。
「あうっ」
ぐちゅん、ずちゅっ、ぬちゅっ。
ラカンの太い腕で抱え込まれて激しく身体を揺さぶられる度に、聞くに堪えない淫らな音がひっきりなしに聞こえてくる。それと同時にやたら耳障りな女の泣き声みたいなのも耳に突き刺さる。
「ひあっ、んあっ、ふああっ、んぐっ」
やだ、そこ、きもちいい、きもちいぃぃ……っ!!
太い何かが俺の狭い肉の間を行ったり来たりしてるのがすっごくよくわかる。
これ。これ。これってラカンの? ラカンのなの? ラカンのペニス? うそ、そんなものをおれ、挿れられちゃってるの? そんでこんなめちゃくちゃ突かれてるの? そんなまさか、なんで? それに、それがなんでこんなにきもちがいいの?
「はあっ、あんっ、だ、だめ……っ、あんっ、そこっ、うそっ、ひあんっ!」
もう自分でも何言ってんのかわけがわからない。
ごつごつと奥を突かれて俺の足はガクガク震えてるし、ペニスはガチガチに勃起して突かれる度にだらだらと精液を漏らしているし、もう熱くて気持ちよくてどろどろに解けたバターみたいな気分だった。
なんで。一体俺の身体どうなってるの? お腹にこんな大きくて熱くて苦しいのをねじ込まれてどうして勃ってるの。なんでそんなものが入っちゃうの。どうしてこんなにきもちがいいの。
すると後ろのラカンが俺をぎゅうぎゅう抱きしめながら、すっごく切羽詰ったみたいな声で言うのが聞こえた。
「…………くそっ、悪い、アドルティス。一回だけ、ナカで出していいか?」
「ふあ……っ!?」
ナカ? ナカで出すってなに? 今おれ、あんたにお腹のすごい奥まで挿れられちゃってるのに? え、それって、まさか、アレを、俺の中に出しちゃうってこと?
またしても頭が真っ白になって絶句する。けれど俺を揺さぶるラカンの動きは少しも緩まず、俺はものすごく焦ってしまった。
うそ、俺、男なのに、中でだされちゃうの? 中に、ラカンの子種、だされちゃうの?
「ま、まって、ラカン」
さすがにそれはダメだと我に返った。
「ひあっ、だ、だめ、なか、だめ」
なんでラカンが俺にこんなことしてるのかとか、どうして俺の身体はこんなに簡単にラカンを受け入れてしまってるのかとか、そういう疑問も全部頭から吹っ飛んだ。
「まってまって、なか、出しちゃだめ、だめ、ひあっ、あんっ、だ、だめ、はっ、んっ、あ、だめぇ……んっ!」
「なんだ、どうしたんだよアドルティス」
俺の様子がおかしいことに気づいたのか、ラカンがようやく動きを止めて聞いてきた。
「はあ……っ、はっ、はっ」
懸命に浅い呼吸を繰り返しながら必死に考える。何か言わなきゃ、でも何を言えばいいんだ。ちっともわからない。
するとラカンが俺の腰を掴んで、ゆっくりとペニスを引きずり出した。ずるずると、ものすごく太くて硬いモノが抜けていく感覚に思わず悲鳴を飲み込む。
そしてようやく長大な男根が全部引きずり出された後、たまらず床に倒れ込んだ。
ほっぺたをタイル張りの床に押し付けて、吊り上げられた瀕死の魚みたいに全身脱力してひたすら息をすることだけ繰り返す。
「おい、大丈夫か?」
少し心配そうな声でラカンが覗き込んできた。それに一応笑って返したけど、ちゃんと笑えてたかどうかは全然自信がない。
ラカンは肩をすくめると扉を開けて湯上り用の布を持ってくる。そして俺の身体を包んでくれた。
「おい、起きれるか?」
「ハッ、ハッ、な、なんとか……」
俺は必死に手を突っぱねて身体を起こし、ラカンの手を借りて立ち上がる。よろける俺の身体を支えて、ラカンが浴室を出た。
「ほら、じっとしてろ」
そう言って俺のことを軽々と担ぎ上げる。さすがラカン、力強いんだな。うん、やっぱりカッコいい。そんなことぼんやり考えてたら、連れて行かれた先は俺が今朝目覚めたあのでっかいベッドの上だった。
「なんだ、まだ敷いてないのかよ」
そう言ってラカンは裸のまま寝室を出ていって、何枚か敷布を持って戻ってきた。多分リネン庫から持ってきたやつだ。なんでそんな場所を知ってるんだろう? 十二年後のラカンはそこまで頻繁にこの家に来るくらい親しくなってるのか? それはちょっと嬉しいな。
ぼんやりとベッドの端に座ったままの俺を避けながら、ラカンがベッドに敷布を重ねる。それから裏庭が見える窓を見て言った。
「なあ、今日は明るいままでもいいか?」
いいか? の意味がちっともわからなかったが、とりあえず頷いておく。するとラカンがいつもの眉間の皴はどこへ行った? ってくらい機嫌良さそうに口角を上げた。ちらっと見えた牙がすごく猛々しくてカッコいい。
「ここならいいんだよな?」
そう言って俺の肩をとん、と突いてベッドに押し倒すと、跨ぐようにラカンがベッドの上に乗り上げた。俺は目がおっこちるんじゃないかというくらい目を見開く。視線の先にあるのは一糸まとわぬラカンの、完全に勃起して臍まで反り返ったアレだった。
なにこれ。
え、すごい、うそ、凄すぎない? そりゃあ種族や身体の大きさと同じで人によっていろいろと違うんだろうけど、でも俺のと全然違うな?
今まで他人のそんなものを目の当たりにしたことがなかった俺は、思わず言葉もなくしげしげと凝視してしまう。
最初に思ったのは、とにかくすごく……太い。とにかく太い。おまけに長い竿には極太の血管が浮き出てる。それにすごくエラが張ってて、赤銅色の肌よりさらに濃い色をしてて、え、なに、ラカンのってこんななの?
ラカンのとてつもない迫力の男根は黒い陰毛の間からそそり勃っていて、先端は濡れてテラテラと光っている。これ、きっとラカンのから出たのと、それと、アレだよな。さっきの俺の中の……
と、そこまで考えて思わず赤面していると、ラカンがものすごく悪い顔をして俺の上に覆いかぶさってきた。
「さあ、もう逃げられねぇぞ? アディ」
「え、あの、ラ……ラカン……?」
そうだ。ラカンにちゃんと事の次第を聞くには今しかない。そう思った。
一体俺たちはさっきから何をしてるのか。今の俺たちはどういう関係なのか。
そしてもし信じてくれそうなら、ちゃんと俺のことを話さなきゃ。俺は確かにアドルティスだけど、でも三十二歳じゃなくて二十歳のアドルティスなんだって。
そう思ったのに声が出なかった。
俺の上に圧し掛かるようにして見下ろしているラカンの目。
その目には、まだ真昼間で日が差し込む明るいこの部屋にはおよそ似つかわしくない飢えと情欲と、そして何かよくわからないものが鋭く光っていた。
「ラ……ラカン、あの……」
震える喉で必死に声を出そうとする。でもそれにラカンは俺が見たことのないような怖い笑みを浮かべて、そして俺の口を塞いだ。ラカンの唇で。
「ん…………っ!?」
唇を挟まれて、吸われて、つつかれて、また吸われて、ああ、背中がぞくぞくする。どうやって息継ぎすればいいのかわからなくて目の裏が真っ赤になりそうになった時に少しだけラカンの唇が離れた。だから慌てて口を開いて息をしようとしたら、ラカンの舌がぬるりと中に入ってきた。
「……っ、ん、ふっ」
なにこれなにこれ。ラカン、俺の舌舐めてるの? 歯とか裏顎とか、すっごいあちこち、ねっとり。え、あ。これ、キスだ。しかもものすごく深くて、いやらしいやつだ。俺は今頃気がついた。
え、なんでラカン俺にキスしてるの? ってこれキスだよな。え? え?
でも俺の思考がまともに働いたのはここまでだった。
ラカンが俺の脚を割るように間に入ってきて、膝裏に手を差し入れた。そしてぐいっと上に持ち上げる。
俺の口から舌を抜いて、で口の端とか顎とか、喉元とか鎖骨とか順番にキスしていって、そのまま胸の間から腹からヘソまで降りて、そして。口を開けて。咥えた。俺のアレを。
「ひゃぁっつ!?」
舌が、あったかくてざらざらしててぬるぬるしてる舌が、俺のモノを舐めている。
「ラカ、ラカン……んあ、ぁんっ!」
ダメダメダメ吸うな、扱くな、あ、ダメ、先っぽ、喉の奥で、あ、あ、きゅううううぅうううって、あ。
「ひあっ、ラ、ラカン、ラカン、はなして、ダメ、はやく、はなせバカぁああぁ~~~~~~~っつ!!」
なんかもう、今までごくごくたまに自分で触れて慰めた時とは比べ物にならない、すっごい、頭真っ白になるような衝撃だった。
そして俺は全身ビクビクと痙攣しながら、ラカンの口の中に射精してしまった。
「……………………っふ、あっ……ん……んあっ、ハッ、ハッ、ハッ」
今、間違いなく心臓止まった。一瞬だけど絶対止まった。あ、まだ腿の内側がびくびくしてる。あ、どうしよう、おれ、ラカンのくちんなかだしちゃった。あやまんなきゃ、はやく。
そう思うのにまったく動けない。ただ目と口だけ開いてぜえぜえ息をしてたら、ラカンがまた俺の上に覆いかぶさってきた。そんで俺のこと見下ろしながら口の中の俺の精液を自分の手のひらに、どろぉ~って出した。ふああああ、おれあんなにだしちゃったの? 自分でした時もあんなにでたことあったっけ?
そしてラカンはぼけっとしてる俺の顔を見てニヤリと笑うと、その精液まみれの手を俺の股間に持っていって、俺の尻の穴に塗りたくって、それから中に挿れてきた。
「ふぅううぅ……んっ」
ラカンが俺のことじーっと見ながら指をゆっくり、深く、浅く、出し入れしてる。そのたびに俺の口からはみっともない声と唾液が溢れて垂れてくる。
「あう、はふ、んあ、ふあ、」
「ナカ、ものすごくうねうねしてるな。そんなに俺が欲しいのか?」
え、そうなの? おれ、ほしいの? ここに? これってそういうことなの?
さっきから腹の奥がじんじんして、アソコがひくひくしてて、熱くて、頭くらくらして、目が霞む。ラカン、ラカン。ラカンの顔がよくみえない。
「それじゃあ挿れてやるから、ちょっとひっくり返すぞ」
――――なんかお前、今日しんどそうだから。
そう言われて、そうなのか? と思う。普段の、三十二歳の俺はこんなすごいことされてもいつも平気なの? もっと普通にしてられるの?
ラカンに促されてうつぶせになる。そしたらラカンが俺の腰を持ち上げて四つんばいにさせた。
「ほら、これいるだろう?」
そう言って顎の下あたりに枕? クッション? を入れてくれる。俺はよくわからないままに腕を持ち上げてそれにしがみつく。
「オラ、アディちゃんの大好きなラカンくんだぞ」
ラ、ラカンくん? 何それ。何かの冗談か? 本当にびっくりしてそう言ってやりたかったけど、ふとさっき目にしたばかりの、その『ラカンくん』の姿を思い出して思わず硬直する。
え、ひょっとして今からアレを入れようとしてるの? あの、パンと張った亀頭が完全に露わになった、いやらしい色をした、いかにも百戦錬磨の大人の男って感じの、アレを?
その時、俺のソコにぬるっと何かが押し当てられた。
「あ……」
え、ほんとうに? あんな大人の雄の男根を、俺、ほんとに挿れられちゃうの?
「ひ…………あ…………っ」
え、なに? これ、なに……っ!?
熱い熱い楔のようなものが狭い粘膜をかき分けるようにして突き上げてくる。
「あうっ」
ぐちゅん、ずちゅっ、ぬちゅっ。
ラカンの太い腕で抱え込まれて激しく身体を揺さぶられる度に、聞くに堪えない淫らな音がひっきりなしに聞こえてくる。それと同時にやたら耳障りな女の泣き声みたいなのも耳に突き刺さる。
「ひあっ、んあっ、ふああっ、んぐっ」
やだ、そこ、きもちいい、きもちいぃぃ……っ!!
太い何かが俺の狭い肉の間を行ったり来たりしてるのがすっごくよくわかる。
これ。これ。これってラカンの? ラカンのなの? ラカンのペニス? うそ、そんなものをおれ、挿れられちゃってるの? そんでこんなめちゃくちゃ突かれてるの? そんなまさか、なんで? それに、それがなんでこんなにきもちがいいの?
「はあっ、あんっ、だ、だめ……っ、あんっ、そこっ、うそっ、ひあんっ!」
もう自分でも何言ってんのかわけがわからない。
ごつごつと奥を突かれて俺の足はガクガク震えてるし、ペニスはガチガチに勃起して突かれる度にだらだらと精液を漏らしているし、もう熱くて気持ちよくてどろどろに解けたバターみたいな気分だった。
なんで。一体俺の身体どうなってるの? お腹にこんな大きくて熱くて苦しいのをねじ込まれてどうして勃ってるの。なんでそんなものが入っちゃうの。どうしてこんなにきもちがいいの。
すると後ろのラカンが俺をぎゅうぎゅう抱きしめながら、すっごく切羽詰ったみたいな声で言うのが聞こえた。
「…………くそっ、悪い、アドルティス。一回だけ、ナカで出していいか?」
「ふあ……っ!?」
ナカ? ナカで出すってなに? 今おれ、あんたにお腹のすごい奥まで挿れられちゃってるのに? え、それって、まさか、アレを、俺の中に出しちゃうってこと?
またしても頭が真っ白になって絶句する。けれど俺を揺さぶるラカンの動きは少しも緩まず、俺はものすごく焦ってしまった。
うそ、俺、男なのに、中でだされちゃうの? 中に、ラカンの子種、だされちゃうの?
「ま、まって、ラカン」
さすがにそれはダメだと我に返った。
「ひあっ、だ、だめ、なか、だめ」
なんでラカンが俺にこんなことしてるのかとか、どうして俺の身体はこんなに簡単にラカンを受け入れてしまってるのかとか、そういう疑問も全部頭から吹っ飛んだ。
「まってまって、なか、出しちゃだめ、だめ、ひあっ、あんっ、だ、だめ、はっ、んっ、あ、だめぇ……んっ!」
「なんだ、どうしたんだよアドルティス」
俺の様子がおかしいことに気づいたのか、ラカンがようやく動きを止めて聞いてきた。
「はあ……っ、はっ、はっ」
懸命に浅い呼吸を繰り返しながら必死に考える。何か言わなきゃ、でも何を言えばいいんだ。ちっともわからない。
するとラカンが俺の腰を掴んで、ゆっくりとペニスを引きずり出した。ずるずると、ものすごく太くて硬いモノが抜けていく感覚に思わず悲鳴を飲み込む。
そしてようやく長大な男根が全部引きずり出された後、たまらず床に倒れ込んだ。
ほっぺたをタイル張りの床に押し付けて、吊り上げられた瀕死の魚みたいに全身脱力してひたすら息をすることだけ繰り返す。
「おい、大丈夫か?」
少し心配そうな声でラカンが覗き込んできた。それに一応笑って返したけど、ちゃんと笑えてたかどうかは全然自信がない。
ラカンは肩をすくめると扉を開けて湯上り用の布を持ってくる。そして俺の身体を包んでくれた。
「おい、起きれるか?」
「ハッ、ハッ、な、なんとか……」
俺は必死に手を突っぱねて身体を起こし、ラカンの手を借りて立ち上がる。よろける俺の身体を支えて、ラカンが浴室を出た。
「ほら、じっとしてろ」
そう言って俺のことを軽々と担ぎ上げる。さすがラカン、力強いんだな。うん、やっぱりカッコいい。そんなことぼんやり考えてたら、連れて行かれた先は俺が今朝目覚めたあのでっかいベッドの上だった。
「なんだ、まだ敷いてないのかよ」
そう言ってラカンは裸のまま寝室を出ていって、何枚か敷布を持って戻ってきた。多分リネン庫から持ってきたやつだ。なんでそんな場所を知ってるんだろう? 十二年後のラカンはそこまで頻繁にこの家に来るくらい親しくなってるのか? それはちょっと嬉しいな。
ぼんやりとベッドの端に座ったままの俺を避けながら、ラカンがベッドに敷布を重ねる。それから裏庭が見える窓を見て言った。
「なあ、今日は明るいままでもいいか?」
いいか? の意味がちっともわからなかったが、とりあえず頷いておく。するとラカンがいつもの眉間の皴はどこへ行った? ってくらい機嫌良さそうに口角を上げた。ちらっと見えた牙がすごく猛々しくてカッコいい。
「ここならいいんだよな?」
そう言って俺の肩をとん、と突いてベッドに押し倒すと、跨ぐようにラカンがベッドの上に乗り上げた。俺は目がおっこちるんじゃないかというくらい目を見開く。視線の先にあるのは一糸まとわぬラカンの、完全に勃起して臍まで反り返ったアレだった。
なにこれ。
え、すごい、うそ、凄すぎない? そりゃあ種族や身体の大きさと同じで人によっていろいろと違うんだろうけど、でも俺のと全然違うな?
今まで他人のそんなものを目の当たりにしたことがなかった俺は、思わず言葉もなくしげしげと凝視してしまう。
最初に思ったのは、とにかくすごく……太い。とにかく太い。おまけに長い竿には極太の血管が浮き出てる。それにすごくエラが張ってて、赤銅色の肌よりさらに濃い色をしてて、え、なに、ラカンのってこんななの?
ラカンのとてつもない迫力の男根は黒い陰毛の間からそそり勃っていて、先端は濡れてテラテラと光っている。これ、きっとラカンのから出たのと、それと、アレだよな。さっきの俺の中の……
と、そこまで考えて思わず赤面していると、ラカンがものすごく悪い顔をして俺の上に覆いかぶさってきた。
「さあ、もう逃げられねぇぞ? アディ」
「え、あの、ラ……ラカン……?」
そうだ。ラカンにちゃんと事の次第を聞くには今しかない。そう思った。
一体俺たちはさっきから何をしてるのか。今の俺たちはどういう関係なのか。
そしてもし信じてくれそうなら、ちゃんと俺のことを話さなきゃ。俺は確かにアドルティスだけど、でも三十二歳じゃなくて二十歳のアドルティスなんだって。
そう思ったのに声が出なかった。
俺の上に圧し掛かるようにして見下ろしているラカンの目。
その目には、まだ真昼間で日が差し込む明るいこの部屋にはおよそ似つかわしくない飢えと情欲と、そして何かよくわからないものが鋭く光っていた。
「ラ……ラカン、あの……」
震える喉で必死に声を出そうとする。でもそれにラカンは俺が見たことのないような怖い笑みを浮かべて、そして俺の口を塞いだ。ラカンの唇で。
「ん…………っ!?」
唇を挟まれて、吸われて、つつかれて、また吸われて、ああ、背中がぞくぞくする。どうやって息継ぎすればいいのかわからなくて目の裏が真っ赤になりそうになった時に少しだけラカンの唇が離れた。だから慌てて口を開いて息をしようとしたら、ラカンの舌がぬるりと中に入ってきた。
「……っ、ん、ふっ」
なにこれなにこれ。ラカン、俺の舌舐めてるの? 歯とか裏顎とか、すっごいあちこち、ねっとり。え、あ。これ、キスだ。しかもものすごく深くて、いやらしいやつだ。俺は今頃気がついた。
え、なんでラカン俺にキスしてるの? ってこれキスだよな。え? え?
でも俺の思考がまともに働いたのはここまでだった。
ラカンが俺の脚を割るように間に入ってきて、膝裏に手を差し入れた。そしてぐいっと上に持ち上げる。
俺の口から舌を抜いて、で口の端とか顎とか、喉元とか鎖骨とか順番にキスしていって、そのまま胸の間から腹からヘソまで降りて、そして。口を開けて。咥えた。俺のアレを。
「ひゃぁっつ!?」
舌が、あったかくてざらざらしててぬるぬるしてる舌が、俺のモノを舐めている。
「ラカ、ラカン……んあ、ぁんっ!」
ダメダメダメ吸うな、扱くな、あ、ダメ、先っぽ、喉の奥で、あ、あ、きゅううううぅうううって、あ。
「ひあっ、ラ、ラカン、ラカン、はなして、ダメ、はやく、はなせバカぁああぁ~~~~~~~っつ!!」
なんかもう、今までごくごくたまに自分で触れて慰めた時とは比べ物にならない、すっごい、頭真っ白になるような衝撃だった。
そして俺は全身ビクビクと痙攣しながら、ラカンの口の中に射精してしまった。
「……………………っふ、あっ……ん……んあっ、ハッ、ハッ、ハッ」
今、間違いなく心臓止まった。一瞬だけど絶対止まった。あ、まだ腿の内側がびくびくしてる。あ、どうしよう、おれ、ラカンのくちんなかだしちゃった。あやまんなきゃ、はやく。
そう思うのにまったく動けない。ただ目と口だけ開いてぜえぜえ息をしてたら、ラカンがまた俺の上に覆いかぶさってきた。そんで俺のこと見下ろしながら口の中の俺の精液を自分の手のひらに、どろぉ~って出した。ふああああ、おれあんなにだしちゃったの? 自分でした時もあんなにでたことあったっけ?
そしてラカンはぼけっとしてる俺の顔を見てニヤリと笑うと、その精液まみれの手を俺の股間に持っていって、俺の尻の穴に塗りたくって、それから中に挿れてきた。
「ふぅううぅ……んっ」
ラカンが俺のことじーっと見ながら指をゆっくり、深く、浅く、出し入れしてる。そのたびに俺の口からはみっともない声と唾液が溢れて垂れてくる。
「あう、はふ、んあ、ふあ、」
「ナカ、ものすごくうねうねしてるな。そんなに俺が欲しいのか?」
え、そうなの? おれ、ほしいの? ここに? これってそういうことなの?
さっきから腹の奥がじんじんして、アソコがひくひくしてて、熱くて、頭くらくらして、目が霞む。ラカン、ラカン。ラカンの顔がよくみえない。
「それじゃあ挿れてやるから、ちょっとひっくり返すぞ」
――――なんかお前、今日しんどそうだから。
そう言われて、そうなのか? と思う。普段の、三十二歳の俺はこんなすごいことされてもいつも平気なの? もっと普通にしてられるの?
ラカンに促されてうつぶせになる。そしたらラカンが俺の腰を持ち上げて四つんばいにさせた。
「ほら、これいるだろう?」
そう言って顎の下あたりに枕? クッション? を入れてくれる。俺はよくわからないままに腕を持ち上げてそれにしがみつく。
「オラ、アディちゃんの大好きなラカンくんだぞ」
ラ、ラカンくん? 何それ。何かの冗談か? 本当にびっくりしてそう言ってやりたかったけど、ふとさっき目にしたばかりの、その『ラカンくん』の姿を思い出して思わず硬直する。
え、ひょっとして今からアレを入れようとしてるの? あの、パンと張った亀頭が完全に露わになった、いやらしい色をした、いかにも百戦錬磨の大人の男って感じの、アレを?
その時、俺のソコにぬるっと何かが押し当てられた。
「あ……」
え、ほんとうに? あんな大人の雄の男根を、俺、ほんとに挿れられちゃうの?
「ひ…………あ…………っ」
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