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Ⅱ 据え膳食わぬは鬼の恥 編
鬼人ラカンの前戯 ★
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「ほ、ほんとにするのか……?」
妙におどおどした仕草でアドルティスが聞いて来た。こんな、こいつらしくない顔になんとなく、少しだけ嫌な気持ちになる。いろんな顔を見れるのは楽しいが、その顔はお前には似合わんな。
「挿れずに治まると思うか? コレが」
そう言ってわざとガチガチに勃起して臍まで反り返ってるモノを見せつけると、途端にアドルティスの目がとろん、として顔に興奮したような赤みが差した。
ああ、やっぱりこいつ、本当に男が好きなんだなぁ……と、ちょっと驚く。だが今は好都合だ。
鬼人の逸物っていうのは人間やエルフたちから見たら結構エグい代物だ。娼館の女たちには喜ばれることが多いが、それでも初めて見たやつは大抵驚く。
亀頭はパン、と大きく張っていて竿は飽くほどに太い。うねうねと太い血管が浮き出てるのや赤銅色の肌よりもっと濃い色も見るやつによっては少々グロテスクに映るだろう。どっしりと重い陰嚢を見ればわかる通り、鬼人っていうのは相当精力が強い生き物だ。
だが人間以上に繊細だといわれるエルフのくせに、アドルティスは俺のモノを見ても嫌がるそぶりを見せなかった。
それどころか、おい、なんだそれ。いつどこでそんないやらしい表情覚えてきやがったんだお前。おまけにアドルティスの方から俺のモノへと手を伸ばしてきやがった。
やつの白くて細くて綺麗に爪の整えられた指が、俺の赤黒い、凶悪なモノに触れる。そして先端の小さな穴を焦らすようにすりすりと撫でてきた。おまけに「はぁ……」なんて悩ましい、エロい吐息まで漏らしてやがる。
お前、俺の知らないところで、男を欲しがっていつもこんな顔をしてたのか。おい、そんなの聞いてねぇぞ。
なぜか突然腹が立ってきて、俺はつい片手でアドルティスの両手を掴むと無理矢理頭の上で押さえつけてやった。アドルティスが驚いたように目を見開く。
「なあ、アディはこれが好きなんだろう?」
そう言ってアドルティスの足を抱え上げてひくひくしてる後腔にわざとらしく亀頭を擦りつけると、ニヤリと人の悪い笑みを浮かべて言ってやった。
「欲しけりゃ膝裏、自分で抱えとけ」
「わ……わかった」
アドルティスが大人しく両腕で自分の膝を抱え込む。
「もっと足開けよ。お前も見たいだろ」
そう言って膝頭を思いっきり左右に開いてからふと気づいた。
女と違って後ろの穴に入れる男の場合、正常位でやろうと思うとかなり腰を高くあげなけりゃいけない。でもこれってかなりキツそうだよな。
俺は手を伸ばして枕を掴むと、両膝を抱えて急所を露わにしているアドルティスの腰の下に押し込んだ。
「どうだ、これならしんどくないか」
「え……あ、ほんとだ。だいぶラクだな」
パッと驚いたような顔をしてアドルティスが感心する。おい、なんかかわいいな、その反応。
「そうか、よし」
そして俺は改めてアドルティスのソコをじっくりと見る。おかしい。ほんとになんで萎えねぇんだろうな。だって男の尻だぜ? でもこいつのは随分と綺麗だな。色とかなんとか。
摩羅もキレイに剥けてはいるが、あんまり色がついていない。
……まさか童貞ってことはないよな。急に心配になる。いや、どうだろう。普段こいつの興味を引きたがってコナ掛けてくるような女たちに応えるどころかまるで興味なさそうにしてるからな。
それに寝てる間に乗っかられて、つい我慢できずに据え膳食ってしまった今の状況でこんなことを言うのはアレだが、やっぱり肉欲というか、生々しい欲望みたいなものとこいつとがなんとも結びつかない。
それでもやっぱり潤んでこっちを見上げてるアドルティスを見ているとどうにもたまらなくなって、ベッドの端に転がっていた香油の瓶を拝借すると手のひらにたっぷりと出した。そして手を揉み合わせて暖めると、左手でアドルティスのモノを、右手で後ろをかわいがり始めた。
「あっ、っひ、んっ、や、や、ぁ……っ」
よしよし、やっぱこいつら俺の手が大好きだな。あっという間に勃って、あっという間に俺の指にしゃぶりついて離れなくなった。あまりに素直な身体に思わずニヤリと品のない笑みを浮かべてしまう。
「ラ……ラカン、ラカン……っ」
きゅっと目を瞑ってサラサラの髪を振り乱して、いつもと別人みたいに素直に声を上げているアドルティスに、俺は頷いてやる。
「わかってる。アディはラカンくんにキスして欲しいんだよな」
なんて馬鹿なことを言いながら俺は香油でぬめる手で自分のモノを一、二回扱いてからアドルティスの上に圧し掛かった。またしてもベッドがギシッ、といやな音をたてたが、頼む、なんとかコトが終わるまでもってくれ。
「よく見てろ」
アドルティスが恐る恐るといった感じで目を開いたのを確認してから、てらてらと濡れて光る亀頭をアドルティスのぬかるんだソコにそっと押し当てる。そして腰を引くとちゅっとかわいい音を立てた。アドルティスの下の口から俺の亀頭の間に香油が糸をひくのがひどく淫猥だ。それを何度も何度も繰り返してやった。アドルティスは目元を紅潮させながらそれをじっと見つめている。
薄く開いた唇からせわしなく息が漏れている。もうたまんないって顔だ。たったこれだけでそんなにイイものか? そう疑問に思いながら俺は聞いてみた。
「なぁ、お前これ、そんなに好きなのか」
「……好き、すごく、すき」
アドルティスが自分の両足の間から一瞬たりとも目を離さずに、これ以上ないってくらいとろとろの顔して言った。
「だって、これ、ラカンのと俺のが、ちゅっちゅって本当にキスしてるみたいじゃない……?」
……………………ヤバイ。
本気で今、グラッと来た。
なに馬鹿かわいいこと言ってんだこいつ。馬鹿じゃないのか本当に。そんなこと女でも言わないぞ。
聞いているこっちが恥ずかしくなって、俺はアドルティスにぐっと顔を近づけた。
「なぁ、もう挿れていいか?」
するとアドルティスが誰にも見せたことないような、うっとりとした笑みを浮かべて言った。
「いい、よ……っ、はやく入れて、よ、ラカン……っ」
「了解」
俺はアドルティスの細い身体を押さえ込むと、ガチガチに勃起したモノをずぶずぶとアドルティスの中に挿れていった。もちろん痛い思いさせたり怪我なんかさせたくはないからかなり加減して、だが。
「はぁぁあぅ……んっ!」
アドルティスがすごい声を上げて仰け反る。これでもさすがにキツかったか? だが正直もう待てなかった。
俺は両足を広げて俺を受け入れているアドルティスを見下ろしながら、なぜかものすごく興奮していた。
縁が赤くなったアドルティスの香油まみれでトロトロになったそこに、俺のモノがぬぷぬぷと出入りしているのがよく見える。
こんなことを言ったら大抵の女は引くだろうが、俺はこの『自分のモノがソコに出入りしている様子』を見るのが好きだ。そして相手が泣いて喘いでよがってたりするとさらにクる。
ああ、こいつは今俺のモノでめちゃくちゃに気持ちよくなってんだな、って思えるのがいい。なんていうんだ、征服欲? そういうのが満たされる感じがたまらない。
でもまぁ、普通の女はそんな派手に声を上げたりはしない。
正直、馬鹿みたいに声上げて気持ちいいだの死んじゃうだの言うのは、まだ若くて大した手管も知らない娼館の女どもか、まあ演技してるんだろうな、と思う。
だがどうにもアドルティスの場合はそうじゃないような気がした。なぜかと言われると困るんだが。
大体、アドルティスという男は昔から自分の素の感情や状態を人に知られるのをよしとしていないように見える。もしくは元々同族以外には容易に心を開かぬエルフ本来の性質、というか。
軟弱そうに見えて自分から弱音吐くことなど絶対にないし、しんどい時ほど無表情でそれを押し隠す。
だからこんな風に『気持ちがよくてどうしようもない』みたいな顔は多分、誰にも見られたくないんじゃないだろうか。
なのに今こんな風にだらしねぇツラして女みたいに甘ったるい声上げて喘いでるのは、やっぱり計算とか演技じゃなくて、本当に、どうしようもないくらい感じてるってことだろ?
いや、でも待て。そもそも男が男にヤられてほんとにそんな気持ちいいものか? アドルティスの後腔の中ほどをぬるぬると擦ってやりながらふと疑問に思う。
俺だったら例え相手が気心知れたこいつであっても憤死する自信あるぞ? やっぱり演技なのか? コレは。何か裏で企んでるいるとか、操られでもしているとか?
でも、こいつが俺に『あなたのモノに突かれてすごく気持ちがいい』なんて思わせて一体なんの得があるっていうんだ。やっぱり『これは全部アドルティスの策略説』は却下だな。無理がありすぎる。
そうなると残るは『酔ったアドルティスの悪ふざけ説』だろうか。
酔うと誰彼構わず寝てる相手のイチモツを舐めて自分の尻に突っ込んじまうのか。え、マジで? 仮にも『ダナン随一の斥候兼バッファー』で、なおかつ『ここらじゃちょっとお目に掛かれないくらい綺麗なエルフの王子様』がそんなことしてて大丈夫か?
こいつ、自分じゃあんまりわかってないようだが結構有名人だからな。何かあればすぐに噂は広まるだろうし、そしたら馬鹿な野郎どもがこいつの身体目当てに大挙して襲ってくるぞ?
「おい、アドルティス。お前、外でいつもこんなことしてるのか」
思わず俺はクソ真面目な顔でアドルティスを問い詰めた。アドルティスの尻に突っ込みながら真面目もクソもないもんだが、この際そんなことは言ってられない。
ところが当のアドルティスはトロンとした目をして「……え?」なんてトボけた返事しかしてこない。だからアドルティスの目を覚まさせるために、やつのモノの先っぽを擦って一発思いっきりぐぷんっ、と突き上げてやったら「ひゃあうぅうっんっ!!」とか叫んで固まっちまった。ん、こいつ今イッたのか? いや、まさかな。
股間を見ると、アドルティスのすんなりとした綺麗なペニスからトロトロと精液が溢れてきてた。
そう、さっき知ったことだが、こいつがイく時って勢いよく出るんじゃなくて、こんな風に中から押し出されて溢れてこぷこぷっと出る感じなんだよな。
で、それが長く続いてその間ずっと身体や目蓋がひくひくしてる。このイキ方って女が本気で中イキした時によく似ている。中イキ。マジか。
いや「マジか」なのは俺の方だ。他人のザーメン見て全然嫌悪感わかないってのは一体どういうことだ。おまけにソレを自分の手になすりつけて、アドルティスのモノを握って何をしてるんだ俺は。
「はぁあ……んっ、ラ、ラカン、ソレ……っ、それダメ……っ、ダメぇ……っ!」
「馬鹿言え、まだイケるだろ」
「ふあぁあんっ!」
ゆさゆさと腰を揺すりながらアドルティスのモノを扱いて容赦なく責めたてる。しかし声どころか口調までいつと全然違うな、こいつ。
「おい答えろ、アドルティス。てめぇ、他のヤツともこんなことしてんのか」
「し……っ、して、んぁあ、あっ、して、ない……っ」
「本当か?」
「ほ、ほんと……っ、ほんとだ……ってっ……っ、んあっ!」
アドルティスが否定すればするほど、俺の頭はどんどん冷静になっていく。
誰ともやってない? それなのにこんな風に男に突っ込まれてイケるもんか? ベッドで最初にヤった時だって途中までだがやたらあっさり入っていた、ような気がする。だが普通は無理だろう。どう考えたって。
そう思った途端、頭にカッと血が上った。
妙におどおどした仕草でアドルティスが聞いて来た。こんな、こいつらしくない顔になんとなく、少しだけ嫌な気持ちになる。いろんな顔を見れるのは楽しいが、その顔はお前には似合わんな。
「挿れずに治まると思うか? コレが」
そう言ってわざとガチガチに勃起して臍まで反り返ってるモノを見せつけると、途端にアドルティスの目がとろん、として顔に興奮したような赤みが差した。
ああ、やっぱりこいつ、本当に男が好きなんだなぁ……と、ちょっと驚く。だが今は好都合だ。
鬼人の逸物っていうのは人間やエルフたちから見たら結構エグい代物だ。娼館の女たちには喜ばれることが多いが、それでも初めて見たやつは大抵驚く。
亀頭はパン、と大きく張っていて竿は飽くほどに太い。うねうねと太い血管が浮き出てるのや赤銅色の肌よりもっと濃い色も見るやつによっては少々グロテスクに映るだろう。どっしりと重い陰嚢を見ればわかる通り、鬼人っていうのは相当精力が強い生き物だ。
だが人間以上に繊細だといわれるエルフのくせに、アドルティスは俺のモノを見ても嫌がるそぶりを見せなかった。
それどころか、おい、なんだそれ。いつどこでそんないやらしい表情覚えてきやがったんだお前。おまけにアドルティスの方から俺のモノへと手を伸ばしてきやがった。
やつの白くて細くて綺麗に爪の整えられた指が、俺の赤黒い、凶悪なモノに触れる。そして先端の小さな穴を焦らすようにすりすりと撫でてきた。おまけに「はぁ……」なんて悩ましい、エロい吐息まで漏らしてやがる。
お前、俺の知らないところで、男を欲しがっていつもこんな顔をしてたのか。おい、そんなの聞いてねぇぞ。
なぜか突然腹が立ってきて、俺はつい片手でアドルティスの両手を掴むと無理矢理頭の上で押さえつけてやった。アドルティスが驚いたように目を見開く。
「なあ、アディはこれが好きなんだろう?」
そう言ってアドルティスの足を抱え上げてひくひくしてる後腔にわざとらしく亀頭を擦りつけると、ニヤリと人の悪い笑みを浮かべて言ってやった。
「欲しけりゃ膝裏、自分で抱えとけ」
「わ……わかった」
アドルティスが大人しく両腕で自分の膝を抱え込む。
「もっと足開けよ。お前も見たいだろ」
そう言って膝頭を思いっきり左右に開いてからふと気づいた。
女と違って後ろの穴に入れる男の場合、正常位でやろうと思うとかなり腰を高くあげなけりゃいけない。でもこれってかなりキツそうだよな。
俺は手を伸ばして枕を掴むと、両膝を抱えて急所を露わにしているアドルティスの腰の下に押し込んだ。
「どうだ、これならしんどくないか」
「え……あ、ほんとだ。だいぶラクだな」
パッと驚いたような顔をしてアドルティスが感心する。おい、なんかかわいいな、その反応。
「そうか、よし」
そして俺は改めてアドルティスのソコをじっくりと見る。おかしい。ほんとになんで萎えねぇんだろうな。だって男の尻だぜ? でもこいつのは随分と綺麗だな。色とかなんとか。
摩羅もキレイに剥けてはいるが、あんまり色がついていない。
……まさか童貞ってことはないよな。急に心配になる。いや、どうだろう。普段こいつの興味を引きたがってコナ掛けてくるような女たちに応えるどころかまるで興味なさそうにしてるからな。
それに寝てる間に乗っかられて、つい我慢できずに据え膳食ってしまった今の状況でこんなことを言うのはアレだが、やっぱり肉欲というか、生々しい欲望みたいなものとこいつとがなんとも結びつかない。
それでもやっぱり潤んでこっちを見上げてるアドルティスを見ているとどうにもたまらなくなって、ベッドの端に転がっていた香油の瓶を拝借すると手のひらにたっぷりと出した。そして手を揉み合わせて暖めると、左手でアドルティスのモノを、右手で後ろをかわいがり始めた。
「あっ、っひ、んっ、や、や、ぁ……っ」
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「ラ……ラカン、ラカン……っ」
きゅっと目を瞑ってサラサラの髪を振り乱して、いつもと別人みたいに素直に声を上げているアドルティスに、俺は頷いてやる。
「わかってる。アディはラカンくんにキスして欲しいんだよな」
なんて馬鹿なことを言いながら俺は香油でぬめる手で自分のモノを一、二回扱いてからアドルティスの上に圧し掛かった。またしてもベッドがギシッ、といやな音をたてたが、頼む、なんとかコトが終わるまでもってくれ。
「よく見てろ」
アドルティスが恐る恐るといった感じで目を開いたのを確認してから、てらてらと濡れて光る亀頭をアドルティスのぬかるんだソコにそっと押し当てる。そして腰を引くとちゅっとかわいい音を立てた。アドルティスの下の口から俺の亀頭の間に香油が糸をひくのがひどく淫猥だ。それを何度も何度も繰り返してやった。アドルティスは目元を紅潮させながらそれをじっと見つめている。
薄く開いた唇からせわしなく息が漏れている。もうたまんないって顔だ。たったこれだけでそんなにイイものか? そう疑問に思いながら俺は聞いてみた。
「なぁ、お前これ、そんなに好きなのか」
「……好き、すごく、すき」
アドルティスが自分の両足の間から一瞬たりとも目を離さずに、これ以上ないってくらいとろとろの顔して言った。
「だって、これ、ラカンのと俺のが、ちゅっちゅって本当にキスしてるみたいじゃない……?」
……………………ヤバイ。
本気で今、グラッと来た。
なに馬鹿かわいいこと言ってんだこいつ。馬鹿じゃないのか本当に。そんなこと女でも言わないぞ。
聞いているこっちが恥ずかしくなって、俺はアドルティスにぐっと顔を近づけた。
「なぁ、もう挿れていいか?」
するとアドルティスが誰にも見せたことないような、うっとりとした笑みを浮かべて言った。
「いい、よ……っ、はやく入れて、よ、ラカン……っ」
「了解」
俺はアドルティスの細い身体を押さえ込むと、ガチガチに勃起したモノをずぶずぶとアドルティスの中に挿れていった。もちろん痛い思いさせたり怪我なんかさせたくはないからかなり加減して、だが。
「はぁぁあぅ……んっ!」
アドルティスがすごい声を上げて仰け反る。これでもさすがにキツかったか? だが正直もう待てなかった。
俺は両足を広げて俺を受け入れているアドルティスを見下ろしながら、なぜかものすごく興奮していた。
縁が赤くなったアドルティスの香油まみれでトロトロになったそこに、俺のモノがぬぷぬぷと出入りしているのがよく見える。
こんなことを言ったら大抵の女は引くだろうが、俺はこの『自分のモノがソコに出入りしている様子』を見るのが好きだ。そして相手が泣いて喘いでよがってたりするとさらにクる。
ああ、こいつは今俺のモノでめちゃくちゃに気持ちよくなってんだな、って思えるのがいい。なんていうんだ、征服欲? そういうのが満たされる感じがたまらない。
でもまぁ、普通の女はそんな派手に声を上げたりはしない。
正直、馬鹿みたいに声上げて気持ちいいだの死んじゃうだの言うのは、まだ若くて大した手管も知らない娼館の女どもか、まあ演技してるんだろうな、と思う。
だがどうにもアドルティスの場合はそうじゃないような気がした。なぜかと言われると困るんだが。
大体、アドルティスという男は昔から自分の素の感情や状態を人に知られるのをよしとしていないように見える。もしくは元々同族以外には容易に心を開かぬエルフ本来の性質、というか。
軟弱そうに見えて自分から弱音吐くことなど絶対にないし、しんどい時ほど無表情でそれを押し隠す。
だからこんな風に『気持ちがよくてどうしようもない』みたいな顔は多分、誰にも見られたくないんじゃないだろうか。
なのに今こんな風にだらしねぇツラして女みたいに甘ったるい声上げて喘いでるのは、やっぱり計算とか演技じゃなくて、本当に、どうしようもないくらい感じてるってことだろ?
いや、でも待て。そもそも男が男にヤられてほんとにそんな気持ちいいものか? アドルティスの後腔の中ほどをぬるぬると擦ってやりながらふと疑問に思う。
俺だったら例え相手が気心知れたこいつであっても憤死する自信あるぞ? やっぱり演技なのか? コレは。何か裏で企んでるいるとか、操られでもしているとか?
でも、こいつが俺に『あなたのモノに突かれてすごく気持ちがいい』なんて思わせて一体なんの得があるっていうんだ。やっぱり『これは全部アドルティスの策略説』は却下だな。無理がありすぎる。
そうなると残るは『酔ったアドルティスの悪ふざけ説』だろうか。
酔うと誰彼構わず寝てる相手のイチモツを舐めて自分の尻に突っ込んじまうのか。え、マジで? 仮にも『ダナン随一の斥候兼バッファー』で、なおかつ『ここらじゃちょっとお目に掛かれないくらい綺麗なエルフの王子様』がそんなことしてて大丈夫か?
こいつ、自分じゃあんまりわかってないようだが結構有名人だからな。何かあればすぐに噂は広まるだろうし、そしたら馬鹿な野郎どもがこいつの身体目当てに大挙して襲ってくるぞ?
「おい、アドルティス。お前、外でいつもこんなことしてるのか」
思わず俺はクソ真面目な顔でアドルティスを問い詰めた。アドルティスの尻に突っ込みながら真面目もクソもないもんだが、この際そんなことは言ってられない。
ところが当のアドルティスはトロンとした目をして「……え?」なんてトボけた返事しかしてこない。だからアドルティスの目を覚まさせるために、やつのモノの先っぽを擦って一発思いっきりぐぷんっ、と突き上げてやったら「ひゃあうぅうっんっ!!」とか叫んで固まっちまった。ん、こいつ今イッたのか? いや、まさかな。
股間を見ると、アドルティスのすんなりとした綺麗なペニスからトロトロと精液が溢れてきてた。
そう、さっき知ったことだが、こいつがイく時って勢いよく出るんじゃなくて、こんな風に中から押し出されて溢れてこぷこぷっと出る感じなんだよな。
で、それが長く続いてその間ずっと身体や目蓋がひくひくしてる。このイキ方って女が本気で中イキした時によく似ている。中イキ。マジか。
いや「マジか」なのは俺の方だ。他人のザーメン見て全然嫌悪感わかないってのは一体どういうことだ。おまけにソレを自分の手になすりつけて、アドルティスのモノを握って何をしてるんだ俺は。
「はぁあ……んっ、ラ、ラカン、ソレ……っ、それダメ……っ、ダメぇ……っ!」
「馬鹿言え、まだイケるだろ」
「ふあぁあんっ!」
ゆさゆさと腰を揺すりながらアドルティスのモノを扱いて容赦なく責めたてる。しかし声どころか口調までいつと全然違うな、こいつ。
「おい答えろ、アドルティス。てめぇ、他のヤツともこんなことしてんのか」
「し……っ、して、んぁあ、あっ、して、ない……っ」
「本当か?」
「ほ、ほんと……っ、ほんとだ……ってっ……っ、んあっ!」
アドルティスが否定すればするほど、俺の頭はどんどん冷静になっていく。
誰ともやってない? それなのにこんな風に男に突っ込まれてイケるもんか? ベッドで最初にヤった時だって途中までだがやたらあっさり入っていた、ような気がする。だが普通は無理だろう。どう考えたって。
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