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Ⅱ 据え膳食わぬは鬼の恥 編
ラカン、血迷う ★
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アドルティスがひどく慌てたように聞いてくる。
「お……おい、ラカン……? あんた、なにしてるんだ……?」
「なんだろうな」
「ちょ……、待っ……っ、そ、そんなとこに、擦りつけな……っ」
「だが勃つもんは勃つんだからどうしようもないだろう?」
「いや、どうしようもないで済ませていいのかそれは」
ならそんなハテナマークいっぱい飛ばしたかわいい顔してこっち見るなよ。なんて思うこと自体、どうかしてるのは間違いなく俺の方なんだろうな。多分。
「あー、くそっ、酔っててわかんねぇな、今は」
「いやいや、あんたみたいなうわばみ、酔いなんてもうとっくに覚めてるだろう!?」
「なら、最高に気持ちいいお前の身体に酔った」
「は?」
いつだったか『俺の部屋から夕陽を見よう』とか言ってこいつを口説いてた野郎をはるかに超える馬鹿さ加減だと自分でも思いつつ、頭一つ分小さいあいつを後ろから抱きしめて耳元で囁く。
「……さっき、しただろ? 熱くて、狭くて、きゅうきゅう締め付けてくるんだな、お前のココ」
「…………ご、ごめん……」
なんか顔真っ赤にして俯いちまった。大丈夫かお前。こんな女衒まがいの馬鹿馬鹿しい与太ほざいてる男なんかぶん殴ってすぐさまここから追い出せよ。危ねぇだろうが。酔っ払いたちの誘いをミミズを見るような目つきで追っ払ってる普段のお前はどこ行ったんだ。
元来が直情的な鬼人族の俺は、いつもの涼し気な淡々とした顔とは別人みたいに顔を赤らめて恥ずかしがってるアドルティスを見ただけで、なんかもう本当にたまらない気分になる。
まだ、ばあさんを気にしてか必死に声を殺すアドルティスに身体を押し付けて壁に張りつける。そして両手を滑らせて、やつの滑らかな胸を覆ってゆっくりと揉んでみた。
「ひうっ」
俺の手のひらに乳首を転がされてアドルティスの身体がビクン! と跳ねる。
やっぱないな。胸。当たり前だけど。なのになんでこんなに興奮するんだろうか。
俺は内心不思議に思いながらそのままアドルティスの胸を揉みしだいては手のひらでツンと尖った乳首を押し潰したり捏ねまわしたりした。
「っふ、んっ、……っ」
途端にきゅっと拳を握って壁に額を押し付けたアドルティスの口からいやらしい声や吐息や漏れ始める。俺もやつの尻の谷間にぬるぬると擦りつけながらぎゅっ、と抱きしめてもう一押ししてみることにした。
「なあ、もう一度挿れてもいいか?」
「は、はあっ!?」
仰天したようにアドルティスが声を上げる。
「まずけりゃ中では出さないようにするし、奥までは挿れないから」
「や、ちょっと、ラカン落ち着けって」
「なら、先っぽだけならどうだ」
「へ?」
「さっきみたいにガツガツやらねぇから、浅いところにちょっとだけは?」
「え、えと……」
アドルティスがまた真っ赤な顔をして俯いてしまう。ああ、本当に、こいつわざとやってんじゃないだろうな?
俺は、らしくもなくねだるような口調で言ってみた。
「なあ、お前のイイところだけ、優しく突いてこすってやるから。きっと気持ちがいいと思うぜ?」
「そ……そんな……」
なんかアドルティスの声がますます蕩けてるな。おいおい、こんなに色々とゆるくて本当に大丈夫か。
「なあ、アディ?」
ふと思いついてしっとりと濡れた髪から突き出たやつの尖った耳をかぷり、と咥えてやったら「ひうんっ」ってすごい声出して仰け反った。そして完全にとろとろの目で俺を見て呟く。
「じゃ…………、じゃあ、ほんの、ちょっとだけなら……」
「ああ、まかせとけ」
その言葉が妙に嬉しくてつい勢いで真っ赤な目元にキスをしてやると、またあいつは俯いてしまった。
無事お許しが出たので俺は今キレイにしたばかりのアドルティスの尻に、期待に膨らみきった先端を押し当てる。そしてアドルティスが震える息を吸った瞬間を狙ってぬぷっと中に軽く突き入れた。お、柔らかいな。さっきベッドで散々出し挿れしまくったし、今も指でいっぱいかき回してやったからな。
男の尻に入れたのなんかもちろん初めてだが、多分アドルティスのココはすごく具合がいいんだろう。というかイイ。ものすごくイイ。入り口はかなり狭くて、でもそこを通り抜けると中の粘膜がきゅうきゅう吸いついてくる。
アドルティスが俺のモノに『ラカンのラカンくん』なんて馬鹿げた名前を付けていたが、ラカンくんと『アドルティスのアディちゃん』は結構相性がいいのか、アドルティスの方もかなり気持ちがいいようだった。
なんといっても声が甘い。声というか息? 開きっぱなしの口から震えるみたいな息を吐き出して、その隙間に漏れてくる声がものすごく甘い。一瞬演技か? と思ったくらいだ。
だが、声はいくらでも演技できるが、身体の中は無理だろう。さっきベッドでヤッた時、中がすごくビクビクと痙攣していた。だからやっぱりアドルティスも相当感じてるんだと思う。
「んっ、あっ、あ……っ、ラ、ラカ、ン、ラカ、ン……んっ、あっ」
入り口のとこを何度も何度もくぷくぷと出し挿れしてたらアドルティスがまた切なそうにあえぎ出した。ああ、やっぱり甘いな、声。
濡れてうなじに張り付いた髪をかき上げてそこに軽く歯を立てて舐めてやると、それだけでも刺激になるのか、アドルティスは息を詰めて壁についた拳をきゅっと握りしめた。
アドルティスはどこもかしこも性感帯みたいに、俺がちょっと舐めたりさすったりするだけでびっくりするくらい反応する。
ああ、こいつ男で良かったな。もし女だったらとっくにそこらのタチの悪い野郎どもに食われてただろうな。昔、こいつを楯にして逃げようとしたあのどうしようもねぇクソ野郎みたいなヤツに。
そう思った途端、妙に面白くなくて思わずこいつの中のふっくら盛り上がったところを思いっきりぐりっ、と擦ってしまった。するとアドルティスがまた「あう……ンっ!」なんておっそろしくエロい声で喘ぐ。
……男でもヤバイかもしれん。すげぇなアドルティス。さすがダナン中の女たちと一部の男たちから涎垂れそうな目つきで見られてるだけのことはある。中身はいろいろと残念なやつだけど。
アドルティスが浴室の壁になめらかな頬を押し付けて、目を閉じてハアハア言っている。
こいつがこんな顔を見せたことなんて今まで一度もなかったから本当に新鮮だ。睫毛長いな。ふるふる震えて、いつもまっしろで色のない肌がほんのり上気して染まってるのがなんとも目に毒だ。
俺はやつの細い腰を後ろから掴んでゆっくりと浅く突き続ける。
はぁ……、あったかくてきゅうきゅうキツくて気持ちがいい。こんな細くて小さいこいつの尻に俺のモノが入ってるのかと思うとそれだけでめちゃくちゃに滾ってくる。
……だが足りない。どう考えてもやっぱり亀頭だけじゃ全然足りねぇな。
このガチガチにいきり立ってるモノをもっと奥までねじ込んで、アドルティスのぎゅうぎゅうに狭くて熱い肉に先っぽから根元まで全部擦られたくてたまらなかった。
「な……ぁ、アドルティス」
俺は入り口のところをくちくち突きながらガキみたいにもう一度ねだる。
「やっぱり先っぽだけじゃ足りないんだが」
「え、は……? けど、ラカン……、あんた、うそだろ……?」
ぱちっと目を開けたアドルティスが、ものすごく困った顔で肩越しに俺を見る。あんまり表情変わってないが。
でももう何年もこいつと一瞬の油断が命取りになるような場所で、時には言葉を発する暇もなく予測とアイコンタクトだけで一緒に魔獣を倒してきた俺にはわかる。
こいつは別に嫌がってるわけじゃない。
ならなんでこんなに抵抗するんだ? 恥ずかしいからか?
でも寝てる俺を襲って自分で跨って、勝手に尻で俺のモノを咥え込んでおいて今更恥ずかしいも何もないだろう。明日も特に受けてる依頼もないらしいのに、ならなんでこいつは駄目だと言うんだろうか。
「なぁ、お前のココは、俺が欲しくないのか?」
思いっきりストレートに聞いてみる。するとカリ首をくわえ込んだところがぎゅっと締まって思わず息を詰めた。
ほら見ろ。アディちゃんは俺のラカンくんが欲しいって言ってるぞ。思わず俺はにんまりと笑う。するとアドルティスがますます困った顔をして眉を下げた。
思えばこいつの困った顔や困惑した顔は初めて見たかもしれん。腹減ったとかちょっとイラっときてるな、とかいう顔は見たことあるが、こんな顔は出会って八年、一度だって見せたことがない。
それがどうだ。今、ほんの少しの間にこいつは誰も見たことがねぇ顔を山ほど俺に見せていやがる。
俺はますます面白くなってきて、悪ノリついでにアドルティスの耳元に口を寄せて囁いた。
「なぁ、アディのかわいい下のお口で、ラカンくんにキスしてくれないのか?」
「お、おくち……っ、キ…………ッ」
あ、絶句した。絶句したアドルティスとか、ものすごく貴重だな。
するとアドルティスがしばらく何かを考えた後で、視線を床に落とした。
「…………ほ、ほんとに……」
「あ?」
「……ほんとに、キ、キス、してくれるのか……?」
一瞬、何を言ってるのかわからなかった。だがアドルティスがそれこそ消え入りそうな声で「ラ、ラカンの、ラカン、くん……」とか呟きながら下を見ているから、思い出した。
そういえばさっきベッドで俺がこいつの尻の穴に先っぽだけをちゅっちゅって押し当ててるのを食いつくように見てたな、こいつ。あれが好きなのか。
正直それの何がいいのか分からなかったが、こいつが好きだと言うなら別にいい。
「いいぞ。いっぱいしてやろうか」
後ろからアドルティスの顔を覗き込んでそう言ったら、あいつはパッと顔を明るくした。
「ほ、本当に……?」
「俺は今までお前には嘘言ったことはないぞ」
――――多分。ないよな?
するとアドルティスが観念したように浴室の壁に顔を押し付けて小さく頷いた。それを見て俺は旨そうな獲物やめちゃくちゃ強い敵と遭遇した時みたいに、腹の奥底がザワザワとしてひどく高揚してくる。
だがいざもっと奥まで挿れようとした時に気がついた。やっぱり香油か何かないと痛いかもしれんよな。こいつが。
それにさっきから俺が中を突いたり身体を撫でたりするたびにアドルティスの手が何かを探すように壁をまさぐり、爪を立てていたのがひどく気になる。
仮にも弓使いで、薬草だのなんだのを器用に扱って、家主のばあさんの代わりに何くれとなく家事を手伝ってやってるやつの指を傷めたりしたら忍びないからな。
「よし、アドルティス。お前の部屋に戻るぞ」
「は? え?」
「ちょっとこれ流すぞ」
それだけ言って俺は火と水の魔石を埋め込んだコックを捻って湯を出すと、アドルティスの身体を手でざっと洗い流した。そして湯を止めて外の棚に置いてあった湯上り用の布でぞんざいに拭ってやる。
まだアドルティスが「え? な、なに?」とよくわかっちゃいないところを問答無用で担いで廊下に出た。床に濡れた足跡がぺたぺた付いたが、まぁ非常事態だ。勘弁して貰おう。
「部屋、ここを上がるんだったな?」
何度か来たことがあるので大体の間取りはわかる。俺はアドルティスの返事を待たずに勝手に狭い階段を上がって部屋に戻ると、俺にはちょっと小さすぎるベッドにひょい、と下ろした。そしてこいつが正気に戻る前に間髪入れずにその上に圧し掛かる。ミシリ、と嫌な音が鳴ったが聞こえなかった振りをした。万が一壊れでもしたらその時はその時だ。もっとデカくていいベッドを買って返してやろう。
「お……おい、ラカン……? あんた、なにしてるんだ……?」
「なんだろうな」
「ちょ……、待っ……っ、そ、そんなとこに、擦りつけな……っ」
「だが勃つもんは勃つんだからどうしようもないだろう?」
「いや、どうしようもないで済ませていいのかそれは」
ならそんなハテナマークいっぱい飛ばしたかわいい顔してこっち見るなよ。なんて思うこと自体、どうかしてるのは間違いなく俺の方なんだろうな。多分。
「あー、くそっ、酔っててわかんねぇな、今は」
「いやいや、あんたみたいなうわばみ、酔いなんてもうとっくに覚めてるだろう!?」
「なら、最高に気持ちいいお前の身体に酔った」
「は?」
いつだったか『俺の部屋から夕陽を見よう』とか言ってこいつを口説いてた野郎をはるかに超える馬鹿さ加減だと自分でも思いつつ、頭一つ分小さいあいつを後ろから抱きしめて耳元で囁く。
「……さっき、しただろ? 熱くて、狭くて、きゅうきゅう締め付けてくるんだな、お前のココ」
「…………ご、ごめん……」
なんか顔真っ赤にして俯いちまった。大丈夫かお前。こんな女衒まがいの馬鹿馬鹿しい与太ほざいてる男なんかぶん殴ってすぐさまここから追い出せよ。危ねぇだろうが。酔っ払いたちの誘いをミミズを見るような目つきで追っ払ってる普段のお前はどこ行ったんだ。
元来が直情的な鬼人族の俺は、いつもの涼し気な淡々とした顔とは別人みたいに顔を赤らめて恥ずかしがってるアドルティスを見ただけで、なんかもう本当にたまらない気分になる。
まだ、ばあさんを気にしてか必死に声を殺すアドルティスに身体を押し付けて壁に張りつける。そして両手を滑らせて、やつの滑らかな胸を覆ってゆっくりと揉んでみた。
「ひうっ」
俺の手のひらに乳首を転がされてアドルティスの身体がビクン! と跳ねる。
やっぱないな。胸。当たり前だけど。なのになんでこんなに興奮するんだろうか。
俺は内心不思議に思いながらそのままアドルティスの胸を揉みしだいては手のひらでツンと尖った乳首を押し潰したり捏ねまわしたりした。
「っふ、んっ、……っ」
途端にきゅっと拳を握って壁に額を押し付けたアドルティスの口からいやらしい声や吐息や漏れ始める。俺もやつの尻の谷間にぬるぬると擦りつけながらぎゅっ、と抱きしめてもう一押ししてみることにした。
「なあ、もう一度挿れてもいいか?」
「は、はあっ!?」
仰天したようにアドルティスが声を上げる。
「まずけりゃ中では出さないようにするし、奥までは挿れないから」
「や、ちょっと、ラカン落ち着けって」
「なら、先っぽだけならどうだ」
「へ?」
「さっきみたいにガツガツやらねぇから、浅いところにちょっとだけは?」
「え、えと……」
アドルティスがまた真っ赤な顔をして俯いてしまう。ああ、本当に、こいつわざとやってんじゃないだろうな?
俺は、らしくもなくねだるような口調で言ってみた。
「なあ、お前のイイところだけ、優しく突いてこすってやるから。きっと気持ちがいいと思うぜ?」
「そ……そんな……」
なんかアドルティスの声がますます蕩けてるな。おいおい、こんなに色々とゆるくて本当に大丈夫か。
「なあ、アディ?」
ふと思いついてしっとりと濡れた髪から突き出たやつの尖った耳をかぷり、と咥えてやったら「ひうんっ」ってすごい声出して仰け反った。そして完全にとろとろの目で俺を見て呟く。
「じゃ…………、じゃあ、ほんの、ちょっとだけなら……」
「ああ、まかせとけ」
その言葉が妙に嬉しくてつい勢いで真っ赤な目元にキスをしてやると、またあいつは俯いてしまった。
無事お許しが出たので俺は今キレイにしたばかりのアドルティスの尻に、期待に膨らみきった先端を押し当てる。そしてアドルティスが震える息を吸った瞬間を狙ってぬぷっと中に軽く突き入れた。お、柔らかいな。さっきベッドで散々出し挿れしまくったし、今も指でいっぱいかき回してやったからな。
男の尻に入れたのなんかもちろん初めてだが、多分アドルティスのココはすごく具合がいいんだろう。というかイイ。ものすごくイイ。入り口はかなり狭くて、でもそこを通り抜けると中の粘膜がきゅうきゅう吸いついてくる。
アドルティスが俺のモノに『ラカンのラカンくん』なんて馬鹿げた名前を付けていたが、ラカンくんと『アドルティスのアディちゃん』は結構相性がいいのか、アドルティスの方もかなり気持ちがいいようだった。
なんといっても声が甘い。声というか息? 開きっぱなしの口から震えるみたいな息を吐き出して、その隙間に漏れてくる声がものすごく甘い。一瞬演技か? と思ったくらいだ。
だが、声はいくらでも演技できるが、身体の中は無理だろう。さっきベッドでヤッた時、中がすごくビクビクと痙攣していた。だからやっぱりアドルティスも相当感じてるんだと思う。
「んっ、あっ、あ……っ、ラ、ラカ、ン、ラカ、ン……んっ、あっ」
入り口のとこを何度も何度もくぷくぷと出し挿れしてたらアドルティスがまた切なそうにあえぎ出した。ああ、やっぱり甘いな、声。
濡れてうなじに張り付いた髪をかき上げてそこに軽く歯を立てて舐めてやると、それだけでも刺激になるのか、アドルティスは息を詰めて壁についた拳をきゅっと握りしめた。
アドルティスはどこもかしこも性感帯みたいに、俺がちょっと舐めたりさすったりするだけでびっくりするくらい反応する。
ああ、こいつ男で良かったな。もし女だったらとっくにそこらのタチの悪い野郎どもに食われてただろうな。昔、こいつを楯にして逃げようとしたあのどうしようもねぇクソ野郎みたいなヤツに。
そう思った途端、妙に面白くなくて思わずこいつの中のふっくら盛り上がったところを思いっきりぐりっ、と擦ってしまった。するとアドルティスがまた「あう……ンっ!」なんておっそろしくエロい声で喘ぐ。
……男でもヤバイかもしれん。すげぇなアドルティス。さすがダナン中の女たちと一部の男たちから涎垂れそうな目つきで見られてるだけのことはある。中身はいろいろと残念なやつだけど。
アドルティスが浴室の壁になめらかな頬を押し付けて、目を閉じてハアハア言っている。
こいつがこんな顔を見せたことなんて今まで一度もなかったから本当に新鮮だ。睫毛長いな。ふるふる震えて、いつもまっしろで色のない肌がほんのり上気して染まってるのがなんとも目に毒だ。
俺はやつの細い腰を後ろから掴んでゆっくりと浅く突き続ける。
はぁ……、あったかくてきゅうきゅうキツくて気持ちがいい。こんな細くて小さいこいつの尻に俺のモノが入ってるのかと思うとそれだけでめちゃくちゃに滾ってくる。
……だが足りない。どう考えてもやっぱり亀頭だけじゃ全然足りねぇな。
このガチガチにいきり立ってるモノをもっと奥までねじ込んで、アドルティスのぎゅうぎゅうに狭くて熱い肉に先っぽから根元まで全部擦られたくてたまらなかった。
「な……ぁ、アドルティス」
俺は入り口のところをくちくち突きながらガキみたいにもう一度ねだる。
「やっぱり先っぽだけじゃ足りないんだが」
「え、は……? けど、ラカン……、あんた、うそだろ……?」
ぱちっと目を開けたアドルティスが、ものすごく困った顔で肩越しに俺を見る。あんまり表情変わってないが。
でももう何年もこいつと一瞬の油断が命取りになるような場所で、時には言葉を発する暇もなく予測とアイコンタクトだけで一緒に魔獣を倒してきた俺にはわかる。
こいつは別に嫌がってるわけじゃない。
ならなんでこんなに抵抗するんだ? 恥ずかしいからか?
でも寝てる俺を襲って自分で跨って、勝手に尻で俺のモノを咥え込んでおいて今更恥ずかしいも何もないだろう。明日も特に受けてる依頼もないらしいのに、ならなんでこいつは駄目だと言うんだろうか。
「なぁ、お前のココは、俺が欲しくないのか?」
思いっきりストレートに聞いてみる。するとカリ首をくわえ込んだところがぎゅっと締まって思わず息を詰めた。
ほら見ろ。アディちゃんは俺のラカンくんが欲しいって言ってるぞ。思わず俺はにんまりと笑う。するとアドルティスがますます困った顔をして眉を下げた。
思えばこいつの困った顔や困惑した顔は初めて見たかもしれん。腹減ったとかちょっとイラっときてるな、とかいう顔は見たことあるが、こんな顔は出会って八年、一度だって見せたことがない。
それがどうだ。今、ほんの少しの間にこいつは誰も見たことがねぇ顔を山ほど俺に見せていやがる。
俺はますます面白くなってきて、悪ノリついでにアドルティスの耳元に口を寄せて囁いた。
「なぁ、アディのかわいい下のお口で、ラカンくんにキスしてくれないのか?」
「お、おくち……っ、キ…………ッ」
あ、絶句した。絶句したアドルティスとか、ものすごく貴重だな。
するとアドルティスがしばらく何かを考えた後で、視線を床に落とした。
「…………ほ、ほんとに……」
「あ?」
「……ほんとに、キ、キス、してくれるのか……?」
一瞬、何を言ってるのかわからなかった。だがアドルティスがそれこそ消え入りそうな声で「ラ、ラカンの、ラカン、くん……」とか呟きながら下を見ているから、思い出した。
そういえばさっきベッドで俺がこいつの尻の穴に先っぽだけをちゅっちゅって押し当ててるのを食いつくように見てたな、こいつ。あれが好きなのか。
正直それの何がいいのか分からなかったが、こいつが好きだと言うなら別にいい。
「いいぞ。いっぱいしてやろうか」
後ろからアドルティスの顔を覗き込んでそう言ったら、あいつはパッと顔を明るくした。
「ほ、本当に……?」
「俺は今までお前には嘘言ったことはないぞ」
――――多分。ないよな?
するとアドルティスが観念したように浴室の壁に顔を押し付けて小さく頷いた。それを見て俺は旨そうな獲物やめちゃくちゃ強い敵と遭遇した時みたいに、腹の奥底がザワザワとしてひどく高揚してくる。
だがいざもっと奥まで挿れようとした時に気がついた。やっぱり香油か何かないと痛いかもしれんよな。こいつが。
それにさっきから俺が中を突いたり身体を撫でたりするたびにアドルティスの手が何かを探すように壁をまさぐり、爪を立てていたのがひどく気になる。
仮にも弓使いで、薬草だのなんだのを器用に扱って、家主のばあさんの代わりに何くれとなく家事を手伝ってやってるやつの指を傷めたりしたら忍びないからな。
「よし、アドルティス。お前の部屋に戻るぞ」
「は? え?」
「ちょっとこれ流すぞ」
それだけ言って俺は火と水の魔石を埋め込んだコックを捻って湯を出すと、アドルティスの身体を手でざっと洗い流した。そして湯を止めて外の棚に置いてあった湯上り用の布でぞんざいに拭ってやる。
まだアドルティスが「え? な、なに?」とよくわかっちゃいないところを問答無用で担いで廊下に出た。床に濡れた足跡がぺたぺた付いたが、まぁ非常事態だ。勘弁して貰おう。
「部屋、ここを上がるんだったな?」
何度か来たことがあるので大体の間取りはわかる。俺はアドルティスの返事を待たずに勝手に狭い階段を上がって部屋に戻ると、俺にはちょっと小さすぎるベッドにひょい、と下ろした。そしてこいつが正気に戻る前に間髪入れずにその上に圧し掛かる。ミシリ、と嫌な音が鳴ったが聞こえなかった振りをした。万が一壊れでもしたらその時はその時だ。もっとデカくていいベッドを買って返してやろう。
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