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2.なるちゃんと私

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「流歌~昨日はおつかれいっ!」
そう言って、社に足を踏み入れた瞬間私に抱き着いてきたのは、、、
「なるちゃんっ!!ありがとう!」
同期で仲のいい成瀬 葵、通称なるちゃん!!
なるちゃんは栗色のボブの髪を緩くふわっと巻いていて、くりくりとした大きな目が可愛らしい子!
見た目だけ見ると、ちっちゃくておっとりしてそうな十代の女の子に見られがちだが、なるちゃんはこう見えて私と同じ22歳だし、すごく活発的な子だ。いつも元気があって、社の皆を明るくしてくれるムードメーカーだ。
私はそんななるちゃんが大好きなのである!!
そんな誰に向けてかもわからない解説を心の中でしながら、私は笑った。
「そーいえば、昨日は課長といちゃいちゃできたのか~い?話を聞かせなさい流歌~!!!」
ニヤニヤしながらそう言うなるちゃんのせいで、私の笑顔が一瞬で固まった。
な、な、さすがなるちゃん、鋭いな!!!
「え、えっとお、花崎さんとケーキ食べたりしました...?」
恥ずかしさで死にそうになりながらそう言った私にきょとんとした顔をするなるちゃん。
やばいやばいやばい!今絶対顔赤いわ!もう、体の中の血が全部顔に濃縮されてるんじゃないかなレベルで顔が熱いよ!!
「おおおおっと流歌!?!?!?名前呼び?名前呼び!?あの初心な流歌が!」
なるちゃんが謎のポーズをとって素っ頓狂な声をあげる。
「なるちゃん!?声が大きすぎるよ!?」
今日は花崎さん休みだとはいえ、声がでかすぎるんじゃ。なるちゃんよ。静まり給え。
私は心の中でそう唱える。それを読み取ったのかなるちゃんは声量をぐっと抑えた。
「でもでも流歌のことだから、もしかして無意識に間接キスとかしちゃってたりして~」
その言葉にさっきよりさらに顔が熱くなるのを感じる。
うわあああ!なるちゃんなんでもお見通しなんだ!?確かに、ケーキがおいしすぎて無自覚のうちに間接キスしましたけども!!
「え、あれ、?冗談で言ったつもりだったんだけど....!?」
「いや、あの、その、え、あ、はい。しましたあああ!」
「おおお!私の冗談が冗談じゃなくなった!奇跡だ!ていうかそのシーン見たかったな~写真に収めたかったのに~」
目をキラキラさせて喜んでから、ぷうっと頬を膨らませて言うなるちゃん。
いやいやいやなるちゃ~ん!?そんなことしようとしないでおくれ!?
すっごい目がキラキラしてるよ!もはや眩しいくらいに!
「流歌と~課長が~間接キスっ~!」
なるちゃんは、想像の世界に入り込んでしまったのか、一人でぶつぶつ呟きながら幸せそうな笑顔を浮かべている。
いやあ。何を想像したらそんな顔になるんだなるちゃんよ。
朝からテンションの高すぎるなるちゃんと私であった。
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