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【VerΑ編第3章〜大竜星祭】
59話「友達だから——sideユーナ」
しおりを挟む【イベントフィールド中央部:戦死者の墓地】
崩れた墓が並ぶ広場。
日傘を畳んだ状態で、尻餅をついた男に突きつけているピンク色の少女——ユーナがいた。
ユーナはラノアに協力しようと、1人でこのイベントに飛び入り参加し魔獣やプレイヤーに目もくれずラノアを探していた。
しかし、想定より遙かにフィールドが広いせいで中々見付からないラノア。
そこでユーナは、最終手段に出た。
「吐け……吐いたら、お前だけは生かすにゃん」
「わわわ分かった! そのプレイヤーなら東の【鉄くず荒れ地】に向かったのを見た! な? これでいいだろ?」
「東か……あそこは確か……早く向かわないと。あ、さっきの言葉は嘘にゃん。ぐっばいにゃん」
射出音と共に男がエフェクトと共に消失。
ユーナがくるりと東の方向へと向くと、地面を蹴った。
墓地を通り抜ける途中で地面から白骨化した兵士が出てくるが無視。
「急がないと……」
幸い、どの位置にもすぐに向けるようにマップ中央を中心に探していたので、東にはすぐに着く。
【鉄くずの荒れ地】が見えてきた。
名前の通り、鉄くずと化した兵器がそこかしこに障害物のように落ちているフィールド。
見通しも悪く、不意打ちを受けやすい場所だ。そして、プレイヤー狩りに適した場所でもあった。
ユーナが一通りフィールドを見終わった時、ここで、待ち伏せして狩るという戦法は有りだと思った。しかし、当然、同じ事を考えるプレイヤーもいるわけで。
イベントが始まってからすぐに、そこは最も激しい戦いが行われた場所だった。
ユーナは焦っていた。
もうイベントも終盤。もしそこにまだプレイヤーが残っているとすれば……間違いなくそれは厄介なプレイヤーだろう。
ユーナは、ゲームについてはかなりの知識があった。当然オンラインゲームにも精通しているが、こういったゲームの対人戦で勝つのが、必ずしも高ステータスのプレイヤーとは限らない事を知っていた。
そういった強者ほど……ハマる罠や戦い方を知っている。
ユーナは地面に突き刺さった巨大な飛行機械を登って、その上から辺りを見渡した。
「っ! あれは!」
見ると、30mほど向こうにある戦闘機の残骸の上に、白い少女が立っており、キラキラと輝いている。
ユーナは視線をその少女からすぐに離した。
その少女の前にあるちょっと空いた空間に、一人の見知った少女が膝をついているのが見えた。見れば、3人の人影が少女を囲むように立っているのが見えた。
「ラノア! よりにもよって、一人で、しかもあいつらに!」
ユーナが吐き捨てるように言うと、日傘を持って、飛び降りた。
「友達は、助けないと、にゃん!」
地面に着地すると同時に、ユーナが駆ける。
☆☆☆
【イベント】前々前世オンライン【実況禁止】 Part867
212 名前:前世は負け犬
ち、結局暴王が一位かよ
213 名前:前世は負け犬
まだ終わってないぞ。逆転する可能性はあるが、有力群体は軒並み全滅したな
214 名前:前世は負け犬
荒れ地が血で血を洗う地獄で草
ルミナスアルクもあっこで散ったな
215 名前:前世は負け犬
つうか何あの白ロリ。チートだろ
バグじゃね? あんな状態異常ねえだろ!
216 名前:前世は負け犬
>>215
課金アイテムらしいぞ
流石荒れ地を制しただけあって、暴王に迫るポイント稼いでる
217 名前:前世は負け犬
ああああああああラノアって奴にソロで負けたああああ
クリティカルワンパンとかふざけんな
218 名前:前世は負け犬
>>218
俺は、なんか神聖なんとかという奴にやられたわ
なんだあれネタキャラじゃねえのかよ
219 名前:前世は負け犬
おい!
だれだよ北は穴場っていったやつ!
上から鉄塊降ってきてしんだぞ!
220 名前:前世は負け犬
>>219
情弱乙wwww
221 名前:前世は負け犬
暴王も動いたっぽいな
現在2位の【ジュエリーフィッシュ】を潰しにいったか?
こりゃあ荒れるな……荒れ地だけに……ナンツッテ
………………
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