鳥の詩

僕たち男の子

　それからおばさんがおやつにたこ焼きを焼いてくれた。

僕たちは、おばさんが焼いてくれた、たこ焼きを片っぱしからパクついた。

「やっぱり、男の子ね…。」

とおばさんはビックリしていた。

「すごいね。」

彼女たちは大声で笑っていた。

笑ってるチヨさんを見た。

僕たちのパクついてる姿が、まるで親鳥からエサをもらうヒナみたいに見えたらしい。

「その必死にパクつくの面白い！！」

「うぅ…。」

滅多に見ることがない姿だと、さすが男子の食いしん坊ぶりを初めてみた…と言って笑った。

「いえね…。うちは女の子が二人でしょう。いつもたこ焼きを焼いてもあんまり食べてくれなくて…。あら、ごめんなさい…。笑ったりして…。どんどん食べてね…。」

「はい、ありがとうございます…。遠慮なく食べます…。」

「好き嫌いなんかないんでしょう？僕たち…。」

「はい、ありません…。ご飯だと三杯はいきますねぇ。」

「まぁ、すごいわね。いつでもごちそうするわ…。」

僕たちは、大きく頷いた。

僕らは彼女の家に二時間ほどいて、話して帰っていった。

その日の夕食は流石に少食だった。

母さんは聞いた。

「珍しい事！！あんまり食べないなんて…。」

僕は、お腹がいっぱいというのもあったが何故か胸がいっぱいだった。

チヨさんか…。

彼女の事で胸も頭もいっぱいだ。

いつもの僕じゃなかった。