鳥の詩

恋下うらら

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飯島チヨさん

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 チャイムがなると同時に、先生がクラスへ入ってきた。

後ろに転校生の女の子と一緒に…。

ぼくは顔は平然としていたが、女のコを一目見るなり、心が動揺した。

(あれれ…。)

女の子は、目がパッチリした二重で、髪は長く色白だった。

唇はほんのりとピンク色をした少し清楚な感じの子だった。

「さぁ、皆、少し静かにしてくれ…、今日からうちのクラスに来た転校生の飯島チヨさんだ。仲良くしてやってくれるか。それでは一言いえるかな?」

飯島チヨさんは、みんなの前に立つと、ペコリとお辞儀をした。

「かわいいー。」

と声があがった。

もちろん彼女にむけられた声だ。

目をクルッとさせながら皆の前に立った。

「私、今日からこのクラスに転校してきました飯島チヨです。実は私の姉、双子の姉もいるのです。姉は一組でお世話になります飯島カヨです。皆さんよろしくお願いね。」

「はい、拍手ー!!」

と先生みずからパチパチと手を叩いた。

皆もパチパチと手を叩き迎えた。

「さて…、飯島さんの席はどうしようか…。」

席は後方しか空いてなかった。

その席はなんと!ヒカルの席の前だった。

偶然に喜んでいるヒカルと周りの男子達は楽しげに話をしていた。

さっそく先生に注意されると

「わかりました~。静かにします…。」

と浮足立ってる男子達がいた。

(あいつら…、チヨさんのこと気に入ってるみたいだ…。)

男子が一つになっていた。

飯島さんは、よろしくね、と言って

ぼくの、横を歩いていく。

彼女を見た。

静かに周りを見渡しながら席に座る彼女。

その日の授業は彼女が教科書も何も持っていないため、隣の田口くんに見せてもらうことになった。

チクショウ…。

田口君が羨ましいなぁ…。

彼女に近づけて…。

あとでさりげなくヒカルの所にいこう

そうこうしてる中、授業が進んでいく。

国語と社会、そして僕は得意な体育をこなし、苦手な英語をちんぷんかんぷんでおえたのだった。

彼女も体育の授業をハツラツとこなしていき、英語は堪能だった。

英語が得意みたいで、先生との英会話もそつなくこなした。

「あいむ、ふぁいん…。」

とぼくは、舌をかみそうになりながらも、不本意な授業を終えたのだった。

休み時間になると、さっそくヒカルの席に集合した。





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