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【リゾートバイトの裏で】細やかなところまで気配りできてこそいい男
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灯里のテンションはだだ下がりしていた。
やはり年頃の女子としては、ちょっと気になる男子と一緒に海にいったり花火見たりしたいもの。
そんなわけで颯士と一緒に海に行けると思い、気合を入れて水着などを選んでいた灯里であったが、まさかの颯士不在。
颯士からの連絡がきた夜、
「リゾート地なんかいけるかー!!」
と、一人部屋でつっこみを入れつつ…
予定をキャンセルしようかとも思ったが、友人もたくさん誘ってしまったので自分だけ行かないというのは今更許されそうにない。
颯士に一番に水着を見せたかったのに…
なんて気持ちが浮かぶのを必死に否定して、ノロノロと海にいくための荷物を詰め始めた。
「はぁ、テンション上がらんね…」
そんな低いモチベーションのまま次の日、だるい体を引きずって、なんとか布団から起き上がり、ノロノロと集合場所に行く灯里であったが、友達と合流すると少しは気分が上がってきた。
女子メンバーは、灯里、友達のヨーコとサヤカ、レスリング部の谷川さん。
男子メンバーは、言い出しっぺの雄二、颯士のゲーム友達の陽一と良太。
なんだかんだでこれだけ人が集まればテンションも上がってくる。
「よーし!ひと泳ぎしてスッキリするぞ!!」
・
・
・
青い空 白い雲 太陽の光を反射してキラキラと輝く海。
絶好の海日和とはまさにこのことである。
男女間の交流。
芽生える恋。
そんな燃え上がる夏の日があっても良いかもしれない。
例えば、イレギュラーバウンドするビーチボールを追ってイケメンとぶつかる、なんて言うのもベタだけど良いかもしれないし、海で溺れそうになったところを二枚目ライフセイバーに助けられて恋に落ちるなんてのもアリかもしれない。
友人たちが楽しそうに海でエンジョイするのを見て、そんな妄想に灯里は浸っていた。
よもや海に来て水着を忘れるなんて、笑い話にもならないのである。
こうなると漠然とパラソルの下で荷物番をしながら、妄想するくらいしかすることがない。
「はぁ…アホ颯士…」
思えば颯士は、デリカシーはないがこんな時は放っておかなかった。
きっとチョコミントのアイスとか買ってきて、自分の興味ある話を延々と続けてくれることだったろう。
あぁ、何故この場にいないのか。
誘ったら喜び勇んできた女友達の数々は、男子軍ときゃっきゃうふふと戯れている。
それにしても元凶の真田雄二(さなだゆうじ)、あのくされマッチョが楽しそうにしているのが何か腹が立つ。
そもそもあいつが颯士に変なお願いをしてきたせいで、こちとら炎天下で荷物番だ。
「そぉ~れ!」
雄二があまったるい声を出しながらビーチボールをレシーブしている。女子に囲まれてデレデレしやがって。腐れ。
それにしても男女が集まるとどうしてこうなのだろうか。
お互いがお互いに気に入られようと。ねこなで声でにゃんにゃんとアピールし合っている。
あんなに「ウケる~」とか言っていたのにだ。
そしてそうなった時、友情よりもそっちを優先してしまうのだ。
…いやまぁ、水着忘れた自分が悪いんだけど。
いっそのこと、能力で水着を作り出すか?
白しか作れないうえに、解除された時に丸裸になるのが目に見えているけれど。
なんてことが頭をよぎっては否定することを繰り返していると、背後から声が聞こえる。
「オネーサン、暇なら俺らと遊ばない?」
え?私?もしかしてナンパ?
悪いけど荷物番しなきゃいけないしなぁ、えー、どうしよう。
とりあえず対応しないと、無視は感じ悪いかしら?
ちょっと遊ぶくらいならいいよね?遊ぶって何をするのかしら?
よし、反応するぞ!
「え?私ですかぁ?」
振り向くとそこには、見知らぬビキニの女性と地元のサーファーっぽい肌がこんがり焼けた男が楽しそうに話していた。
「…私じゃないですねぇ~!」
そのままなめらかな動きで前に向き直った。
いやいや、ナンパとかお断りだし、あーゆーちょろいのはどっちにしても相手にしないし。
やっぱりナンパするような軟派な男は駄目よね、えぇ。
と、言うか、なんと言うか、よく考えたら、海に来てまで水着も来ていない普段着女をわざわざ誘わないわな。一緒に海にも入れないのに。
そんなこんなで炎天下で汗をダラダラと流して待つこと2時間ほど。
私を放置してくれたありがた~い心の友らが帰ってきた。
どことなく男女間の距離が近い気がする。
「雄二クンの腹筋、めっちゃ割れてるよね!触っていい??」
触ってんじゃねーぞ。
「ハハハ、どうぞどうぞ!鍛えているからね!」
触らせてんじゃねーよ。
汗だっくだくの姿のこちらなど意にも介さずイチャイチャしながら荷物を持ってシャワー室へ向かっていく。
こいつら…それにしてもデレデレしている雄二も雄二だが、レスリング部の谷川さんもどうなんだ?
普段あまり会話もしないようなこのメンツに混ざっても楽しくないだろうに、誰だ誘ったのは。
そんな谷川さんを憂いた矢先に楽しそうな声が聞こえてくる。
「へぇ~、谷川さんって腹筋割れてるんだねぇ」
と、颯士のお友達の良太くんが言うと
「えへへ、それほどでもないよ」
満更でもなさそうに谷川さんが答えている。
谷川さんと良太くん、何かいい感じだな…。
楽しいならそれは何よりなのだけど、なんだか私は完全に浮いてしまっている。
「はぁ~、あいつらがシャワーから戻ってきたらさっさと帰りたい。」
そんな本音も人知れず漏れてしまう。
何しにきたんだろう、私。
やはり年頃の女子としては、ちょっと気になる男子と一緒に海にいったり花火見たりしたいもの。
そんなわけで颯士と一緒に海に行けると思い、気合を入れて水着などを選んでいた灯里であったが、まさかの颯士不在。
颯士からの連絡がきた夜、
「リゾート地なんかいけるかー!!」
と、一人部屋でつっこみを入れつつ…
予定をキャンセルしようかとも思ったが、友人もたくさん誘ってしまったので自分だけ行かないというのは今更許されそうにない。
颯士に一番に水着を見せたかったのに…
なんて気持ちが浮かぶのを必死に否定して、ノロノロと海にいくための荷物を詰め始めた。
「はぁ、テンション上がらんね…」
そんな低いモチベーションのまま次の日、だるい体を引きずって、なんとか布団から起き上がり、ノロノロと集合場所に行く灯里であったが、友達と合流すると少しは気分が上がってきた。
女子メンバーは、灯里、友達のヨーコとサヤカ、レスリング部の谷川さん。
男子メンバーは、言い出しっぺの雄二、颯士のゲーム友達の陽一と良太。
なんだかんだでこれだけ人が集まればテンションも上がってくる。
「よーし!ひと泳ぎしてスッキリするぞ!!」
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青い空 白い雲 太陽の光を反射してキラキラと輝く海。
絶好の海日和とはまさにこのことである。
男女間の交流。
芽生える恋。
そんな燃え上がる夏の日があっても良いかもしれない。
例えば、イレギュラーバウンドするビーチボールを追ってイケメンとぶつかる、なんて言うのもベタだけど良いかもしれないし、海で溺れそうになったところを二枚目ライフセイバーに助けられて恋に落ちるなんてのもアリかもしれない。
友人たちが楽しそうに海でエンジョイするのを見て、そんな妄想に灯里は浸っていた。
よもや海に来て水着を忘れるなんて、笑い話にもならないのである。
こうなると漠然とパラソルの下で荷物番をしながら、妄想するくらいしかすることがない。
「はぁ…アホ颯士…」
思えば颯士は、デリカシーはないがこんな時は放っておかなかった。
きっとチョコミントのアイスとか買ってきて、自分の興味ある話を延々と続けてくれることだったろう。
あぁ、何故この場にいないのか。
誘ったら喜び勇んできた女友達の数々は、男子軍ときゃっきゃうふふと戯れている。
それにしても元凶の真田雄二(さなだゆうじ)、あのくされマッチョが楽しそうにしているのが何か腹が立つ。
そもそもあいつが颯士に変なお願いをしてきたせいで、こちとら炎天下で荷物番だ。
「そぉ~れ!」
雄二があまったるい声を出しながらビーチボールをレシーブしている。女子に囲まれてデレデレしやがって。腐れ。
それにしても男女が集まるとどうしてこうなのだろうか。
お互いがお互いに気に入られようと。ねこなで声でにゃんにゃんとアピールし合っている。
あんなに「ウケる~」とか言っていたのにだ。
そしてそうなった時、友情よりもそっちを優先してしまうのだ。
…いやまぁ、水着忘れた自分が悪いんだけど。
いっそのこと、能力で水着を作り出すか?
白しか作れないうえに、解除された時に丸裸になるのが目に見えているけれど。
なんてことが頭をよぎっては否定することを繰り返していると、背後から声が聞こえる。
「オネーサン、暇なら俺らと遊ばない?」
え?私?もしかしてナンパ?
悪いけど荷物番しなきゃいけないしなぁ、えー、どうしよう。
とりあえず対応しないと、無視は感じ悪いかしら?
ちょっと遊ぶくらいならいいよね?遊ぶって何をするのかしら?
よし、反応するぞ!
「え?私ですかぁ?」
振り向くとそこには、見知らぬビキニの女性と地元のサーファーっぽい肌がこんがり焼けた男が楽しそうに話していた。
「…私じゃないですねぇ~!」
そのままなめらかな動きで前に向き直った。
いやいや、ナンパとかお断りだし、あーゆーちょろいのはどっちにしても相手にしないし。
やっぱりナンパするような軟派な男は駄目よね、えぇ。
と、言うか、なんと言うか、よく考えたら、海に来てまで水着も来ていない普段着女をわざわざ誘わないわな。一緒に海にも入れないのに。
そんなこんなで炎天下で汗をダラダラと流して待つこと2時間ほど。
私を放置してくれたありがた~い心の友らが帰ってきた。
どことなく男女間の距離が近い気がする。
「雄二クンの腹筋、めっちゃ割れてるよね!触っていい??」
触ってんじゃねーぞ。
「ハハハ、どうぞどうぞ!鍛えているからね!」
触らせてんじゃねーよ。
汗だっくだくの姿のこちらなど意にも介さずイチャイチャしながら荷物を持ってシャワー室へ向かっていく。
こいつら…それにしてもデレデレしている雄二も雄二だが、レスリング部の谷川さんもどうなんだ?
普段あまり会話もしないようなこのメンツに混ざっても楽しくないだろうに、誰だ誘ったのは。
そんな谷川さんを憂いた矢先に楽しそうな声が聞こえてくる。
「へぇ~、谷川さんって腹筋割れてるんだねぇ」
と、颯士のお友達の良太くんが言うと
「えへへ、それほどでもないよ」
満更でもなさそうに谷川さんが答えている。
谷川さんと良太くん、何かいい感じだな…。
楽しいならそれは何よりなのだけど、なんだか私は完全に浮いてしまっている。
「はぁ~、あいつらがシャワーから戻ってきたらさっさと帰りたい。」
そんな本音も人知れず漏れてしまう。
何しにきたんだろう、私。
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