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【復讐編エピローグ】区切り的には第一部完だけど更新は平常運転です
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灯里の推論では、あの女は既に肉体はない、魂だけの存在だと言うことだった。
「確かに、そう考えると辻褄が合うところはあるな」
独り言のように椿は呟いた。
あくまで推論ではあるが、確かに筋は通っている。
『魂に干渉できるのは魂だけ』
『能力は魂の性質を変えるもの』
『能力で作ったものなら魂に干渉できる』
…
「こんがらがりそうだが、能力でしかダメージを与えられないから、あの女は魂の集合体か何かってわけか。」
椿は腕を組んで、ふーむ、と唸(うな)った。
「そそそ!まぁけど実際にお化けが来るとは思わなかったよ」
ハハハ、と灯里は笑う。
「尤(もっと)もだ!私も幽霊をぶん殴る人は初めて見たよ」
椿も笑った。そしてひとしきり笑い終えると
「さぁ、今夜はもう寝よう。明日も早いからな!」
と、促してきた。
「え?早い?」
何のこと?と聞くと
「観光に行くんだろう?」
と、ニヤニヤ顔を返してきた。
明日もハードな1日になりそうだ。
・
・
・
本当にハードな、しかし充実した1日だった。
飛行機の展示場へ行き、
移動販売の唐揚げ屋さんで舌鼓を打ち、
大きな滝のある公園に行っては
涼しげな流し素麺を食べたり
ガラス彫り体験なんてものを体験してみたり…
朝早くからアグレッシブに行動しすぎて、さすがに全員ぐったりとしていた。
町ぐるみで盛り上げている植物園のレストランで、だらだらと薔薇味のソフトクリームなどたしなんで
「これまた人を選ぶものを…」
灯里がこぼすのをハハハと受け流し、
そして間を置いて、椿は口を開いた。
「最後にちょっと付き合って欲しいところがあるんだ」
・
・
・
椿に連れられた場所は、お墓だった。
山の頂上にある、海が良く見えるお墓。
年季の入った水道から備え付けのバケツに水を入れ、柄杓で墓石に水をかける。
ひとしきり墓石を綺麗にした後、椿はそっと目を瞑り、手を合わせた。
自然と、一緒に手を合わせる。
「…」
ジジジジジ…
蝉の鳴き声だけが響き渡る。
何を思っているのだろうか、少し長めの沈黙が続いた。
小さく息を吐く音が聞こえると、
「よし。」
椿は立ち上がりこちらを振り向いた。
「お待たせした。そろそろ帰ろうか!」
・
・
・
「少し寂しい気がするね」
灯里が無理に笑顔を作るのを見て、椿も名残惜しそうに言う。
「そうだな、隣県とは言えすぐに来れる距離ではないからなぁ。」
「今度は椿ちゃんもこっちに遊びに来てよ。歓迎するよ、ね?」
灯里がこちらに同意を求めてくるので頷いて同意する。
最初は合わなそうな人だと思っていたが、濃い時間を一緒に過ごしてみると何ともお別れが寂しい。
「何か…そう、何か困ったことがあれば今度はこちらが力を貸す、貸させてくれ。」
「その時は、お願いするね」
椿が右手を差し出すと、灯里はそれを握って返した。
「颯士君も。」
灯里から手を離すとこちらにも手を差し出してくる。
それを軽く握ると
「灯里ちゃんとしっかりな」
と、こそっと耳打ちして笑ってみせたところで待っていたバスが来た。
「それじゃあ、また!!」
大手を振る椿に手を振り替えして、バスに乗り町を後にした。
・
・
・
初めは周りの客に気を遣って黙っていた灯里だったが、段々と乗客が減っていき、最後の二人になった時に一言呟いた。
「私の能力って、何なんだろうね」
灯里の方を振り向くが、逆光でよく表情が見えなかった。
何故、灯里には能力が生まれたのか、それは分からない。
ただ、1つだけ言えるのは
『お陰で1人救われた』
灯里はそのまま窓の方を向き直して
「それなら、良かったかな」
とだけ返してきた。
「確かに、そう考えると辻褄が合うところはあるな」
独り言のように椿は呟いた。
あくまで推論ではあるが、確かに筋は通っている。
『魂に干渉できるのは魂だけ』
『能力は魂の性質を変えるもの』
『能力で作ったものなら魂に干渉できる』
…
「こんがらがりそうだが、能力でしかダメージを与えられないから、あの女は魂の集合体か何かってわけか。」
椿は腕を組んで、ふーむ、と唸(うな)った。
「そそそ!まぁけど実際にお化けが来るとは思わなかったよ」
ハハハ、と灯里は笑う。
「尤(もっと)もだ!私も幽霊をぶん殴る人は初めて見たよ」
椿も笑った。そしてひとしきり笑い終えると
「さぁ、今夜はもう寝よう。明日も早いからな!」
と、促してきた。
「え?早い?」
何のこと?と聞くと
「観光に行くんだろう?」
と、ニヤニヤ顔を返してきた。
明日もハードな1日になりそうだ。
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本当にハードな、しかし充実した1日だった。
飛行機の展示場へ行き、
移動販売の唐揚げ屋さんで舌鼓を打ち、
大きな滝のある公園に行っては
涼しげな流し素麺を食べたり
ガラス彫り体験なんてものを体験してみたり…
朝早くからアグレッシブに行動しすぎて、さすがに全員ぐったりとしていた。
町ぐるみで盛り上げている植物園のレストランで、だらだらと薔薇味のソフトクリームなどたしなんで
「これまた人を選ぶものを…」
灯里がこぼすのをハハハと受け流し、
そして間を置いて、椿は口を開いた。
「最後にちょっと付き合って欲しいところがあるんだ」
・
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椿に連れられた場所は、お墓だった。
山の頂上にある、海が良く見えるお墓。
年季の入った水道から備え付けのバケツに水を入れ、柄杓で墓石に水をかける。
ひとしきり墓石を綺麗にした後、椿はそっと目を瞑り、手を合わせた。
自然と、一緒に手を合わせる。
「…」
ジジジジジ…
蝉の鳴き声だけが響き渡る。
何を思っているのだろうか、少し長めの沈黙が続いた。
小さく息を吐く音が聞こえると、
「よし。」
椿は立ち上がりこちらを振り向いた。
「お待たせした。そろそろ帰ろうか!」
・
・
・
「少し寂しい気がするね」
灯里が無理に笑顔を作るのを見て、椿も名残惜しそうに言う。
「そうだな、隣県とは言えすぐに来れる距離ではないからなぁ。」
「今度は椿ちゃんもこっちに遊びに来てよ。歓迎するよ、ね?」
灯里がこちらに同意を求めてくるので頷いて同意する。
最初は合わなそうな人だと思っていたが、濃い時間を一緒に過ごしてみると何ともお別れが寂しい。
「何か…そう、何か困ったことがあれば今度はこちらが力を貸す、貸させてくれ。」
「その時は、お願いするね」
椿が右手を差し出すと、灯里はそれを握って返した。
「颯士君も。」
灯里から手を離すとこちらにも手を差し出してくる。
それを軽く握ると
「灯里ちゃんとしっかりな」
と、こそっと耳打ちして笑ってみせたところで待っていたバスが来た。
「それじゃあ、また!!」
大手を振る椿に手を振り替えして、バスに乗り町を後にした。
・
・
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初めは周りの客に気を遣って黙っていた灯里だったが、段々と乗客が減っていき、最後の二人になった時に一言呟いた。
「私の能力って、何なんだろうね」
灯里の方を振り向くが、逆光でよく表情が見えなかった。
何故、灯里には能力が生まれたのか、それは分からない。
ただ、1つだけ言えるのは
『お陰で1人救われた』
灯里はそのまま窓の方を向き直して
「それなら、良かったかな」
とだけ返してきた。
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