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【復讐編2】世の中割と勘違いがあるので何事も冷静に確認してから行動しましょう
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アヤカシ…なんだっけな
そうか、妖怪か!妖怪がどうした?
などと呑気なことを考えていたのも束の間、声の主は続ける。
「全てを断ち切らせて貰う…!」
声の主は、袴を着た女性だった。
風に靡(なび)く黒髪と、気の強そうな鋭い眼光。
そして明らかに向けられた敵意――
敵意の先は灯里だった。
「あ、やばっ」
咄嗟に灯里が能力で出していた物質を回収したが、時既に遅く完全に見られてしまった。
今まで散々使ってきていたのですっかり警戒心が薄れてきていたのだろう。
こんな能力、普通じゃないし警戒されても仕方がない。
しらばっくれようとした灯里に袴の女が駆け寄ってくる。
「え?」
前傾姿勢、かなりの速度、一瞬で間合いが詰められる。
シュンッ…
灯里の目先の空気が一閃される。
咄嗟に上半身を反らして躱していたが、そうしていなければただでは済まなかっただろう。
袴の女の振り切った右手には木刀がにぎられていた。
続けざまに左腰に即座に戻し、木刀で横一閃に斬りつける。
木刀で居合い!?
真剣の鞘走りによる加速がないにも関わらず、まるで光が走るかのような速度だ。
しかしそれを読んでいたかのように一回転しながら上へ飛び避ける。
サーカスのようなアクロバティックな動きに、よもや灯里も並みの女子高生ではないことを感じるものの、相手方も攻撃の手を緩める気配がない。
事情は分からないが只事ではないのだろう。
ヒョイヒョイと攻撃を躱している灯里も、相手を傷つけずに済ませたいと考えているようだ。
『アレ』を使おう、と外野から声をかけると
「集中できないってー!」
と灯里が返す。切羽詰まっている割にはどことなく呑気にも聞こえるのは、これまでに色々な戦いを生き抜いてきた余裕からだろうか。
しかし、このままでは打開策がない。
「ふざけるな!!」
袴の女も手を緩める気配がない。
うーん、割り込める状況ではないし…
灯里がイメージをする時間を稼ぐためには…
『思いっきり抱きついて!!』
「アイアイサー!」
バフンッ
瞬間的に大きくブーストをかけて一気に加速した灯里は、袴の女の真正面、ほぼゼロ距離に移動した。
人間には出せない速度と、緩急のない急激な加速に袴の女は反応できず、間合いを許してしまった。
「初対面なのに失礼っ!」
灯里は思いっきり袴の女に抱きついた。
「なっ…!」
袴の女の理解が追い付くまでの一瞬、灯里は目を閉じてイメージを膨らませた。
「(こんな感じだったっけ…)」
ちょっとぼんやり気味だが頭の中のイメージが固まった。
「鉄の処女(アイアンメイデン)!」
灯里が手を放して飛び退くと、女性を模した棺が現れる。
そのまま蓋が閉まり、袴の女性を拘束した。
「和洋折衷って感じでまとめてみました」
ちょっとイメージ甘いじゃん、顔も違うし。
と、ツッコミを入れたら
「いやだって、あれ以来使ってなかったし仕方ないじゃん」
と、言い訳をしてきた。
「さて、このイメージ力じゃ長くは持たなそうだし…」
袴の女に向き直る灯里。
袴の女は
「くそっ、出せ!卑怯もの!!」
と、未だにわめき散らしている。
話を聞ける状態じゃないな、と思っていると、灯里はアイアンメイデンを思いっきり拳で殴った。
ごぉぉぉぉぉん!!
金属に近い素材をイメージして作ったせいか、お寺の鐘のような音が鳴り響いた。
女の声が消えたところで、
「ちょっと良いですか?」
と灯里が声をかける。
少しだけ冷静になったのか
「…なんだ。」
と返事をしてきた。
「誰かと勘違いしていませんか?」
と訪ねると
「あんな妖術を使える奴が何人もいるものか!」
と、身も蓋もないことを言う。
「こっちの知り合いだけでも他にあと1人はいるんだけど…」
灯里が小さく愚痴るのが聞こえたが、女は気にせず続ける。
「お前らは何者だ、どうして母を殺した…」
とんだ勘違い女だが、殺したときたものだ。
ただならぬ事情も感じられる。
「私達は敵じゃない、それに…」
灯里がこちらに視線を寄越すので、コクンと頷き返す。
言わなくても面倒見の良さは承知の上だ。
「力になれることがあれば、協力する」
そうか、妖怪か!妖怪がどうした?
などと呑気なことを考えていたのも束の間、声の主は続ける。
「全てを断ち切らせて貰う…!」
声の主は、袴を着た女性だった。
風に靡(なび)く黒髪と、気の強そうな鋭い眼光。
そして明らかに向けられた敵意――
敵意の先は灯里だった。
「あ、やばっ」
咄嗟に灯里が能力で出していた物質を回収したが、時既に遅く完全に見られてしまった。
今まで散々使ってきていたのですっかり警戒心が薄れてきていたのだろう。
こんな能力、普通じゃないし警戒されても仕方がない。
しらばっくれようとした灯里に袴の女が駆け寄ってくる。
「え?」
前傾姿勢、かなりの速度、一瞬で間合いが詰められる。
シュンッ…
灯里の目先の空気が一閃される。
咄嗟に上半身を反らして躱していたが、そうしていなければただでは済まなかっただろう。
袴の女の振り切った右手には木刀がにぎられていた。
続けざまに左腰に即座に戻し、木刀で横一閃に斬りつける。
木刀で居合い!?
真剣の鞘走りによる加速がないにも関わらず、まるで光が走るかのような速度だ。
しかしそれを読んでいたかのように一回転しながら上へ飛び避ける。
サーカスのようなアクロバティックな動きに、よもや灯里も並みの女子高生ではないことを感じるものの、相手方も攻撃の手を緩める気配がない。
事情は分からないが只事ではないのだろう。
ヒョイヒョイと攻撃を躱している灯里も、相手を傷つけずに済ませたいと考えているようだ。
『アレ』を使おう、と外野から声をかけると
「集中できないってー!」
と灯里が返す。切羽詰まっている割にはどことなく呑気にも聞こえるのは、これまでに色々な戦いを生き抜いてきた余裕からだろうか。
しかし、このままでは打開策がない。
「ふざけるな!!」
袴の女も手を緩める気配がない。
うーん、割り込める状況ではないし…
灯里がイメージをする時間を稼ぐためには…
『思いっきり抱きついて!!』
「アイアイサー!」
バフンッ
瞬間的に大きくブーストをかけて一気に加速した灯里は、袴の女の真正面、ほぼゼロ距離に移動した。
人間には出せない速度と、緩急のない急激な加速に袴の女は反応できず、間合いを許してしまった。
「初対面なのに失礼っ!」
灯里は思いっきり袴の女に抱きついた。
「なっ…!」
袴の女の理解が追い付くまでの一瞬、灯里は目を閉じてイメージを膨らませた。
「(こんな感じだったっけ…)」
ちょっとぼんやり気味だが頭の中のイメージが固まった。
「鉄の処女(アイアンメイデン)!」
灯里が手を放して飛び退くと、女性を模した棺が現れる。
そのまま蓋が閉まり、袴の女性を拘束した。
「和洋折衷って感じでまとめてみました」
ちょっとイメージ甘いじゃん、顔も違うし。
と、ツッコミを入れたら
「いやだって、あれ以来使ってなかったし仕方ないじゃん」
と、言い訳をしてきた。
「さて、このイメージ力じゃ長くは持たなそうだし…」
袴の女に向き直る灯里。
袴の女は
「くそっ、出せ!卑怯もの!!」
と、未だにわめき散らしている。
話を聞ける状態じゃないな、と思っていると、灯里はアイアンメイデンを思いっきり拳で殴った。
ごぉぉぉぉぉん!!
金属に近い素材をイメージして作ったせいか、お寺の鐘のような音が鳴り響いた。
女の声が消えたところで、
「ちょっと良いですか?」
と灯里が声をかける。
少しだけ冷静になったのか
「…なんだ。」
と返事をしてきた。
「誰かと勘違いしていませんか?」
と訪ねると
「あんな妖術を使える奴が何人もいるものか!」
と、身も蓋もないことを言う。
「こっちの知り合いだけでも他にあと1人はいるんだけど…」
灯里が小さく愚痴るのが聞こえたが、女は気にせず続ける。
「お前らは何者だ、どうして母を殺した…」
とんだ勘違い女だが、殺したときたものだ。
ただならぬ事情も感じられる。
「私達は敵じゃない、それに…」
灯里がこちらに視線を寄越すので、コクンと頷き返す。
言わなくても面倒見の良さは承知の上だ。
「力になれることがあれば、協力する」
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