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技術をつけるよりも筋トレをしっかりする方がとりあえずは喧嘩に使えるらしい
しおりを挟む「1つ聞きたい」
灯里はサトルと対峙したまま話し始めた。
「先月くらいに流行っていた制服狩り、どれくらいの人数が関与していた?」
不遜な態度のままサトルは返す。
「イチイチ覚えてねぇなぁ、そんな細けぇこと」
腕を回しながらゴキゴキと首を鳴らす。
「痛い目に遭わせられたら思い出すかもなぁ!!」
豪腕、と言う表現がとても良く似合う、大振りの一撃が灯里に襲いかかる。
大きく屈みこみ、大振りをかわすと、そのまま後ろ回し蹴りを顔面に食らわす。
「固(か)ったッ…!」
予想だにしない固さ、微動だにしないサトルに動揺するが、回転して胴へ中段回し蹴りを放つ。
ミシッ…
わずかに筋肉にめり込んだように感じたが、これまた微動だにせず、足を振り抜くことができない。
「ぬるいな」
そのまま両腕で足首を捕まれる。
そのまま力一杯、地面に向かって体ごと振り回される。
叩きつけられる…!
咄嗟に危険を判断した灯里は、僅かにブーストをかけて足を引っこ抜く。
勢いで身体ごと吹っ飛ぶが、地面にぶつかる直前に咄嗟に両手から蒸気を出し衝撃を和らげる。
そのまま足を地面につけ、体勢を直すと両足で地面を蹴り、サトルの方へ飛ぶ。
「一撃が効かないなら…」
ブーストをかけた下段回し蹴りを放つ。
木製バットでも折れそうな勢いで蹴りつけるがサトルはビクともしない。
しかしそのまま、下段回し蹴りを起点に、中段の後ろ回し蹴り、その勢いで浮き、そのまま肩へ飛び回し蹴り、そのまま蹴り足を肩に引っ掻けて飛び上がり、とどめに顔面を蹴り上げる。
『灯火蓮撃(とうかれんげき)!』
相手の身体を回転しつつ駆け上がるような一瞬のブースト蹴り四連撃。
派手に龍などを出すような大技ではないが、一発一発の威力が重く、エネルギーが少ない時の隠し球でもある。
サトルは僅かにグラついたように見えたが、振り払うかのように力強く大きく一歩踏み込んでくる。
ドンッ!
踏み込みの衝撃に怯んだ灯里にそのまま大振りの拳を叩きつける。
体勢が悪いまま咄嗟に左腕を能力で固めてガードする。
鋼鉄並みの固さのイメージに成功していたはずだが、そのまま能力で作ったコーティングがひび割れ破壊される。
「ホントに生身かっ…!?」
能力者でもないのにこの非人間感。
とっさに後ろに飛びながら苦し紛れに一撃を放つ。
「白鷺撃(はくろげき)(鷲)!!」
獲物を狙う鷲の一撃、だが両翼を掴まれて止められる。
「小細工は効かねぇよ」
そのまま翼を引っ張り鷲を霧散させる。
「ぐぬぬ…!」
悔しがる灯里。
先ほどの拳での一撃で腕にもダメージを感じる。
「(折れてはいない…かな…?)」
少し不安の色が顔に出る。
「力の差が分かっただろ?」
サトルがぶっきらぼうにいい放つ。
しかし灯里は
「もう!新技の見せ場が全然なかった!!」
と地団駄を踏む。
「初御披露目だったのに!灯火蓮撃!」
「…だから、力の差が分かっただろ」
呆れたように再度言ってくるが、灯里は意にも介さず
「分からん!!あんたには負けん!!」
と言い返す。
恐ろしく頑丈な脳筋野郎、だが不死身ではない。
「力の差もわからんバカか」
「あんたにバカとか言われたくないわ!脳筋!」
小学生レベルの口撃で攻防を繰り広げながら、見てろよ、と頭の中で作戦を練る。
灯里の得意な上段回し蹴りは耐え切られた。あの鍛えられた太い首が衝撃を受け止めているのだろう。
同様に胴への攻撃も筋肉が衝撃を吸収してあまり効果がなかった。
全身くまなく鍛えているのだろう。
かくなる上は…
「覚悟はいい…?」
硬い拳のイメージを頭の中で作り上げる。
「かかってこいやぁ!!」
脳筋の咆哮に応えるかのように灯里も歩み寄る。
「ハァァァ…!」
気合いを込める。この必殺の一撃に賭けて。
深く腰を落とし、手を腰に添える。
地に足をつけて正しき型で繰り出す拳には正確に力が乗ることを灯里は体感していた。
「行くわよ…」
左腕を引く力に連動し、右の拳を突き出す。
綺麗に体重の乗った拳、その力の流れは美しき舞にも似る。
パンッ…!!
完璧な拳が空気を弾く、神の一撃とも呼べる拳が
サトルの局部に突き刺さった。
「真…白チン撃…」
サトルへ背を向け、拳を硬めていたコーティングを振り払う。
カッ!!
サトルの局部のあたりが爆発した。
「ぐぉぉぉぉ!!!」
身を焦がすような威力にサトルは悶絶する。
その威力は以前のモノとは比べ物にならない程に向上していた。
「ま、まだだぁ、まだやられていない!!」
敵ながら天晴れな根性。
「完全に負けた…」
颯士は思わず呟いていた。
勿論、男として、である。
両の拳で殴りかかってくるサトル。
その執念は見事の一言に尽きるが、肉体(きょくぶ)的なダメージはもはや限界のはず。
拳を避けながらしゃがみ、そのまま水面蹴りへと移行。
サトルの足を刈り取り、それを起点に四連撃へと繋げる。
「次こそ!!灯火蓮撃!!」
舞うようにサトルの上へと蹴り上がる。
上空へと待った灯里は、最後に脳天へとかかとを落とす。
「とどめっ!!」
ゴッ!!
鈍い音がしてサトルは膝から崩れ落ちた。
灯里は
「よし!新技で倒した!」
と喜んでいたが
(どの技のことだろう…)
と取り巻きは股間がヒュンとなりながらおもうのであった。
灯里はサトルと対峙したまま話し始めた。
「先月くらいに流行っていた制服狩り、どれくらいの人数が関与していた?」
不遜な態度のままサトルは返す。
「イチイチ覚えてねぇなぁ、そんな細けぇこと」
腕を回しながらゴキゴキと首を鳴らす。
「痛い目に遭わせられたら思い出すかもなぁ!!」
豪腕、と言う表現がとても良く似合う、大振りの一撃が灯里に襲いかかる。
大きく屈みこみ、大振りをかわすと、そのまま後ろ回し蹴りを顔面に食らわす。
「固(か)ったッ…!」
予想だにしない固さ、微動だにしないサトルに動揺するが、回転して胴へ中段回し蹴りを放つ。
ミシッ…
わずかに筋肉にめり込んだように感じたが、これまた微動だにせず、足を振り抜くことができない。
「ぬるいな」
そのまま両腕で足首を捕まれる。
そのまま力一杯、地面に向かって体ごと振り回される。
叩きつけられる…!
咄嗟に危険を判断した灯里は、僅かにブーストをかけて足を引っこ抜く。
勢いで身体ごと吹っ飛ぶが、地面にぶつかる直前に咄嗟に両手から蒸気を出し衝撃を和らげる。
そのまま足を地面につけ、体勢を直すと両足で地面を蹴り、サトルの方へ飛ぶ。
「一撃が効かないなら…」
ブーストをかけた下段回し蹴りを放つ。
木製バットでも折れそうな勢いで蹴りつけるがサトルはビクともしない。
しかしそのまま、下段回し蹴りを起点に、中段の後ろ回し蹴り、その勢いで浮き、そのまま肩へ飛び回し蹴り、そのまま蹴り足を肩に引っ掻けて飛び上がり、とどめに顔面を蹴り上げる。
『灯火蓮撃(とうかれんげき)!』
相手の身体を回転しつつ駆け上がるような一瞬のブースト蹴り四連撃。
派手に龍などを出すような大技ではないが、一発一発の威力が重く、エネルギーが少ない時の隠し球でもある。
サトルは僅かにグラついたように見えたが、振り払うかのように力強く大きく一歩踏み込んでくる。
ドンッ!
踏み込みの衝撃に怯んだ灯里にそのまま大振りの拳を叩きつける。
体勢が悪いまま咄嗟に左腕を能力で固めてガードする。
鋼鉄並みの固さのイメージに成功していたはずだが、そのまま能力で作ったコーティングがひび割れ破壊される。
「ホントに生身かっ…!?」
能力者でもないのにこの非人間感。
とっさに後ろに飛びながら苦し紛れに一撃を放つ。
「白鷺撃(はくろげき)(鷲)!!」
獲物を狙う鷲の一撃、だが両翼を掴まれて止められる。
「小細工は効かねぇよ」
そのまま翼を引っ張り鷲を霧散させる。
「ぐぬぬ…!」
悔しがる灯里。
先ほどの拳での一撃で腕にもダメージを感じる。
「(折れてはいない…かな…?)」
少し不安の色が顔に出る。
「力の差が分かっただろ?」
サトルがぶっきらぼうにいい放つ。
しかし灯里は
「もう!新技の見せ場が全然なかった!!」
と地団駄を踏む。
「初御披露目だったのに!灯火蓮撃!」
「…だから、力の差が分かっただろ」
呆れたように再度言ってくるが、灯里は意にも介さず
「分からん!!あんたには負けん!!」
と言い返す。
恐ろしく頑丈な脳筋野郎、だが不死身ではない。
「力の差もわからんバカか」
「あんたにバカとか言われたくないわ!脳筋!」
小学生レベルの口撃で攻防を繰り広げながら、見てろよ、と頭の中で作戦を練る。
灯里の得意な上段回し蹴りは耐え切られた。あの鍛えられた太い首が衝撃を受け止めているのだろう。
同様に胴への攻撃も筋肉が衝撃を吸収してあまり効果がなかった。
全身くまなく鍛えているのだろう。
かくなる上は…
「覚悟はいい…?」
硬い拳のイメージを頭の中で作り上げる。
「かかってこいやぁ!!」
脳筋の咆哮に応えるかのように灯里も歩み寄る。
「ハァァァ…!」
気合いを込める。この必殺の一撃に賭けて。
深く腰を落とし、手を腰に添える。
地に足をつけて正しき型で繰り出す拳には正確に力が乗ることを灯里は体感していた。
「行くわよ…」
左腕を引く力に連動し、右の拳を突き出す。
綺麗に体重の乗った拳、その力の流れは美しき舞にも似る。
パンッ…!!
完璧な拳が空気を弾く、神の一撃とも呼べる拳が
サトルの局部に突き刺さった。
「真…白チン撃…」
サトルへ背を向け、拳を硬めていたコーティングを振り払う。
カッ!!
サトルの局部のあたりが爆発した。
「ぐぉぉぉぉ!!!」
身を焦がすような威力にサトルは悶絶する。
その威力は以前のモノとは比べ物にならない程に向上していた。
「ま、まだだぁ、まだやられていない!!」
敵ながら天晴れな根性。
「完全に負けた…」
颯士は思わず呟いていた。
勿論、男として、である。
両の拳で殴りかかってくるサトル。
その執念は見事の一言に尽きるが、肉体(きょくぶ)的なダメージはもはや限界のはず。
拳を避けながらしゃがみ、そのまま水面蹴りへと移行。
サトルの足を刈り取り、それを起点に四連撃へと繋げる。
「次こそ!!灯火蓮撃!!」
舞うようにサトルの上へと蹴り上がる。
上空へと待った灯里は、最後に脳天へとかかとを落とす。
「とどめっ!!」
ゴッ!!
鈍い音がしてサトルは膝から崩れ落ちた。
灯里は
「よし!新技で倒した!」
と喜んでいたが
(どの技のことだろう…)
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