魂を彩る世界で

Riwo氏

文字の大きさ
上 下
37 / 84

ヤンキー漫画の抗争で決着をつける時はいつもタイマン

しおりを挟む
巨大ロボ、アカリオン・テリオスが空中で霧散し、颯士と灯里は空中へ放りだされた。

灯里は咄嗟にスカートを抑えるが、空中では自由に動けない。

抗えないまま、一瞬先に地面に落ちていた颯士の上に内股の格好で落ちてしまった。

ドンッ!

颯士の後頭部に衝撃が走る。

その後、ふわりと視界が暗くなった。

颯士の後頭部に座る形で降りた灯里。

スカートがすっぽりと颯士の頭を包み込む。

「見えん…重い…」

颯士が太ももとお尻の重圧に苦しんでいる中、灯里は羞恥心で頭の中が真っ白になる。


颯士は起き上がろうとするが、起き上がられるとスカートがめくれそうになるので、灯里は咄嗟に上から押さえ付ける。
思わず太ももにも力が入り、ギュッと顔を挟み込んでしまう。
うらやま苦しい状態になった颯士が何とか太ももをこじ開ける。

が、今度は太ももを鷲掴みにされて灯里の心のリミットが振りきれた。

「スケベ!!死ね!!!」

ボコボコに颯士を殴りに殴った。






律儀にこの騒動が落ち着くまで待っていてくれた堕悪帝国(ダークていこく)の方々は、言うほどダークではないのかもしれない、名前はすさまじくダサいけど。と錯覚してしまうほどには時間が経っていたが、いよいよ決着の時が近づく。

堕悪帝国の1人がヘルメットを外しながら近寄ってくる。
くすんだ金髪、いかにも悪そうだ。

「てめぇら、何モンだ?妙なトリック使いやがって。タダで済むと思うなよ?」

凄んでくる金髪。

「すでにそっちの方がタダで済んでないんだけど?」

灯里も煽り返す。


「ふぉーばふぉーば!(そーだそーだ)」



颯士も便乗して煽るが顔がパンパンに腫れてしっかり喋れない。

「そいつの方がタダで済んでないんだが…」

金髪がちょっと引きながら言う。

「くっ、喧嘩は弱い颯士になんて酷いことを…!」

灯里は責任を擦り付けた。

「にーちゃん、こんな扱いでいいの?」

金髪もさすがに同情する。

「いいんれふ、なれへまふかは(いいんです、なれてますから)」

健気な颯士に極悪非道な堕悪帝国もさすがにホロリとくる。

こうなると灯里もバツが悪い。

「と、とにかく決着つけるわよ!あんたがボス?特別にタイマンでやってやるわよ!」

金髪「(あ、誤魔化した)」

颯士「(あ、誤魔化した)」

雑兵「(あ、誤魔化した)」

綺羅々「(退屈だから帰ろうかニャ)」


「早くしなさいよ!」

灯里だけがやる気満々だ。

「小娘1人がイキがるなよ」

金髪は上着を脱ぎ、後ろの雑兵に渡す。

タンクトップ姿になった金髪の筋肉は思いの外鍛え上げられている。

「サトルくん、この女、妖術使いですよ!?大丈夫ですか!?」

妖術て。ここだけ江戸時代か。とツッコミたくなる灯里。

「負けねぇよ、あんなトリックに」

灯里は

(いや、いくらなんでもアカリオン・プレッシャーマグナムをまともに食らうと負けると思うけど…)

と内心思ったが

(もう打てないけどね)

と、自分で補足した。

アカリオン・テリオスで結構なエネルギーを使ったため、もう大技を打てるほどのエネルギーはない。

タイマンを誘ったのも、残り全員と戦うエネルギーがないが故のブラフであった。

「タイマンで大技使うほど野暮じゃないわよ」

灯里はニヤリと笑いハッタリを上乗せした。

「それじゃ、行くわよ」

灯里は金髪…サトルへと意識を集中し始めた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

しちせき 14.4光年の軌跡 

主道 学
SF
学校帰りの寄り道で、商店街へ向かった梶野 光太郎は、そこで街角にある駄菓子屋のガチャを引いた。 見事不思議なチケット「太陽系リゾート地。宇宙ホテル(宇宙ステーション・ミルキーウェイ)」の当たりを引く。 同時刻。 世界各地でオーロラが見えるという怪奇現象が起きていた。 不吉な前兆を前に、光太郎たちは宇宙ステーション・ミルキーウェイへ宿泊するが……。 度々改稿作業加筆修正をします汗 本当にすみません汗 お暇潰し程度にお読みくださいませ!

MMS ~メタル・モンキー・サーガ~

千両文士
SF
エネルギー問題、環境問題、経済格差、疫病、収まらぬ紛争に戦争、少子高齢化・・・人類が直面するありとあらゆる問題を科学の力で解決すべく世界政府が協力して始まった『プロジェクト・エデン』 洋上に建造された大型研究施設人工島『エデン』に招致された若き大天才学者ミクラ・フトウは自身のサポートメカとしてその人格と知能を完全電子化複製した人工知能『ミクラ・ブレイン』を建造。 その迅速で的確な技術開発力と問題解決能力で矢継ぎ早に改善されていく世界で人類はバラ色の未来が確約されていた・・・はずだった。 突如人類に牙を剥き、暴走したミクラ・ブレインによる『人類救済計画』。 その指揮下で人類を滅ぼさんとする軍事戦闘用アンドロイドと直属配下の上位管理者アンドロイド6体を倒すべく人工島エデンに乗り込むのは・・・宿命に導かれた天才学者ミクラ・フトウの愛娘にしてレジスタンス軍特殊エージェント科学者、サン・フトウ博士とその相棒の戦闘用人型アンドロイドのモンキーマンであった!! 機械と人間のSF西遊記、ここに開幕!!

「メジャー・インフラトン」序章5/7(僕のグランドゼロ〜マズルカの調べに乗って。少年兵の季節 JUMP! JUMP! JUMP! No2.

あおっち
SF
 海を埋め尽くすAXISの艦隊。 飽和攻撃が始まる台湾、金門県。  海岸の空を埋め尽くすAXISの巨大なロボ、HARMARの大群。 同時に始まる苫小牧市へ着上陸作戦。 苫小牧市を守るシーラス防衛軍。 そこで、先に上陸した砲撃部隊の砲弾が千歳市を襲った! SF大河小説の前章譚、第5部作。 是非ご覧ください。 ※加筆や修正が予告なしにあります。

怪獣特殊処理班ミナモト

kamin0
SF
隕石の飛来とともに突如として現れた敵性巨大生物、『怪獣』の脅威と、加速する砂漠化によって、大きく生活圏が縮小された近未来の地球。日本では、地球防衛省を設立するなどして怪獣の駆除に尽力していた。そんな中、元自衛官の源王城(みなもとおうじ)はその才能を買われて、怪獣の事後処理を専門とする衛生環境省処理科、特殊処理班に配属される。なんとそこは、怪獣の力の源であるコアの除去だけを専門とした特殊部隊だった。源は特殊処理班の癖のある班員達と交流しながら、怪獣の正体とその本質、そして自分の過去と向き合っていく。

忘却の艦隊

KeyBow
SF
新設された超弩級砲艦を旗艦とし新造艦と老朽艦の入れ替え任務に就いていたが、駐留基地に入るには数が多く、月の1つにて物資と人員の入れ替えを行っていた。 大型輸送艦は工作艦を兼ねた。 総勢250艦の航宙艦は退役艦が110艦、入れ替え用が同数。 残り30艦は増強に伴い新規配備される艦だった。 輸送任務の最先任士官は大佐。 新造砲艦の設計にも関わり、旗艦の引き渡しのついでに他の艦の指揮も執り行っていた。 本来艦隊の指揮は少将以上だが、輸送任務の為、設計に関わった大佐が任命された。    他に星系防衛の指揮官として少将と、退役間近の大将とその副官や副長が視察の為便乗していた。 公安に近い監査だった。 しかし、この2名とその側近はこの艦隊及び駐留艦隊の指揮系統から外れている。 そんな人員の載せ替えが半分ほど行われた時に中緊急警報が鳴り、ライナン星系第3惑星より緊急の救援要請が入る。 機転を利かせ砲艦で敵の大半を仕留めるも、苦し紛れに敵は主系列星を人口ブラックホールにしてしまった。 完全にブラックホールに成長し、その重力から逃れられないようになるまで数分しか猶予が無かった。 意図しない戦闘の影響から士気はだだ下がり。そのブラックホールから逃れる為、禁止されている重力ジャンプを敢行する。 恒星から近い距離では禁止されているし、システム的にも不可だった。 なんとか制限内に解除し、重力ジャンプを敢行した。 しかし、禁止されているその理由通りの状況に陥った。 艦隊ごとセットした座標からズレ、恒星から数光年離れた所にジャンプし【ワープのような架空の移動方法】、再び重力ジャンプ可能な所まで移動するのに33年程掛かる。 そんな中忘れ去られた艦隊が33年の月日の後、本星へと帰還を目指す。 果たして彼らは帰還できるのか? 帰還出来たとして彼らに待ち受ける運命は?

ガーディアンズ 宇宙最強の少女達

明日は五月雨
SF
かつて全てを破壊した少女がいた。 彼女はウルカという名前の少女と出会い、名前をつけてもらう。

嵐の戦記

斉藤美琴【♂】
SF
時に西暦1942年6月の末期…日本海軍は激しい戦い中…着々っと太平洋戦線へ侵略していた。ミッドウェー…ウェック島…各地太平洋の各地の島を手に入れた。 しかし…突如……正体不明な艦隊が出現した。敵味方識別を関係無く攻撃を受けて敵味方も…各地の拠点を失い危機を恐れた。 その艦隊組織の名は『嵐の艦隊』を呼び・・・人類は恐れたのだ。 この艦隊は第二次世界大戦と同じ外形した艦船で塗装は不気味な漆黒に近い紫色の塗装した艦艇だった。 この作品は参考しているのは、『蒼き鋼のアルペジオ』に登場している敵【霧の艦隊】のモチーフをしています。

処理中です...