魂を彩る世界で

Riwo氏

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【制服狩り編エピローグ】確信は持てなくても何となくお互い求め合う時期が一番楽しい

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制服を回収し、雑居ビルを後にする二人。

「そう言えばいくつか気になることがあるんだけど。」

何とはなしに灯里が口を開いた。

「んー?」

軽く返す颯士にそのまま続ける。

「なんで、私が制服狩りを探しに行ったって分かったの?」

いや、普通分かるだろ、と思ったけどそれはそっと胸のうちに秘めて

「正義感の強い吉村ならやりそうと思って。」

と、良い風に伝える。

「正義感だけじゃないんだけどなぁ」

颯士に聞こえない程度の音量で呟くと、

「もう1つ、正確な場所まで分かったのはなんで?」

と質問を続けた。

「いや、ある程度の近くまでは目星はついていたのだけどね」

颯士は雑居ビルの屋上の辺りを指差した。

「あそこから龍が飛んでいくのが見えてね。」

指差した先には貫いて穴の空いたビルの屋上があった。

そういえば、と緊迫した展開で考える余裕がなかったが颯士は瓦解した屋上を見て改めて思った。

(良く考えたらあれ、食らってたら痛み感じなくても…)

「あー、なるほどね!外したのも無駄じゃなかったか!」

ケラケラ笑いながら言う灯里を見て、怒らせないようにしよう、と颯士は思うのであった。

「あー、それと…」

急に笑いを止め、そして照れ臭そうに灯里は言った。

「助けにきてくれてありがと。正直1人だとヤバかった。」

颯士の胸が少しだけチクッとする。

灯里に置いて行かれた時、自分は役に立たないと決めつけて危うく灯里を見殺しにするところだった。

颯士の背中を押した気持ちは…


「こちらこそ、俺のためにここまでしてくれてありがとう。ただ…」

颯士は真顔で灯里の方を向き、続ける。

「これからは、いつも一緒にいてほしい」

「なっ…!」

突然の告白に動揺する灯里、気にせず続ける颯士。

「やっぱり、俺のアイデアは役に立つからさ!」

ドヤ顔でメモ帳を取り出して印籠のように見せつける。

「あ、あぁ、『戦うとき一緒に』ってことね!」

咄嗟に取り繕いながら、あっぶない、勘違いするところだった、と思う灯里に

「え?他に何かある?」

と追い討ちをかける颯士はやはりいつものデリカシーなし男なのであった。

「うるさい!そういえばさっき、変態女の太ももに挟まれてたよね、やらしい図案も!」

逃げる颯士を追いかけ回す日常にどことなく安心感を感じる灯里であった。
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