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続編 第三章 思い違いと筆責め (怜一郎side)
続24.女性ものの下着☆
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目が覚めると、さっきまでいた部屋とは違う和室にいた。
俺は部屋の柱に縛り付けられているようで、両手を動かすことができなかった。首を動かして窓の方を見ると、さっきいた部屋から見えた日本庭園ではなく、遠くに高層ビルの景色が見える。ここは三重塔の最上階だろうか。
自分の体へ視線を向け、俺は思わず、
「うわっ」
と声を上げた。
衣服は来ておらず、小さな女性ものの下着を穿かされていた。レースの素材で出来た淡いピンクのそれには俺の性器は収まりきっておらず、タマが左右へはみ出してしまっている。
「目が覚めたかい?」
ふすまが開いて和服姿の天真さんが部屋へ入って来た。
俺はとっさに両足を擦り合わせたが何の意味もなさないだろう。
「どう、これ? 僕がここで創作するときのために用意した服なんだ。作品を作り上げるにはモチベーションって大事だからね。ニューヨークの街中のアトリエと違ってここでは和室で和服着て、気分を変えて作業しているんだ」
美人な天真さんは和服もめちゃくちゃよく似合っているけど……。
「そんなことより、この状況は何なんですっ!? 俺は動画を削除してもらいに今日ここへ……」
「はは、そんな言い訳はいらないさ。君もまた僕の与える刺激の虜なんだろ? 言っただろ、君は僕の奴隷だって」
天真さんは俺の胸の先を見てクスリと笑った。不本意だが俺のそれはぷっくりと尖っている。この状況に体は期待しているんだ。またドMだの変態だのと天真さんに言われてしまいそうで、俺はビクビクしていたが、彼は何も言わなかった。
「さあ、支度をして始めようか……?」
慣れた手つきで着物の袖をたすき掛けして、彼はふすまの向こうから三脚とビデオカメラを持ってきて俺の前に設置した。
まさか、俺のこんな姿を撮影する気なのか!?
「ちょっと勘弁してください、変な動画をこれ以上増やさないでください」
「はは、今日のは録画じゃないよ。生配信しようと思ってね」
「な、生配信っ!?」
彼は傍らの台の上にノートパソコンを開いて置いた。
パソコンの画面には何かの集会だろうか、数十人、いや数百人の日本人が集まっている様子が映っていた。
「見てごらん、このショーの観客たちだ。ここにいる人たちが誰だかわかるかい……?」
画面越しの彼らはスーツやオフィスカジュアルの格好をしていた。どこかの会社のイベントだろうか。
俺は見当もつかず、天真さんの目を見て首を傾げた。
「ここにいるのは宝条ホールディングスの従業員たちさ」
「えっ……!?」
俺が会社の秘密をリークしたせいで路頭に迷ったとまではいかなくとも、多大な迷惑を被った人たちだと言うのか……?
「君を恨んでいる人たちにせめてものお詫びとして恥ずかしい姿を晒したらいいと思ってね」
天真さんの目が怖いと思った。そうか、たった今まで思い出せずにいたけど、天真さんの父親は宝条ホールディングスの重役、染川専務だったじゃないかっ!
ということは天真さん自身も俺を恨んでいるのか。
「さあ、ショータイムと行こうか」
「や、やめっ……!」
俺の叫びも虚しく、彼はビデオカメラのスイッチを押して赤いランプを点灯させた。
俺は部屋の柱に縛り付けられているようで、両手を動かすことができなかった。首を動かして窓の方を見ると、さっきいた部屋から見えた日本庭園ではなく、遠くに高層ビルの景色が見える。ここは三重塔の最上階だろうか。
自分の体へ視線を向け、俺は思わず、
「うわっ」
と声を上げた。
衣服は来ておらず、小さな女性ものの下着を穿かされていた。レースの素材で出来た淡いピンクのそれには俺の性器は収まりきっておらず、タマが左右へはみ出してしまっている。
「目が覚めたかい?」
ふすまが開いて和服姿の天真さんが部屋へ入って来た。
俺はとっさに両足を擦り合わせたが何の意味もなさないだろう。
「どう、これ? 僕がここで創作するときのために用意した服なんだ。作品を作り上げるにはモチベーションって大事だからね。ニューヨークの街中のアトリエと違ってここでは和室で和服着て、気分を変えて作業しているんだ」
美人な天真さんは和服もめちゃくちゃよく似合っているけど……。
「そんなことより、この状況は何なんですっ!? 俺は動画を削除してもらいに今日ここへ……」
「はは、そんな言い訳はいらないさ。君もまた僕の与える刺激の虜なんだろ? 言っただろ、君は僕の奴隷だって」
天真さんは俺の胸の先を見てクスリと笑った。不本意だが俺のそれはぷっくりと尖っている。この状況に体は期待しているんだ。またドMだの変態だのと天真さんに言われてしまいそうで、俺はビクビクしていたが、彼は何も言わなかった。
「さあ、支度をして始めようか……?」
慣れた手つきで着物の袖をたすき掛けして、彼はふすまの向こうから三脚とビデオカメラを持ってきて俺の前に設置した。
まさか、俺のこんな姿を撮影する気なのか!?
「ちょっと勘弁してください、変な動画をこれ以上増やさないでください」
「はは、今日のは録画じゃないよ。生配信しようと思ってね」
「な、生配信っ!?」
彼は傍らの台の上にノートパソコンを開いて置いた。
パソコンの画面には何かの集会だろうか、数十人、いや数百人の日本人が集まっている様子が映っていた。
「見てごらん、このショーの観客たちだ。ここにいる人たちが誰だかわかるかい……?」
画面越しの彼らはスーツやオフィスカジュアルの格好をしていた。どこかの会社のイベントだろうか。
俺は見当もつかず、天真さんの目を見て首を傾げた。
「ここにいるのは宝条ホールディングスの従業員たちさ」
「えっ……!?」
俺が会社の秘密をリークしたせいで路頭に迷ったとまではいかなくとも、多大な迷惑を被った人たちだと言うのか……?
「君を恨んでいる人たちにせめてものお詫びとして恥ずかしい姿を晒したらいいと思ってね」
天真さんの目が怖いと思った。そうか、たった今まで思い出せずにいたけど、天真さんの父親は宝条ホールディングスの重役、染川専務だったじゃないかっ!
ということは天真さん自身も俺を恨んでいるのか。
「さあ、ショータイムと行こうか」
「や、やめっ……!」
俺の叫びも虚しく、彼はビデオカメラのスイッチを押して赤いランプを点灯させた。
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