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続編 第一章 初恋と再会 (怜一郎side)
続9.帰りの地下鉄
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地下鉄に乗って郊外の家まで帰る道中、俺は紺色のスラックスにできた恥ずかしいシミをカバンでどうにか隠さなければならなかった。
片手でつり革を握り、もう片方の手でカバンを体の前で持って股間を隠した。
周囲の人にズボンを汚したことが、においでバレているんじゃないか。失禁したと思われているんじゃないか。いや、それならまだマシかもしれない。こんな公共の場でズボンの前に精液のシミをつけていると誰かに知れたら痴漢だと思われて警察に突き出されやしないだろうか?
ヒヤヒヤしながら、俺は極力車内で目立たないよう背筋を丸めていた。
うつむいて車両の床を眺めながら、俺は天真さんの鏡だらけの部屋でのことを思い出していた。
彼は俺が胸を噛まれただけで甘イキしたことに満足そうだった。
「ははっ、胸を甘噛みされただけでイクなんて。やっぱり君はドMじゃないか」
返す言葉もなく俺は唇を噛んだ。
悔しそうに表情を歪め、顔が真っ赤になっている自分が斜め下の鏡に映っている。
「パートナーが出て行ったと言っていたけど、もしかしたら君の変態性癖についていけなくなったのかもね」
「そ、そんなことっ……」
龍之介は俺の性癖についていけなくなって俺から離れて行ったのか? そういえば、龍之介みたいな「やさお」が俺を強引に押し倒すなんてなんだか変な気もしていた……。
……まさか、それもエリカの指示だったのか!? どういうわけかエリカは昔から俺の心のうちを覗いているかのように、俺のことを事細かに把握している部分があった。まるで監視カメラで俺の行動を常に見ているかのように。
そういえば前に龍之介は「全てエリカさんの指示で動いている」と言っていた。俺との出会いから今の生活まで全てがエリカの指示なのか?
「僕は怜一郎さんにしか興味がありません」と龍之介は何度も言っていたが、それすらもエリカの指示なのか!?
もうどこからが龍之介の本心なのかわからなくなってきた。
「明日の夜パーティーがあるんだ。ど変態の君にぴったりの集まりだ。怜一郎を僕の奴隷として、連れて行ってあげようじゃないか」
誰が行くものか。奴隷だなんて……。
天真さんは形のいい唇を俺の耳元へ寄せた。
「君にもっとすごい天国を見せてあげるよ……」
彼の甘い囁きに俺の背筋はゾクゾクと痺れた。
思い出して俺はゴクッと喉を鳴らした。
じっとりと濡れている下着の中で、ペニスがぴくっと震えた。
電車の中で座席に座った女性二人組が俺を見てひそひそと話していた。
「見て、きれいな人ね」
「アジア人、日本人か韓国人かしら……」
カバンで股間を隠していることを気づかれたかと思って焦ったが、そうではなかった。
片手でつり革を握り、もう片方の手でカバンを体の前で持って股間を隠した。
周囲の人にズボンを汚したことが、においでバレているんじゃないか。失禁したと思われているんじゃないか。いや、それならまだマシかもしれない。こんな公共の場でズボンの前に精液のシミをつけていると誰かに知れたら痴漢だと思われて警察に突き出されやしないだろうか?
ヒヤヒヤしながら、俺は極力車内で目立たないよう背筋を丸めていた。
うつむいて車両の床を眺めながら、俺は天真さんの鏡だらけの部屋でのことを思い出していた。
彼は俺が胸を噛まれただけで甘イキしたことに満足そうだった。
「ははっ、胸を甘噛みされただけでイクなんて。やっぱり君はドMじゃないか」
返す言葉もなく俺は唇を噛んだ。
悔しそうに表情を歪め、顔が真っ赤になっている自分が斜め下の鏡に映っている。
「パートナーが出て行ったと言っていたけど、もしかしたら君の変態性癖についていけなくなったのかもね」
「そ、そんなことっ……」
龍之介は俺の性癖についていけなくなって俺から離れて行ったのか? そういえば、龍之介みたいな「やさお」が俺を強引に押し倒すなんてなんだか変な気もしていた……。
……まさか、それもエリカの指示だったのか!? どういうわけかエリカは昔から俺の心のうちを覗いているかのように、俺のことを事細かに把握している部分があった。まるで監視カメラで俺の行動を常に見ているかのように。
そういえば前に龍之介は「全てエリカさんの指示で動いている」と言っていた。俺との出会いから今の生活まで全てがエリカの指示なのか?
「僕は怜一郎さんにしか興味がありません」と龍之介は何度も言っていたが、それすらもエリカの指示なのか!?
もうどこからが龍之介の本心なのかわからなくなってきた。
「明日の夜パーティーがあるんだ。ど変態の君にぴったりの集まりだ。怜一郎を僕の奴隷として、連れて行ってあげようじゃないか」
誰が行くものか。奴隷だなんて……。
天真さんは形のいい唇を俺の耳元へ寄せた。
「君にもっとすごい天国を見せてあげるよ……」
彼の甘い囁きに俺の背筋はゾクゾクと痺れた。
思い出して俺はゴクッと喉を鳴らした。
じっとりと濡れている下着の中で、ペニスがぴくっと震えた。
電車の中で座席に座った女性二人組が俺を見てひそひそと話していた。
「見て、きれいな人ね」
「アジア人、日本人か韓国人かしら……」
カバンで股間を隠していることを気づかれたかと思って焦ったが、そうではなかった。
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