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第三章 淫らな船上パーティー (怜一郎side)
18.夢じゃなかった
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目が覚めて、龍之介の上で激しく腰を振るハレンチな夢を見てしまったことを恥じに思いながら、俺は夢精していないかとすぐに布団の中へ手を忍ばせた。
その指先は柔らかな陰毛をかすめ、自分の陰部に直接触れた。何かいつもと違う気がすると思ったら、俺はパジャマも下着も身につけておらず、丸裸で眠っていたのだった。
あれっ、なぜだ……!? と思うと同時にすぐ横から、
「すぅ……、すぅ……」
と聞こえて、見ると龍之介が幸せそうな顔で寝息を立てていた。
嘘だろうっ!? 夢じゃなかったのか……!?
驚きのあまりベッドから飛び起きようとしたら、腰がズキンッと痛んで、俺は腰に響かぬようそうっと静かに動いて、どうにかベッドを降りた。
なんてことだ、また龍之介とヤってしまっただなんて……。おまけにあんなに激しく腰を振って散々痴態を晒してしまった。
時計を見ると、もう昼近い。
床に脱ぎ散らかしてあった自分の下着とパジャマを着て、音を立てぬように気を付けてドアを開閉し、俺は洗面所へ向かった。
冷たい水で顔を洗い、頭の中を整理する。
あの夜、バーへ行ってしまったことをあれからずっと悔いていたというのに、同じような過ちを繰り返してしまうなんて。もう自分が信じられない。
夢の中では、いや昨夜は耐えがたい強烈な体の奥の痺れるような疼きに脳を支配されて、自分の性欲をとても止めることなんてできなかった。
俺の体はどうしてしまったのか。あんなに欲情してしまうなんて。
とろけるような表情で射精をこらえる龍之介に甘ったるい声で、
「あなたはなんて淫乱なんだっ……」
と囁かれたことを生々しく思い出し、腹の奥がゾクッと疼いた。
もう一度冷たい水で顔を洗って、俺は自分の中に湧き上がった妙な感情を吹き飛ばした。
すると頭が冴えると同時に、今度はとてつもない罪悪感に襲われた。
俺はとんでもない男だ……。
龍之介はエリカの最愛の人ではないか。つまり俺は自分の妹の大事な夫を欲望に任せて二度も寝取ったということだ……。
なんてことだ……、俺は兄として大変な過ちを犯しているんだ。自分で自分が恥ずかしい。
俺はすぐに部屋へ戻ってベッドで気持ちよさそうに寝ている龍之介を起こした。
「おい、起きろっ」
「……んっ、ふぁっ……、……どうしたんです、……義兄さん」
服を着ていない寝起きの龍之介の姿に、不覚にも俺はドキッとしてしまった。こいつ、無駄に俺好みのいい体をしているから……顔もめちゃくちゃイケメンだし。
「俺が悪かった。あんな店には……もう行かないから、お前ももうこの部屋には来ないでくれ」
「え……?」
龍之介はきょとんとした顔で俺を見つめていた。
「お前はエリカの夫じゃないか。あいつの最愛の男だ。バーの件は全て俺が悪い、だからもう……お前はここへ来るな、エリカと一緒に寝ろ」
俺は龍之介をまくしたてるように言っているのに、寝起きで頭が働かないのか、龍之介に緊張感はない。
のんびりと自分の髪を指先で弄り、うねった毛先を見ながらこう答えた。
「……エリカさんは昨夜、お仕事で家にいませんでしたけど?」
「エリカが留守だからと言ってお前が俺を抱くのはおかしいだろう? とにかく俺はお前と今まで以上に距離を置く。考えてみろ、俺がお前と関係を持っているなんて家族に知られたら大変なことになるぞ」
「そうですか? まず誰にも疑われないと思いますけど。ご両親もエリカさんも僕らを実の兄弟みたいに仲のいいって思ってるだけでしょう?」
「でも、俺は……。龍之介、お互いにこれ以上エリカや俺の両親を裏切るような真似はやめよう。最愛の妻に隠れて他の人間とセックスしてお前の良心は痛まないのか? とにかく俺はあいつにとって誠実な兄でありたい。だからお前もあいつの誠実な夫であってくれ」
「……わかりました」
ため息交じりに布団から出た龍之介が裸なのは上半身だけで、下半身にはちゃんとパジャマのズボンを穿いていた。
脱ぎ捨てられていたパジャマの上着とカーディガンを羽織り、彼が黙って部屋から出て行った。
それを見届けてから、俺は服を着替えてノートパソコンの入ったカバンを持って家を出た。
その指先は柔らかな陰毛をかすめ、自分の陰部に直接触れた。何かいつもと違う気がすると思ったら、俺はパジャマも下着も身につけておらず、丸裸で眠っていたのだった。
あれっ、なぜだ……!? と思うと同時にすぐ横から、
「すぅ……、すぅ……」
と聞こえて、見ると龍之介が幸せそうな顔で寝息を立てていた。
嘘だろうっ!? 夢じゃなかったのか……!?
驚きのあまりベッドから飛び起きようとしたら、腰がズキンッと痛んで、俺は腰に響かぬようそうっと静かに動いて、どうにかベッドを降りた。
なんてことだ、また龍之介とヤってしまっただなんて……。おまけにあんなに激しく腰を振って散々痴態を晒してしまった。
時計を見ると、もう昼近い。
床に脱ぎ散らかしてあった自分の下着とパジャマを着て、音を立てぬように気を付けてドアを開閉し、俺は洗面所へ向かった。
冷たい水で顔を洗い、頭の中を整理する。
あの夜、バーへ行ってしまったことをあれからずっと悔いていたというのに、同じような過ちを繰り返してしまうなんて。もう自分が信じられない。
夢の中では、いや昨夜は耐えがたい強烈な体の奥の痺れるような疼きに脳を支配されて、自分の性欲をとても止めることなんてできなかった。
俺の体はどうしてしまったのか。あんなに欲情してしまうなんて。
とろけるような表情で射精をこらえる龍之介に甘ったるい声で、
「あなたはなんて淫乱なんだっ……」
と囁かれたことを生々しく思い出し、腹の奥がゾクッと疼いた。
もう一度冷たい水で顔を洗って、俺は自分の中に湧き上がった妙な感情を吹き飛ばした。
すると頭が冴えると同時に、今度はとてつもない罪悪感に襲われた。
俺はとんでもない男だ……。
龍之介はエリカの最愛の人ではないか。つまり俺は自分の妹の大事な夫を欲望に任せて二度も寝取ったということだ……。
なんてことだ……、俺は兄として大変な過ちを犯しているんだ。自分で自分が恥ずかしい。
俺はすぐに部屋へ戻ってベッドで気持ちよさそうに寝ている龍之介を起こした。
「おい、起きろっ」
「……んっ、ふぁっ……、……どうしたんです、……義兄さん」
服を着ていない寝起きの龍之介の姿に、不覚にも俺はドキッとしてしまった。こいつ、無駄に俺好みのいい体をしているから……顔もめちゃくちゃイケメンだし。
「俺が悪かった。あんな店には……もう行かないから、お前ももうこの部屋には来ないでくれ」
「え……?」
龍之介はきょとんとした顔で俺を見つめていた。
「お前はエリカの夫じゃないか。あいつの最愛の男だ。バーの件は全て俺が悪い、だからもう……お前はここへ来るな、エリカと一緒に寝ろ」
俺は龍之介をまくしたてるように言っているのに、寝起きで頭が働かないのか、龍之介に緊張感はない。
のんびりと自分の髪を指先で弄り、うねった毛先を見ながらこう答えた。
「……エリカさんは昨夜、お仕事で家にいませんでしたけど?」
「エリカが留守だからと言ってお前が俺を抱くのはおかしいだろう? とにかく俺はお前と今まで以上に距離を置く。考えてみろ、俺がお前と関係を持っているなんて家族に知られたら大変なことになるぞ」
「そうですか? まず誰にも疑われないと思いますけど。ご両親もエリカさんも僕らを実の兄弟みたいに仲のいいって思ってるだけでしょう?」
「でも、俺は……。龍之介、お互いにこれ以上エリカや俺の両親を裏切るような真似はやめよう。最愛の妻に隠れて他の人間とセックスしてお前の良心は痛まないのか? とにかく俺はあいつにとって誠実な兄でありたい。だからお前もあいつの誠実な夫であってくれ」
「……わかりました」
ため息交じりに布団から出た龍之介が裸なのは上半身だけで、下半身にはちゃんとパジャマのズボンを穿いていた。
脱ぎ捨てられていたパジャマの上着とカーディガンを羽織り、彼が黙って部屋から出て行った。
それを見届けてから、俺は服を着替えてノートパソコンの入ったカバンを持って家を出た。
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