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湖水の町
結婚、するのか?
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いつもとは違うミーケルに、エルヴィラはどきどきが止まらない。
いつもなら自分がねだるほうなのに、今日は逆で……ミーケルが待ちきれないとでもいうように自分を求めてくることが、とてもうれしい。
貫かれてぎゅうっと抱きつきながら、エルヴィラはうれしくて仕方ない。
「ん……あ、ミケ」
「どうした、エルヴィラ」
奥の深いところを探るように抉られて、エルヴィラの中がひくひく痙攣する。
「なん、か、いつもと、違う」
「どう、違うの」
胸を持ち上げてその先をぎゅっと摘まれる。ミーケルの身体に絡み付こうとする尻尾を捕まえられて、舌を這わされる。
「う……あ、そこ……やぁ……っ」
円を描くようにぐちゅぐちゅと掻き回されながら、耳朶を食まれて尾の根元を捏ねられて、快感が背骨を這い上がってくる。
「――は、っ」
エルヴィラの中が不意に強く締まって、ミーケルが声を漏らす。
先を丸めてあるはずのエルヴィラの爪が、時折ミーケルの背を掠めて傷を作る。
変わる前も変わった後も、エルヴィラはとてもきれいだ。
かつての夏空の青も今の鮮やかな赤もどちらもエルヴィラの色で、あの前も後も、エルヴィラの持つ輝きに変わりはない。
そして、いつも強い光を湛えているその目は、ミーケルのことでだけゆらゆらと揺れるのだ。揺れるエルヴィラを見るたびにまだ足りないのかと不安にはなるが、同時に自分だけがエルヴィラの心に動揺を与えられるのだと、少しうれしくもなる。
歌姫にふたたび会える日を待ちながらあの森を護り続けるというシェイファラルの言葉が、実感を持って自分に染み込んでいく。
もしミーケルが竜だったら、やっぱり同じように待ち続けるのではないか。
「う、あ……っ、ミケ……きもち、い、っ」
ときおりチリっという痛みを伴いながら首を吸われて、エルヴィラは身悶える。
抽送を続けながらぐいと脚を持ち上げて、脹脛をかりっと齧る。
「齧られて、気持ちいい?」
「あ、いい、っ」
ミケ、ミケと呼ぶエルヴィラの声が上擦って掠れる。
ミーケルが奥を強く穿つ動きを早め、水音が激しくなる。
またエルヴィラの爪が擦れて、ピリッと痛みが走る。
ぎゅうぎゅうとミーケルを締め上げて、頂が近いことを教える。
「っ、エルヴィラ……」
「ミケ、ミケ……あっ、あ……っ」
腰を叩きつけるように穿ちながらキスをする。口内を嬲りながら身体に回した腕に力を込めて抱き竦め、最奥をぐりりと擦り付けるように腰を押さえつけ――
「ん、っあ、ああ、ミケ……ミケ、っちゃ、い、ちゃう」
は、は、と息を吐きながら、エルヴィラが腕も脚も尾も、身体の全部を使ってミーケルにしがみつく。ミーケルが抱き竦める腕にもますます力が込もる。
「っ、エルヴィラ、エルヴィラ……いこう、エルヴィラ」
「ぅ、あ、ミケ……あっ」
びくびくと痙攣するようにエルヴィラの中が震えて、ミーケルを締めつけた。
そのまま押さえ込むようにエルヴィラをきつく抱きミーケルが爆ぜ……じっと荒くなった息が鎮まるまでエルヴィラの頭を啄むように、何度もキスをする。
「ミケ……なあ、私は、ミケのお嫁さんになるのか?」
ぼんやりと呟くエルヴィラに、ミーケルは笑って頷いた。まだ呆然としたままのエルヴィラの顔を持ち上げてキスをする。
「そうだよ。エルヴィラは、僕の奥さんになるんだ」
ミーケルの言葉に、エルヴィラの頬がほんのりと赤くなった。
「そ、か……うれしいな」
「僕もだ」
とたんににひゃっと顔を緩めるエルヴィラに、ミーケルがこつんと額を合わせ……ふたりでくすくすと笑う。
「……ミケが、大好きだ」
「僕もだ。エルヴィラ、愛してる」
くすくす笑いながら、ふたりは唇を合わせる。
* * *
「すっごく急いで準備してるのよ。だけどやっぱり、行くのは明日になりそうなの」
翌日の昼を回った頃、ベリトが非常に不本意だという顔で、はあっと溜息を吐く。
あれこれと持っていくものやら何やらと、かなりの突貫で手配しているのだが、急すぎて追いつかないらしい。
「そのことだけど、どうせ瞬間移動あたりで行くつもりだったんだろう? なら、僕とヴィーを先に運んでくれないかな」
「オジーとエルヴィラさんを先に? どうして?」
手を合わせ、小首を傾げながら訊き返すベリトに、ミーケルは呆れたように肩を竦めた。
「どうしても何も、先に僕らが行って話を通すのが筋だろう?」
「まあ!」
たちまち目をまん丸に見開いて、ベリトは驚きの表情を作る。
「アル! アル! 聞いて!」
ベリトが扉に向かって大声で呼ぶと、すぐにアルヴァーがやってきた。片手に書付の羊皮紙とペンを持ったままだ。
「どうしたの、ベリトさん。大声を出して」
「ねえ、オジーがひとりでエルヴィラさんのご実家へ挨拶に行くっていうの!」
「へえ?」
いつもなら自分がねだるほうなのに、今日は逆で……ミーケルが待ちきれないとでもいうように自分を求めてくることが、とてもうれしい。
貫かれてぎゅうっと抱きつきながら、エルヴィラはうれしくて仕方ない。
「ん……あ、ミケ」
「どうした、エルヴィラ」
奥の深いところを探るように抉られて、エルヴィラの中がひくひく痙攣する。
「なん、か、いつもと、違う」
「どう、違うの」
胸を持ち上げてその先をぎゅっと摘まれる。ミーケルの身体に絡み付こうとする尻尾を捕まえられて、舌を這わされる。
「う……あ、そこ……やぁ……っ」
円を描くようにぐちゅぐちゅと掻き回されながら、耳朶を食まれて尾の根元を捏ねられて、快感が背骨を這い上がってくる。
「――は、っ」
エルヴィラの中が不意に強く締まって、ミーケルが声を漏らす。
先を丸めてあるはずのエルヴィラの爪が、時折ミーケルの背を掠めて傷を作る。
変わる前も変わった後も、エルヴィラはとてもきれいだ。
かつての夏空の青も今の鮮やかな赤もどちらもエルヴィラの色で、あの前も後も、エルヴィラの持つ輝きに変わりはない。
そして、いつも強い光を湛えているその目は、ミーケルのことでだけゆらゆらと揺れるのだ。揺れるエルヴィラを見るたびにまだ足りないのかと不安にはなるが、同時に自分だけがエルヴィラの心に動揺を与えられるのだと、少しうれしくもなる。
歌姫にふたたび会える日を待ちながらあの森を護り続けるというシェイファラルの言葉が、実感を持って自分に染み込んでいく。
もしミーケルが竜だったら、やっぱり同じように待ち続けるのではないか。
「う、あ……っ、ミケ……きもち、い、っ」
ときおりチリっという痛みを伴いながら首を吸われて、エルヴィラは身悶える。
抽送を続けながらぐいと脚を持ち上げて、脹脛をかりっと齧る。
「齧られて、気持ちいい?」
「あ、いい、っ」
ミケ、ミケと呼ぶエルヴィラの声が上擦って掠れる。
ミーケルが奥を強く穿つ動きを早め、水音が激しくなる。
またエルヴィラの爪が擦れて、ピリッと痛みが走る。
ぎゅうぎゅうとミーケルを締め上げて、頂が近いことを教える。
「っ、エルヴィラ……」
「ミケ、ミケ……あっ、あ……っ」
腰を叩きつけるように穿ちながらキスをする。口内を嬲りながら身体に回した腕に力を込めて抱き竦め、最奥をぐりりと擦り付けるように腰を押さえつけ――
「ん、っあ、ああ、ミケ……ミケ、っちゃ、い、ちゃう」
は、は、と息を吐きながら、エルヴィラが腕も脚も尾も、身体の全部を使ってミーケルにしがみつく。ミーケルが抱き竦める腕にもますます力が込もる。
「っ、エルヴィラ、エルヴィラ……いこう、エルヴィラ」
「ぅ、あ、ミケ……あっ」
びくびくと痙攣するようにエルヴィラの中が震えて、ミーケルを締めつけた。
そのまま押さえ込むようにエルヴィラをきつく抱きミーケルが爆ぜ……じっと荒くなった息が鎮まるまでエルヴィラの頭を啄むように、何度もキスをする。
「ミケ……なあ、私は、ミケのお嫁さんになるのか?」
ぼんやりと呟くエルヴィラに、ミーケルは笑って頷いた。まだ呆然としたままのエルヴィラの顔を持ち上げてキスをする。
「そうだよ。エルヴィラは、僕の奥さんになるんだ」
ミーケルの言葉に、エルヴィラの頬がほんのりと赤くなった。
「そ、か……うれしいな」
「僕もだ」
とたんににひゃっと顔を緩めるエルヴィラに、ミーケルがこつんと額を合わせ……ふたりでくすくすと笑う。
「……ミケが、大好きだ」
「僕もだ。エルヴィラ、愛してる」
くすくす笑いながら、ふたりは唇を合わせる。
* * *
「すっごく急いで準備してるのよ。だけどやっぱり、行くのは明日になりそうなの」
翌日の昼を回った頃、ベリトが非常に不本意だという顔で、はあっと溜息を吐く。
あれこれと持っていくものやら何やらと、かなりの突貫で手配しているのだが、急すぎて追いつかないらしい。
「そのことだけど、どうせ瞬間移動あたりで行くつもりだったんだろう? なら、僕とヴィーを先に運んでくれないかな」
「オジーとエルヴィラさんを先に? どうして?」
手を合わせ、小首を傾げながら訊き返すベリトに、ミーケルは呆れたように肩を竦めた。
「どうしても何も、先に僕らが行って話を通すのが筋だろう?」
「まあ!」
たちまち目をまん丸に見開いて、ベリトは驚きの表情を作る。
「アル! アル! 聞いて!」
ベリトが扉に向かって大声で呼ぶと、すぐにアルヴァーがやってきた。片手に書付の羊皮紙とペンを持ったままだ。
「どうしたの、ベリトさん。大声を出して」
「ねえ、オジーがひとりでエルヴィラさんのご実家へ挨拶に行くっていうの!」
「へえ?」
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