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岩小人の町
うれしい
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頭が真っ白になった。
はあはあと荒く息を吐いたまま、呆然と放心する。脚の間はひくひくとひきつるようにずっと痙攣していて……もしかして、これが“イく”ってことなんだろうか。
「じゃ、今度は本番だよ」
ぼんやりと見上げるエルヴィラに、ミーケルはじっくりキスをする。くちゅくちゅ音を鳴らして舌を絡めて吸う。
ぼうっとしたままそれに応えるように、エルヴィラも舌を動かした。
とても気持ちいい。
キスっていいものなんだな。
エルヴィラは夢心地で考える。
「ほら、これが君の中に入るんだ」
エルヴィラの手を取って、ミーケルがすっかり昂った自分の剛直を触らせた。
「これ……」
つい、確かめるようにきゅっと握ってしまう。ミーケルが「ん」と小さく声を漏らし、くすりと笑った。
「君、結構大胆だよね。普通そこは驚いて引くところなのに」
「そんな、こと、言われても……」
自分にないものが、なんだか不思議だなと思っただけだし。
「やっぱり君は変わってる」
くくっと笑ってミーケルはまたエルヴィラの口を塞ぐ。そのままエルヴィラの腰を抱くと、蜜口にあてがい、ゆっくりと中へと進み挿れた。
「ん、う……っ」
「痛かったら、噛み付いてもいいよ」
そう囁いて、少しずつ中へ進んでいく。処女にしたって相当きつく感じるのは、やっぱり鍛えてあるからだろうか。
エルヴィラはうーうーと唸りながら、どうにか息を吐いて痛みを逃そうとしていた。目が潤むのは、やはりそれなりに痛いということだろう。
ミーケルはぐいとエルヴィラを抱き寄せる。
「引っ掻いてもいいから、僕に掴まってるといいよ。その代わり、最後までいっきに挿れるからね」
頭を抱え込むようにして囁くと、エルヴィラは唸りながらもこくこくと頷く。
しっかりと自分にしがみつくのを確認して、ミーケルは思い切り腰を進めた。
「っ、う」
「く」
無理やり進入される痛さと圧迫感に息が詰まりそうになる。
宣言通り、ひと息にぐぐっと突き入れて、ミーケルの動きが止まった。ふう、と息を吐く彼にほっとして、エルヴィラも涙を滲ませながら小さく息を吐く。
「これで、全部入った」
「全部……」
ずきずきと痛みを訴える場所に、ミーケルが全部入っているのか。
エルヴィラはへにゃっと笑って、「うれしい」と呟いた。
ミーケルは思わず息を呑む。
なんだこれ。
なんなんだこれは。
はあ、ともう一度、自分を落ち着かせるように息を吐いて、エルヴィラにキスをした。
「――いつもならこんなことしないんだけどね」
囁いて、二、三、呼吸を整えて呪文を唱えると、急にエルヴィラの中から疼くような痛みが消えた。
「痛くない。治癒の魔術?」
「要するに、中に傷ができるから痛いんだよ。処女を無くすと血が出るだろう? だからその傷を治してやれば痛くない」
「……そうだったのか!」
目を瞠るエルヴィラに、ミーケルは呆れたように笑った。
「だから、もう、遠慮なく動くから」
「え? ……んっ」
ゆっくりとミーケルが動き出す。
確かにもう痛くはない。
痛くはないが、お腹の中を押されるような圧迫感は相変わらずで……けれど、それを追い掛けて塗り潰すような快楽が湧き上がってきて。
エルヴィラは、すぐにまた何も考えられなくなってしまった。
* * *
うとうとと微睡みつつ手を伸ばした先の暖かみに、擦り寄るように頭を寄せる。
ふう、と深く息を吐いて息を吸い込み、いっぱいのいい匂いを感じる。
最初にこの匂いを意識したのは“岩塩の町”だった。
抱えて歌ってくれた子守唄の、低くて優しい響きが蘇る。
けれど、あの時は目が覚めたら自分ひとりしかいなくて……あれはただの夢で幻だったのかと思ったら、カッと頭に血が上ったんだった。
でも、今はちゃんとここにいる。
確かめるように伸ばした手をぺたぺたと這わせて、ぎゅっと抱き付く。ぐいと抱き寄せて頰ずりをして、にへらと笑う。
そうだ。態度は酷かったけど、歌う声はいつも優しくて力強くて暖かかった。
護衛として横に立って、歌を聞いていられるのは結構楽しかったんだ。
へへ、と笑いながら頭をぐりぐり押し付ける。
はあはあと荒く息を吐いたまま、呆然と放心する。脚の間はひくひくとひきつるようにずっと痙攣していて……もしかして、これが“イく”ってことなんだろうか。
「じゃ、今度は本番だよ」
ぼんやりと見上げるエルヴィラに、ミーケルはじっくりキスをする。くちゅくちゅ音を鳴らして舌を絡めて吸う。
ぼうっとしたままそれに応えるように、エルヴィラも舌を動かした。
とても気持ちいい。
キスっていいものなんだな。
エルヴィラは夢心地で考える。
「ほら、これが君の中に入るんだ」
エルヴィラの手を取って、ミーケルがすっかり昂った自分の剛直を触らせた。
「これ……」
つい、確かめるようにきゅっと握ってしまう。ミーケルが「ん」と小さく声を漏らし、くすりと笑った。
「君、結構大胆だよね。普通そこは驚いて引くところなのに」
「そんな、こと、言われても……」
自分にないものが、なんだか不思議だなと思っただけだし。
「やっぱり君は変わってる」
くくっと笑ってミーケルはまたエルヴィラの口を塞ぐ。そのままエルヴィラの腰を抱くと、蜜口にあてがい、ゆっくりと中へと進み挿れた。
「ん、う……っ」
「痛かったら、噛み付いてもいいよ」
そう囁いて、少しずつ中へ進んでいく。処女にしたって相当きつく感じるのは、やっぱり鍛えてあるからだろうか。
エルヴィラはうーうーと唸りながら、どうにか息を吐いて痛みを逃そうとしていた。目が潤むのは、やはりそれなりに痛いということだろう。
ミーケルはぐいとエルヴィラを抱き寄せる。
「引っ掻いてもいいから、僕に掴まってるといいよ。その代わり、最後までいっきに挿れるからね」
頭を抱え込むようにして囁くと、エルヴィラは唸りながらもこくこくと頷く。
しっかりと自分にしがみつくのを確認して、ミーケルは思い切り腰を進めた。
「っ、う」
「く」
無理やり進入される痛さと圧迫感に息が詰まりそうになる。
宣言通り、ひと息にぐぐっと突き入れて、ミーケルの動きが止まった。ふう、と息を吐く彼にほっとして、エルヴィラも涙を滲ませながら小さく息を吐く。
「これで、全部入った」
「全部……」
ずきずきと痛みを訴える場所に、ミーケルが全部入っているのか。
エルヴィラはへにゃっと笑って、「うれしい」と呟いた。
ミーケルは思わず息を呑む。
なんだこれ。
なんなんだこれは。
はあ、ともう一度、自分を落ち着かせるように息を吐いて、エルヴィラにキスをした。
「――いつもならこんなことしないんだけどね」
囁いて、二、三、呼吸を整えて呪文を唱えると、急にエルヴィラの中から疼くような痛みが消えた。
「痛くない。治癒の魔術?」
「要するに、中に傷ができるから痛いんだよ。処女を無くすと血が出るだろう? だからその傷を治してやれば痛くない」
「……そうだったのか!」
目を瞠るエルヴィラに、ミーケルは呆れたように笑った。
「だから、もう、遠慮なく動くから」
「え? ……んっ」
ゆっくりとミーケルが動き出す。
確かにもう痛くはない。
痛くはないが、お腹の中を押されるような圧迫感は相変わらずで……けれど、それを追い掛けて塗り潰すような快楽が湧き上がってきて。
エルヴィラは、すぐにまた何も考えられなくなってしまった。
* * *
うとうとと微睡みつつ手を伸ばした先の暖かみに、擦り寄るように頭を寄せる。
ふう、と深く息を吐いて息を吸い込み、いっぱいのいい匂いを感じる。
最初にこの匂いを意識したのは“岩塩の町”だった。
抱えて歌ってくれた子守唄の、低くて優しい響きが蘇る。
けれど、あの時は目が覚めたら自分ひとりしかいなくて……あれはただの夢で幻だったのかと思ったら、カッと頭に血が上ったんだった。
でも、今はちゃんとここにいる。
確かめるように伸ばした手をぺたぺたと這わせて、ぎゅっと抱き付く。ぐいと抱き寄せて頰ずりをして、にへらと笑う。
そうだ。態度は酷かったけど、歌う声はいつも優しくて力強くて暖かかった。
護衛として横に立って、歌を聞いていられるのは結構楽しかったんだ。
へへ、と笑いながら頭をぐりぐり押し付ける。
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