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1.おいしい餌とオカン吸血鬼
2.冷やし中華はじめました
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ああ、太陽が眩しい。
夜が明けた空を眺めると、明けの光が目に容赦なく突き刺さる。
「着替えしたい……風呂入りたい……帰らなきゃ……」
スマホで会社から自宅最寄駅までの始発列車を検索しながら、私はふらふらと休憩室を後にした。
早朝の町を、駅へ向かうおじさんたちの間を縫って逆に歩く。
あー、今日は昼からでいいんだよなー、何時間寝られるかなーと考えながら。
夜更かしとか徹夜とか、私はそういったものに滅法弱いのだ。
なのに、仕事とはいえなんでこんなことしてるんだろう。解せない。
さらに言えば、遊びの徹夜明けに比べて仕事での徹夜明けの疲労感というのは間違いなく段違いだった。これは社会人になってから思い知ったことだ。
学生時代の徹カラの翌日なんて結構平気だったのに、仕事で徹夜明けとなった翌日はとにかく眠くてしかたないのだ。
やはり若いって素晴らしいことだったんだ。
「ただいまあ」
「おかえりなさい」
ガチャガチャと鍵を開けて扉を開けると、いつものようにミカちゃんが起きて待っていた。
「――大丈夫ですか?」
私の顔を見るなり、ミカちゃんは心配そうな顔になる。
寝不足は不健康のもとだし、ミカちゃんとしては、私の健康が損なって血液の味が落ちるのが心配なんだろう。
「んー……眠い」
「仮眠は取れなかったんですか?」
「そんな時間なかったよ。朝イチで不具合直ったモジュールをユーザーに提供するとか、どんな無茶振りしてくるのかと思ったよ。今時、過労ロード走らせるなんて流行らないのに、ちょっと脳味噌おかしいんじゃないかな。おまけにさ、すっげー古い処理の既存不具合だったんだよ。うちが作ったやつじゃないから解析からやらなきゃいけなかったし、やっぱりちょっとくらいゴジラは湾岸上陸して暴れたほうがいいんじゃないかと思った。
とりあえず終わらせたけどね。私、これから昼まで寝るんだ」
「今日はお休みではないんですね」
半眼でひたすら“眠い”しか考えられない私から鞄を受け取り、ミカちゃんは目を細める。徹夜明けに休みをくれるほど、うちの会社は優しくない。間違いなく時代に逆行している。
「お風呂は起きてからのほうがよさそうですが、顔くらいはちゃんと洗ってくださいね。そのまま寝ると大変なことになりますよ」
「あー、うん、めんどくさいけど、わかった……」
そのまま洗面所へと入り、メイクオフシートを適当に取ってぐりぐりと顔をこする。あー、これにしといてよかったー。がっつりメイクするほうじゃないけど、何しろ徹夜明けなのだ。とにかく面倒くさいことはやりたくない。
「ああっ、やっぱり」
「ん?」
洗面所を覗いたミカちゃんが、なぜか非難の声を上げる。
いったい何を非難されてるのかわからず、私はぼうっと振り返る。
「そんなに雑にこすったら、荒れてしまいます」
「あー……大丈夫だよ。肌は強いほうなんだ。肌荒れとかしないし」
「そういう問題じゃありません。貸してください」
私の手からシートを取り上げると、ミカちゃんは丁寧に拭き取り始めた。
あなたの大丈夫は本気で当てになりませんとか言いながら。やばい、気持ちよくて寝そう……寝そ……。
顔を擦られつつ、ぐう、と、よだれを垂らして意識を飛ばしそうになっていたら、ミカちゃんが溜息をひとつ吐いた。
「……わかりました、少し待ってください」
ミカちゃんはそういうと、洗面所に私を置いて台所に向かう。
手際よくレンジで蒸しタオルを作って、メイクを落とした私の顔を丁寧に吹き上げた。おまけに、それだけではなく、あとのケアまでを華麗にこなしてしまう。
自分がダメになりそうで怖いのに、この丁寧な仕事には非常に抗いがたい。まるでエステか美容院のごとき仕事ぶりだ。
本当に、どこでこんなスキルを身につけたのだろうか。
ミカちゃんが半端ない。この先、もしミカちゃんがいなくなってしまったら、私はひとりで人間的な生活を送れるのだろうか。私はミカちゃんをキープすべく、造血に努力すべきなのだろうか。
だがそれは後回し。今はとにかく睡眠だ。私には睡眠が必要なのだ。
部屋に移動して、ぱぱぱっと置いてあったパジャマに着替え、私はぱたんとベッドに倒れこむ。今日もふかふかで気持ちいい。
すぐ後に部屋に入ってきたミカちゃんは、そこらに脱ぎ散らかした服を見てまたひとつ溜息を吐いた。何も言わずにさささっと集めて、洗濯機へと持っていく。
「律子さん、女性なのですから、もう少しですね……」
ミカちゃんはマジでいいお嫁さんになれると思う。
その小言が無ければ。
あと、残念だが、眠すぎてその小言は私の脳味噌まで届いてない。ごめん。
「――徹夜明けの人間働かそうなんて悪魔の所行だよね。人間の考えることじゃないと思うんだ。今日は代休でお休みにしていいですよと優しく言えないヤツは早く滅びを迎えたほうがいいよね……」
むにゃむにゃとはっきりしない文句をぶーたれながら、私は十秒ともたずに夢の世界へと旅立った。
* * *
翌朝、じゃなくて昼が近くなったころにピピピと目覚ましがなって起こされた。まだもっさりとした眠気は取れないけれど、ようやく人心地ついた。
「おはようございます」
「んー、おはようございます」
すかさず掛けられた声に、むにゃむにゃもっさりと返事をする。
「またお仕事に行くのでしょう。まずはシャワーを浴びてください」
有無を言わせないミカちゃんの声に、「わかった」と返事をする。
面倒くさくても、身嗜みは社会人の基本だ。いや、人としての基本なのだ。
ベッドから降りて、着替えを手にのそのそと風呂場へ向かう私の鼻を、おいしそうな匂いが擽った。
「昼食は食べて行きますか」
「そうするー」
たぶん、ここで食べなかったら、またもや飯抜きになってしまうだろう。
ちょっと熱めのシャワーを頭からかぶって、わっしゃわっしゃと全身を洗い流して、ようやく頭がすっきりした。
よし決めた。今日は早く帰ろう。あと代休も欲しい。
髪を乾かして用意しておいたスーツを着て、出かけられるくらいにいろいろ整えて台所に戻ると、ミカちゃんが既に昼食を用意してくれていた。
「冷やし中華だ!」
「こういうもののほうが、食欲が湧くかと思いまして」
ミカちゃんはすごい、わかってる。麺類好きの私が、こういう時は麺類が食べたくなることまでわかってるなんて!
「そろそろ季節だなあって思ってたとこだったの。ありがとうー!」
野菜や冷しゃぶにした豚肉とかがたっぷり乗っかった冷やし中華は絶品だった。生麺タイプのインスタントが、どうしてここまで美味しくなるのだろう。
麺をすすりもぐもぐと具を食べながら、ミカちゃんは吸血鬼だから器用なのか、ミカちゃん自身が器用なのか、いったいどちらだろうかなんて考えてしまった。
「そういえば、ミカちゃん。吸血鬼って普通のご飯も食べたりするの?」
「食べようと思えば食べられますよ。栄養にはなりませんが」
「へえ。じゃあ、味もわかるんだ」
「はい」
なるほど、どうりでおいしく作れるはずだ。
「なら、ミカちゃんも一緒に食べようよ」
私が何気なく言った言葉に、ミカちゃんが驚く。
あれ、なんか変なこと言ったかな、それとも地雷だったのかな……などと考えていると、ミカちゃんはくすりと笑った。
「では、たまにご相伴させていただきましょう」
「あ、食費なら気にしないでね。残業多くて使う暇ないし、手取りは多いほうだと思うんだ。足りなかったら言ってね。あ、最初から多めに置いとけばいいのか」
そう付け足すと、ミカちゃんはまたちょっと驚いて、それからくすくす笑った。
「節約メニューにしてますから、問題ありませんよ。それに、私にも収入くらいはあるんです。そこは折半させてください」
「ええ? でも、家事全部やっちゃってもらってるのに、なんか悪いよ」
「それについては、正当な報酬を戴いてのことです。お気になさらず」
「でもさ、それって釣り合ってない気がするんだけど?」
「そんなことありませんよ。それよりも、早く食べないと遅刻してしまいます」
「あ、うん」
そういえば、ミカちゃんの収入源てなんだろうと思ったのは、最寄駅の改札をくぐったあとだった。
吸血鬼も働いてるってことなんだろうか。
こんなにまめまめしいイケメンなら、ホストあたり軽くこなしちゃいそうだ。マダムなお客さん相手に、ドンペリコールとかさ。
ついつい想像して、私は思い切り吹き出してしまった。
夜が明けた空を眺めると、明けの光が目に容赦なく突き刺さる。
「着替えしたい……風呂入りたい……帰らなきゃ……」
スマホで会社から自宅最寄駅までの始発列車を検索しながら、私はふらふらと休憩室を後にした。
早朝の町を、駅へ向かうおじさんたちの間を縫って逆に歩く。
あー、今日は昼からでいいんだよなー、何時間寝られるかなーと考えながら。
夜更かしとか徹夜とか、私はそういったものに滅法弱いのだ。
なのに、仕事とはいえなんでこんなことしてるんだろう。解せない。
さらに言えば、遊びの徹夜明けに比べて仕事での徹夜明けの疲労感というのは間違いなく段違いだった。これは社会人になってから思い知ったことだ。
学生時代の徹カラの翌日なんて結構平気だったのに、仕事で徹夜明けとなった翌日はとにかく眠くてしかたないのだ。
やはり若いって素晴らしいことだったんだ。
「ただいまあ」
「おかえりなさい」
ガチャガチャと鍵を開けて扉を開けると、いつものようにミカちゃんが起きて待っていた。
「――大丈夫ですか?」
私の顔を見るなり、ミカちゃんは心配そうな顔になる。
寝不足は不健康のもとだし、ミカちゃんとしては、私の健康が損なって血液の味が落ちるのが心配なんだろう。
「んー……眠い」
「仮眠は取れなかったんですか?」
「そんな時間なかったよ。朝イチで不具合直ったモジュールをユーザーに提供するとか、どんな無茶振りしてくるのかと思ったよ。今時、過労ロード走らせるなんて流行らないのに、ちょっと脳味噌おかしいんじゃないかな。おまけにさ、すっげー古い処理の既存不具合だったんだよ。うちが作ったやつじゃないから解析からやらなきゃいけなかったし、やっぱりちょっとくらいゴジラは湾岸上陸して暴れたほうがいいんじゃないかと思った。
とりあえず終わらせたけどね。私、これから昼まで寝るんだ」
「今日はお休みではないんですね」
半眼でひたすら“眠い”しか考えられない私から鞄を受け取り、ミカちゃんは目を細める。徹夜明けに休みをくれるほど、うちの会社は優しくない。間違いなく時代に逆行している。
「お風呂は起きてからのほうがよさそうですが、顔くらいはちゃんと洗ってくださいね。そのまま寝ると大変なことになりますよ」
「あー、うん、めんどくさいけど、わかった……」
そのまま洗面所へと入り、メイクオフシートを適当に取ってぐりぐりと顔をこする。あー、これにしといてよかったー。がっつりメイクするほうじゃないけど、何しろ徹夜明けなのだ。とにかく面倒くさいことはやりたくない。
「ああっ、やっぱり」
「ん?」
洗面所を覗いたミカちゃんが、なぜか非難の声を上げる。
いったい何を非難されてるのかわからず、私はぼうっと振り返る。
「そんなに雑にこすったら、荒れてしまいます」
「あー……大丈夫だよ。肌は強いほうなんだ。肌荒れとかしないし」
「そういう問題じゃありません。貸してください」
私の手からシートを取り上げると、ミカちゃんは丁寧に拭き取り始めた。
あなたの大丈夫は本気で当てになりませんとか言いながら。やばい、気持ちよくて寝そう……寝そ……。
顔を擦られつつ、ぐう、と、よだれを垂らして意識を飛ばしそうになっていたら、ミカちゃんが溜息をひとつ吐いた。
「……わかりました、少し待ってください」
ミカちゃんはそういうと、洗面所に私を置いて台所に向かう。
手際よくレンジで蒸しタオルを作って、メイクを落とした私の顔を丁寧に吹き上げた。おまけに、それだけではなく、あとのケアまでを華麗にこなしてしまう。
自分がダメになりそうで怖いのに、この丁寧な仕事には非常に抗いがたい。まるでエステか美容院のごとき仕事ぶりだ。
本当に、どこでこんなスキルを身につけたのだろうか。
ミカちゃんが半端ない。この先、もしミカちゃんがいなくなってしまったら、私はひとりで人間的な生活を送れるのだろうか。私はミカちゃんをキープすべく、造血に努力すべきなのだろうか。
だがそれは後回し。今はとにかく睡眠だ。私には睡眠が必要なのだ。
部屋に移動して、ぱぱぱっと置いてあったパジャマに着替え、私はぱたんとベッドに倒れこむ。今日もふかふかで気持ちいい。
すぐ後に部屋に入ってきたミカちゃんは、そこらに脱ぎ散らかした服を見てまたひとつ溜息を吐いた。何も言わずにさささっと集めて、洗濯機へと持っていく。
「律子さん、女性なのですから、もう少しですね……」
ミカちゃんはマジでいいお嫁さんになれると思う。
その小言が無ければ。
あと、残念だが、眠すぎてその小言は私の脳味噌まで届いてない。ごめん。
「――徹夜明けの人間働かそうなんて悪魔の所行だよね。人間の考えることじゃないと思うんだ。今日は代休でお休みにしていいですよと優しく言えないヤツは早く滅びを迎えたほうがいいよね……」
むにゃむにゃとはっきりしない文句をぶーたれながら、私は十秒ともたずに夢の世界へと旅立った。
* * *
翌朝、じゃなくて昼が近くなったころにピピピと目覚ましがなって起こされた。まだもっさりとした眠気は取れないけれど、ようやく人心地ついた。
「おはようございます」
「んー、おはようございます」
すかさず掛けられた声に、むにゃむにゃもっさりと返事をする。
「またお仕事に行くのでしょう。まずはシャワーを浴びてください」
有無を言わせないミカちゃんの声に、「わかった」と返事をする。
面倒くさくても、身嗜みは社会人の基本だ。いや、人としての基本なのだ。
ベッドから降りて、着替えを手にのそのそと風呂場へ向かう私の鼻を、おいしそうな匂いが擽った。
「昼食は食べて行きますか」
「そうするー」
たぶん、ここで食べなかったら、またもや飯抜きになってしまうだろう。
ちょっと熱めのシャワーを頭からかぶって、わっしゃわっしゃと全身を洗い流して、ようやく頭がすっきりした。
よし決めた。今日は早く帰ろう。あと代休も欲しい。
髪を乾かして用意しておいたスーツを着て、出かけられるくらいにいろいろ整えて台所に戻ると、ミカちゃんが既に昼食を用意してくれていた。
「冷やし中華だ!」
「こういうもののほうが、食欲が湧くかと思いまして」
ミカちゃんはすごい、わかってる。麺類好きの私が、こういう時は麺類が食べたくなることまでわかってるなんて!
「そろそろ季節だなあって思ってたとこだったの。ありがとうー!」
野菜や冷しゃぶにした豚肉とかがたっぷり乗っかった冷やし中華は絶品だった。生麺タイプのインスタントが、どうしてここまで美味しくなるのだろう。
麺をすすりもぐもぐと具を食べながら、ミカちゃんは吸血鬼だから器用なのか、ミカちゃん自身が器用なのか、いったいどちらだろうかなんて考えてしまった。
「そういえば、ミカちゃん。吸血鬼って普通のご飯も食べたりするの?」
「食べようと思えば食べられますよ。栄養にはなりませんが」
「へえ。じゃあ、味もわかるんだ」
「はい」
なるほど、どうりでおいしく作れるはずだ。
「なら、ミカちゃんも一緒に食べようよ」
私が何気なく言った言葉に、ミカちゃんが驚く。
あれ、なんか変なこと言ったかな、それとも地雷だったのかな……などと考えていると、ミカちゃんはくすりと笑った。
「では、たまにご相伴させていただきましょう」
「あ、食費なら気にしないでね。残業多くて使う暇ないし、手取りは多いほうだと思うんだ。足りなかったら言ってね。あ、最初から多めに置いとけばいいのか」
そう付け足すと、ミカちゃんはまたちょっと驚いて、それからくすくす笑った。
「節約メニューにしてますから、問題ありませんよ。それに、私にも収入くらいはあるんです。そこは折半させてください」
「ええ? でも、家事全部やっちゃってもらってるのに、なんか悪いよ」
「それについては、正当な報酬を戴いてのことです。お気になさらず」
「でもさ、それって釣り合ってない気がするんだけど?」
「そんなことありませんよ。それよりも、早く食べないと遅刻してしまいます」
「あ、うん」
そういえば、ミカちゃんの収入源てなんだろうと思ったのは、最寄駅の改札をくぐったあとだった。
吸血鬼も働いてるってことなんだろうか。
こんなにまめまめしいイケメンなら、ホストあたり軽くこなしちゃいそうだ。マダムなお客さん相手に、ドンペリコールとかさ。
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