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8.僕が欲しいと言え
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「ケリー、愛してます」
そう囁いてケリーを抱き締めると、ケリーはいつかのようにただ微笑み、抱き締め返して僕の背を撫でる。
僕の手に落ちてきてくれたはずなのに、またもやするりとすり抜けて、どこかへと消えてしまうのだろうか。
「ケリー」
抱き締めてキスをして舌を絡めて、ケリーの吐息と熱さは感じるのに……。
王の召喚に応え、登城した。
王にひとりで謁見するのは、祖父がまだ健在だったころから数えても数度あるかないかだ。臣下の礼を取り、跪き、首を垂れて王の言葉を待つ。
「ラエスフェルト公爵よ」
「はい」
「そなた、まだ独り身であったな」
「……はい。祖父の喪が明けるまではと考えておりますもので」
「前公爵も、そろそろ良いと申すだろう。そなたには、“嵐の国”の公爵家の姫をと、考えておる。ストーミアン王家の縁戚だ」
「は、い?」
「かの国とは、そろそろ好を結び直さねばと考えていたところでな。
先方の姫は今年15になる。だが、こちらの王家には年回りの合う独り者がおらぬのだ。ラエスフェルト公爵家は、臣籍に降りてからも、数度、王家から姫が降嫁している血筋だ。最近では3代前だったか。家柄だけでなく、年回りも合うだろう。何より、未だ相手を決めておらず独り身というならばちょうどよい」
「は……その、何分、急な話で……」
顔を俯かせたまま、僕はぐっと拳を握った。
ぽたりと汗が滴り落ちる。
「次の夜会には姫も招待してある。そこで顔合わせをするつもりで準備せよ。よほどのことがない限り、そなたは姫を娶るのだ」
「……はい」
「夜会後、姫はしばしここに留まる予定だ。そなたには姫のもてなしも命ずる」
「……は、い」
王の御前を辞し、ぼんやりと屋敷へ戻る。
姫を娶った暁には祖父や父の務めた役職が与えられ、この王宮に出仕することになるのだ、などとも言われたが、どうでもいいことだった。
王命なら、この結婚を避けることはできない。フェリシア姫の時のようなわけにはいかないのだ。
「ケリー……」
もっと早く、爵位なんて捨ててこの国を出ればよかったのか。けれど、今のまま飛び出したってまた連れ戻されるだけではないのか。
屋敷に帰り着いて、すぐにケリーの元へと向かった。
「ケリー」
扉を開けて、いつものように長椅子に座るケリーの隣に腰を降ろし、抱き締めた。キスをする僕を、今度はケリーが抱き締め、宥めるように背をさする。
「ケリー、ケリー……」
「エヴ、どうした? 何かあったのか?」
穏やかな声で、ケリーが尋ねる。
……ケリーは、何と言うだろう。やめろと言ってくれるだろうか。
「王が結婚しろと命じるんです。僕に、ストーミアン王家に繋がる“嵐の国”の公爵家の姫と、結婚しろと……」
ケリーが震える僕の背をゆっくりと撫でる。
「そうか」
ケリーはそれきり黙ってしまう。
「ケリー?」
どうして、黙ってしまうのか。
「……なあ、エヴ。わたしは君が嫌いじゃない。君がわたしの助手見習いになって、弟か……そう、家族ができたみたいだと思っていた」
ケリーが僕の頭を優しく抱き締める。
「けれど、エヴ。君は貴族に戻ったんだ。わたしのような平民の年増女にいつまでも拘ってちゃいけない」
ハッと顔を上げる僕の頬を、ケリーがそっと撫でる。
「そろそろ、わたしに固執するのはやめるんだ。最初に君を拾って優しくしたのがわたしだったから、君は勘違いしてしまっただけなんだよ、エヴ」
僕は大きく目を見開いたまま、ケリーをじっと見つめる。
うまく、息ができない。意味のない呻き声だけが喉から漏れる。
ケリーは、それほど、僕が邪魔なのか。
ケリーは、また僕を捨てようというのか。
「ケリー……」
「エ……」
僕はケリーにキスをする。口の中をねっとりと舐り、舌を甘噛みする。
「僕とキスするだけで、こうなるくせに」
スカートの中に手を入れて、ケリーの脚の間を強く擦った。もう、滲み出るくらいに濡れたそこから、ねちゃりと粘ついた音が聞こえる。
「僕が欲しいと言ったのは嘘だったんですか? また、薬を飲んでもらわなければならないんですか?」
乱暴に下着を剥ぎ取り、わざとぐちゅぐちゅ音を立てて指を抜き差しする。
「え、エヴ……、っは」
ひくりと引き攣るようにケリーの中が締まり、僕は目を細める。
「ケリー、ケリーは、僕が……っ」
ボタンを引きちぎるように前を開き、猛るものをケリーに突き立てる。
「う、あっ、エヴ……っ、エヴ、ちが……」
激しく抽送を繰り返すうちに、ケリーはびくびくと痙攣を始める。は、は、と、呼吸が忙しなく荒くなり、うっすらと汗が浮かびだす。
「ケリー、僕から離れるなんて、許さない」
「あ、あっ、エヴ……あああっ!」
ケリーを快楽に沈めてしまおうと、奥へと叩きつけるように、擦り付けるように抉る。ぽたりと、僕の顎を伝って汗が落ちる。
「ケリー、僕が欲しいと、言うんだ」
「あ、はぁ……エヴ……あっ」
ケリーは襞を震わせ、僕をぎゅうぎゅうに締め付ける。
「……ケリー」
僕は動きを止めて、ケリーに口付けた。
「僕が欲しいと言ってください」
「う……あ、あっ」
ケリーはびくびくと跳ねさせるように腰を擦り付ける。
「あ、エヴ、エヴっ」
「ケリー。僕が欲しいと言えば、いくらでもあげます。ほら」
ケリーの感じる場所を掠めるようにゆっくりと腰を回す。ケリーが僕をもっと奥へと呑み込もうと襞を蠢かせる。
「ふ、あ、ああっ」
もう少しなのに、と、ケリーの目に焦燥の色が浮かぶ。
ぱくぱくと魚のように喘いで、ケリーは身体を朱に染める。つ、と首を汗が伝う。薄い部屋着も、汗に湿っている。
「ねえ、ケリー」
僕は優しくケリーを呼んで、そっとキスをする。
「ケリーを愛してるんです。ケリーと離れるなんて考えられないんです」
何度もキスを落として、ケリーの唇を舐める。
「僕から離れようなんて考えないで。僕を欲しいと言ってください、ケリー」
唇を貪りながら奥をまた擦る。ケリーが呻くように声を漏らし、背が反り返った。口の端を涎が伝う。
「ケリー、言ってください。ケリー」
「あ……エヴ……」
はあはあと浅く息を吐き、ケリーは震える手で僕の頭を撫でた。
「エヴ……わたしは、君が、嫌いじゃ、ない」
「ケリー?」
ケリーの身体を押さえつけて、その顔をじっと見つめる。
「けれど、エヴ。わたしは……君とは違うんだよ」
僕の頭がカッと熱くなった。
ずるりと抜いて立ち上がり、エヴを抱え上げて奥の部屋へと向かう。
ベッドの上に乱暴に横たえて、そばの戸棚から小瓶を取り出す。
「……エヴ」
呼ぶ声を無視して、僕は身体の上に跨り、ケリーを押さえつけた。小瓶の封を取り、中身をあおってケリーの口を塞ぐ。鼻をつまみ、口に含んだ薬を流し込み、飲み込むまで口内を嬲り続ける。
「……あ」
たまらずにごくりと飲み込んだ薬の効果は、すぐに現れた。
ケリーの顔が赤く染まり、吐息が熱く荒くなり始める。しっとりと全身が汗ばんで、目が潤み出す。着ている衣服が肌に擦れるだけで喉から小さく声が漏れる。
「ケリー、欲しくなりましたか?」
僕はケリーに優しく微笑んで、つ、と指で身体をなぞりながらキスをした。胸の頂をつつき、臍のあたりを擽るようにしつつ下へと手を下ろす。さっきまで僕が入っていた場所にぬるりと滑らせて、そこが濡れていることを確かめる。
ケリーが身を捩って声を上げる。
「ケリー、服を脱ぎましょう」
あ、あ、と短く声を上げて喘ぐケリーの部屋着をゆっくりと脱がせる。下着もすべて取り去ってしまう。
「ケリー、きれいです」
呟いて、僕はゆっくりとケリーの肌に舌を這わせる。ケリーがいちばん触れて欲しいところには触れないようにして。
「あ、あ……っ。あ、いや、あ……ああっ!」
なのに、ケリーは身体を震わせて、大きく声を上げる。
「ケリー、僕を欲しいと言ってください」
「あ、あああああ……」
指で軽く、ケリーのいちばん敏感な尖をつつく。それだけで、ケリーは大きく跳ねて、身体を反らす。
「ねえ、ケリー。欲しいんでしょう? 我慢しなくていいんですよ」
ケリーは涙を浮かべて首を振る。
汗を浮かべ、全身を真っ赤にして身悶えながら、首を振る。
「ケリー? 本当に欲しくないんですか?」
つぷりと指を1本だけ沈める。
中を掻き混ぜながらケリーの好きな場所を押し、擦ると、ケリーの中は激しく動いて、僕の指を食い千切らんとばかりに奥へと引き込もうとする。
ケリーは、与えられる刺激から少しでも多くの快楽を得ることに集中しているのか、視線は虚ろに彷徨い、ただひたすらはあはあと荒く息を吐いていた。
僕はくすりと笑って指を抜いてしまう。
「あ」
ケリーは思わず声をあげた。
「ケリー、疼くんでしょう? さっきも最後までできませんでしたし、達したくて仕方ないのでしょう?」
ぬるぬると蜜口の周りを指でなぞると、それを追うようにケリーの腰が動く。蜜口がはくはくと欲しがりながら、追いかけてくる。
くすくすと笑いながら、僕も衣服を脱ぎ捨てる。
僕の昂りをあてがい、その幹で入り口を擦ると、ケリーは大きく身悶えて喉を反らす。両手でシーツを握りしめ、震えながら脚を絡めてくる。
「っは、ああああっ!」
ケリーの入り口が、どうにか僕を捕まえようと吸い付くように蠢いた。
「ケリー? さあ、欲しいのでしたら、言葉にして」
「あ、ああ……んっ」
強く押しつけるようにして、ケリーをあおる。
啄むようにキスをして、耳元で「ケリー、言葉にしてください」と囁く。
ケリーの、欲情に烟烟った目が、ぼんやりと僕を見つめる。
「さあ、ケリー」
僕がケリーの秘裂をなぞるように昂りの先を動かすと、ケリーは大きく吐息を漏らし、僕へと腕を伸ばす。
「あ、あ……エヴ、欲しい。欲しいよ……ちょうだい、エヴ」
僕はゆっくりとケリーの中へと入っていく。再奥に到達したところで、ぐり、と奥を強く擦ると、それだけでケリーはびくびくと痙攣し、達してしまう。
「ああ、ケリー、愛してます」
僕は、ケリーの目尻から零れた涙をぺろりと舐めとって、耳元で囁いた。
そう囁いてケリーを抱き締めると、ケリーはいつかのようにただ微笑み、抱き締め返して僕の背を撫でる。
僕の手に落ちてきてくれたはずなのに、またもやするりとすり抜けて、どこかへと消えてしまうのだろうか。
「ケリー」
抱き締めてキスをして舌を絡めて、ケリーの吐息と熱さは感じるのに……。
王の召喚に応え、登城した。
王にひとりで謁見するのは、祖父がまだ健在だったころから数えても数度あるかないかだ。臣下の礼を取り、跪き、首を垂れて王の言葉を待つ。
「ラエスフェルト公爵よ」
「はい」
「そなた、まだ独り身であったな」
「……はい。祖父の喪が明けるまではと考えておりますもので」
「前公爵も、そろそろ良いと申すだろう。そなたには、“嵐の国”の公爵家の姫をと、考えておる。ストーミアン王家の縁戚だ」
「は、い?」
「かの国とは、そろそろ好を結び直さねばと考えていたところでな。
先方の姫は今年15になる。だが、こちらの王家には年回りの合う独り者がおらぬのだ。ラエスフェルト公爵家は、臣籍に降りてからも、数度、王家から姫が降嫁している血筋だ。最近では3代前だったか。家柄だけでなく、年回りも合うだろう。何より、未だ相手を決めておらず独り身というならばちょうどよい」
「は……その、何分、急な話で……」
顔を俯かせたまま、僕はぐっと拳を握った。
ぽたりと汗が滴り落ちる。
「次の夜会には姫も招待してある。そこで顔合わせをするつもりで準備せよ。よほどのことがない限り、そなたは姫を娶るのだ」
「……はい」
「夜会後、姫はしばしここに留まる予定だ。そなたには姫のもてなしも命ずる」
「……は、い」
王の御前を辞し、ぼんやりと屋敷へ戻る。
姫を娶った暁には祖父や父の務めた役職が与えられ、この王宮に出仕することになるのだ、などとも言われたが、どうでもいいことだった。
王命なら、この結婚を避けることはできない。フェリシア姫の時のようなわけにはいかないのだ。
「ケリー……」
もっと早く、爵位なんて捨ててこの国を出ればよかったのか。けれど、今のまま飛び出したってまた連れ戻されるだけではないのか。
屋敷に帰り着いて、すぐにケリーの元へと向かった。
「ケリー」
扉を開けて、いつものように長椅子に座るケリーの隣に腰を降ろし、抱き締めた。キスをする僕を、今度はケリーが抱き締め、宥めるように背をさする。
「ケリー、ケリー……」
「エヴ、どうした? 何かあったのか?」
穏やかな声で、ケリーが尋ねる。
……ケリーは、何と言うだろう。やめろと言ってくれるだろうか。
「王が結婚しろと命じるんです。僕に、ストーミアン王家に繋がる“嵐の国”の公爵家の姫と、結婚しろと……」
ケリーが震える僕の背をゆっくりと撫でる。
「そうか」
ケリーはそれきり黙ってしまう。
「ケリー?」
どうして、黙ってしまうのか。
「……なあ、エヴ。わたしは君が嫌いじゃない。君がわたしの助手見習いになって、弟か……そう、家族ができたみたいだと思っていた」
ケリーが僕の頭を優しく抱き締める。
「けれど、エヴ。君は貴族に戻ったんだ。わたしのような平民の年増女にいつまでも拘ってちゃいけない」
ハッと顔を上げる僕の頬を、ケリーがそっと撫でる。
「そろそろ、わたしに固執するのはやめるんだ。最初に君を拾って優しくしたのがわたしだったから、君は勘違いしてしまっただけなんだよ、エヴ」
僕は大きく目を見開いたまま、ケリーをじっと見つめる。
うまく、息ができない。意味のない呻き声だけが喉から漏れる。
ケリーは、それほど、僕が邪魔なのか。
ケリーは、また僕を捨てようというのか。
「ケリー……」
「エ……」
僕はケリーにキスをする。口の中をねっとりと舐り、舌を甘噛みする。
「僕とキスするだけで、こうなるくせに」
スカートの中に手を入れて、ケリーの脚の間を強く擦った。もう、滲み出るくらいに濡れたそこから、ねちゃりと粘ついた音が聞こえる。
「僕が欲しいと言ったのは嘘だったんですか? また、薬を飲んでもらわなければならないんですか?」
乱暴に下着を剥ぎ取り、わざとぐちゅぐちゅ音を立てて指を抜き差しする。
「え、エヴ……、っは」
ひくりと引き攣るようにケリーの中が締まり、僕は目を細める。
「ケリー、ケリーは、僕が……っ」
ボタンを引きちぎるように前を開き、猛るものをケリーに突き立てる。
「う、あっ、エヴ……っ、エヴ、ちが……」
激しく抽送を繰り返すうちに、ケリーはびくびくと痙攣を始める。は、は、と、呼吸が忙しなく荒くなり、うっすらと汗が浮かびだす。
「ケリー、僕から離れるなんて、許さない」
「あ、あっ、エヴ……あああっ!」
ケリーを快楽に沈めてしまおうと、奥へと叩きつけるように、擦り付けるように抉る。ぽたりと、僕の顎を伝って汗が落ちる。
「ケリー、僕が欲しいと、言うんだ」
「あ、はぁ……エヴ……あっ」
ケリーは襞を震わせ、僕をぎゅうぎゅうに締め付ける。
「……ケリー」
僕は動きを止めて、ケリーに口付けた。
「僕が欲しいと言ってください」
「う……あ、あっ」
ケリーはびくびくと跳ねさせるように腰を擦り付ける。
「あ、エヴ、エヴっ」
「ケリー。僕が欲しいと言えば、いくらでもあげます。ほら」
ケリーの感じる場所を掠めるようにゆっくりと腰を回す。ケリーが僕をもっと奥へと呑み込もうと襞を蠢かせる。
「ふ、あ、ああっ」
もう少しなのに、と、ケリーの目に焦燥の色が浮かぶ。
ぱくぱくと魚のように喘いで、ケリーは身体を朱に染める。つ、と首を汗が伝う。薄い部屋着も、汗に湿っている。
「ねえ、ケリー」
僕は優しくケリーを呼んで、そっとキスをする。
「ケリーを愛してるんです。ケリーと離れるなんて考えられないんです」
何度もキスを落として、ケリーの唇を舐める。
「僕から離れようなんて考えないで。僕を欲しいと言ってください、ケリー」
唇を貪りながら奥をまた擦る。ケリーが呻くように声を漏らし、背が反り返った。口の端を涎が伝う。
「ケリー、言ってください。ケリー」
「あ……エヴ……」
はあはあと浅く息を吐き、ケリーは震える手で僕の頭を撫でた。
「エヴ……わたしは、君が、嫌いじゃ、ない」
「ケリー?」
ケリーの身体を押さえつけて、その顔をじっと見つめる。
「けれど、エヴ。わたしは……君とは違うんだよ」
僕の頭がカッと熱くなった。
ずるりと抜いて立ち上がり、エヴを抱え上げて奥の部屋へと向かう。
ベッドの上に乱暴に横たえて、そばの戸棚から小瓶を取り出す。
「……エヴ」
呼ぶ声を無視して、僕は身体の上に跨り、ケリーを押さえつけた。小瓶の封を取り、中身をあおってケリーの口を塞ぐ。鼻をつまみ、口に含んだ薬を流し込み、飲み込むまで口内を嬲り続ける。
「……あ」
たまらずにごくりと飲み込んだ薬の効果は、すぐに現れた。
ケリーの顔が赤く染まり、吐息が熱く荒くなり始める。しっとりと全身が汗ばんで、目が潤み出す。着ている衣服が肌に擦れるだけで喉から小さく声が漏れる。
「ケリー、欲しくなりましたか?」
僕はケリーに優しく微笑んで、つ、と指で身体をなぞりながらキスをした。胸の頂をつつき、臍のあたりを擽るようにしつつ下へと手を下ろす。さっきまで僕が入っていた場所にぬるりと滑らせて、そこが濡れていることを確かめる。
ケリーが身を捩って声を上げる。
「ケリー、服を脱ぎましょう」
あ、あ、と短く声を上げて喘ぐケリーの部屋着をゆっくりと脱がせる。下着もすべて取り去ってしまう。
「ケリー、きれいです」
呟いて、僕はゆっくりとケリーの肌に舌を這わせる。ケリーがいちばん触れて欲しいところには触れないようにして。
「あ、あ……っ。あ、いや、あ……ああっ!」
なのに、ケリーは身体を震わせて、大きく声を上げる。
「ケリー、僕を欲しいと言ってください」
「あ、あああああ……」
指で軽く、ケリーのいちばん敏感な尖をつつく。それだけで、ケリーは大きく跳ねて、身体を反らす。
「ねえ、ケリー。欲しいんでしょう? 我慢しなくていいんですよ」
ケリーは涙を浮かべて首を振る。
汗を浮かべ、全身を真っ赤にして身悶えながら、首を振る。
「ケリー? 本当に欲しくないんですか?」
つぷりと指を1本だけ沈める。
中を掻き混ぜながらケリーの好きな場所を押し、擦ると、ケリーの中は激しく動いて、僕の指を食い千切らんとばかりに奥へと引き込もうとする。
ケリーは、与えられる刺激から少しでも多くの快楽を得ることに集中しているのか、視線は虚ろに彷徨い、ただひたすらはあはあと荒く息を吐いていた。
僕はくすりと笑って指を抜いてしまう。
「あ」
ケリーは思わず声をあげた。
「ケリー、疼くんでしょう? さっきも最後までできませんでしたし、達したくて仕方ないのでしょう?」
ぬるぬると蜜口の周りを指でなぞると、それを追うようにケリーの腰が動く。蜜口がはくはくと欲しがりながら、追いかけてくる。
くすくすと笑いながら、僕も衣服を脱ぎ捨てる。
僕の昂りをあてがい、その幹で入り口を擦ると、ケリーは大きく身悶えて喉を反らす。両手でシーツを握りしめ、震えながら脚を絡めてくる。
「っは、ああああっ!」
ケリーの入り口が、どうにか僕を捕まえようと吸い付くように蠢いた。
「ケリー? さあ、欲しいのでしたら、言葉にして」
「あ、ああ……んっ」
強く押しつけるようにして、ケリーをあおる。
啄むようにキスをして、耳元で「ケリー、言葉にしてください」と囁く。
ケリーの、欲情に烟烟った目が、ぼんやりと僕を見つめる。
「さあ、ケリー」
僕がケリーの秘裂をなぞるように昂りの先を動かすと、ケリーは大きく吐息を漏らし、僕へと腕を伸ばす。
「あ、あ……エヴ、欲しい。欲しいよ……ちょうだい、エヴ」
僕はゆっくりとケリーの中へと入っていく。再奥に到達したところで、ぐり、と奥を強く擦ると、それだけでケリーはびくびくと痙攣し、達してしまう。
「ああ、ケリー、愛してます」
僕は、ケリーの目尻から零れた涙をぺろりと舐めとって、耳元で囁いた。
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