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第九章 青天にいかずちが落ちる
233 ああ、素晴らしい新世界 ⑧
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玲美ちゃんはこの後お兄ちゃんの家に泊まるということだったので、レストランの前で別れた。
私と新くんはピーターラビット号に乗り込む。行きと違って、帰りはあっというまに着いた気がした。時間はさほど変わらなくても、土地勘があると感覚は変わる。
「お兄ちゃん、嬉しそうだったなあ!」
「響さんはいつも楽しそうだよ」
「そうだけど! 今までの彼女を紹介された中で一番幸せそうに見えたんだもの! 玲美ちゃんのこと大好きなんだなあ! って、すっごく伝わってきたし!」
「確かに」
新くんはくすくす笑いながら上着をハンガーに掛け、ネクタイを緩めた。シュッという音に、オンとオフの切り替えを感じる。そっと私に投げた視線が色っぽい。プライベートの、私だけに見せてくれる、新くんの表情。
「ねえ、新くん。お願い」
「何?」
「背中のファスナー、下ろして」
「ん……」
新くんは私の首の後ろに手を廻し、ファスナーの引き手を持つと、そのまま唇を奪った。とても情熱的に。ああ、もっと私を奪ってほしい。
背中をまさぐりながら、新くんはジジジと音を立てて少しずつファスナーを下ろす。衣擦れの音がして、ふぁさりとワンピースが床に落ちた。新くんは再び私の首の後ろに手を廻し、金の鎖を外した。カチャリとサイドテーブルに置かれる菜の花の帯留め。どれもごく小さい音のはずなのに、妙に響いて、すごく興奮する。
「新くん……」
「そんな誘う目をして」
「だって……」
もう一度軽くキスをして、くすりと新くんが笑う。
「ベッド行こう」
私と新くんはピーターラビット号に乗り込む。行きと違って、帰りはあっというまに着いた気がした。時間はさほど変わらなくても、土地勘があると感覚は変わる。
「お兄ちゃん、嬉しそうだったなあ!」
「響さんはいつも楽しそうだよ」
「そうだけど! 今までの彼女を紹介された中で一番幸せそうに見えたんだもの! 玲美ちゃんのこと大好きなんだなあ! って、すっごく伝わってきたし!」
「確かに」
新くんはくすくす笑いながら上着をハンガーに掛け、ネクタイを緩めた。シュッという音に、オンとオフの切り替えを感じる。そっと私に投げた視線が色っぽい。プライベートの、私だけに見せてくれる、新くんの表情。
「ねえ、新くん。お願い」
「何?」
「背中のファスナー、下ろして」
「ん……」
新くんは私の首の後ろに手を廻し、ファスナーの引き手を持つと、そのまま唇を奪った。とても情熱的に。ああ、もっと私を奪ってほしい。
背中をまさぐりながら、新くんはジジジと音を立てて少しずつファスナーを下ろす。衣擦れの音がして、ふぁさりとワンピースが床に落ちた。新くんは再び私の首の後ろに手を廻し、金の鎖を外した。カチャリとサイドテーブルに置かれる菜の花の帯留め。どれもごく小さい音のはずなのに、妙に響いて、すごく興奮する。
「新くん……」
「そんな誘う目をして」
「だって……」
もう一度軽くキスをして、くすりと新くんが笑う。
「ベッド行こう」
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