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第八章 人の数だけ気持ちがある

185 神が愛すべき者の前奏曲 ⑤

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 それからは、会うたびに身体を重ねた。

「ほんと、胸、好きだよね」
「うん! おっぱい好きだ!」

 執拗に胸を愛撫する響へつぶやくように言うと、小学生のような返事がきた。きっと私は呆れた表情を浮かべているんだろう。響はあわてて取り繕う。

「玲美のだから、いいんだよ」

 ぎゅっと抱きしめられ、なんだか甘い気分になってしまう。おかしい。

「……結論から言えばいいのに」
「元カノ達は途中でぶった切って聞いてくれなかったけど、玲美はきちんと最後まで聞いてくれるから。どういう流れでそう思ったか、全部知ってほしい」

 元カノの話なんか、しなければいいのに。隠し事しないタイプなのはわかるけど、オープンすぎるだろ。
 そんなことを考えているうちに、響が私の下腹部に顔を寄せる。

「や、やだ……」
「そう言うからずっとしなかったけど、ほんとは好きなんじゃないかなって思うんだよねえ。舐められるの」
「え」

 いつもだったら止めてくれる響が、今日は止まらない。ぺちゃぺちゃ音を立てて舐め続ける。お前はバター犬か。

「玲美、楽にして。気持ちいいから」
「やだ、だめ、ほんと、だめ……」

 初めてキスした時も、こんな風だった。不意を突かれて、なんだかよくわからないまま気持ちよくさせられてしまって。
 響は全然追撃の手をゆるめない。手というか、舌だけど。ようやく止めたと思ったら、指を膣にゆっくり差し入れた。

「もうちょっとっぽい。玲美、気持ちよくなろ」
「……やだ」
「これは、絶対一度イカせて、もうなくてはならないようにしなければ」
「快楽堕ちかよ」
「いいね! エロゲみたいで!」

 元カノ達に振られてたっていうのは、たぶん「ギャップ萎え」なんだろうなあ。阿呆な小学生とセックスする気にはならない、普通は。
 舌先でクリトリスをつんつんしたり、膣の入口で出し入れしたり、息が吹きかかるし、温かくて、身体が妙な感じになる。

「玲美。好きだ」
「んんっ!」

 好きだと言われた瞬間、私はあっけなくイッてしまった。

「ようやくイッた」

 満面の笑み。なんだこの無邪気な小学生は。小学生は、こんなにエロいことしない。
 その後連続でイカされて、これまでイケなかったのが嘘みたいに、毎回イカされるようになってしまった。悔しい。

 響と会えるのがたまにでよかった。いつも一緒だったら、きっと夢中になって、やめられなくなってしまう。
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