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後日譚・取り違えたその後の二人
103 にくいあんちくしょう ③
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「申告してくれてりゃ、もっと優しくしてやったのに」
「……申告しなきゃ、優しくしない訳?」
「その、お前くらい綺麗なら、当然経験済かと思ってたし……痛覚もないと思ってたし、なんとなく、激し目の方が、楽しめるかなと……」
「……どんな風に見えてんのよ、私」
「エロい顔とカラダで男を誘惑するサキュバス」
「……サイテー」
「でも、気持ちいいだろ」
そう。痛そうではある。もちろん、処女だから痛そうではあるんだが。ものすごく合ってる。身体が。これ、俺の独りよがりじゃないと思うんだ。だって。
「中、きゅんきゅんしてるし、全身ぴくぴくしてるし、顔が気持ちよさそう」
「……バカ」
あ、赤くなった。これは、図星ということか。
「最初はちょっと痛いだろうけど、よくなるようにしてやるから。いいとこ教えてくれよ。得意だろ? おねだり」
ジュリエッタはついに軽口さえ叩けなくなったのか、口をぱくぱくさせてる。
「まだ、恥ずかしくて言えないか? まあ、今日はとりあえず、俺がよさそうなところ探るから。ちょっとずつ慣れてこうな」
そっと頭をなでると、ジュリエッタの様子が少し落ち着いた気がした。……ちょっと可愛いじゃないの。なんだか普通の女の子みたいで。
もっとムード作ってあげればよかった。
ジュリエッタが普通の女の子に見えた途端、すごく後悔した。
確かに中身はアレだし、経験済だと疑ってなかったのもあるけど、俺自身今まで非処女としかやったことなかったから、そういった観点がなかった。
始まりから今に至るまでを思い返してみると、情緒のカケラもない。処女なら、いくらこいつでも、少しは憧れとかあったんじゃなかろうか。いや、たとえ経験済だったとしても、俺とするのは初めてなんだし。
「ごめんな」
ジュリエッタがビクッと反応する。
「初めてなんだし、もっとロマンティックな感じが、よかったよな」
「……べ、別に」
「ここまでの時間はもう巻き戻せないし、俺あんまりそういうムード作りうまくねーけど、今から少しでも素敵な時間になるように、がんばってみる」
「が、がんばるって……」
ジュリエッタは一瞬ぽかんとした後、くすくす笑った。
「……笑うと可愛いな、お前」
初めての笑顔を見て、ぽろりと口から出た言葉に、ジュリエッタが顔を赤らめる。
「ほんと可愛い……」
思わず、キスをした。最初はふれるだけの。瞳を潤ませたジュリエッタと目が合うと、それだけでは全然物足りなくなってしまって、何度もついばむように、徐々に深く、最後の方は貪るように求めてしまった。
「そっか……キスからだよな。ごめん、すっとばして」
「…………いっぱい、キスして……」
これまでの印象とは打って変わって、聞こえるか聞こえないかくらいの、か細い声。俺はそれがなぜか、勇気を振り絞って口にしたように感じてしまった。
「うん。いっぱいキスするから……」
そう言ってまたキスを落とす。今度は唇だけじゃなく、頬や首筋や胸元にも。すると、おそるおそる、といった風に、ジュリエッタ、俺の背中に手を回してきた。
こんなにゆるやかにしたのは、俺自身初めてだったかもしれない。けど、繊細なガラス細工を磨くみたいに、丁寧に一つ一つ確かめていくセックスは、存外悪くなかった。
「……申告しなきゃ、優しくしない訳?」
「その、お前くらい綺麗なら、当然経験済かと思ってたし……痛覚もないと思ってたし、なんとなく、激し目の方が、楽しめるかなと……」
「……どんな風に見えてんのよ、私」
「エロい顔とカラダで男を誘惑するサキュバス」
「……サイテー」
「でも、気持ちいいだろ」
そう。痛そうではある。もちろん、処女だから痛そうではあるんだが。ものすごく合ってる。身体が。これ、俺の独りよがりじゃないと思うんだ。だって。
「中、きゅんきゅんしてるし、全身ぴくぴくしてるし、顔が気持ちよさそう」
「……バカ」
あ、赤くなった。これは、図星ということか。
「最初はちょっと痛いだろうけど、よくなるようにしてやるから。いいとこ教えてくれよ。得意だろ? おねだり」
ジュリエッタはついに軽口さえ叩けなくなったのか、口をぱくぱくさせてる。
「まだ、恥ずかしくて言えないか? まあ、今日はとりあえず、俺がよさそうなところ探るから。ちょっとずつ慣れてこうな」
そっと頭をなでると、ジュリエッタの様子が少し落ち着いた気がした。……ちょっと可愛いじゃないの。なんだか普通の女の子みたいで。
もっとムード作ってあげればよかった。
ジュリエッタが普通の女の子に見えた途端、すごく後悔した。
確かに中身はアレだし、経験済だと疑ってなかったのもあるけど、俺自身今まで非処女としかやったことなかったから、そういった観点がなかった。
始まりから今に至るまでを思い返してみると、情緒のカケラもない。処女なら、いくらこいつでも、少しは憧れとかあったんじゃなかろうか。いや、たとえ経験済だったとしても、俺とするのは初めてなんだし。
「ごめんな」
ジュリエッタがビクッと反応する。
「初めてなんだし、もっとロマンティックな感じが、よかったよな」
「……べ、別に」
「ここまでの時間はもう巻き戻せないし、俺あんまりそういうムード作りうまくねーけど、今から少しでも素敵な時間になるように、がんばってみる」
「が、がんばるって……」
ジュリエッタは一瞬ぽかんとした後、くすくす笑った。
「……笑うと可愛いな、お前」
初めての笑顔を見て、ぽろりと口から出た言葉に、ジュリエッタが顔を赤らめる。
「ほんと可愛い……」
思わず、キスをした。最初はふれるだけの。瞳を潤ませたジュリエッタと目が合うと、それだけでは全然物足りなくなってしまって、何度もついばむように、徐々に深く、最後の方は貪るように求めてしまった。
「そっか……キスからだよな。ごめん、すっとばして」
「…………いっぱい、キスして……」
これまでの印象とは打って変わって、聞こえるか聞こえないかくらいの、か細い声。俺はそれがなぜか、勇気を振り絞って口にしたように感じてしまった。
「うん。いっぱいキスするから……」
そう言ってまたキスを落とす。今度は唇だけじゃなく、頬や首筋や胸元にも。すると、おそるおそる、といった風に、ジュリエッタ、俺の背中に手を回してきた。
こんなにゆるやかにしたのは、俺自身初めてだったかもしれない。けど、繊細なガラス細工を磨くみたいに、丁寧に一つ一つ確かめていくセックスは、存外悪くなかった。
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