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本編・取り違えと運命の人
039 夏の嵐 ⑧
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フラヴィオの件を話し終えると、リカルドがお店にご挨拶に行きたい! と申し出てきた。
「だってお義兄さんとお義姉さんだし!」
「まあ、そうなんだけど、いいよそんなの」
「俺、一人っ子だから、兄弟にすごく憧れてたんだよ! なかよくしたい!」
「えー……そういうタイプじゃないよ、アレ…………」
そんな感じに言葉をにごしても、リカルドが断固譲らなかったので、次の休日に開店祝いと称して二人で店を訪ねることにした。
「いらっしゃいませ」
店内に入ると、ギネヴラさんが出迎えてくれる。
「はじめまして! ジュリエッタの夫のリカルドと申します!」
リカルドはにっこにこの笑顔でギネヴラさんに挨拶をした。
「初めまして。ギネヴラと申します」
ギネヴラさんもつられたのか笑顔を返してくれる。なんだかほのぼのした組み合わせ。
「これ、お店の開店祝いとギネヴラさんに結婚祝いです」
町で買った花束とケーキとお祝いを渡す。お祝いは個人的に迷惑料がわりだ。
「ありがとうございます。綺麗なお花だから活けてきますね。フラヴィオは今デザインを練っているので、呼んできます」
ギネヴラさんはそう言うと、店の奥に入ってしまった。
「ギネヴラさん、いい人そうだね」
「うん。ほんとフラヴィオにはもったいない」
「お義兄さん、どんな人なんだろう。ああ、緊張する……」
「そんな緊張する価値ないから、アレ」
「お前に品定めされるとはな、ジュリエッタ」
天敵キタコレ。声のする方を見ると、果たして、フラヴィオが立っていた。
「あ、はじめまして! 俺、ジュリエッタの夫のリカルドと申し……あ!」
「……なるほど。同じ名前じゃなくて、同一人物だったか」
そう言うなり、二人は顔を見合わせている。初対面じゃないの?
「この度は弊社をご利用いただき、誠にありがとうございました」
「こちらこそ、綺麗に仕上げてもらって、感謝してる」
「え? え?」
話が見えないので、訊ねるようにリカルドの方を見る。
「ほら、前、来るたびに事務の奥様方が色めき立ってるお客さんがいるって話、したでしょ。あれ、フラヴィオさんだったんだ」
「そうだったんだ……」
すごい偶然もあったもんだ。まあ、リカルドの建築業者、町で一番大きいし、頼むのも自然な流れではあるけど。
「この店、客からの評判もいいし、使いやすい。担当の兄ちゃんに、礼、言っといて」
「わかりました。マッテオ、絶対喜びます!」
すっかり業者と客の会話になってる。
「だってお義兄さんとお義姉さんだし!」
「まあ、そうなんだけど、いいよそんなの」
「俺、一人っ子だから、兄弟にすごく憧れてたんだよ! なかよくしたい!」
「えー……そういうタイプじゃないよ、アレ…………」
そんな感じに言葉をにごしても、リカルドが断固譲らなかったので、次の休日に開店祝いと称して二人で店を訪ねることにした。
「いらっしゃいませ」
店内に入ると、ギネヴラさんが出迎えてくれる。
「はじめまして! ジュリエッタの夫のリカルドと申します!」
リカルドはにっこにこの笑顔でギネヴラさんに挨拶をした。
「初めまして。ギネヴラと申します」
ギネヴラさんもつられたのか笑顔を返してくれる。なんだかほのぼのした組み合わせ。
「これ、お店の開店祝いとギネヴラさんに結婚祝いです」
町で買った花束とケーキとお祝いを渡す。お祝いは個人的に迷惑料がわりだ。
「ありがとうございます。綺麗なお花だから活けてきますね。フラヴィオは今デザインを練っているので、呼んできます」
ギネヴラさんはそう言うと、店の奥に入ってしまった。
「ギネヴラさん、いい人そうだね」
「うん。ほんとフラヴィオにはもったいない」
「お義兄さん、どんな人なんだろう。ああ、緊張する……」
「そんな緊張する価値ないから、アレ」
「お前に品定めされるとはな、ジュリエッタ」
天敵キタコレ。声のする方を見ると、果たして、フラヴィオが立っていた。
「あ、はじめまして! 俺、ジュリエッタの夫のリカルドと申し……あ!」
「……なるほど。同じ名前じゃなくて、同一人物だったか」
そう言うなり、二人は顔を見合わせている。初対面じゃないの?
「この度は弊社をご利用いただき、誠にありがとうございました」
「こちらこそ、綺麗に仕上げてもらって、感謝してる」
「え? え?」
話が見えないので、訊ねるようにリカルドの方を見る。
「ほら、前、来るたびに事務の奥様方が色めき立ってるお客さんがいるって話、したでしょ。あれ、フラヴィオさんだったんだ」
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すごい偶然もあったもんだ。まあ、リカルドの建築業者、町で一番大きいし、頼むのも自然な流れではあるけど。
「この店、客からの評判もいいし、使いやすい。担当の兄ちゃんに、礼、言っといて」
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すっかり業者と客の会話になってる。
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