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俺をメス堕ちさせた奴が弱って酔った隙にあれこれしたいのに結局あれこれされる⑦
しおりを挟む出雲の名前が出たところで、加賀見が動きを止めることはない。
荒い息遣いに耳がゾクゾクと震え上がって、頭ん中まで巡ってはとろけてく。
肌に当たる全部が気持ちいい。
「ここ……あっ、おまえがぁ、いつもいずも抱いてる、ベッド……」
だからこそ、シーツの肌触りや、ベッドの固さ柔らかさまで気になって。
「ん、なに……? いやだった?」
上の空みたいな声をして返される。
そして余計なことを考えるなと言わんばかりに、前立腺にパンパンに張ったカリをじっくりと押し当てながら。
「あ、アッ、しょれ、しょれやらぁ、とろとろする、まんこひろがるぅぅ、あ、あー、あー………」
「うんうん、わかるよ、気持ちいいよ……処女穴みたいだったのに、とろとろに柔らかくなってきたね? 奥まで開きたいなぁ……?」
「おくやだぁっ」
「なんで……」
「おかしく、なっちゃうからぁ……まんこおかしくなってぇ、ちんぽであたまいっぱいなるの、やだぁ……っ。あっ、あっ、ちんぽいい、ちんぽしゅき、ぁんんっ、もぉっ、いいのぉ、やだぁ……」
「媚び媚びのえっろい声……どれだけ興奮させるの? もっと聞かせて?」
「ひぁっ、あっ、あっ、あっ」
低い声にまんこがきゅっとして、それが合図かのように激しくちんぽが中を擦り出入りする。
摩擦に熱くなる、ぐちゃぐちゃになる、なのに肉が無理やり絡もうとして、吸い付こうとして、もってかれそうになる。
熱い。きもちいい。ぞくぞくして、どろどろして、奥が切なくなって。その切なさとむず痒さも気持ちよくて。
自分も腰を振って、イッてしまいたい。
言われた通りまんこイッちゃうって宣言しながら無様に溺れたい。
しかし現実はそう易々と俺を解放してはくれない。
激しく上下していた加賀見の背中はピタリと止まったのだ。中に出されたわけじゃない。
汗をかいてびっしょりの身体にしがみついているから、呼吸が止まって固まり、また大きく肺が活動を始めたのがよくわかった。
「あーっ、も、暴発するって…………きもちいい、隼人のまんこきもちいい、ずっとぐちゅぐちゅしてたい……」
ギリギリまでちんぽが抜けて、ゆっくり、前立腺よりも手前の浅いところを、ゆっくりゆっくり擦る。
しかし抜ける度にボコボコしたちんぽのあちこち引っかかって、もどかしいけど確かな刺激にずっと腰が震えてはビクンとカクつく。
まだ射精したくないゆえのクールダウン。自分勝手な奴だ、本当に。
「ずっとぐちゅぐちゅ、してくれねぇじゃん……っ」
「えぇ……?」
子供みたいな物言いに、加賀見が動きを止めて俺を見る。
「明後日には、ここでいずも抱いてんだろ?」
「また出雲? しつこいなぁ……どうしたの」
眉間に皺を寄せながらも、宥めるように額を撫でて、露出した額にそのまま口付けて。
唇にもキスしようとしてきたので、それはふいっと避けてやった。もう一回きたけど、それも逆方向にそっぽ向いて無視。
「ちょっと君ね」
「……出雲のことは、もっと優しく抱いてんのぉ……? やらしいこと言ったり、いじわるしねぇでさぁ……」
そっぽ向いたせいで見えないほうから、ため息が聞こえる。そして頬に柔らかな感触。
「僕は君にも、優しくしてるつもりなんだけどな」
「優しくねぇよ! いっつも、いじめんじゃん! 小便させたり、奥ぐりぐりすげぇしたり……っ」
「うん、君にすっごく尽くしてる」
「ぐ、ぅ…………おッ?!」
子供をあやすような優しい口調のまま、ズルッと結腸よりも手前の弁まで一気に突かれた。
油断していた心と体に、火花が走る。
そうしてそのまま、状況もよくわからないままに亀頭がぐっぽぐっぽと弁を揺する。
あ、あ、あ、だめ、わけわかんない。
気持ちいい、気持ちいい、頭ん中わけわかんなくなってこれ、気持ちいいの。
俺の気持ちなんか全部無視して、全部気持ちいいのに持ってかれるの。
視界がへん。天井向いてすっげぇやばい顔になってるかも。
気持ちいい、気持ちいい。どうにもならない。
ぐぼっ、ぐぼって脳みそ貫くみたいに音が響くのも気持ちいい。
加賀見の声がそれに重なる。
「ほら、気持ちいいね? おしっこしたいの? 奥ほしいの? おまんこ気持ちいいね、もっと気持ちよくなりたいね。言ってごらん、気持ちいい、気持ちいいって」
「ゔぅッ、う、ンぁっ、う、う、まんこぉ……まんこ、きもちっ、きもちいっ、しょこっしょこだめぇっ、きもちいよぉ、きもちいのぉ……っ、なかっ、ぶるぶるしゅりゅ、きもちいぃよぉぉっ」
「うんうん、いい子だね、かわいいよ…………どうしてほしい? もっと甘やかして、優しく優しく抱いてほしい?」
「うぅ……? うーうんぅ……んーん、んーんぅぅっ」
優しい声、それでいて興奮した震えた声。
もっともっとと思うのに、俺はその声に対して大きく首を横に振って反発した。
「なに? 恋人みたいな甘いセックスしたい?」
別にいい。
いつもだって、激しいけど甘いじゃん。
いつもどろどろに甘やかしてくれるじゃん。
お前はさ、俺のこと甘やかしすぎなんだって。
「や、だぁっ……! こいびとじゃ、ねぇもん……っ」
だから甘やかされすぎた俺は、ぼろぼろと涙を零す。
もうこんなにぐちょぐちょなのに、涙でまた汚れる。
加賀見の動きが止まる。
止まんなくていいよ。
止まんなくていいから。
「お前は出雲だけ、すげぇ好きで……出雲が絶対で、だから平気で俺とセックスするし、こっちが頭おかしくなるくらい好き勝手に甘やかすし……俺が離れたいのも理解できねぇんだ……俺も、そうだったもん……」
このベッドで俺を抱いたところで、お前らになんの傷もつかない。
終われば俺の痕跡なんか何もかも消えて、出雲との生活が始まる。きっと思い出すこともない、ただ話題に上がれば「あぁあれは興奮したね」なんて、しれっと言いやがるんだ。
でも、だからなんなんだよ。俺が気にする方がおかしいってわかってる。
やっぱダメだ。何もかもダメ。もうつらい。
浮気してる限り解決しない何もかもが辛い。
涙が止まらない、俺を抱きしめる加賀見の胸板は涙と鼻水まみれなんじゃないかってくらい。きったね。
悲しいのに、頭撫でられて力抜ける。
「きっしょ、俺きっしょい、もうやだぁ……抜けよぉ、もうやだっつってんじゃん……」
「君がしがみついてるから抜けないよ?」
「うるせぇ、やっぱもう会わない、帰る、帰りたいぃ……っ。おまえなんか、きらい……きらい、きらい、きらいっ」
「わかったよ。嫌いでいい、だから会わないなんて」
「やだっ! 二度と会わねぇ……!」
頭を撫でる手がピクリと反応する。しかしその手は俺を撫で続けて。
それなのに、頭上から降ってきた声はえらく冷たかった。
「めんどくさいなぁ」
「は……」
「あーあー、めんどくさい。もういいよ、付き合いきれない」
頭が混乱する。
腰を抱く手も頭を撫でる手も、こめかみに寄せられた頬の感触も優しくて、気持ちがいいのに。
声が、言葉が、俺を拒絶してくる。
「なに、お前キレて」
「はいはい、わかったわかった、僕のことが大好きーってことだよね?」
「ちが」
「黙って。しばらく気持ちいい以外のこと言わなくていいから」
身体の奥を鈍痛が襲う。
加賀見の体温が離れて、足を高くあげて押さえつけられて。
一番、一番、奥。
上手く入らない日だってあるのに、そこを一突きされただけで俺の身体は素直に従った。喜んで加賀見を迎え入れた。
目の前が真っ白になって、自分が崩れる。とける。
「あッッ!! いっぐ、いぎゅっ、あっ、あ」
「ははっ、ちょっろ、もうイッたの? 僕の気持ち勝手に決めつけて……まぁ、どうでもいいけど…………とにかく。離れるのは、許さない」
腰を掴まれ引き寄せられて、ぐるりぐるりと円を描くように、押し広げるように、開かされ、刺激される。
「あーっあーっあーっ、おくぅ、おぐぅ、あ、あーっ」
自分の四肢が、どこにあんのか、どうなってんのか、わかんない。
本当に存在してるのかも、わかんない。
ちんぽにゴリゴリほじられてるとこと、どろどろ溶けてる脳みそしかわかんない。
本当に、こんな気持ちいいの、だめだって。
怖いくらい気持ちいい。
気持ちいい、気持ちいい、気持ちいい。
俺、なくなっちゃう。
「あ、あひ、あーっ、とけりゅ、らめ、らめぇ、やらぁッ、おぐ、きもちいぃ、きもちいぃ、あー、イく、イくぅぅ……っ!」
「はぁ、あっ、締めすぎっ……知性があるとは思えない、喘ぎ声だなぁ……? ちんちん固くなっちゃうよ、それ……っ」
「かたいおちんぽで、ほじほじぃっ……しゅき、ちんぽしゅき、ずっとイクの、しゅきぃっ……! ちんぽほじほじ、きもちいぃよぉ……っ。もっとかたいのぉ、かたいおちんぽぉ」
「ンッ……! きもちいい、しか……言っちゃダメって言ったのに……だめ、だよ」
中、熱くてドクドクする。ほじられるたび、じゅぼじゅぼ音が鳴る。
さっき匂い嗅いだ、雄臭ぇ我慢汁が腸壁に塗りこまれて染み込んでく気がする。
全身ゾクゾクして、自分の身体なのに言う事聞かなくて。勝手に何度も跳ねて、背が仰け反って、浮遊感の中で、加賀見のちんぽだけがものすごく重く強い。
「イッてりゅ、イッ、イッ、イクのとまんね、ぇのぉぉ……っ! こわい、ばかなる、あたま、ばかっ、なるっ、ちんぽぉ、ちんぽでいっぱい……っ」
「うん、うん、僕もね……ばかになりそうなくらい、きもちいいっ……! あったかい、隼人のおまんこに出したい……出したい、出したい、出したい……っ!」
深く早く内臓めちゃくちゃに掻き回されて、どろどろになる。早い、早い、もう何されてるんだかわかんない、気持ちいい事しかわからない。
加賀見が遠い。
気の狂うほどの快感への恐怖に手を伸ばす。すると加賀見は手首を握り、飛んでいきそうな身体を引っ張ってくれた。
「あ、あ、あ、ちんぽしゅごいっ、ちんぽつよいぃ……! おまんことけひゃうぅ」
「はぁ、はぁっ、はぁっ、出る……っ! 熱いのかけるからね、溶かしちゃおっか……? ハッ、あぁ……っ」
ぎゅうっと、痛いほど手を握りあう。
そうしてずり上がった頭がベッドボードにぶつかるほどの勢いで突き上げられた時、律動が止まった。
汗の滴が唇に落ちて、思わず舐めとったらしょっぱかった。
どくん、どくん、と注がれている。
それに呼応して蠢く中が、精液をごくんごくんと飲んでいるようだ。
互いに肩で息をしてる。目は開いている、でも物を見るということができなくて、ぼんやりと思考して、音を聞いて。
まだ快楽の渦からは抜け出せていなくて。
頬に伸びてきた加賀見の手すら気持ちが良くて、甘い声で反応してしまう。
ただ、目尻を指先で撫でられ、頬を手の甲でなぞられて。
それだけなのに、あ、あ、あ、と震えた声が止まらない。
「はぁ……隼人の泣き顔はかわいいね。綺麗な顔くしゃくしゃにして。可愛いよ。すっごく可愛い。隼人は可愛いね」
ぶつけた頭を撫でられる。ズキズキと痛いような気がしないでもないけれど、よくわからない。
「もう離れたりしないって、言って?」
乱れた息のままそんなことを言う。
その手は俺の喉仏をさする。
「言いなよ。早く」
喉仏の膨らんだ丸い形をなぞる指。
「また抱いてほしいって、言いなよ」
頭の中も身体の中も、身体の表面だって、とろとろで原型を留めていない。
「や……だ……」
それでも俺はよくわかりもしないまま、加賀見を拒否した。
ぼんやりとだけど浮かぶのは、何を守って何を捨てるか覚悟を決めろという、加賀見の言葉。
犯してって懇願したけれど。
襲えって懇願したけれど。
それは自分を守るギリギリの最低ライン。
今、もう離れないって、もっと抱いてってお願いしたら、もう堕ちてしまう。
なにも選べなくなってしまう。
メス堕ちさせられたとか、そんなんじゃなくて、堕ちる。
そしたら自分が、どうなってしまうかわからない。
「再教育が必要だね」
柔らかくなってきたちんこが抜けていき、締める力もないだらしない穴から吐き出された大量の精液が漏れ出るのがわかる。
ちんこの代わりに、喉仏をあそんでいた手が真正面から首を掴む。苦しくはない。けれど、まだ逃げられないと自覚させられる。
首に添えながらも、大きな手の指先が、耳たぶを弄る。
「やっ……」
「顔真っ赤。耳くすぐってるだけで、えっちな顔してる」
「はぁ、あ、やぁ、離せぇ……ぁん、ぅぅ……」
「あんなに深く長くイッちゃったら、余韻から抜け出せないね……」
首に手がかかったまま、唇を舐められる。下唇、上唇。
たまらなくて、ハッハッと犬みたいな呼吸と共に、口が開いて舌が出る。
舌先と舌先が絡まる。くちゅ、ぺちゃ、と音だけでイキそうになる。
実際、じゅっと吸われただけでちんこからちょっとなんか出ちゃって、バレませんようにと願った。
加賀見がじっと俺を見る。
視界が滲んで顔がわからない。
わからないまま、舌の接触ではなく唇が重なる。
舌が入ってくることはなく、唇が寄せられ、押し当てられる。
なんか知らないけど、反射的に閉じた瞼からまだボロボロと涙が零れ落ちた。もう情緒がボロボロだ。
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