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俺をメス堕ちさせた奴が弱って酔った隙にあれこれしたいのに結局あれこれされる⑥

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「なぁ、加賀見ぃ……」

 ガーゼのローション、トロトロと溢れ出す加賀見の我慢汁。潤いは十分だ。

「お前がなんもしねぇならさぁ……俺が襲っていーい?」

 ぬるついた指を睾丸の下、戸渡りを滑らせ尻の割れ目に潜らせる。
 加賀見の身体に閉じ込められて、ぴったり密着することは何度もあった。触れていないところなんてもう少ない。
 でもここには触れたことがない。
 さて、どんな反応するだろうか。
 まずは、ダメだよって叱る? 絶対やめねぇよ? そしたらもう抵抗せざる負えないだろ?
 俺に触って、身動き取れなくさせて。そのまま我慢できない滾った身体でどうにかしてくれ。
 万が一、それでも抵抗しないなら本当に……――
 たぶんもうソコに触れる。
 反応に期待していた、が。

「おいたが過ぎるよ?」

 気がつけば俺は、加賀見を見上げていた。

「さっき、ちゃんと注意したのに。悪い子だね」

 ほんの一瞬だった。
 加賀見が起き上がって、俺の肩を掴んで、押し倒され、ベッドが激しく軋む。
 肩はしっかりと掴まれたままだ。家に入ってから、その手に触れられたのは初めてである。
 加賀見を見上げるよりも、俺はその手と腕を順に眺め、腕に頭を擦り寄せため息をつく。

「約束破るんじゃねぇよ……」

 そして吐息の残る唇を手首に寄せる。

「触っちゃダメだろ?」

 ちゅ、ちゅ。
 ちょっとずつ唇を動かしてそこを吸う。
 俺のこといつもたくさん撫でる指。その一本一本が触れている箇所に神経を集中させる。
 うれしい。

「なぁー……約束破ったら俺、帰っちゃうんだぜ? どうすんの? 羽交い締めにでもしとく?」
「無理矢理襲ってほしいなら、お望みの展開だ……こうなること、狙ったね?」
「ちげぇし」
「犯してって言ったの、もう忘れちゃった?」
「入れたいって真っ赤になってんのはお前のちんこじゃん」

 肩を押し付けたままの手に、力が入る。ぐっと指が食いこんで、骨が軋む。
 我慢してる。もういいじゃん、触っちゃったじゃん。
 おいたがすぎる俺のこと、どうにかしてくれねぇの?
 そんな台詞言われた俺は、ケツん中ゾクゾクきてんだけど。

「あっ……」

 気がつけばゾクるのに耐えきれず、浮かした腰を無様にヘコヘコと揺らし、加賀見のちんこに自分のちんこでくちゅくちゅとキスしてしまっていた。
 身体が正直すぎるの恥ずかしいけど今は助かる……好き、好き、ちんぽ好きって、擦り寄って、キスして、ヨダレを垂らす。

「あ、あん、ンッ、限界ちんぽやっべぇぇえ……」

 パンパンになった亀頭にすりすりと裏筋擦るのがめちゃくちゃ気持ちいい。鈴口んとこコリコリする。
 ちんこが虜になってくと、別のとこに擦られるのも想像して、どんどん股が開いていく。
 加賀見がその気になれば、下にズレてくれれば、すぐに挿入できる。
 つま先だけシーツにつけて、足の甲を反らして、誰がどう見てもハメられ待ちしてるはしたない姿を思うといたたまれなくなり、羞恥に細めた目でじっと加賀見を見つめた。それはきっと助けを乞うようにも見えるだろう。

「はやと……」

 熱い息と共に名を呼ばれる。

「入れてっておねだりして?」

 しかし俺はそれでも首を横に振った。

「やだぁ……」
「……なんで?」

 眉間に皺を寄せて首を傾げる……そんな明らかに怒りを増幅させている姿に俺は、恐怖ではなく気持ちよさに身を震わせた。

「もうセックスしねぇーもん……」
 やだと言いながら、気持ち悪いくらい甘えた声。
「自分で股開いておまんこ広げてちんぽ乞いしてるのわかんないの?」
「あっ……や、やめろよっ、恥ずかしいだろ……」
「スケベで恥ずかしい格好してるよ?」
「す、すけべって言われるのぉ……きもちい、からやめろよぉ、やだぁ……っ」

 ちんぽ乞いしてるとかスケベな格好とか言われると、ケツがヒクヒクするのがわかる。
 もうやだ、つらい、入れて、入れて、入れてぇ……。
 自分が恥ずかしいまんこ野郎って指摘されると我慢できなくなる、これでも本当にダメだって思ってるのに。何のために離れてこの“疼き”を我慢してたんだよって思うのに。
 早くセックスしたくて身体が何にも言うこと聞いてくれないし、そんな身体をもってる自分に興奮する。
 加賀見の言うことばっかり聞くこの身体を再確認して、興奮する。

「はやと、おねだりは? 擦っておちんちん気持ちよくするだけでいいの? 君が一番好きなおまんこセックスしなくていいの?」
「あっ、あっ、あっ……だめ、だめぇっ」

 あっついちんぽ、ゴリゴリ擦られる。
 クソ強そうな奇形グロちんぽ見せつけられて、まんこ認定されるの気持ちいい。こいつのちんぽには絶対勝てないもん。
 入れてくれたらもう全部どうでもよくなるのに。おねだりだってできるようになるのに。
 ちんぽくれたら絶対負けちゃうってわかってるんだから、早くしろよ。

「何がダメなの?」

 加賀見の手が肩から離れ、開かれた太ももの内側を撫でていく。焦らすような動きに太ももがピクン、ピクン、と震える。

「ん、ぁっ、セックス、だめぇ……」
「なんで? ほしくて仕方がないのバレバレだよ?」
「おれ、れいじの彼氏だもん」

 それでもまだ入れてくれないから、俺はささやかな抵抗を続ける。
 しかし加賀見は顔を背けて、ハッと吐き捨てるような嫌な笑い方をした。

「今更? 女の子とだって数え切れないくらい浮気してるのに」
「あいつらは好きじゃねぇもん……」

 俺の言葉に加賀見が一時停止する。
 表情も、顔も、ピタリと止まる。
 そして顔を顰めたあと、舌打ちをした。いや、それ俺の癖なんだけど。しかしツッコミを入れる間もなく「ごめんね」と詫びて俺を見下ろし微笑んだ。

「じゃあ……大事な彼氏に見せられないそんなドスケベなポーズして、僕にどうして欲しいの?」
「えと、これ、えぇっとぉ……ちんぽぉ……」
「ほしいの?」
「あ、ちが、においっ」
「におい?」

 やばい。大事な彼氏などと話題にされ、前ならムカついてたのに背徳感にぞくっときてしまった。
 ぞくっとついでに本音が出そうになり、慌てて繕った苦し紛れな言い訳を、逃げ場もないのでそのまま続行する。

「石けんの匂いなんか、しねぇから……もっかい匂い嗅いで、確認しろ……っ」
「おまんこの匂い嗅いでほしいんだ?」
「んんぅぅっ……まんこじゃ、ねぇの、けつ、ケツのにおい、嗅げよぉ。やらしい匂いしねぇから、嗅いでぇ……」

 しかしながら苦しすぎる。ケツの匂い嗅いでってなんだよ。ちんぽ入れてより変態じみてるだろ。

「いいよ。いくらでも嗅いであげる」

 でもこいつ、匂い嗅ぐの好きなんだった。
 口の端を引いて笑い舌舐めずりをし、そのままなんの躊躇もなく、開脚されたままの俺の膝裏を押し上げる。硬い身体を半ば無理やり折られ、ケツ穴が天井を向いた時、カーッと顔が熱くなってきてやっぱりこんなの無理だと悟った。

「や、やだ、やっぱなし、やだっ、やだぁ! 嗅ぐな、見るな、やだぁぁ!」

 足をバタつかせてなんとか下ろしてもらおうとしたら、太ももを抑え込まれてツンと舌で穴をつつかれた。

「あ、舐めんの、やぁ……」
「舐めないよ。何すぐ大人しくなってんの」

 半笑いの嫌味な声。ムカついたけどそのまますぐに鼻先が尻の割れ目に差し込まれ、俺は文句も言えずにギュッと目を閉じて縮こまった。
 すーっ、すーっ、と息を吸うのが聞こえてくる。
 恥ずかしい、やだ、臭くねぇかな。なんで俺こんなこと。

「はぁ……あ、やらしい匂い、するよ……? 石けんの匂いは残ってるのに、我慢汁が混ざって……発情した雄まんこの匂い」
「あぁっ、や、ち、ちげぇっ……恥ずかしい、もうやめろよぉ!」
「それに僕の鼻息で感じちゃって、くぱくぱ口開いてる……」
「ちがうぅ、準備してないって、それわかればいいんだよぉ、もう嗅ぐなぁ、やだぁ……っ!」
「ふふふ、準備してきたんだもんね? 綺麗なおしり」
「あん、あ、あ、舐めちゃヤ、あ、あぁぁ」

 舌がつん、つん、と穴をつつく。
 舐めちゃヤダって言ってるから舐めてくれないのか、それだけ。
 頭おかしくなる。なんでこいつ、あんなにちんぽ真っ赤にしといてこんな焦らせるの。

「本当におねだりしないの?」
「舐めちゃ、や」
「違うよ、セックス」
「しない、セックス、したくないっ……」

 したい、したい、なんで入れねぇんだよここまでしてんのに……!
 はやく、はやく、はやく入れて。
 言葉とは裏腹に自ら尻の肉を左右に広げ、ヒクヒクして止まらないケツの穴を見せつける。開いて穴の中までスースーする。
 加賀見は開いた穴を下から上へペロリと舐め、俺の顔を見下ろす。

「ひゃっ」
「おちんちんほしいねぇ?」
「んーん、いらないぃ、いらねぇもん……」

 まんこ開いて見せながら、首を横に振る。

「あーもうほんっと意味わかんない。意味わかんないのに、かわいい……なんであんなこと言うかな。女の子たちは好きじゃないからセックスしてもいいけど、僕とはしない? わざとだろ? あっざとい、ほんと……」

 ぺちん! とケツに熱い塊が叩きつけられる。

「あっ!」
「ねぇ、もうおちんちん限界なんだけど? 君のせいでジンジンするのとれない……」

 そのままペチペチと硬い竿で穴を叩かれて、時折擦られて。体勢変えれば先端が少しくらい入るかも、と腰を揺する。
 しかし加賀見は上から上半身を腕の中に抑え込むようにして抱きしめ、俺の動きを封じた。そして耳たぶにキスをして、あくまで穏やかな声で訴えかけてくる。

「入れたいよ……入れたい。隼人の中に入れたい。ずっとギンギンに勃っちゃってて、つらいよ。いっぱい種付けしたい。写真にかけるの飽きちゃったよ。写真にかけたぶんだけ、君に精液かけたい。おまんこしていい……?」
「あ、あっ、じゅりじゅり、あー、みなわぁ。みなわぁ……入っちゃうぅ、だめぇっ……」
「僕のこと…………これだけ煽って、襲わせて。この場だけ満足したら……また離れるの?」
「……あぁ?」

 急に何の話かと思ったが、そうだ、そういう話だった。襲われて、セックスして、その後のことなんか考えてなかった。
 でもやっぱり、今回だけだと、嫌だって言っただろと、また距離を置くかもしれない。
 ぎゅっと俺を抱く手を強め、自分の頬に押し付けられる加賀見の頬に返事ができない。
 加賀見はそれを待っていたようだが、痺れを切らして再び語り出す。

「許せないんだよ、そういうの。僕に押し付けないでちゃんとおねだりしなよ。この行為に君も責任をもってよ。ごめんなさい、ほしいです、セックスしてくださいって。謝りなよ。離れるとか、もうセックスしないとか嘘だって、そんなの無理だったって、ちゃんとゴメンナサイしなよ。抱かれたくて来たくせに」
「は、おまえ、ちげぇし……酔ったおまえ、見に来たんだって……」
「ふぅん…………ああ、そうか」

 ぴちゃ、ぺちゃ、と耳を舐める音が奥まで届く。ぞわぞわとして肩をすくめ、響く度にアッと声を漏らす。

「酔った僕に、乱暴されたかったの?」

 その言葉に、思い出す。

 ――酔った僕に、何されたいの?

 そう、問われた時のことを。
 しっかり覚えてた。
 期待してた?
 じわぁっと目にいっぱい涙がたまるのがわかる。抑えきれない感情に溢れそうになる。
 そんな涙目で、口をへの字にして、小さく首を横に振る。顎を引いて、身を縮めて、必死に。

「わかったよ」

 先端が、くっと穴に沈む。中に入ってはこない。
 ちゅぽ、ちゅぽ、と何度も押し込むような動作が繰り返される。

「あっあっ、ちんぽきた、はいるっ、いれん、なぁぁぁ……っ」
「腰浮かせて迎え腰してるけど」

 一度上半身を起こした加賀見が、グラスの日本酒をあおる。すぐにまた抱きついてきた呼気は酒臭くて。
 素面の自分には少し強くふらっときた、瞬間。 
 慣らしてもいないケツの穴を無理やり押し広げ、ドデカイ塊が体の中にギチギチと埋め込まれていった。

「イッ……! い、ぅ、うぅ、ぅ、ん、ぎゅぅっ」

 あんなに入れてほしいと待っていた久しぶりのちんぽ、めっちゃくちゃキツイ。
 入る時は少し痛かった。
 でも入ってしまえば痛みはなく、しかし閉じた体に異物を押し込まれるのが苦しくて苦しくて。
 歯を食いしばって、加賀見の背に爪を立てる。

「はやと、ちぎれる……力、抜いて?」
「むり、むりっ……きつ、や、ちんぽきついぃ……! はいんねぇよぉ、やだぁ、やだぁ!」
「慣らしてないからなぁ……隼人のお尻、めくれて膨らんだ縦穴でほんとやらしい形してるのに、中は処女みたい……二ヶ月ぶり? よく我慢したねぇ、処女穴可愛いよ、いいこいいこ」

 いいこいいこ、という言葉に合わせて中に亀頭をくいっくいっと押し当てられる。苦しさの中に、懐かしい快感の芽が疼き出した。

「ぁんっ……あ、ああっ……やらしくねぇもんん、ぅ、うぅ、あ、あー……っ」
「やらしいよ……? 人に見られたら、一発で隼人が男のハメ穴に使われてるってわかっちゃう穴だよ? 写真撮影の時とか……誰かに見られてない? 瑞生にもバレないようにしないとだめだよ?」

 わかってる、自分で洗浄してるだけでわかる。
 めくれて、いつだって膨らんだ穴。皺が伸びて、ボコボコして、腫れたみたいになってて。ローションがなくても指くらいなら全然入る、なんの為のモノだったかわからなくなる穴。

「瑞生に見せられない隼人がたくさんだね。可愛い、可愛い、かわいい……苦しそうな姿もかわいいね」

 玲児に見せられない限界まで開脚したスケベな格好して、玲児のものより歪に拡がったケツの穴でちんぽハメられてる。

「れいじ、言わ、ないで……っ」
「うん?」
「れいじのために、あ、お前とぉ……はな、離れるっ、のぉ……! けつ、がまんっ、してたぁ……っ!」

 学生の頃、俺が踏み出すきっかけとなった言葉がある。

 ――……自分が一番、何が、大切か……考えてみよう。そこに向かうために、何を守って、何を捨てるか。覚悟を決めてみればいい。

 それは言ったのは紛れもなく、今俺を抱いてる加賀見本人だ。
 あの時優しくしてもらって、やっと素直に涙を流すことができた。
 そうしてやっと玲児と一緒になれたんだ。
 それが今は、どうだ。
 この有様は、なんだ。
 セフレとして決めたルールも守れなくて、会えない時に考えることが増えて。ぐらぐらに揺れて、確かに玲児が好きでそれは変わらないのに、大切にしたい、二人でたくさんの思い出を作りたいと思うのは玲児なのに。
 この身体は、加賀見が一番気持ちいいんだって深いところで理解している。
 身体を被う体温と、体内を埋める熱が、心地よくて安心する。
 俺を“体と態度がでかいだけのただの子供”だと吐き捨ててくれたずっと年上のこの男に泣きつきたくなる。
 セフレじゃない。
 こんなわかんない関係になってしまったなら、捨てるしかない。
 一番大切を守るために。

「んー、でもしちゃったよ? ほら、隼人のおまんこに僕のおちんちん出たり入ったりして、セックスしちゃってるよ?」
「ンッ、しちゃっ、たぁ……ずぼずぼ、きもちい、きもちい、きもちーよぉ、ずぼずぼいちばんっ、きもちいぃぃー……」

 なのになんで俺は今ここにいて、加賀見と出雲が毎晩夜を一緒に過ごすベッドで、なんでまたちんぽハメられてんの。
 加賀見だってさ、この状況をどう思ってるんだよ。
 俺のことどうしたいんだよ。
 何もわからないのに、気持ちよくて何にも抗えなくて。
 襲って犯してと懇願して。
 情けない。
 ほしいのに、あからさまに誘ってるのに、嫌だと言うのは何もかも言い訳を作るため。
 情けない。
 情けない。
 情けないけど、身体を埋める熱いものがすごく、すっごく気持ちいい。
 こんなこと考えながら、加賀見にしがみついて腰を振るのをやめられない。
 もっと気持ちよくなりたくて必死で快感を拾う。
 もっとずりずりいっぱい擦って、加賀見のためのケツまんことろとろにしてほしい。

「あ、あ、ちんぽ、ちんぽぉ、なぁちんぽしゅごいぃ、ケツ穴じゅりじゅりするぅっ」
「ケツ穴じゃないよ?」
「まんこぉ……?」
「うん、そう。おちんちんで擦られて感じちゃういやらしいおまんこだよ?」
「や、ぁあっ……! ひでぇこと言うぅ……っ」
「褒めてるのに。あー締まる、エッチなこと言われてきゅうってしちゃうの、いじらしいなぁ……イク時はちゃんとおまんこイクって言うんだよ?」

 ずっと抱きしめられていて、身体が密着していて、顔が見えない。
 どんな顔して抱いてるんだろう。
 どんな顔して俺を責めてるんだろう。

「いずもにも、そゆことっ、言う……?」
「うん?」

 疑問が浮かんだ時、自然と出雲のことが浮かんだ。
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