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13予想外の収穫
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「ううう……」
ラノイはベッドで唸っていた。
あの後走って適当な風呂屋で汚れを落とした。身も心もさっぱりしたので良かったのだが、そこに遅れてやってくるものがあった。
そう、筋肉痛だ。
普通に歩くならまだしも、あの全力疾走。疲れている体にさらに鞭を入れるなんて、もしかしてMなのかと考えてしまう。
兎にも角にも、しばらくは動けないし、動きたくない。
ふと窓ガラス越しに空を見ると雲で覆われていた。
流れる雲を目で追いかけているうちにラノイはそのまま眠ってしまった。
ラノイが目を覚ました時、空は晴れていた。
「朝か」
半日寝て過ごし、気がつけば次の日の朝になっていた。
むくりと体を起こす。まだ痛みは残ってはいるが、昨日よりはかなりマシになっている。
昨日の雨でぬかるんだ地面を軽快なステップで、昨日と同じように市場へ向かう。適当に腹ごしらえを済ませ、ラノイは今日何をするかを考える。
「……とりあえずギルドに行くか」
結局考えてもすることが特になかったので、とりあえずラノイはギルドへ向かった。ギルドに着き、クエストボードの依頼を確認する。
「ワイバーンは無理、ゴブリンも……無理、ツノモグラ? 知らないなぁ」
依頼は前の時とさほど変わっていなかった。相変わらず色褪せた依頼書は放置されており、ワイバーン討伐も誰も手にとっていなかった。
まだ剣を振るほど元気ではない。できれば採取クエなどが望ましいが、それらしい依頼が中々見つからない。
「あ、あった!」
何枚も上から重ねて貼られていたため見つけるのに時間がかかってしまった。いつのか分からないが、とりあえず受付に持っていく。
「あの、これ受けることってできますか?」
「こちらですか? 受けられますよ」
「あ、じゃあこれお願いします」
そしてラノイは目的のヴァンの森へ出発した。
まだ昼間だというのに、森の中は薄暗かった。何本もの木が重なり合い、森全体が日陰になり冷ややかである。さらに前日に降った雨が森を湿らせ、その独特の匂いで思わずむせ返りそうになる。
「あ、見つけた」
歩き回ること数十分、今回のお目当てである『薬草』を見つけた。若緑色の草で、ぴんと直立して生えているのが特徴だ。レアリティも高くなく、割と見つけやすい。
今回の依頼はこの薬草を20本採取すること。まさにリハビリにもってこいの依頼だった。
最後の一本を引き抜き、採取を終える。森を出、ギルドに帰ろうとした時、視界の端で何かが光った。
ラノイはそのものの方へと歩く。手に取り、まじまじと眺める。
「これは……魔石だ」
光が何度も反射し燦然と輝く深緑の菱形。
こんなところでお目にかかれるとは思わず、ラノイはポケットに魔石をしまい、ホクホク顔でギルドへ帰っていった。
ラノイはベッドで唸っていた。
あの後走って適当な風呂屋で汚れを落とした。身も心もさっぱりしたので良かったのだが、そこに遅れてやってくるものがあった。
そう、筋肉痛だ。
普通に歩くならまだしも、あの全力疾走。疲れている体にさらに鞭を入れるなんて、もしかしてMなのかと考えてしまう。
兎にも角にも、しばらくは動けないし、動きたくない。
ふと窓ガラス越しに空を見ると雲で覆われていた。
流れる雲を目で追いかけているうちにラノイはそのまま眠ってしまった。
ラノイが目を覚ました時、空は晴れていた。
「朝か」
半日寝て過ごし、気がつけば次の日の朝になっていた。
むくりと体を起こす。まだ痛みは残ってはいるが、昨日よりはかなりマシになっている。
昨日の雨でぬかるんだ地面を軽快なステップで、昨日と同じように市場へ向かう。適当に腹ごしらえを済ませ、ラノイは今日何をするかを考える。
「……とりあえずギルドに行くか」
結局考えてもすることが特になかったので、とりあえずラノイはギルドへ向かった。ギルドに着き、クエストボードの依頼を確認する。
「ワイバーンは無理、ゴブリンも……無理、ツノモグラ? 知らないなぁ」
依頼は前の時とさほど変わっていなかった。相変わらず色褪せた依頼書は放置されており、ワイバーン討伐も誰も手にとっていなかった。
まだ剣を振るほど元気ではない。できれば採取クエなどが望ましいが、それらしい依頼が中々見つからない。
「あ、あった!」
何枚も上から重ねて貼られていたため見つけるのに時間がかかってしまった。いつのか分からないが、とりあえず受付に持っていく。
「あの、これ受けることってできますか?」
「こちらですか? 受けられますよ」
「あ、じゃあこれお願いします」
そしてラノイは目的のヴァンの森へ出発した。
まだ昼間だというのに、森の中は薄暗かった。何本もの木が重なり合い、森全体が日陰になり冷ややかである。さらに前日に降った雨が森を湿らせ、その独特の匂いで思わずむせ返りそうになる。
「あ、見つけた」
歩き回ること数十分、今回のお目当てである『薬草』を見つけた。若緑色の草で、ぴんと直立して生えているのが特徴だ。レアリティも高くなく、割と見つけやすい。
今回の依頼はこの薬草を20本採取すること。まさにリハビリにもってこいの依頼だった。
最後の一本を引き抜き、採取を終える。森を出、ギルドに帰ろうとした時、視界の端で何かが光った。
ラノイはそのものの方へと歩く。手に取り、まじまじと眺める。
「これは……魔石だ」
光が何度も反射し燦然と輝く深緑の菱形。
こんなところでお目にかかれるとは思わず、ラノイはポケットに魔石をしまい、ホクホク顔でギルドへ帰っていった。
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