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第一章 初恋
第五話 勉強会開始
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集合時間の午前11時の5分前に駅に着いた。細田君からのメッセージを頼りに、近くのコンビニまで行って飲み物を買った。駅から家までさほど距離はないと言われていた。だから、直接向かおうかと思っていたが場所が分かりづらいとのことでコンビニで待ち合わせた。少し遅れて琴美もコンビニに来た。レジに並んでる間にメッセージを送信した。ちょうど会計が終わるころに細田君がコンビニに入ってきた。
「そんな飲み物なんていいのに」
「そんなわけにいかないよ!勉強する場所提供してもらってるのに。これくらい気にしないで」
「そうそう。どうせ私たちも飲むんだし」
「ありがとう。じゃあ重いから持つよ。もう冬也も、横山も来てるよ」
それから4人で、細田君の家に行った。ほんとに距離はなかったが少しわかりにくいところではあった。細田君の家は一軒家で、きれいなうえにバルコニーまであってすごくおしゃれだった。家に入ると天井が高く、開放感があった。2階に部屋があるらしくすぐに行くから先に行っててほしいと言われた。部屋に入ると冬也と栞ちゃんが楽しそうに部活の話をしていた。
「遅いぞー。ペナルティーで俺にアイス買ってこい!」
「あんた馬鹿じゃないの?てか集合時間より早すぎるでしょ」
「まあ俺は、昨日から来てるから。あいつらばあちゃんに預けて」
そんな話をしていると、すぐに細田君が上がってきた。それからはすぐに勉強が始まった。私の目の前に低めの長机を挟んで冬也、その隣に栞ちゃん。私の右隣にまな香、その隣には琴美が座り、私の左側お誕生日席の位置に細田君が座った。みんなそれぞれに勉強を進め、わからないところがあれば聞くという形で進めていった。
お昼の時間になって、ご飯を買ってくることになった。じゃんけんで負けた2人で買おうという話になりじゃんけんをした。勝負は一発で決まり、私と冬也で買い出しに行くことになった。コンビニでみんなに頼まれたものを探している時に、冬也に急に尋ねられた。
「お前ってさ、勇利のこと好きなの?」
「え、何急に。なんで?」
「いや、何となく見ててそうかなって。違ってたらごめんだけど」
「正直、わかんない。誰かのこと好きになったことないし」
「そうなんだ。まあ別にどっちだっていいけど。なんかあれば相談しろよ」
「うん、ありがと」
その買い出しの帰り、冬也の顔はどこか寂しそうで、何かをあきらめたような顔をしていた気がした。みんなでご飯を食べながら、それぞれの得意教科と苦手教科の話になった。文系と理系がきれいに半々で別れる上に、苦手なものを得意とする人がいることが分かり、それぞれに補い合えるとプラスな発見が多かった。
勉強を再開して数時間後、3時前になってまな香、冬也、琴美、栞ちゃんの4人が先に帰るといった。私も帰ろうとしたがまな香に止められた。【時間わざわざ作ってあげるんだから、自分の気持ちとしっかり向き合いなよ。】と書いてあるメモを渡され、頑張ってみることにした。
2人きりになってからすぐの間は、沈黙が続いてしまったが細田君から問題の解き方を聞いてくれたためにそれからは楽しく勉強できた。
6時近いころ、切りがよかったのもあって私も帰ることにした。細田君は私の最寄り駅まで送ってくれた。帰り道、今日1日のことを思い出しながら歩いた。その大半は、細田君の笑顔だった。それで私は気づいた。私は、細田君とただ仲良くなりたくて、いろんなことが知りたいだけだと思ってた。でも、本当は違った。私は、細田君のことが好きになってたんだ。正確にいつからなのかはわからないけど、たぶん栞ちゃんに話を聞いてから、好きになってたんだと思う。ようやく、まな香の言っていた自分で気づかなきゃ意味がないという意味が分かった気がした。誰かを好きになったことがないから、尚更自分で気づいた欲しかったんだと思う。
勉強会のあと、久しぶりにまな香と歩いた。俺たち3人は親同士がすごく仲が良くて、みんな家が近いのもあってよく一緒に遊んで一緒に帰っていた。雪菜には兄弟はいないが、俺とまな香には兄弟がいる。まな香の兄貴は少し年が離れていて、もう実家を出ていた。今日はやらかした。盛大にやらかした。好きな奴の好きな人を本人より先に気づくとは思わなかった。思わず、どうでもいいみたいに言ったけどそれで付き合うことにでもなったらまた、つらい思いをするのに。俺は、小学校のころから雪菜のことが好きだ。気づけば雪菜には彼氏がいたから告白はできずにいた。それにこの関係のままでもいいと思っていたから。
「あのさ、冬也夏休み暇な日ってありそう?」
「多分あると思うけど、どうした?」
「ちょっと話したいことあるんだよ。まあ細かいことは後で、じゃまた明日」
「おう」
今思えば、俺はこの時いろんなことに気づけていなかった。
「そんな飲み物なんていいのに」
「そんなわけにいかないよ!勉強する場所提供してもらってるのに。これくらい気にしないで」
「そうそう。どうせ私たちも飲むんだし」
「ありがとう。じゃあ重いから持つよ。もう冬也も、横山も来てるよ」
それから4人で、細田君の家に行った。ほんとに距離はなかったが少しわかりにくいところではあった。細田君の家は一軒家で、きれいなうえにバルコニーまであってすごくおしゃれだった。家に入ると天井が高く、開放感があった。2階に部屋があるらしくすぐに行くから先に行っててほしいと言われた。部屋に入ると冬也と栞ちゃんが楽しそうに部活の話をしていた。
「遅いぞー。ペナルティーで俺にアイス買ってこい!」
「あんた馬鹿じゃないの?てか集合時間より早すぎるでしょ」
「まあ俺は、昨日から来てるから。あいつらばあちゃんに預けて」
そんな話をしていると、すぐに細田君が上がってきた。それからはすぐに勉強が始まった。私の目の前に低めの長机を挟んで冬也、その隣に栞ちゃん。私の右隣にまな香、その隣には琴美が座り、私の左側お誕生日席の位置に細田君が座った。みんなそれぞれに勉強を進め、わからないところがあれば聞くという形で進めていった。
お昼の時間になって、ご飯を買ってくることになった。じゃんけんで負けた2人で買おうという話になりじゃんけんをした。勝負は一発で決まり、私と冬也で買い出しに行くことになった。コンビニでみんなに頼まれたものを探している時に、冬也に急に尋ねられた。
「お前ってさ、勇利のこと好きなの?」
「え、何急に。なんで?」
「いや、何となく見ててそうかなって。違ってたらごめんだけど」
「正直、わかんない。誰かのこと好きになったことないし」
「そうなんだ。まあ別にどっちだっていいけど。なんかあれば相談しろよ」
「うん、ありがと」
その買い出しの帰り、冬也の顔はどこか寂しそうで、何かをあきらめたような顔をしていた気がした。みんなでご飯を食べながら、それぞれの得意教科と苦手教科の話になった。文系と理系がきれいに半々で別れる上に、苦手なものを得意とする人がいることが分かり、それぞれに補い合えるとプラスな発見が多かった。
勉強を再開して数時間後、3時前になってまな香、冬也、琴美、栞ちゃんの4人が先に帰るといった。私も帰ろうとしたがまな香に止められた。【時間わざわざ作ってあげるんだから、自分の気持ちとしっかり向き合いなよ。】と書いてあるメモを渡され、頑張ってみることにした。
2人きりになってからすぐの間は、沈黙が続いてしまったが細田君から問題の解き方を聞いてくれたためにそれからは楽しく勉強できた。
6時近いころ、切りがよかったのもあって私も帰ることにした。細田君は私の最寄り駅まで送ってくれた。帰り道、今日1日のことを思い出しながら歩いた。その大半は、細田君の笑顔だった。それで私は気づいた。私は、細田君とただ仲良くなりたくて、いろんなことが知りたいだけだと思ってた。でも、本当は違った。私は、細田君のことが好きになってたんだ。正確にいつからなのかはわからないけど、たぶん栞ちゃんに話を聞いてから、好きになってたんだと思う。ようやく、まな香の言っていた自分で気づかなきゃ意味がないという意味が分かった気がした。誰かを好きになったことがないから、尚更自分で気づいた欲しかったんだと思う。
勉強会のあと、久しぶりにまな香と歩いた。俺たち3人は親同士がすごく仲が良くて、みんな家が近いのもあってよく一緒に遊んで一緒に帰っていた。雪菜には兄弟はいないが、俺とまな香には兄弟がいる。まな香の兄貴は少し年が離れていて、もう実家を出ていた。今日はやらかした。盛大にやらかした。好きな奴の好きな人を本人より先に気づくとは思わなかった。思わず、どうでもいいみたいに言ったけどそれで付き合うことにでもなったらまた、つらい思いをするのに。俺は、小学校のころから雪菜のことが好きだ。気づけば雪菜には彼氏がいたから告白はできずにいた。それにこの関係のままでもいいと思っていたから。
「あのさ、冬也夏休み暇な日ってありそう?」
「多分あると思うけど、どうした?」
「ちょっと話したいことあるんだよ。まあ細かいことは後で、じゃまた明日」
「おう」
今思えば、俺はこの時いろんなことに気づけていなかった。
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