前世の記憶を持った公爵令嬢は知らないうちに傲慢になってました。

3

「貴女こそ、私の婚約者に対して不敬罪なのではないか？」

王子がヒロインの横に並んで私に話しかけてきた。
はー！？そこは私の横に来て一緒にヒロインを断罪するところでしょーが！って、

「は？この娘が婚約者？冗談はよしていただけないかしら！私が貴方の婚約者でしてよ！？」

本当だったら私が婚約者だったんだから！何言ってるのかしら！この王子は！

「貴女は婚約者候補のはずだったが、それも13年前に消えたはなしだ。事実私たちは一度たりとも会ったことはないだろう？」

た、たしかあれから誰とも会ったこと無かったけど、だからって公爵令嬢である私に向かってなんて口の聞き方をしているのかしら！お父様に言い付けないと！

「平民の妾の母親の子供の分際で後ろ盾もない、ましてや皇太子でもない貴方がこの私に対してその様な言い方をなさるとは無礼ですわ！このことはお父様に言って王家へ抗議いたしますから！」

これからゲームが始まると思ったらまさかの低脳なイベントがあるなんて思わなかったわ！

「エステリーゼ様、貴女のお父様から何も聞いていないのですか？」

「なんですって？」

「あの日から貴女の発言が王族に対する不敬罪が酷すぎて、国王の命令により13年前にラザフォーク公爵家から除籍されていることを」

な、なにを言っているの？このヒロインは…

「貴女は今エステリーゼ・ダロン男爵令嬢なんですよ」