夜空の天ちゃむ

牙夢乃時雨

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プロローグ2

あかいろの里~遭遇①~

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「朱里~!学校行くよー---!」

 私の家にはインターホンがない。そとで友達の南条さんが大声で呼んでいる。

「はーい。」

 そういいながら、リビングから玄関に向かい、靴を雑に履きながら外に出た。そこには、畑が広がっている。ここはいわゆる田舎で、人口が少なく、全員合わせても100くらいだ。学校に関しては同学年の子は私と南条さんしかいない。

「朱里知ってる~?この前大男が、すぐ横の森の奥で発見されたらしいよ、肩に狐を抱えていたらしいの。怖くなーい?」

「こわいね。この「あかいろの里」に来たらおばあちゃんたちしかいないからすぐやられちゃうね。」

 この里は、高齢者が多い。つまり、大男が来ても戦えない。まあ、大男がいるわけなんてないけど。

 歩いて15分が経ち、学校に着いた。

 朝のホームルームは8:00からだ。それまで教室に二つしかない席に着いた。が、今日は違った、席が二つ追加されている。転校生?こんな田舎に引っ越ししてくる人がいればそれは珍しいことだ。

「朱里、この席なんだろうね。新しい子かな。イケメンこないかな。」

「無理だよ、田舎に来る人ですら珍しいのにその人がイケメンである確率なんて。」
 
 ガラガラ

「はい、おはようございます。」

「「おはようございまーす」」

 私と南条は元気よく挨拶をした。いつもなら、普通くらいなのだが。入ってきた美人女教師の横に二人の男女が並んでいた。

「今日は転校生、二人紹介します。天狐ちゃんと、快麻くんね。二人とも挨拶をして頂戴。」

「はい!私の名前は天ちゃむ!よろしくね!好きな事は遊ぶことです!よかったら人間の子たちとも仲良くしたいなって思います!」

 人間だなんて、変な人だ。でもすごく可愛い。これから友達になれそうだ。

「俺の名前は快麻です。天ちゃむと同じ村から来ました。好きな事は天ちゃむと同じで遊ぶことです。よろしくお願いします。」

 天ちゃむってなんだ?天狐ちゃんのあだ名かな。それより快麻くんがイケメンで、私は一目惚れしてしまった。

「私の名前は南条ね!天狐ちゃん、快麻くん、よろしくね!!天狐ちゃんめっちゃかわいい!!」

「ありがとー--!南条さんこれからお世話になります!」

 南条が先に挨拶をした。天狐ちゃんアイドルの用で、服装もこの里では見ないタイプの服で、やっぱり栄えてるところの服は違うのかなとか考えた。

「私の名前は朱里です。よろしくね。快麻くんだったよね、よかったらお友達になって欲しいな。」

「お、俺?いいよ!朱里、だったよね、これからよろしく!」

 私はかっこいい快麻君と話せてうれしかった。

「天ちゃむー。今日は疲れたから帰ろうぜー!」

 快麻くんが言いだした。

「だめだよ、学校なんだからいないと。ほらそこの席つこう。」

 二人は何者なのだろう。
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