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遭遇2
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パーティ当日、沙耶は総レースのベージュのワンピースを身に纏い、会場となるホテルに向かっていた。腰にはアクセントとなる黒いリボンがあしらわれ、フリルの付いた黒いボレロを羽織っている。綾乃がいくつか用意した候補の中から沙耶が一番気に入った組み合わせだった。
当初、パーティは自宅で開かれる予定だったのだが、いつの間にか杏奈の母親が手配を済ませ、義総が役員を務めているグループ傘下のホテルで行われる事になっていた。急な変更に主役の杏奈は呆れ顔で母親に文句を言ったが、彼女は「この方が楽しいからいいじゃない」と言い放ったらしい。
「どうぞ、沙耶様」
「ありがとう」
ホテルの入口に車は横付けされ、運転手の塚原に手を取られて沙耶は車から降りた。義総は仕事だったし、頼みの綱の幸嗣は半月ほど前から語学留学でアメリカに行っていて同行できない。義総は会場が変わった時点で欠席させようとしていたのだが、前々から楽しみにしていた沙耶が珍しく強固に反抗したのでしぶしぶ認めたのだ。但し、帰りは迎えに行くので、パーティの後は用意している部屋で大人しく待つという条件を付けていた。
「沙耶! 来てくれて嬉しいわ」
案内された会場に着くと、真っ赤なワンピースを着た杏奈が駆け寄ってきた。
「ママの勝手で規模が大きくなっちゃったでしょう? おじ様が渋っているって聞いたから心配だったの」
「そう。説得するの大変だったわ。綾乃さんと塚原さんと青柳さんまで加わって説得して下さって、どうにか許して下さったの。……後になったけど、お誕生日おめでとう」
沙耶は笑顔で答えると、杏奈に持参したプレゼントの包みを手渡す。中身はレースのストールで、買った物ばかりでは味気なく感じた沙耶がそれに合わせて編んだコサージュを添えてあった。
「ありがとう。後でゆっくり見せてもらうね」
杏奈は側に居た給仕にそれを預けると、沙耶を会場の奥へと案内する。既に同級生が何人か来ており、彼女達と談笑していたジェシカが2人を笑顔で迎える。今日の彼女の装いはカシュクール風の青いワンピース。彼女のクールなイメージにぴったりだった。
「ごきげんよう、沙耶さん。素敵なワンピースね」
「ありがとう。ジェシカさんのも素敵」
互いに褒め合うが、ついおかしくなってクスクス笑ってしまう。
「じゃ、ジェシカ、沙耶さんをお願いね」
主役の杏奈は忙しく、後を友人に任せると他の客へ挨拶に行く。彼女が離れて行くと、2人は同級生の輪に加わり、互いの衣装を見せ合いながらファッション談義に花を咲かせる。やはり一番注目を浴びたのは沙耶で、話題のブティックでオーダーメイドされたワンピースを彼女達は羨望の眼差しで眺めていたのだった。
食事はビュッフェスタイルになっていた。挨拶代わりに互いの衣装を褒め合った後、沙耶はジェシカや同級生と一緒に見た目も綺麗で上品な料理を取りに行った。
取りすぎないように好きな物だけ一口分ずつ。沙耶の好みを聞いて給仕係が丁寧に盛り付けてくれた皿を受け取っていると、誰かがドンとぶつかり相手が持っていた飲み物が沙耶のワンピースにかかる。
「これは失礼」
クスクスと笑いながら相手の若い女性はその場を去っていく。日の高いうちのパーティだと言うのに、露出の多いドレスに派手な宝飾品をゴテゴテとつけている。見た目はきれいだが、少しきつい感じのするその女性は、何事も無かったかのように同伴している若い男性に媚を売っている。
彼の方は心配顔で沙耶の方を窺っているのだが、女性はそんな彼を連れてさっさと離れて行く。どうやら彼女は杏奈を祝うよりも婚活に来たらしい。
「何、あの人」
「沙耶さん、大丈夫?」
最悪な事にかかった飲み物は色の濃いカクテルだった様で、肩から胸元にかけてしっかりと色がしみ込んでしまっている。ボレロは黒いので大して目立たないが、ベージュのワンピースについたシミはすぐには落ちないだろう。
「あらあら、沙耶ちゃん。災難だったわねぇ」
声をかけられて振り向くと、先ほどの女性に劣らないほど見事なプロポーションをした妖艶な女性が立っていた。彼女も胸元が開いたドレスを着ているが、場所をきちんと考慮して上にレースの上着を着込んでいる。
「美弥子様こんにちは。挨拶が遅くなってごめんなさい」
「いいのよ」
柔和な笑みを浮かべるこの女性は杏奈の母親だった。見た目は20代でも充分に通用するが、あの義総よりも年上なのをこの場にいる沙耶の同級生達も皆知っている。彼女はその美しさを保つ為だけに美容関連の会社を立ち上げ、彼女自身が広告塔となって売り上げを伸ばしていた。
「美弥子さん、あの人どうにかできませんか?」
「沙耶さんが可愛そうです」
ジェシカを始めとした同級生達はしばらく美弥子の美しさに見惚れていたが、はっと我に返ると口々に先ほどの女性を糾弾し始める。
「見てたわ。男の人の視線が沙耶ちゃんに集まっていたから気に入らなかったのね。そんな事をしても無駄なのにね、おかしいわね」
茶目っ気のある笑みを浮かべて美弥子は少女たちを宥める。主催者である彼女からしてみれば、あまり事を荒立てたくは無いのも確かだろう。それでもシミのできた沙耶のワンピースを見て眉を顰めると、彼女は一つの提案を持ちかける。
「それよりも、このままではパーティを楽しめないわね。実はね、沙耶ちゃんに似合いそうなワンピースを用意しているの。着替えてみない?」
「美弥子様?」
沙耶は一瞬何を言われたか分からずに首をかしげる。
「いつも義総の選んだものばかりで代わり映えしないんですもの。沙耶ちゃんの新たな魅力を引き出してみようと思ってね、一式用意しておいたの。役に立って良かったわぁ」
まだ沙耶は返事をしていないのに、美弥子は1人で盛り上がって悦に浸っている。呆然とする同級生達を後目に、美弥子はさっさと沙耶の手を引き会場の外へ連れ出す。
「あ、あの、美弥子様……」
「いいの、いいの。任せてちょうだい」
すっかり上機嫌な美弥子は戸惑う沙耶を連れてリザーブしている部屋へ彼女を連れ込んだ。
「あ……」
2人が会場を出て姿が見えなくなり、我に返ったジェシカは血の気が引いてくる。他の同級生達は知らないが、美弥子は男女に関わらず若いきれいな子が好きである。そして気に入った子がいればどちらが相手でも閨に引き込んで性的関係を持っていた。
そんな彼女が最近目をつけたのが沙耶で、それを知っている義総はジェシカと杏奈に美弥子の暴走を抑えてくれるように頼んでいた。当然、沙耶はそんな事をまったく知らされてはいない。
「まずいわ……」
蒼白になったジェシカは対策を練る為にとりあえず今日の主役を探したのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
義総も扱いに困る美弥子様登場w
自由気ままな彼女にみんな振り回されっぱなし……。
当初、パーティは自宅で開かれる予定だったのだが、いつの間にか杏奈の母親が手配を済ませ、義総が役員を務めているグループ傘下のホテルで行われる事になっていた。急な変更に主役の杏奈は呆れ顔で母親に文句を言ったが、彼女は「この方が楽しいからいいじゃない」と言い放ったらしい。
「どうぞ、沙耶様」
「ありがとう」
ホテルの入口に車は横付けされ、運転手の塚原に手を取られて沙耶は車から降りた。義総は仕事だったし、頼みの綱の幸嗣は半月ほど前から語学留学でアメリカに行っていて同行できない。義総は会場が変わった時点で欠席させようとしていたのだが、前々から楽しみにしていた沙耶が珍しく強固に反抗したのでしぶしぶ認めたのだ。但し、帰りは迎えに行くので、パーティの後は用意している部屋で大人しく待つという条件を付けていた。
「沙耶! 来てくれて嬉しいわ」
案内された会場に着くと、真っ赤なワンピースを着た杏奈が駆け寄ってきた。
「ママの勝手で規模が大きくなっちゃったでしょう? おじ様が渋っているって聞いたから心配だったの」
「そう。説得するの大変だったわ。綾乃さんと塚原さんと青柳さんまで加わって説得して下さって、どうにか許して下さったの。……後になったけど、お誕生日おめでとう」
沙耶は笑顔で答えると、杏奈に持参したプレゼントの包みを手渡す。中身はレースのストールで、買った物ばかりでは味気なく感じた沙耶がそれに合わせて編んだコサージュを添えてあった。
「ありがとう。後でゆっくり見せてもらうね」
杏奈は側に居た給仕にそれを預けると、沙耶を会場の奥へと案内する。既に同級生が何人か来ており、彼女達と談笑していたジェシカが2人を笑顔で迎える。今日の彼女の装いはカシュクール風の青いワンピース。彼女のクールなイメージにぴったりだった。
「ごきげんよう、沙耶さん。素敵なワンピースね」
「ありがとう。ジェシカさんのも素敵」
互いに褒め合うが、ついおかしくなってクスクス笑ってしまう。
「じゃ、ジェシカ、沙耶さんをお願いね」
主役の杏奈は忙しく、後を友人に任せると他の客へ挨拶に行く。彼女が離れて行くと、2人は同級生の輪に加わり、互いの衣装を見せ合いながらファッション談義に花を咲かせる。やはり一番注目を浴びたのは沙耶で、話題のブティックでオーダーメイドされたワンピースを彼女達は羨望の眼差しで眺めていたのだった。
食事はビュッフェスタイルになっていた。挨拶代わりに互いの衣装を褒め合った後、沙耶はジェシカや同級生と一緒に見た目も綺麗で上品な料理を取りに行った。
取りすぎないように好きな物だけ一口分ずつ。沙耶の好みを聞いて給仕係が丁寧に盛り付けてくれた皿を受け取っていると、誰かがドンとぶつかり相手が持っていた飲み物が沙耶のワンピースにかかる。
「これは失礼」
クスクスと笑いながら相手の若い女性はその場を去っていく。日の高いうちのパーティだと言うのに、露出の多いドレスに派手な宝飾品をゴテゴテとつけている。見た目はきれいだが、少しきつい感じのするその女性は、何事も無かったかのように同伴している若い男性に媚を売っている。
彼の方は心配顔で沙耶の方を窺っているのだが、女性はそんな彼を連れてさっさと離れて行く。どうやら彼女は杏奈を祝うよりも婚活に来たらしい。
「何、あの人」
「沙耶さん、大丈夫?」
最悪な事にかかった飲み物は色の濃いカクテルだった様で、肩から胸元にかけてしっかりと色がしみ込んでしまっている。ボレロは黒いので大して目立たないが、ベージュのワンピースについたシミはすぐには落ちないだろう。
「あらあら、沙耶ちゃん。災難だったわねぇ」
声をかけられて振り向くと、先ほどの女性に劣らないほど見事なプロポーションをした妖艶な女性が立っていた。彼女も胸元が開いたドレスを着ているが、場所をきちんと考慮して上にレースの上着を着込んでいる。
「美弥子様こんにちは。挨拶が遅くなってごめんなさい」
「いいのよ」
柔和な笑みを浮かべるこの女性は杏奈の母親だった。見た目は20代でも充分に通用するが、あの義総よりも年上なのをこの場にいる沙耶の同級生達も皆知っている。彼女はその美しさを保つ為だけに美容関連の会社を立ち上げ、彼女自身が広告塔となって売り上げを伸ばしていた。
「美弥子さん、あの人どうにかできませんか?」
「沙耶さんが可愛そうです」
ジェシカを始めとした同級生達はしばらく美弥子の美しさに見惚れていたが、はっと我に返ると口々に先ほどの女性を糾弾し始める。
「見てたわ。男の人の視線が沙耶ちゃんに集まっていたから気に入らなかったのね。そんな事をしても無駄なのにね、おかしいわね」
茶目っ気のある笑みを浮かべて美弥子は少女たちを宥める。主催者である彼女からしてみれば、あまり事を荒立てたくは無いのも確かだろう。それでもシミのできた沙耶のワンピースを見て眉を顰めると、彼女は一つの提案を持ちかける。
「それよりも、このままではパーティを楽しめないわね。実はね、沙耶ちゃんに似合いそうなワンピースを用意しているの。着替えてみない?」
「美弥子様?」
沙耶は一瞬何を言われたか分からずに首をかしげる。
「いつも義総の選んだものばかりで代わり映えしないんですもの。沙耶ちゃんの新たな魅力を引き出してみようと思ってね、一式用意しておいたの。役に立って良かったわぁ」
まだ沙耶は返事をしていないのに、美弥子は1人で盛り上がって悦に浸っている。呆然とする同級生達を後目に、美弥子はさっさと沙耶の手を引き会場の外へ連れ出す。
「あ、あの、美弥子様……」
「いいの、いいの。任せてちょうだい」
すっかり上機嫌な美弥子は戸惑う沙耶を連れてリザーブしている部屋へ彼女を連れ込んだ。
「あ……」
2人が会場を出て姿が見えなくなり、我に返ったジェシカは血の気が引いてくる。他の同級生達は知らないが、美弥子は男女に関わらず若いきれいな子が好きである。そして気に入った子がいればどちらが相手でも閨に引き込んで性的関係を持っていた。
そんな彼女が最近目をつけたのが沙耶で、それを知っている義総はジェシカと杏奈に美弥子の暴走を抑えてくれるように頼んでいた。当然、沙耶はそんな事をまったく知らされてはいない。
「まずいわ……」
蒼白になったジェシカは対策を練る為にとりあえず今日の主役を探したのだった。
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