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第3章 ダナシアの祝福
1 幸運のお守り1
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婚礼に引き続き、フォルビア城へ場所を移して行われたフレアのフォルビア大公の認証式も滞りなく済んだ。そしてその後は当然のことながらそれを祝う宴の場が設けられた。
多くの苦難を乗り越えて結ばれただけに、礼装を身に纏って幸せそうに並び立つエドワルドとフレアの姿を見るのは感慨深いものがある。その苦難を供にしたタランテラ側の参列者のみならず、各国の賓客達も感無量で彼等を祝福していた。ただ、複雑な心境のルイスには目の毒だったらしく、認証式が終わるとその姿はいずこかに消えていた。
これで一連の公式行事も済み、各国の賓客も明日の午後から順次帰国の途に就く。大仕事を終えて気持ちが緩むのか、心なしか酌み交わす杯のペースが速くなるのは仕方がないのだろう。
やがて主役の2人は席を外し、広間に残っているのはミハイルやダーバの隠居と言った各国の賓客やヒースやアスターと言った酒豪で知られる強者ばかりだ。後は酔いつぶれた者が数名、テーブルに突っ伏している。
「ふう……」
格式張ったものでは無かったが、元よりこういった宴の席を苦手としているアレスは、会場の大広間から露台に出て着なれない礼装の襟元を緩めた。北国だけあって夜風はまだ幾分冷たい。酔いを覚ますにはちょうど良かった。
アレスを筆頭とした聖域の竜騎士は、一足早く明日の早朝に出立する予定だった。彼に付き合い、当初からタランテラ入りしていたスパークやレイド達はもう半年以上村を空けている。独身組はまだしも、家庭を持つガスパルは早く戻りたくて仕方ないらしい。
エルヴィンの乳母の手配も済んだようなので、村から付いて来てくれた乳母役の女性も一緒に戻れる事となった。こうしてエルヴィンも連れて戻れたのも彼女のおかげである。彼女には村に置いて来た子供の為にもとエドワルドだけでなく、ミハイルからも多額の礼金を出していた。
「アレス卿」
声をかけられて振り向くと、先程まで酒豪な強者達に混ざって杯を傾けていたアスターが立っている。几帳面なイメージのある彼も礼装の襟元を緩めている所を見ると、相当飲んだに違いない。そういえば彼も新婚だった。もしかしたら祝い酒と称して酔っぱらった賓客達に飲まされたのかもしれない。
「何ですか?」
「少し、お付き合いいただけないでしょうか?」
「……かまいませんが」
まだ何かあっただろうかと少し疑問に思いながらもアレスはうなずく。アスターに身振りでついて来る様に促され、露台から広間に戻ると、まだ酒盛りが続いているその場を通り抜けていく。そしてそのまま城の居住区へ足を踏み入れ、着いた先は城主の私室だった。
「え?」
二度見して確かめるが、確かに城主の部屋で間違いなく、今日婚礼を挙げたばかりの2人の部屋である。例え一年前に組み紐の儀を済ませていても、既にエルヴィンと言う愛の結晶を得ていても、正式に婚礼を挙げたのは今日なので、今宵は紛れも無く新婚初夜となる。今宵は2人きりでゆっくり過ごしてもらう為に子供達はアリシアや正式にエルヴィンの乳母となったユリアーナが引き受け、宴も早々に退出してもらったのだ。それなのに、自分が邪魔してしまっていいのだろうか……。
「どうぞお入りください」
内心のアレスの葛藤を知ってか知らずか、アスターは戸を開けるとアレスに中へ入る様に促す。彼は仕方なく中に足を踏み入れた。
「失礼します……」
遠慮がちに声をかけて中に入ると、無情にも扉は背後で閉められた。振り返るとここまで案内してくれたアスターの姿も無い。
「ああ、呼び出して済まないな」
途方に暮れていると、奥からエドワルドが姿を現す。湯を使った後らしく、髪はまだ湿り気を帯び、ゆったりとした部屋着姿だった。それがまた男のアレスでもドキリとするくらい壮絶な色気を醸し出している。
「新妻を放っておいて宜しいのですか?」
ついつい皮肉ってしまうのは許して欲しい。相愛の女性と婚礼を挙げ、嫡子まで授かって幸せの只中にいる相手である。独り身のアレスには直視できない程眩しく感じるのだ。
「ご婦人の身支度は時間がかかるのだよ」
エドワルドはにこやかに応え、アレスにグラスを手渡すとワインを注ぐ。ラベルを見せてもらうと、タランテラ産の5年物。ちょうど飲みごろらしい。
「ブレシッド産に慣れ親しんでいる君には物足りないかもしれないが、これもなかなかのものだよ」
「はぁ……」
気のない返事をしながらも、グラスを揺らして香りを楽しみ、口に含んで味を確かめてみる。きりっとした味わいはアレスの好みである。もしかしたらフレアに聞いてから選んでくれたのかもしれない。
「ところで、御用は何でしょうか?」
貴重な時間を邪魔するわけにはいかない。アレスは早々に用件を済ませようと単刀直入にお伺いを立ててみる。
「明日の早朝にお帰りになると伺った。どうしても話がしたくてね。呼び出して申し訳ない」
エドワルドはにこやかに応えると、空になったアレスのグラスにおかわりを注いでくれる。
「それは構いませんが……」
当人の要望ならば仕方ないが、それでもこの貴重な時間を邪魔していると思うとどうしてもいたたまれない気持ちになる。それを無理やり誤魔化す様にアレスは注がれたワインに口をつける。
「アレス、来てくれたのね」
奥の扉が開いて部屋着姿のフレアがオリガに手を引かれて出てきた。子供達と一緒に預けているらしくルルーの姿は無い。エドワルドがすぐさま彼女の手を恭しく取ると今まで自分が座っていた席に彼女を案内して自分はその隣に座った。
ほんの少しの間だが、互いに見つめ合うとその場の雰囲気が一気に甘ったるくなり、アレスは口直しをしようと杯の中身を一気にあおった。
「ありがとう、オリガ。後はもう大丈夫だから下がっていいわ」
「かしこまりました」
フレアがオリガを労うと、彼女は一同に頭を下げて部屋を出て行く。ラトリ村でアリシアの指導を受けた甲斐があり、その所作は磨きがかけられ、本宮に上がっても遜色がない程洗練されている。
姉弟揃って既にアリシアが後見をしているが、更にサントリナ公とブランドル公の後ろ盾を貰い、今後もフレア付きの侍女として本宮北棟で働く事が正式に決まっていた。
多くの苦難を乗り越えて結ばれただけに、礼装を身に纏って幸せそうに並び立つエドワルドとフレアの姿を見るのは感慨深いものがある。その苦難を供にしたタランテラ側の参列者のみならず、各国の賓客達も感無量で彼等を祝福していた。ただ、複雑な心境のルイスには目の毒だったらしく、認証式が終わるとその姿はいずこかに消えていた。
これで一連の公式行事も済み、各国の賓客も明日の午後から順次帰国の途に就く。大仕事を終えて気持ちが緩むのか、心なしか酌み交わす杯のペースが速くなるのは仕方がないのだろう。
やがて主役の2人は席を外し、広間に残っているのはミハイルやダーバの隠居と言った各国の賓客やヒースやアスターと言った酒豪で知られる強者ばかりだ。後は酔いつぶれた者が数名、テーブルに突っ伏している。
「ふう……」
格式張ったものでは無かったが、元よりこういった宴の席を苦手としているアレスは、会場の大広間から露台に出て着なれない礼装の襟元を緩めた。北国だけあって夜風はまだ幾分冷たい。酔いを覚ますにはちょうど良かった。
アレスを筆頭とした聖域の竜騎士は、一足早く明日の早朝に出立する予定だった。彼に付き合い、当初からタランテラ入りしていたスパークやレイド達はもう半年以上村を空けている。独身組はまだしも、家庭を持つガスパルは早く戻りたくて仕方ないらしい。
エルヴィンの乳母の手配も済んだようなので、村から付いて来てくれた乳母役の女性も一緒に戻れる事となった。こうしてエルヴィンも連れて戻れたのも彼女のおかげである。彼女には村に置いて来た子供の為にもとエドワルドだけでなく、ミハイルからも多額の礼金を出していた。
「アレス卿」
声をかけられて振り向くと、先程まで酒豪な強者達に混ざって杯を傾けていたアスターが立っている。几帳面なイメージのある彼も礼装の襟元を緩めている所を見ると、相当飲んだに違いない。そういえば彼も新婚だった。もしかしたら祝い酒と称して酔っぱらった賓客達に飲まされたのかもしれない。
「何ですか?」
「少し、お付き合いいただけないでしょうか?」
「……かまいませんが」
まだ何かあっただろうかと少し疑問に思いながらもアレスはうなずく。アスターに身振りでついて来る様に促され、露台から広間に戻ると、まだ酒盛りが続いているその場を通り抜けていく。そしてそのまま城の居住区へ足を踏み入れ、着いた先は城主の私室だった。
「え?」
二度見して確かめるが、確かに城主の部屋で間違いなく、今日婚礼を挙げたばかりの2人の部屋である。例え一年前に組み紐の儀を済ませていても、既にエルヴィンと言う愛の結晶を得ていても、正式に婚礼を挙げたのは今日なので、今宵は紛れも無く新婚初夜となる。今宵は2人きりでゆっくり過ごしてもらう為に子供達はアリシアや正式にエルヴィンの乳母となったユリアーナが引き受け、宴も早々に退出してもらったのだ。それなのに、自分が邪魔してしまっていいのだろうか……。
「どうぞお入りください」
内心のアレスの葛藤を知ってか知らずか、アスターは戸を開けるとアレスに中へ入る様に促す。彼は仕方なく中に足を踏み入れた。
「失礼します……」
遠慮がちに声をかけて中に入ると、無情にも扉は背後で閉められた。振り返るとここまで案内してくれたアスターの姿も無い。
「ああ、呼び出して済まないな」
途方に暮れていると、奥からエドワルドが姿を現す。湯を使った後らしく、髪はまだ湿り気を帯び、ゆったりとした部屋着姿だった。それがまた男のアレスでもドキリとするくらい壮絶な色気を醸し出している。
「新妻を放っておいて宜しいのですか?」
ついつい皮肉ってしまうのは許して欲しい。相愛の女性と婚礼を挙げ、嫡子まで授かって幸せの只中にいる相手である。独り身のアレスには直視できない程眩しく感じるのだ。
「ご婦人の身支度は時間がかかるのだよ」
エドワルドはにこやかに応え、アレスにグラスを手渡すとワインを注ぐ。ラベルを見せてもらうと、タランテラ産の5年物。ちょうど飲みごろらしい。
「ブレシッド産に慣れ親しんでいる君には物足りないかもしれないが、これもなかなかのものだよ」
「はぁ……」
気のない返事をしながらも、グラスを揺らして香りを楽しみ、口に含んで味を確かめてみる。きりっとした味わいはアレスの好みである。もしかしたらフレアに聞いてから選んでくれたのかもしれない。
「ところで、御用は何でしょうか?」
貴重な時間を邪魔するわけにはいかない。アレスは早々に用件を済ませようと単刀直入にお伺いを立ててみる。
「明日の早朝にお帰りになると伺った。どうしても話がしたくてね。呼び出して申し訳ない」
エドワルドはにこやかに応えると、空になったアレスのグラスにおかわりを注いでくれる。
「それは構いませんが……」
当人の要望ならば仕方ないが、それでもこの貴重な時間を邪魔していると思うとどうしてもいたたまれない気持ちになる。それを無理やり誤魔化す様にアレスは注がれたワインに口をつける。
「アレス、来てくれたのね」
奥の扉が開いて部屋着姿のフレアがオリガに手を引かれて出てきた。子供達と一緒に預けているらしくルルーの姿は無い。エドワルドがすぐさま彼女の手を恭しく取ると今まで自分が座っていた席に彼女を案内して自分はその隣に座った。
ほんの少しの間だが、互いに見つめ合うとその場の雰囲気が一気に甘ったるくなり、アレスは口直しをしようと杯の中身を一気にあおった。
「ありがとう、オリガ。後はもう大丈夫だから下がっていいわ」
「かしこまりました」
フレアがオリガを労うと、彼女は一同に頭を下げて部屋を出て行く。ラトリ村でアリシアの指導を受けた甲斐があり、その所作は磨きがかけられ、本宮に上がっても遜色がない程洗練されている。
姉弟揃って既にアリシアが後見をしているが、更にサントリナ公とブランドル公の後ろ盾を貰い、今後もフレア付きの侍女として本宮北棟で働く事が正式に決まっていた。
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