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最終話 人でなしの旅
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私達の旅に、エリスとミルルが加わってから一ヶ月ほと経ちました。
今、私達は、とある集落の外れで暮らしています。
これは、定住ではありません。
私達の体力が限界を迎える前の、休憩のような期間です。
結局、子供達にも歩いてもらいながら、ようやくここに辿り着きました。
私達は、集落において、農作業の手伝いをすることになりました。
併せて、害獣の駆除なども行なって、少しばかりのお金を受け取ります。
それは助かることでしたが、もっと助かったのは、ほとんど無料で食事ができることです。
子供達は食べ盛りなので、得られる金銭よりも有り難いと感じました。
エリスが持っていたお金は没収しましたが、あまり大きな金額ではなかったのです。
ミルルは、少しずつ回復しています。
笑顔を見せることも増えており、順調だと言えるでしょう。
そんなミルルのことを、エリスは温かい目で見守っています。
今のエリスは、本当のエリスではありません。
そして、エリスが別人になったことを、ミルルは知りません。
マニを2匹同時に取り憑かせれば、エリスの魂を殺すことができるのではないか……そんな思い付きが、大きな成功をもたらしたのです。
もちろん、本当のエリスの魂を食らったマニは、ダンの時と同じように処分しておきました。
おそらく、エリスを殺したことは誰にも知られないでしょう。
本当のエリスは、ミルルの前では理想の姉を完璧に演じていたようです。
そして、ミルルは、それが本当のエリスなのだと信じています。
ですから、私は、絵に描いたような理想の姉を、新たな人格としてエリスに宿しました。
きっと、ミルルは、理想の姉がニセモノだなんて気付きません。
それは、皆にとって幸せなことであるはずです。
夜になって、私はエリスを連れ出します。
これは、既に日課になっていることでした。
集落から離れた場所で、私は、魔法で小さな明かりを生み出します。
その明かりに照らされたエリスは、不安そうにこちらを見ました。
「さあ、エリス。お尻を出して跪きなさい」
「……はい」
エリスは、私の命令に従いました。
周囲に人がいないか、不安そうに見回してから、自分でスカートを捲り上げ、下着を脱いでお尻を剥き出しにします。
私は、跪いたエリスのお尻を、掌で何度も叩きました。
これは、魔力を補充するための儀式です。
エリスは、自分が犯した罪を償うために、私が与える罰を受け入れていることになっています。
もちろん、私によって新たに生み出されたエリスには、子供達を殺した罪などありません。
しかし、エリスの新たな人格を生み出すために、私は大量の魔力を消費しました。
このままでは、魔力を使い切ってしまうリスクを抱えたままで、旅を再開しなければなりません。
なので、エリスのために使った分だけでも、苦しんで返してもらう必要があります。
たっぷりと叩いた後で、エリスは苦しそうな声を漏らしており、私の息は上がっていました。
「今日は、これで終わりにしてあげるわ」
「……ありがとうございます」
「明日も叩くわ。明後日も叩くわよ? この集落にいる間に、たっぷりと反省しなさい」
「……はい」
このような儀式をしていることをミルルに知られたら、悲しむでしょう。
償いが必要なら、自分も叩くように言ってくるかもしれません。
ですが、私はミルルを叩きたくないので、決して知られないように注意しています。
本当は、あの男と同じように、子供達の全員を苦しめれば、充分な魔力を補充できます。
ですが、そのような手段は使いたくありません。
私は、子供達を幸せにしてあげたいのです。
子供達は、集落に来てから楽しそうです。
ニセモノの人格であっても、普通の子供のように、他愛も無く遊んでいることが増えました。
意外なことに、ダンはミルルのことが気になっているようです。
ミーシャと上手くいかなかったのは残念ですが、私は男の子の人格を作るのに失敗したということなのかもしれません。
お仕置きが終わって、下着を履いてスカートを下ろし、お尻を擦っているエリスに対して、私は追い打ちをかけました。
「ところで、そこに隠れているのは男かしら?」
「……!」
私の言葉に、エリスは激しく反応します。
お尻を丸出しにした姿を男に見られたら、ショックが大きいのは当然のことです。
「冗談よ。でも、貴方のお尻を見たら、変な気を起こす男がいるかもしれないわね」
「……」
「安心しなさい。そういう時のために、貴方の魔法があるのでしょう?」
「……はい」
エリスに与えた魔法は、男を魅了して服従させる魔法です。
魔性の女と呼ぶべきエリスには相応しいものでしょう。
実は、この集落の若い男が、私に対して邪な感情を抱いたことがありました。
その男は、既にエリスの虜になっており、色々と便宜を図ってくれています。
「お前は、エリスを自分の手で裁いているのか?」
翌日の昼間、ルナさんにそう言われて、私は言葉を返せませんでした。
やはり、夜の儀式について、この人には気付かれてしまったようです。
「安心しろ。止めるつもりはない」
「……」
「エリスは、子供達を殺した。それも、おそらく、積極的に……そうだろう?」
「気付いていらっしゃったのですか?」
「ああ。物証が無いから黙っていたが……あいつは、助け出したミルルのことを、汚いモノを見るような目で見ていたからな。その時に、あいつはミルルの姉であるつもりがないことに気付いた。ミルルに人質としての価値が無いのであれば、人質がいなくても手を汚したということだ」
「……」
「そんなエリスが、お前の裁きを、大人しく受けるはずがない。そう思って観察していたが、あいつは逃げる素振りを見せない。きっと、今のエリスは、本当のエリスではないのだろう?」
「……どうなさるおつもりですか?」
「何もしない」
「……」
「勘違いするな。お前のやり方を認めるわけではない。だが……ミルルが幸せなら、それが一番だろう」
「ありがとうございます」
「それに、お前には、エリスを叩かなければならない事情があることも察している」
「!?」
動揺を隠せませんでした。
そんな私の方を見ることなく、ルナさんは言葉を続けました。
「安心しろ。お前の弱点を突くことなど考えていない」
「……」
「お前は、悪を独断で裁く。だが、悪でない者を苦しめて、楽しむような輩ではないはずだ。今のエリスが本当のエリスでなければ、お前が今のエリスを裁く正当性はない。そのことが分からないほど馬鹿ではないだろう?」
「……」
「それで分かった。たとえ道理を曲げてでも、お前には、今のエリスを裁く必要があるのだと」
「……詳しいことは話せません」
「構わない。私も、お前を非難できるような立場ではないからな。マリーと一緒に暮らすことができて、私は幸せだ。たとえ、今のマリーがニセモノであってもな……」
「誰だって、私達のような立場になれば、目の前にいる妹を愛するはずです」
「そうかもしれないな。そして……そんな言葉に納得する私達は、とっくに人でなしになっている」
「そのようなことは、考える必要がありません。ミーシャがいて、マリーがいて、ナナやセーラ達もいて……。ミルルには、本当のエリスよりも素晴らしいエリスがいます。そんなに幸せなことはないでしょう?」
「……魔女の企みは成功したのかもしれないな」
「何ですって?」
「魔女は、人間の恐怖を欲しているのだろう? お前に裁かれるエリスは、お前のことを恐れているはずだ。事情を知らないはずのミルルも、お前に裏の顔があることを察しているように見える。おもちゃであるレベッカはともかく、弟であるダンもお前のことを恐れている。マリーだって、最近ではお前のことを避けるようになった。レミやドロシーも、時々不安そうな顔をすることに気付いているか? そして……正直に言えば、私もお前のことが怖い」
「……」
ルナさんとの会話は、それで終わりました。
収穫の季節が終わって、新たに小さな馬車も手に入り、旅を再開させる準備が整いました。
ルナさんは、ドロシーに教わって、一応は御者としての技能を身に付けたようです。
これからも、私達はマニを駆除しながら、旅を続けていくでしょう。
いいえ……世界の子供を助けるために、旅を続けなければなりません。
そのためであれば、手段を選ぶつもりはありません。
やはり、私は人でなしになっているのでしょう。
それでも構わないと思います。
人にはできないことであれば、人でなしが成し遂げるしかありません。
そのための能力を私が手に入れたことは、魔女の企みなどではなく、きっと神のご意志なのです。
邪魔をする者は、たとえ誰であっても許さない。
その覚悟を決めて、私は旅を再開させました。
今、私達は、とある集落の外れで暮らしています。
これは、定住ではありません。
私達の体力が限界を迎える前の、休憩のような期間です。
結局、子供達にも歩いてもらいながら、ようやくここに辿り着きました。
私達は、集落において、農作業の手伝いをすることになりました。
併せて、害獣の駆除なども行なって、少しばかりのお金を受け取ります。
それは助かることでしたが、もっと助かったのは、ほとんど無料で食事ができることです。
子供達は食べ盛りなので、得られる金銭よりも有り難いと感じました。
エリスが持っていたお金は没収しましたが、あまり大きな金額ではなかったのです。
ミルルは、少しずつ回復しています。
笑顔を見せることも増えており、順調だと言えるでしょう。
そんなミルルのことを、エリスは温かい目で見守っています。
今のエリスは、本当のエリスではありません。
そして、エリスが別人になったことを、ミルルは知りません。
マニを2匹同時に取り憑かせれば、エリスの魂を殺すことができるのではないか……そんな思い付きが、大きな成功をもたらしたのです。
もちろん、本当のエリスの魂を食らったマニは、ダンの時と同じように処分しておきました。
おそらく、エリスを殺したことは誰にも知られないでしょう。
本当のエリスは、ミルルの前では理想の姉を完璧に演じていたようです。
そして、ミルルは、それが本当のエリスなのだと信じています。
ですから、私は、絵に描いたような理想の姉を、新たな人格としてエリスに宿しました。
きっと、ミルルは、理想の姉がニセモノだなんて気付きません。
それは、皆にとって幸せなことであるはずです。
夜になって、私はエリスを連れ出します。
これは、既に日課になっていることでした。
集落から離れた場所で、私は、魔法で小さな明かりを生み出します。
その明かりに照らされたエリスは、不安そうにこちらを見ました。
「さあ、エリス。お尻を出して跪きなさい」
「……はい」
エリスは、私の命令に従いました。
周囲に人がいないか、不安そうに見回してから、自分でスカートを捲り上げ、下着を脱いでお尻を剥き出しにします。
私は、跪いたエリスのお尻を、掌で何度も叩きました。
これは、魔力を補充するための儀式です。
エリスは、自分が犯した罪を償うために、私が与える罰を受け入れていることになっています。
もちろん、私によって新たに生み出されたエリスには、子供達を殺した罪などありません。
しかし、エリスの新たな人格を生み出すために、私は大量の魔力を消費しました。
このままでは、魔力を使い切ってしまうリスクを抱えたままで、旅を再開しなければなりません。
なので、エリスのために使った分だけでも、苦しんで返してもらう必要があります。
たっぷりと叩いた後で、エリスは苦しそうな声を漏らしており、私の息は上がっていました。
「今日は、これで終わりにしてあげるわ」
「……ありがとうございます」
「明日も叩くわ。明後日も叩くわよ? この集落にいる間に、たっぷりと反省しなさい」
「……はい」
このような儀式をしていることをミルルに知られたら、悲しむでしょう。
償いが必要なら、自分も叩くように言ってくるかもしれません。
ですが、私はミルルを叩きたくないので、決して知られないように注意しています。
本当は、あの男と同じように、子供達の全員を苦しめれば、充分な魔力を補充できます。
ですが、そのような手段は使いたくありません。
私は、子供達を幸せにしてあげたいのです。
子供達は、集落に来てから楽しそうです。
ニセモノの人格であっても、普通の子供のように、他愛も無く遊んでいることが増えました。
意外なことに、ダンはミルルのことが気になっているようです。
ミーシャと上手くいかなかったのは残念ですが、私は男の子の人格を作るのに失敗したということなのかもしれません。
お仕置きが終わって、下着を履いてスカートを下ろし、お尻を擦っているエリスに対して、私は追い打ちをかけました。
「ところで、そこに隠れているのは男かしら?」
「……!」
私の言葉に、エリスは激しく反応します。
お尻を丸出しにした姿を男に見られたら、ショックが大きいのは当然のことです。
「冗談よ。でも、貴方のお尻を見たら、変な気を起こす男がいるかもしれないわね」
「……」
「安心しなさい。そういう時のために、貴方の魔法があるのでしょう?」
「……はい」
エリスに与えた魔法は、男を魅了して服従させる魔法です。
魔性の女と呼ぶべきエリスには相応しいものでしょう。
実は、この集落の若い男が、私に対して邪な感情を抱いたことがありました。
その男は、既にエリスの虜になっており、色々と便宜を図ってくれています。
「お前は、エリスを自分の手で裁いているのか?」
翌日の昼間、ルナさんにそう言われて、私は言葉を返せませんでした。
やはり、夜の儀式について、この人には気付かれてしまったようです。
「安心しろ。止めるつもりはない」
「……」
「エリスは、子供達を殺した。それも、おそらく、積極的に……そうだろう?」
「気付いていらっしゃったのですか?」
「ああ。物証が無いから黙っていたが……あいつは、助け出したミルルのことを、汚いモノを見るような目で見ていたからな。その時に、あいつはミルルの姉であるつもりがないことに気付いた。ミルルに人質としての価値が無いのであれば、人質がいなくても手を汚したということだ」
「……」
「そんなエリスが、お前の裁きを、大人しく受けるはずがない。そう思って観察していたが、あいつは逃げる素振りを見せない。きっと、今のエリスは、本当のエリスではないのだろう?」
「……どうなさるおつもりですか?」
「何もしない」
「……」
「勘違いするな。お前のやり方を認めるわけではない。だが……ミルルが幸せなら、それが一番だろう」
「ありがとうございます」
「それに、お前には、エリスを叩かなければならない事情があることも察している」
「!?」
動揺を隠せませんでした。
そんな私の方を見ることなく、ルナさんは言葉を続けました。
「安心しろ。お前の弱点を突くことなど考えていない」
「……」
「お前は、悪を独断で裁く。だが、悪でない者を苦しめて、楽しむような輩ではないはずだ。今のエリスが本当のエリスでなければ、お前が今のエリスを裁く正当性はない。そのことが分からないほど馬鹿ではないだろう?」
「……」
「それで分かった。たとえ道理を曲げてでも、お前には、今のエリスを裁く必要があるのだと」
「……詳しいことは話せません」
「構わない。私も、お前を非難できるような立場ではないからな。マリーと一緒に暮らすことができて、私は幸せだ。たとえ、今のマリーがニセモノであってもな……」
「誰だって、私達のような立場になれば、目の前にいる妹を愛するはずです」
「そうかもしれないな。そして……そんな言葉に納得する私達は、とっくに人でなしになっている」
「そのようなことは、考える必要がありません。ミーシャがいて、マリーがいて、ナナやセーラ達もいて……。ミルルには、本当のエリスよりも素晴らしいエリスがいます。そんなに幸せなことはないでしょう?」
「……魔女の企みは成功したのかもしれないな」
「何ですって?」
「魔女は、人間の恐怖を欲しているのだろう? お前に裁かれるエリスは、お前のことを恐れているはずだ。事情を知らないはずのミルルも、お前に裏の顔があることを察しているように見える。おもちゃであるレベッカはともかく、弟であるダンもお前のことを恐れている。マリーだって、最近ではお前のことを避けるようになった。レミやドロシーも、時々不安そうな顔をすることに気付いているか? そして……正直に言えば、私もお前のことが怖い」
「……」
ルナさんとの会話は、それで終わりました。
収穫の季節が終わって、新たに小さな馬車も手に入り、旅を再開させる準備が整いました。
ルナさんは、ドロシーに教わって、一応は御者としての技能を身に付けたようです。
これからも、私達はマニを駆除しながら、旅を続けていくでしょう。
いいえ……世界の子供を助けるために、旅を続けなければなりません。
そのためであれば、手段を選ぶつもりはありません。
やはり、私は人でなしになっているのでしょう。
それでも構わないと思います。
人にはできないことであれば、人でなしが成し遂げるしかありません。
そのための能力を私が手に入れたことは、魔女の企みなどではなく、きっと神のご意志なのです。
邪魔をする者は、たとえ誰であっても許さない。
その覚悟を決めて、私は旅を再開させました。
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