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第1章。地球の奪還と妖精達。

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❤クリスタルに誘われて。第2部❤
2155年9月28日。~2155年10月28日。

第1章。地球の奪還と妖精達。
(登場人物)
💚物部十四郎。
 西之島共和国と日本共和国の執政官。2148年5月23日。物部十四郎テラ連邦共和国執政官就任。半不死。

❣️クリスアーナ・サルト・ザトン。
 ユリアの母親。上皇神聖女王。サルト人。
❣️メリアナリク・フェアリ・クリス。
 フェアリ共和国神聖女王。フェアリ種族。身長10センチメートル。クリスアーナ上皇神聖女王と共生。

❣️ユリア・サルト・ザトン。
 サルト銀河団連合帝国神聖女王。生物学的年齢17歳。クリスアーナの娘。サルト人。長女。ブルー・クリスタル。
 ❣️メリアナリル・フェアリ・クリス。
 フェアリ共和国神聖女王。フェアリ種族。身長10センチメートル。ユリア神聖女王と共生。

❣️ディナ・サルト・ザトン。
 サルト銀河団連合帝国副神聖女王。次女。生物学的年齢15歳。レッド・クリスタル。サルト人。
❣️メリアナリナ・フェアリ・クリス。
 フェアリ共和国副神聖女王。フェアリ種族。身長10センチメートル。ディナ副神聖女王と共生。

❣️マリア・サルト・ザトン。
 サルト銀河団連合帝国統轄女王。3女。生物学的年齢13歳。ピンク・クリスタル。サルト人。
 ❣️メリアナリヌ・フェアリ・クリス。
 フェアリ共和国副神聖女王。フェアリ種族。身長10センチメートル。マリア副神聖女王と共生。


2155年9月28日。
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2155年10月28日。

第2部。第1章。地球の奪還と妖精達。

本文。

 ナダロラグン銀河ナログ星系第3惑星ラグンに極秘に進入したユリア神聖女王第7親衛隊第3部隊ミレラレナラ・フェアラ・クリス統轄大元帥は、直径2ミリメートルのミクロ・アイを帝都ラグンの皇帝宮殿と、帝国軍統合本部に進入させ最重要人物に取り付かせる。此の時点で既にサルト銀河団連合帝国の勝利は決定していた。
 2155年9月28日。クリスライザ・ミュが第3惑星ラグンの直ぐ側に実体化し、ナダロラグン銀河帝国ナバラロ・ラグン・バロズ皇帝に向けて降伏する様メッセージを送信する。
「私はサルト銀河団連合帝国神聖女王のユリア・サルト・ザトンです。ナダロラグン銀河帝国ナバラロ・ラグン・バロズ皇帝に告ぐ。直ちに降伏しなさい。直ちに決断せよ。10秒の余裕を与える。10秒後には皇帝等側近を逮捕拘束致す」と、呼びかけるユリア。
 ナバラロ皇帝に取っては、戦ってもいないのに降伏するのは納得出来ない事だ。帝国軍統合本部を呼び出し、惑星側にいる宇宙船を破壊する様に命令する。
 多数の地上砲火がクリスライザ・ミュに次々と命中する。其のエネルギーを全て吸収蓄積している。
 ユリアは「クロリス母船長、惑星軌道リングを配備して一気に制圧せよ」と、命令するユリア神聖女王。
「承知しました」と、答えてから思考伝達でメリアリアナ副母船長に命令する。
 命令を受けたメリアリアナ副母船長は能力を発動して、瞬時に惑星軌道リングをナダロラグン銀河ナログ星系第3惑星ラグンに瞬間移動させて赤道上に固定する。
 軌道リングから戦闘ロボットが雨の様に地上に向かって降下して行く。同時に、地上砲座、軍事基地を次々と砲撃する。
 ナダロラグン銀河帝国ナバラロ・ラグン・バロズ皇帝の直ぐ側に浮揚していた
 ユリア神聖女王第7親衛隊第3部隊ミレラレナラ・フェアラ・クリス統轄大元帥が実体を現し「ナバラロ皇帝、貴方を拘束する」と、告知し皇帝を身動き出来なくする。
 数秒後。ユリア神聖女王が皇帝の目の前に実体化する。
「私はサルト銀河団連合帝国神聖女王ユリア・サルト・ザトンです。ナバラロ皇帝、貴方の側近幹部並びに帝国軍の幹部等は既に拘束して有る。よって、ナダロラグン銀河帝国は制圧された」隣りにいるラテレシア・ラグン・バロズ統轄女王を見て瞬時に思考を読み取る。
「ラテレシア・ラグン・バロズ統轄女王、貴女は温厚で誠実な様です。貴女にはナダロラグン銀河帝国を任せても安心の様です」と、話し掛けるユリア。
「私がですか」と、問い掛けるラテレシア統轄女王。
「ナダロラグン銀河帝国を解体して、ナダロラグン銀河連邦共和国を建国する。其の初代統轄女王に就任して頂きたい」と、要請する。
 ユリアのヒュプノ能力が自然に発動させ、ラテレシア統轄女王は否定出来ずに受け入れる。
「承知しました。ユリア神聖女王陛下」と、答える。
 小一時間後。皇帝等一味は流刑惑星に送られ、ラテレシア統轄女王の親族並びに側近幹部等をクリスライザ・ミュに招待する。

 2155年10月2日。ラテレシア統轄女王は、親族並びに側近幹部等と共に、クリスライザ・ミュに到着する。第1格納庫には、ユリア神聖女王第1親衛隊クリスサルト部隊員が出迎える為に待ち構えてる。
 到着した統轄女王専用艦からラテレシア統轄女王一行が次々と降りて来る。
「ラテレシア統轄女王陛下、お待ちして降りました。私はサルト銀河団連合帝国統轄女王のラメル・サルト・ザトンです。第1親衛隊の最高位司令長官をも兼任しております」と、自己紹介する。
「ラテレシア・ラグン・バロズです。ラメル統轄女王陛下、わざわざのお出迎えに感謝します」と、挨拶する。
「では、此方へどうぞ」と、話し掛けるラメル・サルト・ザトン統轄女王。
 クリスサルト親衛隊員を先頭に、クリスライザ・ミュの統合司令センターの転送機から出て来る。
「ラテレシア統轄女王、お待ちして降りました。どうぞ、此方の椅子に腰を降ろして下さい」と、着席を勧めるユリア神聖女王。
 サルト銀河団連合帝国ラメル・サルト・ザトン統轄女王は、ラテレシア統轄女王に同行して来た一行等に着席する様に促している。
 数分後。ユリア神聖女王がラテレシア統轄女王に話し掛ける。
「ラテレシア統轄女王、此処から旧ナダロラグン銀河帝国に向けてメッセージを送って下さい。先ず私がメッセージを送り、次に貴女がメッセージを送って下さい」と、要請するユリア神聖女王。
「承知しました」と、了承するラテレシア統轄女王。
 数秒後。ユリアが話し始める。「私は、サルト銀河団連合帝国神聖女王のユリア・サルト・ザトンです。
 ナダロラグン銀河帝国皇帝は独裁者で有り、民より自分を優先する自分本位な人物です。依って、サルト宇宙法典に従い、帝国制を打壊する為に、ナダロラグン銀河帝国ナバラロ・ラグン・バロズ皇帝並びに側近幹部等を逮捕拘束しました。私は、帝国制を廃止し、新たにナダロラグン銀河連邦共和国を建国した。其のナダロラグン銀河連邦共和国は私が任命したラテレシア・ラグン・バロズ統轄女王に全面的に託す。従って、正式名称はサルト銀河団連合帝国ナダロラグン銀河連邦共和国となります。では、新たな統轄女王を紹介します」と、メッセージを送る。
「ユリア神聖女王陛下依り任命を受けた統轄女王のラテレシア・ラグン・バロズです。此れからは民主共和制に切り替え、全ての民はユリア神聖女王陛下の元に公平且つ自由を保障します。尚、詳細は後日徐々に発表し~て行きます。自由万歳、ユリア神聖女王万歳」で、締め括る。
「ラテレシア、素晴らしい演説に感動しました。で、私はラテレシア等一行全員に不老不死にする細胞更新装置テロメロンを譲渡します。本音は不老不死の仲間を増やす事と、共に近隣の銀河団の平和共存を担って欲しいからです」と、話し掛けるユリア。
 ラテレシアは微笑んで「ユリア様は、想像していた人物とは全く異なり、温厚で思い遣りが有り優しいのですね。貴女になら躊躇わす永遠に付いて行きます」と、話し掛ける。
「有り難う。感謝します。では、先ず不老不死の処置をします」と、話し掛けるユリア。



 2155年10月16日。第11女性特殊親衛隊ピンクフォースの、直径800キロメートル母船ラムダ・ピンクと、第12親衛隊ブルーフォースの直径800キロメートル母船ラムダ・ブルーの2台がほぼ同時に太陽系外縁に現実復帰する。
 ピンクフォースのミリル・バートン統轄大元帥が、西之島共和国と日本共和国の執政官物部十四郎に通信を送信する。数分過ぎても全く返信が届かない。代わりにロボット戦艦の1台から返信が届く。
「惑星テラは、未知種族の侵略を受けて壊滅状態です。生き残っている民を保護する為に、現在も通信規制しています。ピンクフォースのミリル・バートン統轄大元帥閣下、早急にテラを解放して下さい」と、要請する。
「承知した。テラを壊滅させた異星人め、徹底的に壊滅させてやる」と、興奮して話し掛ける。
 生体脳ピンクと生体脳ブルーの反応は早かった。独自に瞬間移動して惑星テラの側に実体化し、同時に直径800メートルの戦艦ミグを次々と射出する。射出された戦艦ミグは大気圏内に進入して行く。
 テラとルナの間に滞空している未知種族の母船から、次々と戦艦が射出される。
 大気圏内に進入した戦艦ミグは、地上の未知種族の軍事基地を次々と破壊して行く。地上から砲撃を受けるが、バリアは其のエネルギーを全て吸収してバリアを更に強化される。
 テラを支配している未知種族が、テラナーの球型艦に攻撃されていると知った海底都市カタムリアナの生体脳カムリナは、通信規制を解除して物部十四郎テラ連邦共和国執政官とコンタクトし状況を伝える。
 物部テラ連邦共和国執政官は、近くの通信機からミリル・バートンとコンタクトする。
「物部十四郎様、御無事でしたか。テラを壊滅させたのは何者なのですか」と、問い掛けるミリル。
「全く解らない。いきなり急襲され防衛する時間も無く、数時間後には地上の都市は壊滅し、人類の半数が亡くなった。所でユリアも戻ったのかな」と、問い掛ける物部執政官。
「ユリア様何時戻れるか解りません。で、私達が先行して戻りました」と、答えるミリル。
「君達が戻ってくれて希望が目覚めた。有り難う」と、話し掛ける物部執政官。
「物部様、直径100メートルの搭載艦メルを差し向けましょうか」と、問い掛けるミリル。
「宜しく頼む」と、話し掛ける物部。
「承知しました。テラの現況をユリア様に報告してテラ再建を依頼します」と、話し掛けるミリル。
「お願いする」と、話し掛ける物部。
 ミリルは一旦コンタクト回線を切り替え、クリスライザ・ミュとコンタクトする。
 テラの壊滅した画像を送り、ミリルが話し出す。
「ユリア様、御覧の通りテラは壊滅状態で、人口の半数を失いました。物部様は生存しておりテラ全体の指揮しています。
 現在、我が艦隊とブルーフォースの艦隊が地上の未知種族の軍事基地を破壊しています。
 未知種族撃退後、物部様はテラの再建を強く要請しています」と、話し掛ける。
「承知した。テラ再建チームを直ぐに派遣する。ミリルは未知種族の本拠地星系を探り出し破壊せよ」と、性格に似合わない命令を出す。
「承知致しましたユリア様」と、答えてコンタクトを切る。
 テラの映像を見たユリア神聖は怒りが込み上がって来るが、テラ再建チーム兼防衛を兼ねて、冷静に第2親衛隊クリスタル艦隊第10軍のミュラ・サルト・クリスタル大元帥と、第7親衛隊第4部隊ミレラレルラ・フェアラ・クリス統轄大元帥とコンタクトして詳細を説明してからテラに行き、テラの再建と防衛する様に命令を出す。

 ピンクフォースのミリル・バートン統轄大元帥は、未知種族の母船を大破し母船の搭載脳から全てのデータをコーピーした母船ラムダ・ピンクの生体脳ピンクが未知種族の本拠地星系を突き止める。
「ミリル様、未知種族の本拠地星系が判明しました。直ちに急行します」と、話し掛ける。
「承知した」と、答えるミリル。
 数分後。母船ラムダ・ピンクは未知種族の本拠地星系第3惑星側に実体化する。
「ピンク、先ず地上の軍事基地から破壊せよ」と、命令するミリル。続けて「私はユリア神聖女王の第11親衛隊ピンクフォース統轄大元帥のミリル・バートンです。ガバダン帝国バベロダ・ガダロ・ダグン皇帝へ告げる。バベロダは無警告でテラを攻撃してテラの民の半数以上を殺害し、其の上テラを壊滅させた。
 此の事を知ったユリア神聖女王は、通常は温厚で優しい性格で有るが、残虐非道な種族に対し激昂している。ユリア様は私に、其の様な残虐非道な種族は直ちに絶滅させよと命じた。従って私は躊躇わずガダロ種族を住民と共に絶滅させる。以上だ」と、メッセージを送る。
「ピンク、地上の都市の全てを破壊せよ」と、命令するミリル。
「承知しました。直径800メートルの戦艦ミグを射出して徹底的に破壊します」と、答える生体脳ピンク。
 射出された戦艦ミグ100台が惑星全体に広がりながら、地上の都市と言う都市を次々と破壊して行く。
 戦艦ミグは激しい地上砲火等全く気にせず破壊している。母船ラムダ・ピンクは押し寄せて来るガバダン帝国艦隊を10台単位で消滅させている。
 バベロダ・ガダロ・ダグン皇帝は、秘密の転送機で自分だけ逃げ出そうとするが、宮殿が破壊され即死する。
 早期に脱出していたカラメリア・ガダロ・ダグン女王と3人の娘達が皇帝の死亡を知ったのは、第6惑星の第3衛星(女王専用宇宙船カリア)の司令センターだった。報告して来たのは皇帝の側近の1人で有る。
「バベロダは脱出出来なかったのね。自業自得だわ。かなりやり過ぎたから、天罰よ」と、答えるカラメリア女王。
「私も同意見です女王陛下」と、答える皇帝の側近の1人。
「貴方達も安全な海底都市に脱出なさい」と、命令するカラメリア女王。
「承知しました女王陛下」と、答えてコンタクトを切る。
 カラメリア女王は系外に脱出出来たが、敢えて脱出はしなかった。夫で有る皇帝の犯した罪を謝罪しなければならない。と、言う結論に達した。
「私は、ガバダン帝国女王のカラメリア・ガダロ・ダグンです。亡き夫の皇帝の残虐非道な行為は、幾ら謝罪しても許される事では有りませんが。敢えてガバダン帝国を代表して謝罪申し上げます」と、深々と一礼してから「もし、私の謝罪が受け入れられれば無条件降伏します。此のメッセージが届きましたなら、ユリア神聖女王陛下にお伝え下さい」と、話してから通信を切る。
 メッセージを受信したミリルは、タキオン通信機でユリア神聖女王とコンタクトを付ける。録音したメッセージを再生する。
 再生終了後「ユリア様、如何致しますか」と、問い掛ける。
「ミリル、カラメリア女王とコンタクト付けて欲しい」と、話し掛けるユリア。
「承知しました。暫しお待ち下さい」と、答えるミリル。
 数分後。コンタクトが成立する。スクリーンにカラメリア女王の上半身が映し出される。
「私はサルト銀河団連合帝国神聖女王のユリア・サルト・ザトンです」と、自己紹介して「貴女は誠実ですね。夫で有る皇帝が、独断で残虐非道な行為を実行した事に心から詫びている感情が溢れています。其の上、自国が壊滅された事にも憎しみが全く感じられません。其の様な人格者で有るカラメリア女王に国家を託したい。当然ながら、国家の再建は当方で成し遂げます。新たな国家は、サルト銀河団連合帝国ガダロ共和国と命名し、カラメリア・ガダロ・ダグンをガダロ共和国の女王に任命する。其れで宜しいか」と、話し掛ける。
「ユリア神聖女王陛下の御命令のままに」と、答えるカラメリア女王。
「では、現在テラ在住しているテラ再建チームに再建を依頼しておく。会うのを楽しみしている。では、此れにて失礼する」と、話してからコンタクトを切る。

 2155年10月18日。テラ再建チームがテラに到着した時には未知種族は殲滅され、第12親衛隊ブルーフォースの隊員と作業ロボットが瓦礫の撤去と被災した人々の救済活動をしていた。
 ユリア神聖女王は、ミレラレルラ・フェアラ・クリスの目を通して、荒廃したテラの地上風景を見ていた。アジア大陸の中央部の砂漠地帯を見て、ユリアは思考波でミレラレルラに伝達する。
「承知しました。ではユリア様のイメージ通りに復元します」と、返答するミレラレルラ。
 ミレラレルラは地上の砂漠地帯を見つめて、能力を発動する。数秒後に、ユリアが描いていた超近代的な成都が復元される。
 更に惑星軌道リングが設置され、西之島共和国に軌道エレベーターが復元される。
 物部執政官は、アジアの砂漠地帯に復元された執政府に移り、惑星軌道リング上にクリスタル艦隊第10軍の軍事基地の復元が開始される。
 テラは着実に復旧され、超近代的な都市が次々と復元されている。だが、無数の死体の片付けと、瓦礫の撤去に時間が掛かっている。
 テラ再建チームの1部が、ガバダン星系第3惑星ガダロに、到着する。



 2155年10月20日現在。ユリア神聖女王は傘下の7銀河の統轄女王をクリスライザ・ミュに招集する。
 第1会議室に集合した7人の統轄女王に向かって、ユリア神聖女王は「此に集合した、7つの銀河連邦共和国統轄女王で、7銀河同盟連合軍を結成したい。其の主旨は、アクテアランス銀河団の全て銀河を制圧して、将来は32銀河同盟連合共同体を結成して互いに平和共存をする事である。其の7銀河同盟連合の盟主と副盟主を選びたい。宜しいか」と、問い掛けるユリア神聖女王。
 全員が異議が無い事を確認して「では、私が推薦しますので賛否して下さい。7銀河同盟連合軍の盟主はアロイナル・ロデス・ドロダル統轄女王。副盟主はミラムテリア・デロル・イグラン統轄女王の2人です」と、話し掛けるユリア。
 ユリアは賛否を投票に掛けるが、ユリアの推薦通りに決定した。
「体制が決定したので、アクテアランス銀河団の残りの25銀河を全て制圧します。当然ながら、全て同時にと言う理由では有りません。私の作戦としては、7銀河同盟連合軍としてメッセージを送り、敵か味方か或いは中立かを確認したい。で、其の様な内容のメッセージ考えて頂きたい」と、話し掛けるユリア。
 小一時間後。メッセージの内容が決まった。7銀河同盟連合軍盟主アロイナル・ロデス・ドロダル統轄女王が話し始める。
「私はアクテアランス銀河団7銀河同盟連合軍の盟主アロイナル・ロデス・ドロダルです。我々はアクテアランス銀河団の平和共存を願っています。故に、25銀河の各支配者に申し上げます。我々と共に平和共存したいと言う志しが少しでも有れば御返答して下さい」と、話してから送信する。
 ユリア神聖女王は、第7親衛隊第1軍統轄大元帥ミレナラロル・フェアラ・クリス統轄摂政を呼び出した。数秒後。ミレナラロル統轄摂政が目の前に実体化する。
「ユリア様、任務ですね」と、話し掛けるミレナラロル統轄摂政。
「私が最強親衛隊で有る第7親衛隊第1部隊のミレナラロル統轄摂政を呼び出したのは、アクテアランス銀河団の残り25銀河を一気に制圧する為です」と、話し掛けるユリア。
「私達の1部隊の隊員数は1000万人です。1戦隊は10万人で、100戦隊構成になっています。従って、25銀河位なら1戦隊で充分です」と、豪語するミレナラロル統轄摂政。
「アラッ、そうだったの。全く知らなかったわ」と、話し掛けるユリア。
「ユリア様、知らなくて当然です。部隊の編成は私達が独自に決めたのですから」と、答えるミレナラロル統轄摂政。
「そう言う事なのね」と、話し掛けるユリア。
「では、残り25銀河制圧に力を貸して欲しい。先ず最初に、ミロアダナル銀河とナバグロリア銀河を制圧したい」と、要請するユリア。
「承知しましたユリア様」と、答えてからいきなり消失する。

 2155年10月23日。テラ再建チームの第7親衛隊第4部隊第1戦隊の第1戦隊は地下都市アマトと生体脳アメリの改造、第2戦隊は海底都市カタムリアナと生体脳カムリナの改造、第3戦隊は火星オリンポス山のオリンポス基地と生体脳オリビアの改造、第4戦隊は火星マリネリス基地と生体脳マリスの改造を担当する。第5戦隊は火星改造プロジェクトを実行している。第6戦隊は月の改造を手掛けている。第7戦隊から第100戦隊は地球の正反対の位置に、クリスアーナ・ドームを固定する準備作業を開始している。 
 クリスタル艦隊第10軍は、テラの再建、復興と瓦石の撤去等の作業を進めている。
 第5戦隊の火星改造プロジェクトは、火星の中心部に重力発生装置を設置して地球と同じに重力にする。更に地球と同じ様に傾けて自転させる。
 火星の南極と北極に磁場発生装置を設置して地球と同じ様に磁場を造る。次に火星に地球と同じ大気を造る。最後に、海と湖と川と森林を造る。現在の地球の科学技術では不可能だが、サルト人の科学技術力と第7親衛隊に取っては簡単な事で有る。
 だが、サルト人科学技術力でも第7親衛隊にも出来ない事が1つだけ有る。其れはテラの人口を増やす事で有る。

 2155年10月24日。ユリアはクリスライザ・ミュで待機して、25銀河から集まって来る情報を生体脳クリスミュが整理した情報を見ている。特にミロアダナル銀河とナバグロリア銀河に注目している。
 クリスアーナ・サルト・ザトン上皇神聖女王は、クリスアーナ・ドーム統轄生体脳クリスティーヌと協議をして、クリスタル艦の増産の為に製造工匠を100倍に増やす事に同意させた。
 2155年10月25日。クリスアーナ・ドーム外縁リングの内部に巨大なクリスタル戦艦製造工場の建設を開始する。同時に、格納庫と倉庫の建設も開始する。更に、生産能力の向上の為に各種製造工場の建設も開始する。
 人口が増えたので各種農園の増設も始める。統轄生体脳クリスティーヌは、更なる人口増加を想定して次々と必要な物を増設、増産を実行する。

 待っていたミロアダナル銀河とナバグロリア銀河の詳細な報告が届く。
「第1戦隊長と、第2戦隊長から報告が届きました。ミロアダナル銀河、ナバグロリア銀河共に制圧が完了したとの事です」と、報告する第1部隊ミレパラレル・フェアラ・クリス統轄大元帥。
「想定以上に早かったわね」と、話し掛けるユリア。
「私もですユリア様」と、答える第1部隊ミレパラレル・フェアラ・クリス統轄大元帥。続けて「制圧した2銀河帝国は女権国家だとの事です。制圧と言う依り、話し合いで同意し、共にクリスライザ・ミュに訪問するそうです」と、話す。
「私の予感通りね」と、話し掛けるユリア。
 3時間後。ミロアダナル銀河帝国と、ナバグロリア銀河帝国の要人等がクリスライザ・ミュに到着する。第1親衛隊クリスサルト部隊員のエスコートを受け、統合司令センターの転送機ゲートから次々と出て来る。出迎えているのは、サルト銀河団連合帝国マライア・サルト・ザトン統轄女王と、隊員達で有る。
 マライア統轄女王を先頭に、2大帝国の要人等を先導して第1会議室に入る。隊員等が着席を勧める。全員が着席すると、ユリア等幹部が入室して着席する。
「私はサルト銀河団連合帝国神聖女王ユリア・サルト・ザトンです。対話に応じて頂いて頂き感謝致します」と、話し掛けてから立ち上がり、深々と儀礼する。
 着席して「私はアクテアランス銀河団の全ての銀河を、平和裏に統一したいと考えています。現在、アクテアランス銀河団32銀河の7銀河が、サルト銀河団連合帝国の傘下になりました。で、貴女方が傘下して頂ければ9銀河になります」と、話し掛ける。
「ユリア神聖女王陛下、傘下すると政治体制はどの様に変化するのでしょうか」と、問い掛けるミロアダナル銀河帝国のラパメラシア・ダナル・レーソン統轄女王。
「私は7銀河連合軍盟主で、バロデロス銀河連邦共和国統轄女王のアロイナル・ロデス・ドロダルです。簡単に説明すると、バロデロス銀河帝国から、サルト銀河団連合帝国バロデロス銀河連邦共和国と名称が代わり、帝国制が連邦共和国制に変化するだけです。内容は、混乱が起きない様に緩やかに変化させ、全ての民はユリア神聖女王陛下の元に自由で有り、個人の人権を尊重する民主共和制です」と、ユリア神聖女王に代わり説明するアロイナル統轄女王。
「サルト銀河団連合帝国の傘下になれば、私は全力で皆様方の安全と平和を守ります。更に、皆様方へのプレゼントと1つとして、不老不死にする細胞更新装置テロメロンを譲渡します。2つ目に、此のクリスライザ・ミュと同型の母船。3つ目に、惑星軌道リングと、フィクティブ・タキオン転送機と、タキオン通信機等も譲渡します」と、話し掛けるユリア神聖女王。
「惑星軌道リングとはどの様なものなのでしょうか」と、問い掛けるナバグロリア銀河帝国統轄女王のレミナラレナ・ロリア・バロバン。
 サルト銀河団連合帝国科学技術評議会議長ソフィア・サルト・ザトン教授
が「私は科学技術評議会議長のソフィア・サルト・ザトンです。惑星軌道リングはユリア様の発案で、科学技術評議会が全力を傾けて開発した惑星の取り囲むリングです。此の惑星軌道リングは、惑星の防衛と攻撃力を備えています」と、説明するソフィア教授。
 説明を聞いていた両帝国の要人等は、納得したかの様に聞いている。
「ユリア神聖女王陛下、私は貴女を信じて傘下になります」と、話し掛けるミロアダナル銀河帝国ラパメラシア・ダナル・レーソン統轄女王。
「では、私も傘下に入らせて頂きます」と、話し掛けるナバグロリア銀河帝国レミナラレナ・ロリア・バロバン統轄女王。
「貴女方の英断に感謝します」と、話し掛けるユリア神聖女王。

 2155年10月27日。サルト総合大学政治経済学部パロメラ・サルト・ザトン教授が、ユリア神聖女王に面会に来た。ユリアは、執務室に案内して対談を始める。
「ユリア様、率直申し上げます。サルト銀河団連合帝国は広範囲に広がり、政治経済上1つの政治経済を維持する事が困難になります。此れを統一させるには、サルト銀河団連合帝国としての政府と議会と司法を設立し、更に、統一したサルト標準語の普及と統一紙幣を発行する必要が有ります」と、話し掛けるサルト総合大学政治経済学部パロメラ・サルト・ザトン教授。
「私は科学者で有るので、政治経済に付いては全く解らない。全てを託して宜しいかしら」と、問い掛けるユリア。
「解りました。では、私が責任を持って築き上げます」と、答えるパロメラ・サルト・ザトン教授。
「ではお願いします」と、依頼するユリア。

 2155年10月28日。ユリア神聖女王は、バロデロス銀河連邦共和国アロイナル・ロデス・ドロダル統轄女王から9銀河連邦共和国同盟結成したとの報告を受ける。
「アロイナル、話し合いは終了したのですね」と、話し掛けるユリア神聖女王。
「はい、ユリア様。満場一致で私が9銀河連邦共和国同盟の盟主に選任されました」と、報告するアロイナル統轄女王。
「おめでとう。此れで残りの23銀河帝国は手出し出来ないでしょう」と、話し掛けるユリア。
「此れから残りの23銀河帝国に向けてメッセージを送りプレッシャーを与える予定です」と、話し掛けながら微笑む。
「楽しみしてます。では、私は9銀河連邦共和国同盟銀河群から最も遠い銀河から制圧を始めよう」と、話し掛けるユリア。
「承知しましたユリア様。では此れにて失礼します」と、話し掛けてからコンタクトを切った。
 其れから小一時間後。最遠の銀河外縁に実体化する。ユリアの脳内に、第7親衛隊第1部隊ミレパラレル・フェアラ・クリス統轄大元帥の思考波が飛び込んで来る。其の情報から銀河を支配しているほぼ全てを理解する。
 ユリア神聖女王は第7親衛隊第1部隊ミレパラレル・フェアラ・クリス統轄大元帥に、ラレイナル・メレス・グルダン統轄女王とコンタクト取る様に命令する。
 命令を受け取ったミレパラレル統轄大元帥は、ラレイナル・メレス・グルダン統轄女王が隠れているゴグランタル銀河ダメル星系第3惑星メレスに瞬間移動する。
 ラレイナル・メレス・グルダン統轄女王の目の前から1メートル離れて浮揚しているが、姿を消している為に気が付かない。
 ミレパラレル統轄大元帥は思念波でラレイナル統轄女王に話し掛ける。
〈私はサルト銀河団連合帝国ユリア・サルト・ザトン神聖女王の第7親衛隊フェアラ第1部隊統轄大元帥ミレパラレル・フェアラ・クリスです。ユリア様からラレイナル統轄女王陛下とコンタクトする様に命令されましたので、思念波でコンタクトしました〉
「貴女は何処にいるの」と、呼び掛けながら周囲を見る。
〈貴女の目の前ですラレイナル統轄女王陛下〉と、思念波で伝える。
「姿を現して、出ないと話しが出来ないわ」と、話し掛ける。
〈姿を現しますので驚かないで下さい〉と、話し掛けてから姿を現す。
「アラッ、可愛い。妖精だわ」と、話し掛けるラレイナル統轄女王。
「始めまして、ミレパラレル・フェアラ・クリスです。ユリア様がラレイナル統轄女王陛下の境遇を嘆いておりまして、貴女を救済したいと考えています。ラレイナル統轄女王陛下、面談する意志は有りますか」と、問い掛けるミレパラレル・フェアラ・クリス。
 即決で「解りました。面談します」と、答える。
「有り難う御座います。では」と、話してから能力を発動してスクリーンを出現させる。
「私はサルト銀河団連合帝国神聖女王のユリア・サルト・ザトンです。反乱で奪い取られたゴグランタル銀河帝国を奪還する力添えをしたいと考えています。私の申し出を受け入れて頂けますか」と、問い掛ける。
「喜んで受け入れます」と、答えるラレイナル統轄女王。
「承知した。では、ゴグランタル銀河帝国皇帝。専制君主の独裁者バルグソン・ラタル・ゴグダル等1派を逮捕拘束して帝国を打倒したらゴグランタル銀河連邦共和国に改名し貴女に統轄女王に就任して頂きたい。宜しいか」と、問い掛けるユリア神聖女王。
「貴女は伝説のサルト人なのですね。承知致しました神聖女王陛下。貴女の御心のままに」と、話し掛けてから深々と儀礼する。
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