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後日談
レイラ、宿へやってくる
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ユーグの言った通り、レイラさんが行動を起こすのは早かった。
ユーグが決意を固めた翌日の昼過ぎには、私達が泊まる宿までやってきたのだ。
レイラさんは、少し癖のある茶色の髪と濃い緑色の瞳を持つ、気の強そうな美人だった。
宿の人に案内されて私達の部屋までやってきた彼女は、ユーグを見るなり、すい、と瞳を細める。
私が想像していた反応と全く違い、かなり驚いた。
長年待ち続けた恋人が突然あらわれ、自分は死んだと嘘の伝言を寄越したのだ。泣くか怒るか、とにかく感情をあらわにすると思っていた。
「久しぶりね、ユーグ」
まるで先月会った友人に語り掛けるような態度に、ユーグも動揺を隠せずにいる。
「え、っと……うん、久しぶり」
ユーグがどもるところを私は初めて見た。
このまま同席していていいものか。
そっとラスを見上げると、彼も困ったように眉根を寄せている。
二人で顔を見合わせ、そろり、そろりと部屋の扉に近づこうとしたが、そこへレイラさんのにこやかな声がかかった。
「いいんですよ、気を遣わなくて。むしろ、同席して頂いた方が助かります」
「そうなんですか?」
「ええ。この馬鹿を殺さずに済みますから」
……ん?
私の耳、おかしくなったのかな。
今、ものすごく物騒な言葉が聞こえた気がするんだけど――。
「先に自己紹介させて下さいね。私はレイラ。トヴィスタという町で便利屋して暮らしてます」
「トヴィスタ? どうしてそんな遠くで――」
ユーグがたまらず問いかけたが、レイラさんの視線は私とラスから離れない。
華麗に無視されたユーグは、悲しそうに肩を落とした。
「便利屋さん、ですか?」
「ええ。魔法具を作って売ってるんですよ。設置やメンテまで引き受けてるので、便利屋と呼ばれてます」
レイラさんがにこりと笑って答える。
失踪した恋人を長年待ち続けた、という悲壮な雰囲気はどこにもない。
私にタリム人ほどの嗅覚はないけれど、一人逞しく生きている強い女性の匂いがした。
「私はミカといいます。西の島に落ちたただびとです。こちらは、夫のラス。ユーグを拾ったのは、義父なんです」
自己紹介とユーグと一緒にいる理由を一緒に述べる。
「……拾った?」
ここへ来て初めて、レイラさんの顔が曇る。
ユーグを見て、話していいか? と目顔で尋ねる。ユーグが力なく頷くのを確認し、私は簡潔にユーグの身に起きた不幸を話した。
レイラさんの表情が、みるみるうちに苦し気なものに変わっていく。
美しい緑色の瞳に浮かぶ紛れもない苦痛に、私は内心ホッとした。
彼女はまだ、ユーグを大切に想ってくれている。
「そうだったんですね……。今回は、ミカさんとラスさんの頼みで、ジャンプしてきた、と」
「はい」
レイラさんがようやくユーグに向き直る。
私達が話してる間に心を落ち着かせたのか、ユーグもまっすぐレイラさんを見つめた。
「前回私を捨てたのが、あなたの意思じゃなかったことは分かったわ。でも今回はあなたの意思よね?」
「捨てたわけじゃない!」
すかさずユーグが否定する。
彼は私が見たこともない必死な顔で、レイラさんに訴えた。
「私だって君と離れたくなかった。ずっと一緒にいたかった!」
「じゃあ、どうして迎えに来てくれなかったの? どうしてリンに嘘をつかせたの」
レイラさんがどこまでも静かな声で糾弾する。
ユーグは、ぐ、と言葉に詰まった後、きつく拳を握りしめた。
「君に合わせる顔がなかった。私のような『禁忌の子』なんか忘れて、他の立派な男と結ばれた方が、君の幸せだって……そう、思って」
本当にそう思っているわけじゃないことは、ユーグの悔しそうな表情からよく分かる。
「私の幸せは、私が決めるわ。あなたじゃない」
「そうだけど! でも、……でも」
レイラさんはふ、と微笑んだ。まるで、だだをこねる幼児を見るような眼差しでユーグを包む。
あ、これはユーグじゃ勝てないわ。
ユーグの生涯の番は、あまりにも器が大きい。
彼がレイラさんじゃないとダメだと言い張った理由が分かった。
「正直に言いなさいよ。怖かったんだって」
レイラさんのからかうような声に、ユーグはぼたぼたと大粒の涙を零し始める。
「怖かったよ! 当たり前だろ! 惚れぬいた女を酷い目に遭わせると分かってて、それでも一緒にいたいなんて言えるか! 嫌われるかもしれないのに、会いにいけるかよ!」
ユーグの本音は、傍で聞いているだけの私にも深く刺さった。
あまりに臆病で、愚かで、そして一途な愛の告白に、レイラさんはすう、と大きく息を吸う。
彼女は次の瞬間、びしりとユーグを指差し、叫んだ。
「だから馬鹿だって言ってんのよ! そんなことくらいで、私の気持ちを疑うなんて許せないっ!」
レイラさんの豊かな茶色の髪が、巻き上がる。
もちろん、風なんて吹いてない。彼女の人差し指が金色に発光しているせいだ。溢れる魔法の力が、部屋に突風を巻き起こしている。あまりに眩い光に、私は顔を背けた。
「そんなこと!? 私は、禁忌の子なんだぞ、レイラ。産まれてはいけない罪の子だ。将来なんてどこにもない。君と無邪気にじゃれ合ってた頃とは、事情が違うんだ!」
「だから? だから私に嘘をついて、捨てようとしたってわけね。……ふふふ。そんなに死んだことにしたいのなら、私が手を下してあげる」
「お、落ち着け! 私に魔法はまず……うわあああっ!」
「避けるなっ!」
「普通に避けるだろ! 私が魔法で傷つけば、君の指は落ちるんだぞ!?」
「いいよ、それでも」
レイラさんは泣いていた。
きつく歯を食いしばり、瞳に憤りを滾らせながら泣いていた。
「どうせユーグが死んだら、生きていられないんだから」
ユーグが唖然と口を開く。
立ち竦んだ彼の真横に、強烈な雷が落ちた。
絨毯が、じゅ、と焦げる音がする。
「……レイラ……レイラ……!」
ユーグが胸を押さえ、苦し気に彼女の名を呼ぶ。
命が惜しい私達は、この隙に退散することにした。
宿から修繕費を要求されるかもしれないが、それは二人に払ってもらおうと決意する。
扉を閉める瞬間、ユーグが暴れるレイラさんを抱き締めている姿が目に入った。
レイラさんの膝蹴りが綺麗にお腹に決まり、ユーグが吹っ飛んでいくのを最後に扉が閉まる。
「……大丈夫かな、あれ」
ラスを見上げると、彼は何ともいえない顔で「たぶん」と言った。
ユーグが決意を固めた翌日の昼過ぎには、私達が泊まる宿までやってきたのだ。
レイラさんは、少し癖のある茶色の髪と濃い緑色の瞳を持つ、気の強そうな美人だった。
宿の人に案内されて私達の部屋までやってきた彼女は、ユーグを見るなり、すい、と瞳を細める。
私が想像していた反応と全く違い、かなり驚いた。
長年待ち続けた恋人が突然あらわれ、自分は死んだと嘘の伝言を寄越したのだ。泣くか怒るか、とにかく感情をあらわにすると思っていた。
「久しぶりね、ユーグ」
まるで先月会った友人に語り掛けるような態度に、ユーグも動揺を隠せずにいる。
「え、っと……うん、久しぶり」
ユーグがどもるところを私は初めて見た。
このまま同席していていいものか。
そっとラスを見上げると、彼も困ったように眉根を寄せている。
二人で顔を見合わせ、そろり、そろりと部屋の扉に近づこうとしたが、そこへレイラさんのにこやかな声がかかった。
「いいんですよ、気を遣わなくて。むしろ、同席して頂いた方が助かります」
「そうなんですか?」
「ええ。この馬鹿を殺さずに済みますから」
……ん?
私の耳、おかしくなったのかな。
今、ものすごく物騒な言葉が聞こえた気がするんだけど――。
「先に自己紹介させて下さいね。私はレイラ。トヴィスタという町で便利屋して暮らしてます」
「トヴィスタ? どうしてそんな遠くで――」
ユーグがたまらず問いかけたが、レイラさんの視線は私とラスから離れない。
華麗に無視されたユーグは、悲しそうに肩を落とした。
「便利屋さん、ですか?」
「ええ。魔法具を作って売ってるんですよ。設置やメンテまで引き受けてるので、便利屋と呼ばれてます」
レイラさんがにこりと笑って答える。
失踪した恋人を長年待ち続けた、という悲壮な雰囲気はどこにもない。
私にタリム人ほどの嗅覚はないけれど、一人逞しく生きている強い女性の匂いがした。
「私はミカといいます。西の島に落ちたただびとです。こちらは、夫のラス。ユーグを拾ったのは、義父なんです」
自己紹介とユーグと一緒にいる理由を一緒に述べる。
「……拾った?」
ここへ来て初めて、レイラさんの顔が曇る。
ユーグを見て、話していいか? と目顔で尋ねる。ユーグが力なく頷くのを確認し、私は簡潔にユーグの身に起きた不幸を話した。
レイラさんの表情が、みるみるうちに苦し気なものに変わっていく。
美しい緑色の瞳に浮かぶ紛れもない苦痛に、私は内心ホッとした。
彼女はまだ、ユーグを大切に想ってくれている。
「そうだったんですね……。今回は、ミカさんとラスさんの頼みで、ジャンプしてきた、と」
「はい」
レイラさんがようやくユーグに向き直る。
私達が話してる間に心を落ち着かせたのか、ユーグもまっすぐレイラさんを見つめた。
「前回私を捨てたのが、あなたの意思じゃなかったことは分かったわ。でも今回はあなたの意思よね?」
「捨てたわけじゃない!」
すかさずユーグが否定する。
彼は私が見たこともない必死な顔で、レイラさんに訴えた。
「私だって君と離れたくなかった。ずっと一緒にいたかった!」
「じゃあ、どうして迎えに来てくれなかったの? どうしてリンに嘘をつかせたの」
レイラさんがどこまでも静かな声で糾弾する。
ユーグは、ぐ、と言葉に詰まった後、きつく拳を握りしめた。
「君に合わせる顔がなかった。私のような『禁忌の子』なんか忘れて、他の立派な男と結ばれた方が、君の幸せだって……そう、思って」
本当にそう思っているわけじゃないことは、ユーグの悔しそうな表情からよく分かる。
「私の幸せは、私が決めるわ。あなたじゃない」
「そうだけど! でも、……でも」
レイラさんはふ、と微笑んだ。まるで、だだをこねる幼児を見るような眼差しでユーグを包む。
あ、これはユーグじゃ勝てないわ。
ユーグの生涯の番は、あまりにも器が大きい。
彼がレイラさんじゃないとダメだと言い張った理由が分かった。
「正直に言いなさいよ。怖かったんだって」
レイラさんのからかうような声に、ユーグはぼたぼたと大粒の涙を零し始める。
「怖かったよ! 当たり前だろ! 惚れぬいた女を酷い目に遭わせると分かってて、それでも一緒にいたいなんて言えるか! 嫌われるかもしれないのに、会いにいけるかよ!」
ユーグの本音は、傍で聞いているだけの私にも深く刺さった。
あまりに臆病で、愚かで、そして一途な愛の告白に、レイラさんはすう、と大きく息を吸う。
彼女は次の瞬間、びしりとユーグを指差し、叫んだ。
「だから馬鹿だって言ってんのよ! そんなことくらいで、私の気持ちを疑うなんて許せないっ!」
レイラさんの豊かな茶色の髪が、巻き上がる。
もちろん、風なんて吹いてない。彼女の人差し指が金色に発光しているせいだ。溢れる魔法の力が、部屋に突風を巻き起こしている。あまりに眩い光に、私は顔を背けた。
「そんなこと!? 私は、禁忌の子なんだぞ、レイラ。産まれてはいけない罪の子だ。将来なんてどこにもない。君と無邪気にじゃれ合ってた頃とは、事情が違うんだ!」
「だから? だから私に嘘をついて、捨てようとしたってわけね。……ふふふ。そんなに死んだことにしたいのなら、私が手を下してあげる」
「お、落ち着け! 私に魔法はまず……うわあああっ!」
「避けるなっ!」
「普通に避けるだろ! 私が魔法で傷つけば、君の指は落ちるんだぞ!?」
「いいよ、それでも」
レイラさんは泣いていた。
きつく歯を食いしばり、瞳に憤りを滾らせながら泣いていた。
「どうせユーグが死んだら、生きていられないんだから」
ユーグが唖然と口を開く。
立ち竦んだ彼の真横に、強烈な雷が落ちた。
絨毯が、じゅ、と焦げる音がする。
「……レイラ……レイラ……!」
ユーグが胸を押さえ、苦し気に彼女の名を呼ぶ。
命が惜しい私達は、この隙に退散することにした。
宿から修繕費を要求されるかもしれないが、それは二人に払ってもらおうと決意する。
扉を閉める瞬間、ユーグが暴れるレイラさんを抱き締めている姿が目に入った。
レイラさんの膝蹴りが綺麗にお腹に決まり、ユーグが吹っ飛んでいくのを最後に扉が閉まる。
「……大丈夫かな、あれ」
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