転生したら地獄だった

転生したら地獄だった#7

つまり、エンマ様の部屋へ行く時間になったということだ。
心臓がうるさい。緊張でどうにかなってしまいそうだ。
コンコンっ
「入れ」
「失礼します。」
「何の御用でしょうか？」　
「そこに座れ」
そう言って指さされた場所はエンマ様の真ん前の一人掛けのソファだった。
「失礼します」
「早速で悪いが本題に入らせてもらう」
「一昨日、新たなやつが来た。」
「その教育係を務めて欲しい。」
「えっ？私…ですか？」
「勿論そうだ、アン。」
「私なんかで大丈夫ですか？」
「私なんかってな…もう1年経つぞ？」
「もうそんなに⁉︎分かりました。
ご満足頂けるように精一杯頑張ります」
「ああ、頼む。そいつの名前はリンだ。」
「話は以上だ。き、今日もご苦労だったな。」
そうエンマ様が労ってくださった。
「では、失礼します」

「はぁ～緊張した…」
「私に教育係なんて務まるかな～」
今までだってドジばっかりだったのにと不安になっている。
（リンちゃんってどんな子だろ？）
不安と期待の入り混じっている複雑な気持ちで私はベッドへ入った。

翌日。
「ふぁ～、眠いな🥱｣
いつも通り朝礼へ向かう。
エンマ様の隣にいるあの子がおそらくリンちゃんだろう。
「おはよう。新人を紹介する。リンだ。教育係はアンに頼んである。皆もよろしく頼むぞ。」
朝礼が終わり私は、リンちゃんのもとへ向かった。
リンちゃんはくりっとした茶色い瞳とふわふわした栗色の髪の毛の女の子だった。
「おはよう、リンちゃん！教育係のアンです。よろしくね」
「おはようございます。こちらこそよろしくお願いします」
「今日のリンちゃんの仕事は？」
「洗濯物です」
「じゃあ、行こっか」
「はい」
「何か心配なことはない？」
「1つだけあります。私、昔から色々やらかしてるんです。」