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許嫁と学校

44_美少女の頑張りとご褒美

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家に帰ったら、栞(しおり)さんはいなくなっていた。
車もなくなっていたので、帰ったのだろう。
その代わりに、ものすごく丁寧な謝罪文がテーブルの上に置かれていた。

内容は・・・彼女の名誉のために、ここでは控えよう。
大人の世界には色々あるみたいだなぁ・・・

ところで、クラスでのさくらの立ち振る舞いを見ていて思ったことがある。
彼女は地元から全てを捨ててうちにやってきた。
知らない俺と、知らない家で暮らすっていうのは大変なことじゃないだろうか。

しかも、栞(しおり)さんに品定めされるようなことをされても、笑顔で対応。
知り合いなんて俺しかいない学校でも1日でクラスの連中と打ち解けてしまった。

家の中でも、俺とずっと接しているわけで。
失敗が許されないと思ったら、緊張もしているだろう。

ずっと緊張した中での生活・・・考えただけで、俺には無理だった。

こうして、俺がリビングのソファにぼんやり座っている時だって、さくらは俺のために何かしてくれている。

「さくら、ちょっと来て!」

「はーい。すぐ行きます!」

キッチンから出てきたさくら。
ソファの俺のすぐ横に座って、にこにことこちらを見ている。

うわー、近くで見ると、やっぱり可愛いわぁ。
大きな目がこちらを見ている。
それだけでドキドキしてしまう・・・

いや、今はそうじゃない!

「さくら、色々我慢していることがあるだろ?」

「え?!なぜそれを!?さすが、ごしゅ・・・セリカくん!」

やっぱりな・・・
精神的な重圧は大きいはず。
たまには、気が抜けるタイミングを作ってやらないと、彼女も爆発してしまうだろう。

「いつも頑張ってくれているから、お礼になんでも願いを叶えるぞ」

「え!?何でもですか!?」

「ああ、ただ、俺にできることだけだからな」

「セリカくんがご褒美・・・」

ご褒美って言うか、お礼な。
何かご褒美って上から下に渡すイメージで、お礼は対等か下から上っていうイメージがあるんだけど・・・
まあ、いいか。

「ひとっ、ひとつだけですか!?」

ああ、色々やって欲しい事とかあるのかな。
『脱いだ服は洗濯機に入れて』とか、ふたつみっつ言いたいこともあるだろう。

「よし、じゃあ、3つまで。3つでどう?」

「は、はい。3つ・・・」

さくらはちょっと考えて1つ目はすぐに出てきた。

「じゃあ、セリカくんは、そのままソファに座っていてください」

「え?あ、うん」

「そして、私が・・・」

そう言うと、さくらが、ソファの上に仰向けに寝転がり、俺に膝に膝枕の状態で頭をのせてきた。
膝枕してほしかったのかな?

「じゃあ、その状態で、私のお腹を撫でてください」

「は!?」

「だから、このまま私のお腹を撫でてください♪」

さくらは家に帰って制服から私服に着替えていたのだが、割とミニのスカートにヒラヒラしたシャツだ。
生地は薄目(うすめ)なので、お腹を撫でるとなると、それなりに緊張する。

そもそも何だこの行為。
他で見たことがない。

「セリカくん!お願いします!」

ま、まあ、俺が言いだしたことだしなぁ。

(さすさす)「あっ!」

何か際どい声を上げるんじゃない!
さくらは、膝を立てて、もじもじと悶えている。

(さすさすさす)「あっ、ああん!」

薄い生地越しに、さくらのお腹の感じと体温が指に伝わってくる。
さくらは膝を更にもじもじさせ、艶めかしい声で悶えている。
もう、これアウトだろ!

「(はあ、はあ、はあ、はあ)ご主人様、これ最高です・・・」

さくらが起き上がってサムズアップで言った。
もう『セリカくん』忘れて『ご主人様』になっちゃってるじゃん。

「じゃあ、2つ目・・・お願いします」

「ああ、2つ目は何?」

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