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第二章 俺の外れスキルは『ものマネ』 ~ジェミニ王国のディオの場合
第04話 暗躍
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あれから一週間経った。俺は毎日スライムを狩った。
最初の内は俺がいっぱいスライムを狩ってしまうと、他の新人冒険者の分が無くなると思い、遠慮して一日五十匹までしか狩らなかったのだが、数日前に一つ気付いた事がある。
それは『スライムの鳴き声』を使って現れたスライムは別に近くから応援に駆けつけた訳ではないと言う事。
最初は草陰や岩陰から出てきたので気づかなかったけど、ある時、毎回すぐに現れるので不思議に思い、何も隠れる場所がないただの平地でスキルを使ってみた。
そしたら小さな魔方陣が現れそこからポワァっとスライムが出現したのだ。
スライムは分裂で増えると聞いたことがあるが、近くに一匹も居なかったので分裂ではないと判断した。
じゃあ何か? と言うと考えられるのは『スライムの鳴き声』は仲間に助けを求めているのではなく、魔方陣が現れた事からしてどこかのスライムを強制的に召喚しているのでは? との結論にたどり着いたわけだ。
森の奥にはスライムが大量にいるって聞いているので、それからは遠慮なく『スライムの鳴き声』を使って討伐している。
ただ疑問が残る。それは俺が『召喚魔法』のスキルは持ってないと言う事だ。声をマネただけで『召喚魔法』が使えるとはちょっと考え難い。
しかも俺が召喚したスライムは別に俺の言う事を聞いてくれるわけじゃないし、なんなら襲って来るので普通の『召喚魔法』とは違うと思う。
となると『ものマネ』スキルは俺が思っている以上に特殊なスキルなのかもしれない。
まあ色々疑問は残るんだが、おかげで冒険者ランクも『E』になりスキルもレベル2になった。
レベル2で覚えたのは『スロットの数が2つになる』だった。
ただ今は、『声マネ』したい相手も居ないのでスロットには何も入れていない。
さて今日もノルマのスライム二百匹を討伐したし、ギルドに戻るとするか。
あとちなみに今俺はギルド内では『スライムキラー』と影で呼ばれている……。
▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽
――そこに四人の男が集まっていた。スクロイとその配下の男達だ。
仕事とも稽古もせず昼から酒を飲み、女を侍らせくだらない話をしていた。
スクロイが次期領主に決まってからはいつもの光景だ。
現領主であるアパレウスが『祝福の儀』の後すぐに私用で王都に出向いており、スクロイはやりたい放題だった。
案の定、剣術の先生も勝手に首にしていた。――
~領主ポルックス家の屋敷 スクロイの部屋 スクロイ視点side
「そう言えばスクロイ様、面白い話を聞いたでやんすよ」
「面白い話?」
「ええ、なんでも『スライムキラー』と呼ばれスライムばかり、しかも大量に倒している新人冒険者がいるって話でやんす」
「はっはっはっ!『スライムキラー』だと。なんだ一体その恥ずかしい二つ名は!――んっ? 新人冒険者だと? まさか……」
「そうでやんす、へへっ、スクロイ様の双子の兄の――はっ……」
チッ、言ってはいけない言葉だった事に途中で気づいたんだろ、慌てて手で口を押さえやがった。
「おい貴様! 俺様には双子の兄などいない!」
怒鳴り散らすとさっきまでキャッキャと騒いでいた女共も大人しくなった。
「す、すまねぇでやんす……」
「気を付けろよ、クソが」
それにしても奴め、やはり冒険者になっていたか、クソッ、冒険者になれない様に冒険者ギルドに手回しさせたがうまくいかなかったのか……、しかも俺様と同じ顔をしといて『スライムキラー』とか糞ダサいあだ名を付けられやがって。
「……始末するか」
思わず声に出てしまったようだ。
「「「え?」」」
「そうだ、始末すればいい……、次期領主である俺様と同じ顔をしている奴が冒険者など糞みたいな仕事をしていいわけがないだろ!」
「そりゃそうですが……しかし、本当にやるんで? もし始末した後でアパレウス様にばれたら……」
「親父にばれなきゃいいだけだろ、どうせ二ヶ月は戻って来ねぇんだから、やるなら今しかないだろ」
女共の前に数枚金貨を投げつけた。
「死にたくなかったらその金を黙って受け取って屋敷から出て行け、そして今聞いたことは忘れろ、いいな、もし誰かにしゃべったら……」
女共は金貨を拾うとそそくさと部屋を出て行った。
「さてと、まずは奴の狩場を調べろ、まあどうせ近くの森だと思うが」
「わかりやした、スクロイ様が『祝福の儀』を受ける前からあっしらとちょくちょく行っていた北にある森でやんすね」
「北の森……魔物の森ですかぁ……」
別の男が口を挟んできた。
「ん? どうした? 何か問題でもあるのか?」
「いえ、そうではないのですが、『祝福の儀』が終わったこの時期、新人冒険者共が増えるので北の森の入り口付近の魔物はすぐ狩られて、森の奥まで行かないとスライムとかあんまり居ないんですよ」
「じゃあディオは森の奥で狩っているんだろ?」
「しかしまだ冒険者になって一週間ですよね、それで森の奥まで行けるのかって言われれば……しかも魔物の森ですよ」
「……そうだな、しかもディオのスキルは戦い向きじゃねぇ……、まあいいそれを踏まえてちょっと調べて来い」
「「「わかりやした」」」
こいつらは元冒険者でランクは全員D、ジョブは『下級剣士』、スキルは『下級剣術』。元々はCランクのパーティーだったが、こいつらを引っ張っていた優秀なリーダーがなにかの依頼の時、こいつらのヘマで死んだらしい。
それが原因でメンバー補充も上手くいかず、仕方なく残った三人で依頼を受けていたが依頼失敗が続きパーティーランクも個人ランクも下がって、自分達の実力ではこれ以上ランクが上がらないと分かり、やる気がなくなって街でゴロツキみたいなことをして暮らしていたそうだ。
たまたま街でこいつらを見つけ、俺様も手足になる奴が欲しいと思っていたので雇った。金など屋敷にある物をこっそり売れば何とかなるからな。
ただ最近親父にばれそうになっていたので、『祝福の儀』の一件があってほんと助かったぜ。
…………
それから数日が経った。
「どうだった?」
「へい、やっぱり魔物の森で狩りをしていやした、だた……」
「ただ? どうした?」
「ばれねぇように遠くから後を付けて見ていたんでやすが、あいつの周りだけスライムがいっぱいいやした」
「スライムをおびき寄せる餌でも持っていたのか?」
「いえ、餌をまいているようには見えなかったんでやすが口笛は吹いてやした」
「口笛だと……? ディオのスキルの能力か?」
「スキル? たしか『ものマネ』でやしたっけ?」
「ああ」
くそっ、もしかして『ものマネ』は有能なスキルだったのか? いや違うクズスキルだ、じゃなきゃまた前の状況に戻っちまう、外れスキルじゃなきゃダメなんだよ!――やはり始末しなければ……。
「よし、出かけるぞ!」
「へ? どこへでやすか?」
「決まっているだろ、魔物の森だ」
最初の内は俺がいっぱいスライムを狩ってしまうと、他の新人冒険者の分が無くなると思い、遠慮して一日五十匹までしか狩らなかったのだが、数日前に一つ気付いた事がある。
それは『スライムの鳴き声』を使って現れたスライムは別に近くから応援に駆けつけた訳ではないと言う事。
最初は草陰や岩陰から出てきたので気づかなかったけど、ある時、毎回すぐに現れるので不思議に思い、何も隠れる場所がないただの平地でスキルを使ってみた。
そしたら小さな魔方陣が現れそこからポワァっとスライムが出現したのだ。
スライムは分裂で増えると聞いたことがあるが、近くに一匹も居なかったので分裂ではないと判断した。
じゃあ何か? と言うと考えられるのは『スライムの鳴き声』は仲間に助けを求めているのではなく、魔方陣が現れた事からしてどこかのスライムを強制的に召喚しているのでは? との結論にたどり着いたわけだ。
森の奥にはスライムが大量にいるって聞いているので、それからは遠慮なく『スライムの鳴き声』を使って討伐している。
ただ疑問が残る。それは俺が『召喚魔法』のスキルは持ってないと言う事だ。声をマネただけで『召喚魔法』が使えるとはちょっと考え難い。
しかも俺が召喚したスライムは別に俺の言う事を聞いてくれるわけじゃないし、なんなら襲って来るので普通の『召喚魔法』とは違うと思う。
となると『ものマネ』スキルは俺が思っている以上に特殊なスキルなのかもしれない。
まあ色々疑問は残るんだが、おかげで冒険者ランクも『E』になりスキルもレベル2になった。
レベル2で覚えたのは『スロットの数が2つになる』だった。
ただ今は、『声マネ』したい相手も居ないのでスロットには何も入れていない。
さて今日もノルマのスライム二百匹を討伐したし、ギルドに戻るとするか。
あとちなみに今俺はギルド内では『スライムキラー』と影で呼ばれている……。
▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽
――そこに四人の男が集まっていた。スクロイとその配下の男達だ。
仕事とも稽古もせず昼から酒を飲み、女を侍らせくだらない話をしていた。
スクロイが次期領主に決まってからはいつもの光景だ。
現領主であるアパレウスが『祝福の儀』の後すぐに私用で王都に出向いており、スクロイはやりたい放題だった。
案の定、剣術の先生も勝手に首にしていた。――
~領主ポルックス家の屋敷 スクロイの部屋 スクロイ視点side
「そう言えばスクロイ様、面白い話を聞いたでやんすよ」
「面白い話?」
「ええ、なんでも『スライムキラー』と呼ばれスライムばかり、しかも大量に倒している新人冒険者がいるって話でやんす」
「はっはっはっ!『スライムキラー』だと。なんだ一体その恥ずかしい二つ名は!――んっ? 新人冒険者だと? まさか……」
「そうでやんす、へへっ、スクロイ様の双子の兄の――はっ……」
チッ、言ってはいけない言葉だった事に途中で気づいたんだろ、慌てて手で口を押さえやがった。
「おい貴様! 俺様には双子の兄などいない!」
怒鳴り散らすとさっきまでキャッキャと騒いでいた女共も大人しくなった。
「す、すまねぇでやんす……」
「気を付けろよ、クソが」
それにしても奴め、やはり冒険者になっていたか、クソッ、冒険者になれない様に冒険者ギルドに手回しさせたがうまくいかなかったのか……、しかも俺様と同じ顔をしといて『スライムキラー』とか糞ダサいあだ名を付けられやがって。
「……始末するか」
思わず声に出てしまったようだ。
「「「え?」」」
「そうだ、始末すればいい……、次期領主である俺様と同じ顔をしている奴が冒険者など糞みたいな仕事をしていいわけがないだろ!」
「そりゃそうですが……しかし、本当にやるんで? もし始末した後でアパレウス様にばれたら……」
「親父にばれなきゃいいだけだろ、どうせ二ヶ月は戻って来ねぇんだから、やるなら今しかないだろ」
女共の前に数枚金貨を投げつけた。
「死にたくなかったらその金を黙って受け取って屋敷から出て行け、そして今聞いたことは忘れろ、いいな、もし誰かにしゃべったら……」
女共は金貨を拾うとそそくさと部屋を出て行った。
「さてと、まずは奴の狩場を調べろ、まあどうせ近くの森だと思うが」
「わかりやした、スクロイ様が『祝福の儀』を受ける前からあっしらとちょくちょく行っていた北にある森でやんすね」
「北の森……魔物の森ですかぁ……」
別の男が口を挟んできた。
「ん? どうした? 何か問題でもあるのか?」
「いえ、そうではないのですが、『祝福の儀』が終わったこの時期、新人冒険者共が増えるので北の森の入り口付近の魔物はすぐ狩られて、森の奥まで行かないとスライムとかあんまり居ないんですよ」
「じゃあディオは森の奥で狩っているんだろ?」
「しかしまだ冒険者になって一週間ですよね、それで森の奥まで行けるのかって言われれば……しかも魔物の森ですよ」
「……そうだな、しかもディオのスキルは戦い向きじゃねぇ……、まあいいそれを踏まえてちょっと調べて来い」
「「「わかりやした」」」
こいつらは元冒険者でランクは全員D、ジョブは『下級剣士』、スキルは『下級剣術』。元々はCランクのパーティーだったが、こいつらを引っ張っていた優秀なリーダーがなにかの依頼の時、こいつらのヘマで死んだらしい。
それが原因でメンバー補充も上手くいかず、仕方なく残った三人で依頼を受けていたが依頼失敗が続きパーティーランクも個人ランクも下がって、自分達の実力ではこれ以上ランクが上がらないと分かり、やる気がなくなって街でゴロツキみたいなことをして暮らしていたそうだ。
たまたま街でこいつらを見つけ、俺様も手足になる奴が欲しいと思っていたので雇った。金など屋敷にある物をこっそり売れば何とかなるからな。
ただ最近親父にばれそうになっていたので、『祝福の儀』の一件があってほんと助かったぜ。
…………
それから数日が経った。
「どうだった?」
「へい、やっぱり魔物の森で狩りをしていやした、だた……」
「ただ? どうした?」
「ばれねぇように遠くから後を付けて見ていたんでやすが、あいつの周りだけスライムがいっぱいいやした」
「スライムをおびき寄せる餌でも持っていたのか?」
「いえ、餌をまいているようには見えなかったんでやすが口笛は吹いてやした」
「口笛だと……? ディオのスキルの能力か?」
「スキル? たしか『ものマネ』でやしたっけ?」
「ああ」
くそっ、もしかして『ものマネ』は有能なスキルだったのか? いや違うクズスキルだ、じゃなきゃまた前の状況に戻っちまう、外れスキルじゃなきゃダメなんだよ!――やはり始末しなければ……。
「よし、出かけるぞ!」
「へ? どこへでやすか?」
「決まっているだろ、魔物の森だ」
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※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。
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