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14.
しおりを挟む…いや、
……いや、なんですか此処は。
石橋を渡り、目的地に着いたらしく停まった馬車から促されるまま降りて、聳え立つ大きな門を見上げてイヤな予感がビシバシしてくる。だって思い切り見上げないと門の天辺見えないよ…? こんな巨大な門の奥には一体何があるというんだ。
「ここで待っていてくれ」
屋敷からついて来ていた護衛のひとたちに言い置き、男が歩いていく。私も慌ててその背を追った。とにかく付いて行くしかない。
門をくぐると、今度は勾配が緩やかでやたら長い階段が円形で拡がっていた。
階建を登りきり、顔を上げて硬直した。
私が見上げた先にはとんでもなく荘厳な建物が佇んでいた。
左右対称に大きな円形のドーム状の塔が立ち、その中央には尖った小さな塔が整然と立ち並んだ建物が聳えている。
教会と小耳に挟んだけど、これが大聖堂だと言うなら豪華すぎる。これは大聖堂じゃなくて神殿だよ。
学校の教科書に載ってそう…。いや歴史の便覧とかで既にもう見た気がする。
土足で入っていいのかと思わず忍び足になりそうになり、隣の男の険しい視線に、慌てて背筋を伸ばす。
でも一般庶民代表の私は正しい反応だと思うよ。
対して、両脇に立つ門兵に恭しく腰を折られ、大聖堂らしき建物の重厚な扉を開けられれば、銀髪さんはど真ん中を悠々と通っていく。遅れないよう続きながら、このひとどんな神経してんだと慄いた。
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