29 / 46
一子との再会
3.
しおりを挟む日が沈み行く頃となると、暑さはいくらかましになる。
とはいえ、夏真っ盛りの今時分は、首筋を伝い落ちる汗を止める術はない。
汗を拭う昭仁の傍らを歩く朔良を見ると、彼の細い首筋を汗が滑っていくのが偶然見えた。常時、涼しげな佇まいの彼でも汗をかくのかと、昭仁は見当違いな感慨を抱いた。
シャツ一枚の昭仁に比べ、朔良は夏仕様とはいえ着物だ。烏の羽のような髪も長い。感じる暑さは比べるべくもないだろう。それでも朔良は、昭仁の誘いに毎回頷く。暑い、疲れたなどと不満を垂れたことも一度としてない。
単に我慢強いのかそれとも。
昭仁にはまだ判断が出来ない。
「あった…」
目的の祠は、山に入り、ほどなく見付かった。
それは、生い茂った木々に守られるようにある。祠の扉は閉じられていて、中の御神体を拝むことはできない。
けれど、
「花が供えられてるな」
そのもとには、一輪の花が供えられていた。
それを一目見て、朔良が言う。
「禊萩ですね」
「へえ…よく知ってるなあ」
昭仁が感心する。彼は名前どころかただの草としか思っていなかった。
話に聞くと、村の人々は農作物の豊作を、この祠の神に祈るのだという。古い祠と聞いていたが、崩れたところもない。大事にされているのだろう。
祠の前で屈み込んで手を合わせる。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
男子中学生から女子校生になった僕
葵
大衆娯楽
僕はある日突然、母と姉に強制的に女の子として育てられる事になった。
普通に男の子として過ごしていた主人公がJKで過ごした高校3年間のお話し。
強制女装、女性と性行為、男性と性行為、羞恥、屈辱などが好きな方は是非読んでみてください!
お兄ちゃんは今日からいもうと!
沼米 さくら
ライト文芸
大倉京介、十八歳、高卒。女子小学生始めました。
親の再婚で新しくできた妹。けれど、彼女のせいで僕は、体はそのまま、他者から「女子小学生」と認識されるようになってしまった。
トイレに行けないからおもらししちゃったり、おむつをさせられたり、友達を作ったり。
身の回りで少しずつ不可思議な出来事が巻き起こっていくなか、僕は少女に染まっていく。
果たして男に戻る日はやってくるのだろうか。
強制女児女装万歳。
毎週木曜と日曜更新です。
女装とメス調教をさせられ、担任だった教師の亡くなった奥さんの代わりをさせられる元教え子の男
湊戸アサギリ
BL
また女装メス調教です。見ていただきありがとうございます。
何も知らない息子視点です。今回はエロ無しです。他の作品もよろしくお願いします。
[恥辱]りみの強制おむつ生活
rei
大衆娯楽
中学三年生になる主人公倉持りみが集会中にお漏らしをしてしまい、おむつを当てられる。
保健室の先生におむつを当ててもらうようにお願い、クラスメイトの前でおむつ着用宣言、お漏らしで小学一年生へ落第など恥辱にあふれた作品です。
初恋の幼馴染の女の子の恰好をさせられメス調教もされて「彼女」の代わりをさせられる男の娘シンガー
湊戸アサギリ
BL
またメス調教ものです。今回はエロ無しです。女装で押し倒されいますがエロはありません
女装させられ、女の代わりをさせられる屈辱路線です。メス調教ものは他にも書いていますのでよろしくお願いいたします
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる